SQURさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

呪詛(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

怖い部分がないではないが、語り口の部分で失敗している映画だ。B級ホラーになることを制作陣が恐れすぎた結果、ウェルメイドな虚無ができあがってしまった。危険を冒さなくてはいいホラー映画はできないということ>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

アップデートと語り直しの映画。前作と比較することで「時代の移り変わり」が浮き立って見えてくる。
冒頭からその話が扱われており、「本当に人が殺し合う必要があるのか?」という問いが。人種やジェンダー的な側
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トップガン(1986年製作の映画)

3.0

ホモソーシャルの嫌なところと魅力的に感じてしまうところの両面が描かれている。
「女性を落とせるかどうか賭けようぜ」みたいな会話は典型的でだいぶ嫌さが強いが、マーヴェリックとグースの間の友情は同時にとて
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犬王(2021年製作の映画)

2.0

悪くはないのだけど、『夜は短し歩けよ乙女』や『マインド・ゲーム』にあった枠を逸脱する自由なアニメーションの魅力がなく、映画体験としては普通の域に収まってしまった印象。
現在と過去を等価に位置づけ言論統
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

いくつかの繊細な問題(新資本主義と創作、監督主義、共同制作における個人の人生の物語、ジェンダー、創作と社交性)に対して作品全体として明確な姿勢を示さないことで、カタルシスが抑制されてしまい映画としての>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

この世界の片隅にさえ生きる居場所のない人たちの話。
「悪人」にテイストは似ている。
人間ひとりが面倒を観られる範囲は人間ひとりぶんに明らかに満たない。

全体的に、もっと行政とか福祉とか利用しようよっ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

1.0

何もかも上っ面だけの映画。
最初の1分が面白さのピーク。
ほんとにシン・ゴジラと同じ制作者なのか?と疑いたくなる。
やろうとしたことがどれも一貫できていない。
途中から外星人との戦いがメインになってい
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

MCU史上インフィニティウォー&エンドゲームに肩を並べる最高傑作。

物語の始まりと同時に観客を困惑に突き落とす。MCUはわかりやすいことが重要視されてきた感があり、「分かりにくさ」(それも心地良い困
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

映画を観ていると、ちょっとした映像表現からいろいろなことを読みとります。
例えば、軽口を言い合っている男女の映像が流れてくれば(この人たちは付き合ってるのかな?)とまあ多くの人が思うでしょう。これを心
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

too many words.
息苦しい映画だった。窒息しそうになる。全てはクライマックスに向けた布石なのだけれど……。
"考えさせられない映画"。
夜景や自然などの風景画がモノクロに映えてとても美し
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.0

「好き」という感情を台詞ではなく映像で示そうとするところがとても良かった。

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画の開幕直後にある街とか森とかを俯瞰したカメラがゆっくりと前に動いていくやつが好きなんだけどわかる人いますか?この映画にもそれがあったので嬉しい気持ちになりました。
その部分を除くとカメラワー
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アネット(2021年製作の映画)

4.0

お話自体は観客の心に強く訴えかけるものではなく取り立てて語るところもない気がするけど、冒頭10分くらいの(いったい今何を見せられてるんだ……)という戸惑いとエンドロールの(いったいなんなんだ……)とい>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

公開初日に観たけど、どうまとめていいやら、わからないまま今日に至ってしまった。
印象的だったのは、擬似家族の話かな?と思ってみていたら、途中で違うほうの名前を呼ぶので、親子の絆の話からもそれていってし
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

画面や音楽が重厚で「今映画観てるな〜」感は高いのだけど中身は空っぽだった。
ブルース・ウェインという個の話もゴッサムという街の話も正義の話もできずただケレン味だけが上滑りしていく。

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

2.0

神秘的な映画だなーって感じ。
映像に動きのない"間"が存分に用意されていて、いったいこの虚無の時間私は何をすれば?と暇を持て余した。
この"間"がなければ神秘性も失われてしまった気もするので意味のある
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.0

あんまり言語化したくないタイプの映画。
安易に原因を推定させず、かと言って「人間とは分からないものだ」みたいなメッセージを発するわけでもない。

ベルファスト(2021年製作の映画)

1.0

品がないのであまり使いたくない言葉なんだけど、この映画を形容するのに「オナニー映画」という言葉よりぴったりなものはない。
全く興味のわかないどこの誰だか知らん馬の骨のどうでもいい生い立ちとしょうもない
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

