タイトルが秀逸。言葉にしきれないレオの心情、作中で丁寧に見せてくれる。彼のこれからの人生を考えるのもまた辛い。完成度が高い、とはこういう映画のことを言うのだと思う。
いつか好転する。そのときのために、大事にしておかなきゃいけないことを自分の中で整理しておきたくなる。そうじゃないと、好転が好転じゃなくなる。とはいえそんなこと言ってたら生きていけないこともある。難しい>>続きを読む
ボランティアという立場であそこまで命かけられることへの驚きは、令和のいま初めて見たからだろうか。自分の人間としての器の小ささからなのだろうか。もし公開当時に自分が見たときに違和感を感じなかったら、この>>続きを読む
ファン・ジョンミンの酒飲み出してからの一皮むけた感がめちゃリアル。その前の純な男のふりがあったからだけど。愛が濃すぎた。
未来なんかなく今しかなかった時代。でも過去にとらわれ続けた時代。日本版「美女と野獣」と思いきや、現代の価値観も取り入れられていた気がした。
上がって落ちる。酒を飲んだときと宝くじが当たったとき、高揚した分、余計に堪えるのは同じなのかもしれない。神様はいるのかもしれないなと思わせてくれる映画。
起きている出来事を真っ直ぐ受け止め、すぐに戦略的に動く皆さん、凄いと思った。そんだけ百戦錬磨な旅館なんだな。こんな時代でも、劇場で笑いが起きてて嬉しかった。
見終わって何よりホッとしたのが、どうやら続編は来年公開してくれそうなこと。スパイダーマンの良さは、無敵感が全くしないところだと再認識。面白かったけど、昨今のマルチユニバース祭にちょっとついていけなくな>>続きを読む
ミシンを使わず全部手縫いで作るカフタンと、繊細かつ複雑な主人公の心情を丁寧に描いている映画とが見事に重なっていた。愛の表現は様々で、純な色も白とは限らない。
今年見た中で一番不思議な気持ちにさせられた映画だった。本音は通じず、建前の方が響いてしまうことはある。でもやっぱり本音同士で繋がれたら、人間っていいなあって思う。
想像力が欠け、妄想力ばかりが蔓延していく社会への問いかけ。知れば分かる、どこにも怪物なんていないことを。でもそもそも分かろうとしない、というか知ろうとしない。そこに怪物は生まれてしまう。「親だと気を使>>続きを読む
ドラマがあるとは知らずに見た。ドラマ見てたらもっと印象違ったかも。個人的に一番ぐっときたのが、アシスタントが写真撮ってた理由のとこ。
全然悪くないし楽しめたけど、なんだろう良くも悪くも淡泊だった。濃厚豚骨ラーメン食べに行ったら、かけそばが出てきたような。もっと二人の関係をゴリゴリやってほしかった。
(気になる)空白の方が与えられる情報よりも多い、最近では珍しい作品。兄と間違えられたシーン、さらっと描かれてたけど結構象徴的だった気がする。バカンスなのに妙な緊張感がずっとある感じがうまかった。
才能や個性はないかもしれないけどモラルはあるロボットと、才能や個性はあるかもしれないけどモラルがない人間…。子どもを脅迫するところにターの人間性が出ていた気がする。完璧と思われた牙城が崩れていくさまは>>続きを読む
ストーリーを淡々と進めていくところ、現実的ですごくいい。家族、仕事、恋愛…落ち着いて考えたいけどでもそんな時間ない。でもそのほうがいい気もする。クリスマスのシーンは癒やされた。すごく好き。
迷走や悲劇の中で生まれていた作品だと思うと、見方が変わってくる。誰かのためのほうが人は頑張れるのかも。
どんな過酷な状況でも、その中から楽しみや希望を見つけている子どもは本当に凄いと思った。
映画は映像で見せてこそですよ、と言わんとばかりの作品。劇中のEOに台詞を一つだけ付けられるとしたら、「やれやれ」になるかな。
ああ見ておいてよかったと、この先のどこかのタイミングで思えそうな作品。昨今至る所で使われている多様性と言う言葉がなんだかとても陳腐に感じた。感受性が豊かだからこそ芸術に結びつくし、均質な社会に病んでし>>続きを読む
とても、とても、とても難しいテーマを正面から扱う監督に拍手しかない。後半の何が起きてもおかしくない緊張感が半端ない。主人公の、社会的な正解と個人的な正解の狭間にいる感じがすごくいい。
例えば飲み物が注文した人の手元にちゃんと置かれないとか、些細な描写にもアイディアがあって楽しかった。女性の悲劇に芸術性を見いだそうとするところ、ゴダール監督が溝口監督を好きな理由が分かった気がした。
冷酷な社会にも残ってるヒューマニティの芽。絶対に摘んじゃいけない。家族は絶対じゃない。
主人公の魅力があって成り立っていた作品。構成や登場人物も中途半端に感じたところがいくつかあった。
忘れがちだけど、人間は出さないと生きていけない。池松くんやっぱりすごいなあって劇中5回くらい思った。
前後の背景はどうぞご自由に想像してください。そうだ、夜って何より静かな時間だった。
エンタメとして楽しめたけど疲れた。伏線のオンパレード。うまいけど、心に残るものはそれほどなかったかも。
それぞれにそれぞれの人生があって、でも交わる時間は大事にしてるところが現実的で心地よい。
最後持ってかれた。ごっそり持ってかれた。本当の気持ちは態度に現れる。彼女の最後のあの仕草もしかり。
監督の映画に対する愛とリスペクトを感じました。裏主人公でもある白城役の新谷さん、微かな戸惑いを感じさせるあの声は唯一無二。
私にははまりませんでした。飛躍のしすぎが結構あり、乗れなかった。あの短い時間でそこまで仲良くなれないと思う。
「何か特別なことを成し遂げたい」という個人的な欲望を補完するために大義を持ち出したとしか思えなかった。本人の表向きの主張や支持者の捉え方とは反対に。こんなのどこでも起こりうる。
後半のあちらからのあの提案にたじろぐ姿が印象的だった。組織の人間だし破天荒ではないんだと。言葉と行動、両方がいいあんばいで揃うと人の心は動く。