いわしさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

ウェスアンダーソン節を楽しんだ。
映像もセリフも情報量がすごくてツッコミが追い付かなかったからもう一度みたい。

架空の雑誌編集部、クセのある記者によるクセのある4つの記事に基づくドラマ。
記事の合間
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.0

主人公・石田が身辺整理を終え一歩踏みとどまったところで回想とともに軽快なオープニングが始まるアバンの流れがとても良い。
この時点でこの作品は信用できると思った。
また石田の知る由のない場面は大胆に過程
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.5

床屋オーナーおすすめシリーズ。
武士道に染まる殺し屋の黒人というキャラクターが最高。
ヒップホップをバックに鍛練したり街を歩く姿が最高にハマってる。
時代劇の仕事人モノみたいな雰囲気が楽しい。

スベ
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魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.0

たぶん単なる続編や総集編だったらみなかった。世代ではあるけどちゃんとみてたわけではなかったから。日アサはデジモン派だった。

作品をみて育った大人を描こうという勇気ある決断によって、閉じたファンムービ
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.5

オバマさんの2021年おすすめ映画、いわゆるオバマリストにあったからみた。なんとなく見終わった後にだんだん凄いものをみた気がしてきて、実際凄い作品だった。

当時、自分の暮らすコミュニティがひとりの人
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.0

Netflixにきたので#アルプススタンドのはしの方 をみた。
こういう青春物はやっぱり好き。
まずグラウンドを絶対写さなかったのが良かった。
もちろん写せないのもあるけど、テーマをはっきりさせる効果
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.5

全体的に風刺と皮肉が効いてて最高。
現在進行形でコロナ禍を経験している人類なら、繰り広げられるディストピアに苦笑いがこみあげる素晴らしい感覚が味わえる。
タイトル回収シーンが嫌すぎて笑った。
悪手に悪
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.5

あの「キングスマン」の3作目としてみると困惑するかもしれないけど、一つの歴史フィクションとして面白かった。
イングランド的な歴史観が興味深い。

もちろんいろいろトンデモなんだけど真摯(紳士)と感じる
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.5

ブラックミュージックと野外フェスが好きなら最高にハマると思う。

1969年に行われた黒人音楽フェスを貴重な映像で振り返る。
アーティストや関係者らのインタビューを通して時代背景や社会情勢を知れば、こ
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

こういう芝居ほんとすき、まさに下北沢の劇場でみたいやつ。
2分の時差という縛りがうまくて工夫を凝らす秘密基地的な楽しさがあった。
事件を通して生まれた隣人との繋がりと未来へのささやかな反抗が話の着地と
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ARIA The BENEDIZIONE(2021年製作の映画)

4.0

公開から一週間遅れでネオベネチア行ってきた。

姫屋のゴンドラ継承問題を発端に、後輩チームが奔走して舞台を整え、皆で過去を共有し未来を拓く本作品らしい展開。
描かれなかった姫屋チームのエピソードが補完
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

村上春樹を読んでいるときの独特の感覚が映像でも感じられてとてもよかった。
画もめっちゃキマッてる。

自分の知らない妻の側面に踏み込むことで関係が変わってしまうことを恐れ、相手にも自分にも向き合えない
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RENT/レント(2005年製作の映画)

4.0

TickTickBoomからのRENT。
SeasonsOfLoveほんと良い曲だね。
LaVieBoheme、TakeMeOrLeaveMeあたりもすき。

魅力的なキャラクターを持つエンジェルとの
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

ミランダ監督作品ときいてさっそく観た。

ジョナサンラーソンによる戯曲の映画化。自伝的に作る側にスポットを当てることで舞台芸術の厳しさまでもエンタメに昇華させていた。
作品時間の節目である試聴会に向け
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扉をたたく人(2007年製作の映画)

4.5

映画好きの床屋オーナーから借りた。
大学教授と移民カップルとの奇妙な出会いと真摯な交流を通じて、パートナーを亡くしてから止まったままだった心が動き出し、人のために感情を爆発させるほどになる。
そこに至
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ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)

4.5

ジャズ評論家の柳樂光隆さんが紹介していたドキュメンタリー。

「ロフト」という場所と「ユージーンスミス」という人を軸に、戦後ニューヨークのカルチャーを存分に感じることができる。
たくさんの貴重な写真と
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コーチ・カーター(2005年製作の映画)

4.5

バスケ観るのが好きで教育にも関心があるから刺さった。

学生たちがコーチの指導のもとで、つまずきながらプレーヤーとしてだけでなく人として成長していく姿がアツい。

学校や保護者に対するコーチの鋭い指摘
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

全編にわたる音ハメがアガる
主人公の設定に音楽を落とし込んだことで演出に必然性が生まれていたのが上手かった

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.5

やっとみられた
ユーモラスかつコンシャス、これぞスパイクリー作品

言動や音楽、ファッションで敷居を下げながらも、人物の描写を通して事件の虚しさやその本質である偏見や無理解について考えさせる、非常に教
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