今年ベスト候補。
ちょっと良すぎて体調悪くなりそう。
サーカスのような「ハレ」の世界、豪奢でありながら、同時に映画そのものが見世物小屋のような陰湿さと居心地の悪さを兼ね備えている。

スクリーンの中に
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

4.0

"連帯"が生み出すかっこよさという新しいアクション映画の発明。既存の映画の焼き直しが多いアクション映画というジャンルの中でこれはかなりの快挙だと思う。
既存の優れた武力による制圧(退役軍人が〜とか伝説
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

好きになった理由、不倫した理由、結婚した理由、結婚の良さ・意味
そういったものが間接的にしか描かれないのは逃げでもあるけれどこの映画の持つ良さでもあると感じた。
愛し合ってるから結婚して、魔がさしたか
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

-

途中で寝たので点数なし。
つまらなくはないけど期待してみると拍子抜け。
萌え要素をオミットした日常系アニメを延々と見せられているといった感じで、炭酸抜きコーラの味わいが好きなモノ好きならハマると思う。

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

-

眠くなるだろうなと思いエナジードリンクを飲んで挑んだが無事撃沈。
ストーリーも登場人物もメッセージも全く描く気がなく、終始(他の観客はこの映画から何を今受け取ってるんだ?)と疑問に思いながら鑑賞。私は
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

2.0

いい映画と言われればそうかなと思うけれど、退屈な映画って言われてもそうだねって思うそんな映画。
記憶に残るかはこれから次第か。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

画が良くて、観ていて楽しい。
一言で言えば、奇を衒った映画。でも私は好きだ。斬新かつ面白い。
映画でありながらオープンワールドゲームのような意味の広がりと奥行きを感じた。

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

原作未鑑賞。
前半のイノセントな恋愛描写やホモソーシャルがあまりにも不快で何度も途中退出しようかと思った。「早くも今年ワースト映画候補かな?」みたいなことも正直思った。もう2022年だぞ、と。こんなし
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さがす(2022年製作の映画)

2.0

前半主演の女の子の演技が良くって結構引き込まれて見たのだけれど、全体的なお話としてはその後特に盛り上がることもなく普通。
決してつまらない映画ではないと思うけど、だからなに?感が強い。

愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

未成年との交際や不倫などいわゆる「倫理的問題」と呼ばれるテーマを扱ってはいるものの、私の基準からすれば筋の通ったお話になっていた。
ただ、筋が通っているだけで大きく話が動くこともなく、わりと無味無臭の
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

良かった。
恋愛なんてしたことないし、スクリーンに映し出されるのは自分の手の届かない遠い世界の輝かしい人生。喪ってしまった煌めきさえ美しく、羨ましく思える。

今は何もない。
コロナだから(なのかは知
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

映画を観たあとに、それを意味のレベル(言語のレベル)まで落としてしまうのはなんだかもったいないような気がする。
『coda』は一切の結論を下さない。いくつも用意されている対立軸。
例えば、聾唖者と音楽
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東京物語(1953年製作の映画)

4.0

家族の間の愛と拒絶とか、なんかいろいろ言いたいことはあったのだけれど、観終わってすぐに感想を書かなかったので、全部忘れた。
思い出すのは、お父さんの笑顔や、庭に立つ姿。その姿が目の奥に焼き付いて離れな
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

ラストのカットがいい。
実験映画的で、起承転結がなく、ややマンネリを感じるけど、実験映画だしそれでいいのだろう。

ユンヒへ(2019年製作の映画)

3.0

力強く同性愛差別にNOを突きつけているところ、アウティングが一切行われないところ、カミングアウトを安易にハッピーエンドに結びつけないところなど徹底した誠実さ・正しさで貫かれた映画だと感じた。
一方で物
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.0

面白かった!
でももっと面白くなったんじゃないの?

焦点がブレてしまってる感じも。
正義の話や、友情や恋愛の話といった重大なテーマがサラッと流されてしまっているため、ハチャメチャ感は楽しいんだけどカ
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街の上で(2019年製作の映画)

5.0

特に何をしたわけでもないのに周りの女性からうっすらと好意を抱かれる男。
無味無臭のようでいて男の願望垂れ流し映画。

交際に至らない男女の関係性は性癖なのでそこに尺が割かれているのは良かった。

マクベス(2021年製作の映画)

3.0

かなり意見の分かれる映画だと思う。
1番の論点は「これ映画でやる必要あるの? ほぼ演劇じゃん」である。きっと観た人全員が同じことを思うはず……。
確かに、登場人物は過剰に喋り続けている(そして日本語字
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