驚くほどの純度を湛えた映画。人生最後の日に観たくなるのはきっとこんな映画なのだろう。
製作した20数本のうち殆どが失われた不幸な天才の、その遺された3本にこの作品が含まれているということの幸福とどのように向き合うべきなのか。あるいはおそらく永遠に観ることの叶わないその他にこれ以上の作品>>続きを読む
緩慢で冗長であっても『さすらい』の旅はその推進力を失わない。その連続的な「運動」は映画が構造的に負っているはずの時間的な制約さえ、忘却へと追いやってしまう。
レイとヴェンダースは私にとって映画の原点であり、それはこの映画の痛々しさとともに記憶されています。
個人的なオールタイムベストワン。
ニコラス・レイ、サミュエル・フラー、ユスターシュ、シュミット、彼らが出ているだけでこの映画を褒めざるを得ない。その意味では構造的に卑怯な映画であるけれど、僕が初めて>>続きを読む
ヴェンダースは『パリ・テキサス』に続き、〈見る〉という行為の特権性を意識した傑作を作り上げた。それは『パリ・テキサス』においてある唐突性を伴いながら出現するあの覗き部屋とは異なって、天使というおそろし>>続きを読む