見てから1週間。ふとしたときにこの映画のことを考えてしまっていた。
一度でも心を許した相手の気持ちは、分かるようで分からないようで、やっぱり分かってしまう。そこがコルムの誤算だった。島の対岸で続く内戦>>続きを読む
目にしたものすらそれが正しいか分からないと、魔術や宗教はやはり強い。
今じゃあ考えられないような世界の中に、今でもある人間らしさをちらほら垣間見た。
思っていたよりもずっとアート色を抑え、エンタメ色を全面的に出した作品だった。個人的には、ちょっと丁寧に教えてくれすぎかなと感じた。「もうここで終わっておいた方がいいよ」が三回くらいあった。
映画の醍醐味、「画で見せる」のお手本のような作品。とてもうまい。主人公がかなりわがままなので、それを中和するにはもう少し長くしてもよかったのかもしれない。そうしたらもっと大作になっていたと思う。
ザ・王道。夢も大事だけど、それを理解してくれる家族、分かち合えるコミュニティーがあると、その何倍も幸せな気持ちになれる。
「自国民のため」という暴力的な正義感と効率性をベースにした合理主義が合致すると、人間をこれほどまでに冷静で残忍な生き物に変えてしまう。後半の数字以外の「心」の話題もブラックジョーク。でも、これが昔のこ>>続きを読む
交友関係をロールプレイングゲームのアイテムのように消費していく感じがなんともねえ…。自ら蒔いた種は種のうちに回収しておかないとなと痛感。
「ハリウッド」と身の回りの世界、過去と今と未来(子どもたち)。とてもとてもさりげなくその繋がりを示唆していてよかった。遠くで起きている出来事でなければ、大昔に起きた出来事でもない。
前半の証言集は、早送りなんじゃないかと思うほど付いていくのに必死だったが、後半がヒーリング的に音楽が入り心地よい。自分で作ったからあたり前なんだろけど、全部細かいところまで口ずさめるのすごい。
行き場のない感情はどこに向けるべきか。幼少期の体験(特につらいこと)は、強い共感力を育むんだろうなあ。本編と関係ないけど、手下の一人であるヒャハッハ男の笑い方がもはや騒音に近く、聞こえるたびに不快にな>>続きを読む
人間のプランなんて所詮水もの。ましてや、他人の考えなんて、プランに入れてること自体が大きな間違いだ。
停電中のろうそくのシーンがハイライトの一つ。誰しも秘めておきたい想い出の一つはあって、ずっと持っていたくないからあの人形のようにどこかに預けたくなるよねえ。
好きなトーンの映画。「場所」は、名前だけでなく地形にも運命的なものを感じた。同じ所に行って同じ酒を飲んでも、見ているところ、考えていることは違うんだなあ。
彼女が手にしていたのは自由なのだろうか。何度となくワンランクアップできる好機はあったのに、神さまもさすがに疲れたのかもしれない。唯一心から楽しんでいたのが、コニャックを二人で飲むシーン。いや、実は気づ>>続きを読む
昨今の異常なまでの恋愛中心主義社会に対する問いかけに、頷きながら見た人も多いのでは。そばたさんのように物の見方ができる人、ごくたまに出逢うし、話していてほんと楽しい。
原作を読んでたらまた違った感想だったと思うんだけど、とりあえず東条さんが、「あいつら10年後も20年後も同じことしてるよ」的なことを軽蔑感たっぷりで言ってくれて、ありがとうと思った。
「真面目さ」が内包する危うさ。適度に緩い人が一番信用できるのかもしれない(笑)議長が船の中で食べたポテチは、一体どんな味がしたのだろう。
結局僕らはどこまでいっても一人だけど、ふとしたことで思わぬ人とかすることがある。そのポイントは凄く大事だから胸の奥の方に大切に仕舞い込まなきゃいけないな、そんなふうに最後思わせてくれた。個人的にあの関>>続きを読む
大変上手に作られた作品。全体が品で覆われてるからこそ、見え隠れする暴力性が余計不気味に、そして怖く感じる。余白の使い方もとてもよかった。
経験したことない人こそ平気で暴力的な正義感を振りかざすのは、テーマや時代が違えど今も全く同じ。
等身大の彼を主人公にしたのは大正解だし、文学的な描写の数々はとてもよかったのだけど、やっぱり自分は前のトーンが好きだったんだけど、でもそれだとこの内容を表現するのは難しかったのかなとも思い、なんだか複>>続きを読む
2年前の設定ということで、細かいとこだけど今との違いを確かめるながら見た。特に大人たちは、どのキャラクターもどこかにいそうな感じでよかった。
主人公の複雑な心情を丁寧に描写している良作。善悪のボーダーが曖昧なところもいい。家族というものがいかにいい加減なものか、でも、だからといって、そう簡単には割り切れない。自分は自分、でも家族があるから自>>続きを読む
デヴ・パテルを楽しむ映画。そして、ストーリーよりも世界観に引き込まれる作品。なんか子どもをしつけるための昔話みたい。
嘘をつけるかつけないかの対比としての有坂、目に目える形で愛を表現できるかできないかの対比としての久保。それなりに楽したけど、刺さる言葉や印象的な演出は自分にはありませんでした。
割と早い段階でストーリー展開が読めてしまったせいか、バーフバリと違って、ちょっと今回は見る側としての自分の熱量が足りなかった。それでも、あの女性が最後ああなるのはスカッとした。
終盤から一気に面白くなった。父が良識的な人だったのも救い。なにより、アンバーがとってもチャーミングだった。
想い出は見えないからこそ物に染み込んでしまう。叔母の環さんが本音を吐き出すところが印象的。怖かったけど、ちゃんと正面から描いた監督には拍手を送りたい。
原作読んでたけどかなり楽しめた。背中で語らせる等の演出やミステリーを紐解いていくストーリー展開のバランスがいい。有名になった映画監督の醍醐味は、好きな役者をある程度自由にあてられることなんだろうなあ。>>続きを読む
コッホの乙女な感じが印象的。それにしても、あんな非人道的な光景を前にして、どういう精神状態で恋とか人間的な日々を過ごせたのだろうか。新しい言葉の謎をもっと深掘りしたらさらに面白かったと思う。
良くも悪くも韓国の十八番が詰まった作品。もうあの流れは、韓国の文化遺産登録でもいいかも(笑)
感情がツイストして、ちぎれるというよりは元に戻った気がした。家族も、歴史あってこそ存続している。にしても、脚本力はやっぱり強い人だなあ。
エンタメ作品として十分に楽しめた。同じような毎日でも無駄はない、チームワークだからこそ実ることはあるなどのメッセージも、社会人経験者にはすんなり入ってくると思うしそこもよかった。池田良さんはこういう役>>続きを読む
舞台がどちらも都市だからこそ、孤独ぶりがさらに際立つ。心を通い合わせる術を知らないのか、そもそも言葉がないのか、そのせいで身体のコミュニケーションがとても空虚に見えた。中途半端に手にしているものを一度>>続きを読む
どの作品にも、恐ろしいほど政治的に無色だったのが気になった。あるいはもっと巧妙に練り込まれているのかな。