分割された画面が示す計算的で明確なテーマ性。夫が「君を愛している、君がいないと駄目なんだ」的なことを愛人に向かって話したところでそれが分かった。
つまり、1人で死ぬことが怖いのだ。
どんなに愛してると>>続きを読む
外連味と覇道を排除した空白に、美しさが宿らないままだった。
最後の30秒くらいだけ少し良かった。
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正規の時間の流れであれば、女性のモノ化といったテーマが浮かび上がる。「結局は女性が決める」と話したアレックスが、男性によって性的な対象物に貶められ、男性によって復讐が遂げられるからだ。
しかし、そうい>>続きを読む
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「沙代は”どうして”救われることができなかったのか?」ということが、どうにも気になった。しきたりによって生活を支配されていた少女が、その抑圧に対する反抗として、支配者たちを虐殺していく。暴力的抗議の報>>続きを読む
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イーニッドとレベッカは友達。高校の卒業式で、クラスメイトのことを2人で密かに馬鹿にする。2人が馬鹿にする対象は、ラリって事故にあったことをきっかけに感動的な卒業スピーチをしたクラスメイトや、高校を卒業>>続きを読む
ヤクザの抗争に比べて、護りが固いぶんスピード感が失われてしまっていた。
秀吉の「侍の流儀とか馬鹿馬鹿しいよな」といったスタイルは気持ちのいいものではあるが、任侠に比べて昔の出来事なだけに共感は深まりに>>続きを読む
是枝監督作品の中では珍しく、SF的舞台設定。
90年代TVドラマ風の違和感のあるシーンの一方で、ほとんどドキュメンタリーとしか思えない「リアル」なシーンもあり、その2つがなんとか共存している。
「最>>続きを読む
テロを行った教団信者の遺族が、あるアクシデントから一晩を共にすることになる、といったかなり特殊な設定によって始まる会話劇。
「対話」がテーマになっている。
「対話」を通して他者の内部に侵入すること>>続きを読む
後年の作品にも共通する、人と人がつながることの持つ可能性への期待となお不足が存在することの追証、幸せの決定の責任の所在への問いかけ。糾弾ではなく共同注視の形をとった表明。
しかしこれではあまりにも閉塞>>続きを読む
憧れの人に出会えてしかも運命も絡まっちゃって大興奮のカマラ、というオタクが見たかったやつがしっかり映像化!
テンポ重視の構成でカオスな設定もぽいぽい投げ込まれていて飲み込みにくいシーンもあったが、『フ>>続きを読む
今までになかった全く新しい創作の可能性の端を掴んだような、そんな予感がした。無意識に作り出していた外殻のさらにその先に広がる世界の片鱗を見た。
ジャンルムービーではあるがその進行は奇異にして偏執的だ。しかし本作の物語的快楽は、他のどの類似映画の中にも存在していたはずだ。「ただノイズによって隠されていただけなのだ」と、そう主張せんばかり。>>続きを読む
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レオナルド・デカプリオ演じるアーネスト。彼が、空っぽの箱なのか、それともなにかが詰まっているのか。それが問題となる。
3時間26分という長尺に反して、アーネストの内面について知ることはとても少ない。彼>>続きを読む
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キリエが歌うと「良かった……」という気持ちにどうしてだかなって、その度に泣いてしまっていたので映画の半分くらい泣いていた。観終わってから、泣き疲れてしまった感じがあった。
「語りきらないこと」「語り>>続きを読む
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失踪した夫に戸惑う妻、という非日常色強めな設定。
1対1の会話が場所と人を変えながら繰り返し映され、その中で登場人物たちが教訓を得たり洞察を得たりする。
ここぞというシーンで、小説や映画の登場人物だっ>>続きを読む
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観ている間はギリ泣かなかったんだけど、映画が終わって劇場が明るくなってからポロポロ涙が出てきてとまらなくなった。
『この人に幸せになってもらいたい、幸せな時間を誰かと共有したい』と自分では考えるでもな>>続きを読む
心細くなる映画。
人と人とが出会っていろいろ話し合ったりするのだけど、それでも根底にある心細さからは逃れられないんだよ、ということを観ているほうへと突きつけてくる。
それというのは日本の風土とも多分関>>続きを読む
舞台は1940年代のスペイン、だったのかな?道路も舗装されていないような田舎の街で、隣街という概念なんてないみたいで、街の外にはずーーーーと荒野が広がっている。日本だと田舎でも、村は山によって囲われて>>続きを読む
