地方農村の再開発を題材にしたシニカルなヒューマンドラマなのだが、突発的なラストがどこか不条理劇のようなテイストを持ち込み、何とも評しがたい作品となっている。
監督、脚本は「ドライブ・マイ・カー」>>続きを読む
前作にもまして更に軽快且つコミカルなテイストが横溢し、もはやここまでくると、ある種の”開き直り”を覚えてしまうのだが、それが良い意味で頭を使わずに観れるポップコーンムービー的楽しさに繋がっているよう>>続きを読む
若い女性がガソリンをかけられて生きたまま焼き殺されるというショッキングなシーンから始まる本作。フランスで実際に起きた事件を元にしているというから、何とも衝撃的である。
映画はこの事件を書いたノン>>続きを読む
”呪われた一家”とも言われるフォン・エリック家であるが、その波乱に満ちた運命は実に悲劇的だ。これが実話ベースというから、何ともやりきれない思いにさせられる。自分はそこまで迷信を信じる方ではないが、流>>続きを読む
開幕から意表を突く導入であるが、実はこれがクライマックスの伏線になっていることに感嘆してしまった。
ミゲルの未完の映画「別れのまなざし」は、フリオ演じる主人公がある大富豪から娘の捜索を依頼される>>続きを読む
オッペンハイマーについてのドキュメンタリーを事前に見ていたので、ある程度知識は入っていたが、改めて本作を観ると彼の苦悩や周辺人物、マンハッタン計画の実情というものが具体的に分かって興味深く観ることが>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
父サミュエルの転落死は自殺か、母サンドラの手によるものか?緊張感が持続する法廷劇で最後まで面白く観ることが出来た。
ただ、コトの真相は観客の解釈に委ねられる部分が多く、観終わった後にモヤモヤも残>>続きを読む
物語は前作から直結しており、スタッフ、キャストも同じということで世界観やテイストがしっかりと引き継がれていて、すんなりと入り込むことが出来た。
非情な運命を背負ったポールの足跡がドラマチックに展開>>続きを読む
”ドッグマン”ことダグラスが辿ってき人生は実に壮絶だ。ただ、余りにもカリカチュアされたキャラクターと物語、そこに教義的なメッセージも入り込むため如何様にも解釈できるようなドラマになっている。
例>>続きを読む
PMS(月経前症候群)やパニック障害について色々と知ることが出来たというだけでも本作を観た甲斐があったように思う。幸い自分の周りには藤沢や山添のような病気を抱えた人はいないが、もし偶然街中で遭遇した>>続きを読む
「ガンダム」シリーズ自体、45年という長い歴史を持つコンテンツであるが、その中でもこの「ガンダムSEED」は高い人気を誇る作品である。なんと20年ぶりの続編というから驚きである。それだけ根強いファン>>続きを読む
ボーを演じたホアキン・フェニックスの妙演に尽きる作品だと思う。
彼は常に強迫観念に苛まれながら怯えて生きている。その原因は自分を束縛する母親にあるのだが、そんなマザコン男をホアキンが終始”困り顔”>>続きを読む
極限まで削ぎ落された語り口で描かれる中年男女の恋愛談にしみじみとした味わいが感じられた。
製作、監督、脚本はフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。いかにも氏らしいオフビートなトーンが徹底されてお>>続きを読む
「フランケンシュタイン」や「マイ・フェア・レディ」のようなドラマかと思いきや、かなり毒を持った風刺劇で一筋縄ではいかない作品となっている。
グロテスクな表現やR18のレーティングが設定されているの>>続きを読む
いわゆる老々介護の問題を描いた作品だが、高齢化が進む日本でも身につまされる話ではないだろうか。ミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」が連想された。
映画は老夫婦がバルコニーで楽しそうにワインを>>続きを読む
薄暗い部屋でひっそりと息をひそめるようにして暮らす女、闇市で食べ物を盗んで暮らす孤児、PTSDに苦しむ復員兵。映画前半は彼らが織りなす疑似家族のドラマとなっている。
戦争のトラウマを抱える者同士、>>続きを読む
西部開拓時代の物語だが、いつの世にも通じる普遍性が感じられるドラマで、観終わった後には色々と考えさせられた。
貧困に喘ぐクッキーとルーは、いつか自分のホテルを持ちたい、いつか中国に戻って事業をし>>続きを読む
現在と過去を交錯させながら、ピンク映画監督と脚本家、女優の関係がユーモアとペーソスを交えながらドラマチックに描かれている。
