SQURさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かったのだけれど、面白い感じに終わってしまって良かったのだろうか。見かけ上は、スッキリするような終わり方。しかしその実は全くハッピーエンドではない。死んでしまっているのだから。一泡吹かせてやったぜ>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

素晴らしい映画。
映画は時間を切り取るもの。映画に現れる人々の人生のうち一時しか観客は観ることができない。切り取られた瞬間以外にも感情があり、関係は積み重なっていく。そういうことを強く感じさせられる映
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音楽(2019年製作の映画)

3.0

貸したCDとか、あやちゃんに歌ってもらう話とか、いろいろ伏線が投げっぱなしになっているあたりが気になる。ブルースからロックに客の反応を見て乗り換えちゃうのもなんか音楽愛がないような。
なんか適当な映画
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

-

何も調べずに観たらなにも分からなかった。
気持ちよく眠れたので良かった。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.0

映画を愛し、映画を愛するもののために全てを切り捨てて映画を作れ!

生活は切り捨ててはいけないので、倫理的には問題のある映画だが、映画としては完璧である。
映画内でテーマが全て語られているがアニメ表現
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

3.0

サリンジャーを読む小学生……。
キクりんが可愛い。

事件という程でもないほどの事件がいくつか起こりその中で日常の生活の大切さを見つけていくという話で、おおよそ面白くはあった。
自然描写も美しくてじん
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

3.0

宗教観や人種差別について説明を交えながら丁寧に説明してくれるので馴染みの薄い自分でもフェスを楽しむことが出来た。
しかしやはり馴染みが薄いため、感情移入にも限度がある。

偶然と想像(2021年製作の映画)

5.0

素晴らしい。今年ベスト映画。
3篇とも素晴らしかったけれど、特にトップバッターの「魔法(よりもっと不確か)」は神が降りていた。現実よりもリアルで、全てのシーンから感情が漏れ出し観ているこちらの感性の器
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

過去作を全てゲームだったことにするという『ムカデ人間』みたいな大胆なメタフィクションの手口は挑戦的で素晴らしく、その上に妄想的とされる主人公を置いたのもセンス・オブ・ワンダーに溢れていると思う。
なの
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

科学を軽んじ企業と癒着し国民を愚弄する政府という、普遍的なメッセージが詰まった風刺映画。
あまりにも政府が愚かなので人によっては我慢ならなくて怒りのあまり席を立ってしまうかもしれない。
人によっては耳
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.0

『ウィッチ』の静謐とした美しさは何処へやら。雑然として汚い。

狂気と分かるうちはまだ本当の狂気ではなく、正気も狂気も分からなくなったとき本当の狂気が訪れる。
さらに狂気が続くともはや狂気が普通になっ
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オールド(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

最初に歳をとるビーチと聞いて、「じゃあそこで妊娠したら子供産まれるのかな?でもまさかそこまでやらないかな」と思っていたら、本当にやった!
今まさに子供だった彼らの間に子供が生まれると言うのは実に生命の
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイの2人が魅力的。
私は普段あんまり女優で映画を観ることはないのだけれど、彼女たちの出る映画は全て観たいと思ったほどだ。

物語はそんな可愛くて純朴な感
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ピーターの母親を共通の"障害物"と見なすことで男同士の友情(ホモソーシャル)を結ぼうとするフィル。しかしピーターはそれに屈せず殺意を燻らせ続ける。悪しき男性性の象徴たるフィルを排するというのは現代的な>>続きを読む

エル・トポ(1970年製作の映画)

4.0

キリスト教的なワードで章立てされているわりには、その実途中のおじいちゃんが言ってる通り「命に価値はない」というような無常観溢れる仏教マインド映画で、そこだけすくえばなんだか昔の日本映画(黒澤映画とか?>>続きを読む

ひらいて(2021年製作の映画)

4.0

愛されたくて、愛されたくて、どうしてもままならない心。
もがけばもがくほど傷ついてしまう、痛く苦しい恋愛映画。
後半は息をするのも辛く吐きそうになった。

たとえ自己中心的だと分かっていても抜け出せな
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.0

溶けだす時間は普遍的な政治的主張を訴え、また同時に美しく幻想的だった。
一つ一つのカットが非常に美しく観ていて恍惚としてしまうのだが、それと同時に描かれている物語は非常にグロテスクで憎悪を掻き立ててく
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

途中から怪獣映画になるという超展開(予告でも伏せられてたよね?)がよかった。「どうやって倒すんだよ、こんなでかいやつ……!」という絶望感から、みんなで協力して打開していくのもチーム戦ならでは、といった>>続きを読む