レースシーンが目茶苦茶いい。スピード感も迫力も。作中で主人公が語る「それ以外のものがなくなる瞬間」の一端を、観ているこちらも味わえた気がする。
一方で、レースシーン以外のお話は空回りしている。ゲーム>>続きを読む
かったるい。
物語構造がビビットではなくもたついていて重い。色彩もぼんやりとしていて、観ているんだか寝ているんだかわからなくなる。登場人物の人間性もすべて映画という形態の"音楽"を作り上げるために配置>>続きを読む
モキュメンタリーの自由さを感じる「ドキュメンタリー映像」という枠があることでかえって無限の可能性にひらかれているような。例えば、カメ止めや新耳袋に対する言及とかもできたんじゃないかな?と思う。どこまで>>続きを読む
映画館で記憶力パズルゲームをさせられるのはきついものがある。『メメント』を思い出した。
自宅で何回か観直せる環境で鑑賞したらまた違った印象になったと思う。
不気味なホラーを期待して観にいったが前衛芸術な映画で眠くなった。
異常に見える対象が実は過程であり肉付けをされて正常の対象になったり、逆に正常に見える対象もその変化の過程に過ぎず異常な状態へと移ろって>>続きを読む
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言葉による説明は抑制され徹底して演技によって表現しようとしている。映画を観れば、それが「悪」によってなされたものではなく、理解可能な結果であることがわかるように、一歩ひいたところから映されている。
そ>>続きを読む
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中盤辺りからもうちょっと泣きながら観ていたんだけど、最後の15分くらいは映画館にも関わらず嗚咽をもらしてしまうほどガチ泣きしてしまった。
お忍びの王族とイケメンな庶民の恋愛映画なのかなあといった漠然>>続きを読む
終わり方がいいね。
コワすぎ部分に尺を使っているため2人の関係の掘り下げがあっさりしているところが勿体ない。工藤要素とモキュメンタリー要素がない方がいい映画になった気がしないでもないがそれはもはやコ>>続きを読む
意外性のある展開がいくつも設けられていて、シリーズの中では一番素直に面白いと言える出来上がりになっている。
「俺がお前の不幸になってやるよ」は決め台詞として最高すぎる。
新菜のキャラも立っていて魅力的>>続きを読む
連作の最終回ということで、「壮大なスケールのエンタメ大作になるに違いない!」と思い込んで観始めたら、どうも様子が違う。インモラルなギャグがなんと全体の尺の半分以上続く。これいつもの白石印のカルト映画や>>続きを読む
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一応廃村がテーマの回だが、Jホラーとしての部分はイマイチ。滅多に人のこない廃村らしいが、そこまでの山道がしっかり踏み固められていて明らかに今でも人の通りがある。それに廃村がテーマなのに廃家屋内部のシー>>続きを読む
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「ひとりぼっちは寂しいもんな……いいよ、一緒にいてやるよ」(ちょっと泣いた)
ホラーとしての怖さは予告編で話題になった例のワンシーンのみだった。他の映画を観るたびに予告編を繰り返し見させられたため、>>続きを読む
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序章ということもあってかややインパクトが弱かったかな。
ただ、クライマックスのヘビのトンネルの中でエヴァンゲリオンっぽい感じのBGM流れながら工藤が呪物パンチを繰り出し続けてるシーンはシュールでよかっ>>続きを読む
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今までは工藤が主役だったが、今回の主役は2人の女の子。
中学からの友だちで片方は中卒でスーパーでパート、片方は高校で不登校。夜「暇だね〜」と言い合っているうちに思いついて昔の中学に忍び込むことに……。>>続きを読む
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高速移動カッパと相撲(肉弾戦)というシチュエーションは流石に面白すぎる。意味不明な絵面!
1と2を見てなお工藤が注意をきかないことを予想しなかった鈴木は少し察しが悪いかもしれない。
工藤の人間性の欠如っぷりがさらに明らかになっていく今作。
前回の意味あるのか?と首を傾げたくなる調査パートもシュールで良かったが、今作は気合のはいった調査でテンポよく新事実が明らかになっていくので退屈>>続きを読む
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アランが滅多にみないくらい理想的な大人過ぎて良かった。自分の好きなものには子供と一緒に心の底から喜び感動を分け合えて、それでいて子供が危ないときにはその知識と勇気で自ら盾になり危険から守ると約束する。>>続きを読む