aliceさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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駅馬車(1939年製作の映画)

5.0

「銃弾が点だとすれば矢は線だといえる」というコメントに惚れる。
もう少し言えば、矢は、前へと突き進んでいく矢尻と、後ろから追随してコントロールを担う羽根からなっていて、その構造自体が、ある種、馬と御者
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ミート・ザ・ペアレンツ2(2004年製作の映画)

3.0

まぁ面白いが、1と比べるとストーリー自体がかなり錯綜している印象。2、30分は削れそう。
1では、鞄がある種の記号として機能していたが、本作ではそういった感じもない。
「コメディー映画」から、「映画」
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大脱出(2013年製作の映画)

3.0

拷問シーンやら、食事時間の会話やら、きちんと脱出モノの伝統を守っている印象。想像していたよりは面白かった。
あと、何人かの方が書いている通り、この物語の最大の見どころをポスターにしちゃいかんでしょ。

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

5.0

雨に打たれてびしょ濡れで到着するシーンに始まり、海へと泳ぎ出すシーンで物語から退出していく綺麗な構図。
刑務所内での脱出は極めて垂直的で、登って降りての繰り返し。対して、そこから離れるとようやく水平方
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エマニエル夫人(1974年製作の映画)

4.0

性的な前衛性というか、ある種の倒錯性をもっぱら「知的な遊戯」として描いていて、それがゆっくりと、しかし確実に強度を増していくので、多くの方がコメントされているような「つまらなさ」は感じなかった。嫌かも>>続きを読む

ヒッチ・ハイカー(1953年製作の映画)

4.5

ひっきりなしに繰り返されるドアの開閉。
ただ一つの場面を除いて登場人物は走らないし、(車が主題であるのに)速度感がまるでない。
最終盤の逮捕劇も、ショットの簡潔さとは裏腹に、ややゆったりした気味悪い場
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真昼の決闘(1952年製作の映画)

4.0

邦題は『真昼の決闘』で大丈夫なんだろうか(もっとも公開から70年も経っているわけだけど)。
いわゆる西部劇と言われて想像するような(あるいは単に西洋的な)「決闘」シーンなんて一度もなく(釈放されればお
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

4.0

ほとんどE・Tと同じような話ではあるが、「父」と「子」の記号を、ディカプリオとトム・ハンクスの両者が、物語を通じて書き換えていくという作業に、いったい如何なる慰めを見出せというのだろうか。作品の主な力>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.5

あまりに虚しい。
この映画を捉えるにはストーリーを追うだけでは不十分で、複数の人物の視点が据えられていることを忘れてはならない。結局、ケーンが特別だったのは、「金持ち」だったというその一点においてのみ
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クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

2.0

冒頭に「真の愛」という主題を提示し、結末ではそれに従って、以前は霊が見えなかったはずの悪女が愛する弟の霊を目にする、とこれだけをみればよくできているようではある。が、あまりにも雑な演出が目立つ。Bar>>続きを読む

マリアンヌ(2016年製作の映画)

5.0

素晴らしい構成に瞠目する。以下、雑なメモだが。

この映画は大まかに言って四つの段階に分かれている。
まずは「砂」。
一人のスパイとして、ただただ任務を遂行するマックスが砂漠に降り立つシーンに始まり、
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殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)

5.0

とても面白い。
階段、船、車での殺害など、どこか『ゴッドファーザー』シリーズにまで通ずるようなものも感じる。

奥様は魔女(1942年製作の映画)

5.0

魔女が煙として表象される。
酒瓶、炎。
勝手に、魔女といえば水のイメージがあったが、逆をつかれた。
階段も重要。

ターミナル(2004年製作の映画)

4.5

「ターミナル」というタイトルに目を瞠る。
この物語は、一つの動詞でもって言い表すことができて、それは「待つ」ということだろう(訳あってフランス語で鑑賞したが、皆ひっきりなしに«attendre»と言う
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ビーン(1997年製作の映画)

5.0

単純に笑えるということは別にしてもとても興味深い。
普通の登場人物たちが担うはずのいわゆる「映画」のプロットに対して、一人で戦いを挑んでいるような構図。
泣かせるヒューマンドラマになりかけるところをビ
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ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

4.5

トップガンの姉妹編ともとれる。
「所謂」女が一人も出てこない。男性愛の映画。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

4.0

面白いんだけど、スローモーションに必然性がない。なんか、スポーツ中継みたいな映画。

エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

1.5

まぁ、こっちを見て話しかけてくる演出はいいとして、自分の思っていること、自分がなぜそうしたのか、の説明まで全部こちらの方を向いて語りかけてくるのには違和感があった。映画に視聴者を巻き込んで、みんなでス>>続きを読む

ミート・ザ・ペアレンツ(2000年製作の映画)

5.0

まぁ面白いんだけど、主人公夫婦、妻の両親にとってはハッピーエンドでも、その親戚との関係は結局修復されたのかという疑問が残るw。
自分の持ち物、鞄が空港には届かず、妻の両親の元をさろうとする時にようやく
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愉楽への手ほどき(2018年製作の映画)

1.0

不思議なほどに楽観的な映画。
背景に銀河系のフォトムービーを合成しただけの「簡単な」セックスシーンがスタイリッシュだなどと形容される。
トラウマを持つ女性は、告白療法でもって「簡単に」治癒し、カウンセ
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

5.0

言語を超えた何か、人間を超えた何かに突き動かされる経験。
それこそ、風景であり、自然であり、猫の経験なんだろう。

父の秘密(2012年製作の映画)

5.0

素晴らしい映画。
母の死にそこまで打ちのめされている様子のない娘と、妻の死に明らかな打撃を受けている夫。
後者は仕事を再開し、オーナーの女性をかわいいとまで形容できるほどになり、少しずつ少しずつ立ち直
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

3.5

序盤は面白いが、終盤に近付くにつれて重々しくなる。みるのがつらい映画。

午後3時の女たち(2013年製作の映画)

3.5

終盤十五分を除いてとても面白い。
最終盤、一体なぜわざわざカウンセラー(医者?)の女性に「失って初めて気づく大切さ」みたいな台詞をはかせるのか甚だ疑問。せっかく深みのあるストーリーなのに、この台詞のせ
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