少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 再生産総集編 ロンド・ロンド・ロンド(2020年製作の映画)

4.0

キーワードは、「停滞」と「前進」。
CROSS†CHANNELからの影響を感じる大葉ななの「停滞」。
傷つきたくない、傷つけたくないから永遠の停滞を願う。しかし停滞では前進がない。
CROSS†CHA
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

2.0

「あ、結構接戦するんだ」と思わせる中盤のバスのアクションはよかった。
しかし、そのエピソードがあることで、クライマックスのバトルはなんだか薄味に感じられてしまった。
最初の強盗のエピソードも特に回収さ
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

1.0

各人の思惑が交錯し、小さな二転三転が繰り返される「面白いお話」が、文字通り語られる。
言葉で物語を語るのはあまりうまい方法とも思えないが、たまにはこういう映画があってもいいかもしれないとは思った。

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.0

センスのいいナンセンス映画だった。
センスだけで全てをカバーしている。
とにかく長くてダラダラしていて(とても2時間15分とは思えない。体感3時間半はあった)、なのに不思議と退屈しない。どうしてかって
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

ちょっとグロテスクな生態系や幻想的な地下世界など魅力的な部分は多いのだが、どうも作者はその点にはそこまで興味がないのか、じっくりと映してはくれない。物語ることに力点があるように思える。
しかし、物語が
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少年の君(2019年製作の映画)

3.0

社会の淀みの底で出会った「優等生」と「チンピラ」。お互いにしがみつきながら懸命に汚泥を泳ぎ、光明を目指すラブストーリー。
といった感じのもうどうしたって上がらざるを得ない設定がしっかりとした演出のもと
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

-

体調の関係で始まった瞬間ウトウトしてしまって、結果的に後半しか観られなかったので点数はなしで。
後半起きたらいきなり意味不明なことなってて驚いた。後半は面白かったです笑
いつかもう一度最初から観たい。

エターナルズ(2021年製作の映画)

1.0

壮大な設定を用意したという点と多様性という点では評価できるけれど、映画として魅力的な部分はない。

登場人物間の関係性や人となりが十分に描かれず、アクションシーンでは物語が停滞し、その他の部分の大半は
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

透明感のある映像とは裏腹に、観終わった後にはずーんと沈む映画だった。

引っ越してから学校が始まるまでの一夏を丁寧に切り出している。
初めての土地で、やがて友人ができ、小さな恋が芽生えて…それが決して
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劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

5.0

問答無用で今年ベスト映画。
今まで観てきたアニメ映画の中でも間違いなくベスト。
劇場で3周したので感想を書き直します。

まず言いたいのは、私はTVアニメ版に面白さを感じられなかった人間で、そんな自分
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

5.0

滅茶苦茶面白かった!
間違いなく今年ベスト級。
この面白さはちょっと言葉では説明できない良さなので、とりあえず劇場まで足を運んで欲しい。
劇場に入る前と出た後では世界が変わって見える映画。

この映画
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彼女はひとり(2018年製作の映画)

1.0

卒業制作の映画はあまり観たことがなかったのでどんなものが来るのかとビクビクしていたのだけれど、観ていてノイズになるような挑戦的な構図や設定などはなく、思いのほか普通の映画だった。ただ普通の映画を期待し>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.0

怪作である。
コロナ禍の今の社会を重ねてみてしまうような、こんな今だからこそ生まれたと言いたくなる、非常に不安定な映画だ。
絶賛も酷評もできるように思う。
スティグマ、ドキュメンタリーの持つ権力、貧困
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

1.0

歌はいいのだけれど……。
シナリオがだいぶ甘い。
特にクライマックスにかけての展開が理解に苦しむ。
画面や構図はできすぎていて、逆に自然の美しさを損ねてしまっている。
カメラワークもイヴの時間にあった
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

1.0

「愛は強さよ」って台詞にして言わせるんだったら2点つけたろ、と思って観てたら本当に言わせたのでこちらも2点をつけるしかなかった。そういうメッセージは言葉にすると嘘っぽく白けてしまう。語らずして魅せてこ>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

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めっちゃ台詞で説明するので飽きて途中で寝てしまった。
なので点数はなし。

空白(2021年製作の映画)

1.0

記号的に配置された登場人物たち。
台詞の一つ一つが安易で描こうとしている物語のリアリティラインとズレてしまっているよう感じた。