さっそく会社帰りにIMAXでみてきた。

シリーズをしっかりみてこれたわけではないけど、ボンドや組織の描かれ方の変化が印象的だった。
単に任務を遂行する完全無欠の仕事人としてではでなく、格好悪くてもな
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

信頼するバーバー、ビスポークでオーナーから教えてもらったのがきっかけ。

自分の人生を謳歌する紳士的な銀行強盗が憎めない。
対比するように登場する、愛する家族に囲まれたやや冴えない刑事の置きどころが見
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エンディングノート(2011年製作の映画)

4.0

生死がテーマのドキュメンタリー作品であることはわかっていたから、観るのにちょっと覚悟を決めていた。

でも観始めてすぐ、良い意味で力の抜けたタッチに拍子抜けしたおかげで、ひとつの家族を素直に見守る準備
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

ノアバームバックときいて。
一言で言い表せないような関係や距離を描くのがうまいとおもう。

何も変わらないと思っていた夫の甘い読みが外れ、外堀を埋められ追い込まれていく様は焦燥感が伝わる。
必要以上の
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いまを生きる(1989年製作の映画)

4.0

型破りな先生の授業を受け、ひねた生徒たちがエネルギッシュに変化していく様は成長を見るようで嬉しい。

しかし、それで学校生活と家庭にまつわるすべての問題を解決しようとせず、限界も提示していたのは誠実だ
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プレステージ(2006年製作の映画)

4.5

けっこう前にバラエティ番組でヒュージャックマン好きの出演者がおすすめしていて、やっとみれた。
ノーラン作品ではダンケルクが一番好きだけどプレステージも大のお気に入りになった。

時間のループやジャン
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ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

4.5

7月にジャズ評論家の柳樂光隆さんが音楽がすごいと紹介していて気になっていたところ、やっと横浜のジャック&ベティでみることができた。

フレンチレトロなドラマかなんかかなと思って観始めたら、イカした音楽
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涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

4.0

最後にみたのがいつだか思い出せないくらい久しぶりにみた。少しくどさもありつつとても挑戦的でやっぱり面白かった。

すでに出来上がった作品世界の構造と登場人物の行動原理を変えようとすることの危険さと難し
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

4.0

前にチェックしていてアマプラでやっとみた。
いやー暗い、だがそれでいい!

北欧の薄暗く身にしみるような寒さのなかで温かいものを手にしたような、渋い内容だった。

互いに一癖ある祖父と孫の組合せが良く
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.0

映画音楽の力とその魅力に浸る。
すべては作品を良いものにするため、そのためなら何をしてもいい、何でもするという柔軟で貪欲な姿勢が印象的だった。
ハンスジマーやっぱ凄い。

エセルとアーネスト ふたりの物語(2016年製作の映画)

4.0

みてよかった
20世紀ロンドン市民の普通の暮らしと家族愛の尊さが描かれていた
いうなれば英国版「この世界の片隅に」

作者の両親の半生だから、夫婦の掛け合いや距離感がリアルな家庭の空気そのもの。
また
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.5

評判をきいてチェックしていてやっと観ることができた。

物語にはなにかしら事件が必要だけど、端からみておおごとでなくても、本人にとって一大事であればいいんだとおもう。
でもそんな他人事に感情移入しても
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.5

最高に青春映画!
漫画家桜井のりおの猫も「初恋にはタイムラグがある」と言っていたように、
青春物の良いところは、登場人物が無意識に芽生えた感情を自覚し認めるまでの時間差が生む妙にあると思う。
いわゆる
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.5

ネットフリックスで見られる作品を調べてチェックしたのがきっかけ。

SFの良いところは、現実社会から描きたい要素を抽出して、ドラマを表現できることだとおもう。

謎のある導入から設定が明かされ、生い立
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.5

冬にハミルトンにハマってから、公開を楽しみに待っていたインザハイツ。ようやく観られた。

ミランダ自身の人生観が反映されたような力強く肯定的なメッセージが印象にのこる。
それぞれの世代に対するリスペク
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映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.5

喪失感にも似た余韻と疲労感
人となりを知ると音楽は違って聞こえてくる
知ることができてよかったと心からおもう

ブルーノート・レコード ジャズを超えて(2018年製作の映画)

4.5

やっぱりブラックミュージックは凄い。
アーティストの純粋さや使命感に感銘をうける。
ロバートグラスパーの存在感とテラスマーティンのインタビューが印象的。

ジャズが気になった人は柳樂光隆さんの「Jaz
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