夢や希望があった過去の回想をカラーにして、ピンク映画が斜陽の一途を辿る>>続きを読む
時制を交錯させながら市子のバックストーリーを紐解いていく構成に引き込まれ、最後まで緊張感が途切れす面白く観ることが出来た。
物語は失踪した市子を追いかける長谷川の視点で展開されていく。市子の過去>>続きを読む
中年男・平山の日常を淡々と綴る物語は平板で面白みに欠けるが、ここまで徹底されると、まるで環境ビデオでも観ているような心地よさを覚える。正に”わびさび”のような映画である。
何と言っても、ラストの>>続きを読む
イラン政府から国外に出ることを禁じられ、反政府的という理由で収監されたこともある孤高の映画作家ジャファル・パナヒ。彼は様々な抑圧を受けながら、自らを主人公に映画作りを行っている。
本作は、そんな>>続きを読む
猟奇的なシーンがあるためPG12のレーティングが設定されている。「ゲゲゲの鬼太郎」はこれまでに何度もアニメ化されているが、基本的には子供が見ても楽しめるヒーローアニメだった。唯一異色だったのは、原作>>続きを読む
ある程度ナポレオンの経歴を知った上で鑑賞したこともあり、約2時間40分という長丁場も、知識の再確認といった感じで意外に短く感じられた。ただ、波乱万丈の人生を圧縮して見せたことでダイジェスト風な作りに>>続きを読む
いわゆるフェティシズムをテーマにした物語と捉えたが、拡大解釈すれば多様性についての物語、マイノリティの苦しみ、孤独を描いた物語という風に捉えることも可能だと思う。あるいはサブキャラに着目すればまた違>>続きを読む
今回は関東地方から飛び出して関西を舞台に捧腹絶倒な笑いの世界が繰り広げられている。バカバカしくも下らないギャグの中に、関西人に対するディスりネタが豊富に仕込まれていて中々楽しめた。
メインとなる>>続きを読む
原作は未読であるが、映画化するにあたりかなり脚色されているそうである。後で調べて分かったが、原作の主人公は本作にも登場する障がい者の”きーちゃん”ということである。映画は視点を変えて洋子というオリジ>>続きを読む
「シン・ゴジラ」とはまた違った意味で、ゴジラシリーズを新しいレベルに引き上げた作品ではないだろうか。
いわゆる着ぐるみゴジラからの脱却を狙った「シン・ゴジラ」は、それだけで新機軸だったわけだが、>>続きを読む
小さな土地で起こった連続殺人事件であるが、それを改めてこうして掘り起こした意義は大きいように思う。おそらく、ほとんどの人はこのような事件があったことを知らないだろう。
そして、本作には石油に限ら>>続きを読む
昨今は「マップ・トゥ・ザ・スターズ」や「コズモポリス」と少し地味な作品が続いていたが、今回は「スキャナーズ」や「ビデオドローム」といった、ある種見世物映画的な面白さを追求した初期作品のテイストに回帰>>続きを読む
関東大震災の後に朝鮮人に対する虐殺があったことは知っていたが、その裏でこんな事件が起きていたとは知らなかった。
当時の人々が大震災によるパニック状態にあったことは理解できる。平和な暮らしがよそ者>>続きを読む
スタイリッシュな映像と過激なアクションシーンのつるべ打ちで最後まで楽しめた。
上映時間はシリーズ最長の2時間49分ということで観る前から少々尻込みしていたが、そんな心配は無用だった。その長さをまっ>>続きを読む
家の壁にドローイングされた絵と、紙や粘土で造られた人形などを組み合わせながら、悪夢のような映像世界を追求したストップモーションアニメ。
二次元の絵と三次元の人形をシームレスにつないで見せたテクニ>>続きを読む
いわゆるLGBTQをモティーフにした作品であるが、それ以上に普遍的なメロドラマとして興味深く鑑賞することができた。
この年頃の子供たちは、社会や学校といった周囲の環境にどうコミットし、そこでどう>>続きを読む
ウェス・アンダーソン監督らしい遊び心に満ち溢れた作品である。
まず、映画の構造が少し変わっていて驚かされた。アステロイド・シティで起こる悲喜こもごもは劇作家が描く劇中劇という形になっている。映画>>続きを読む
火、水、土、風の4元素を擬人化したアイディアが大変ユニークである。個人的には同じピクサー製作のアニメ「インサイドヘッド」を連想した。「インサイトヘッド」も人間の喜怒哀楽の感情を擬人化したアニメだった>>続きを読む
バービー人形を主役に一体どういう物語を作るのかと思ったら、なるほどそう来たかという感じで中々面白いと思った。バービーランドは人間界と別世界にあり、バービーとケンが両世界を往来しながら物語はファンタジ>>続きを読む