ぺむぺるさんの映画レビュー・感想・評価

ぺむぺる

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アンナ(1966年製作の映画)

4.0

パリの広告業界で働くビジネスマンが、広告用写真に映り込んだ美人に一目惚れ。街中に写真を貼るなど思いを募らせるも、愛しいあの娘はなかなか姿を現さない。

タイトルからただひたすらにアンナ・カリーナを愛で
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

4.0

行方不明者の捜索のため、とある孤島に上陸した警察官。奇妙な風習と共に暮らす住民たちに困惑・戦慄・嫌悪を覚えながらも、非存在の少女の謎を追う。

いわずと知れた英カルトホラーの傑作。明るくも呪術的なケル
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ドラキュリア(2000年製作の映画)

2.0

ヴァンヘルシングの孫を称する老紳士の元から盗まれた銀の棺。中に安置されていたのは吸血鬼で、悪党どもの血を吸いながら“運命の女”を探し求める。

ウェス・クレイヴンらしいライトなホラー。細かいことは気に
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

4.0

午後の気だるい情事のあと惨殺された人妻。事件の目撃者である娼婦と被害者の息子が、ともに犯人の謎に迫る。

名作「サイコ」のデパルマ的解釈。変態的な演出と、「殺しとエロス(性)」という作品のテーマが絶妙
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ザ・センダー/恐怖の幻想人間(1982年製作の映画)

3.0

昼下がりの公園で入水自殺をしかけた記憶喪失の青年。彼の主治医になった精神科医が、奇妙な幻視にとりつかれていく。

邦題からあふれ出るB級感のわりにしっかりした作りのホラー。ミステリアスなオープニングや
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ダウンレンジ(2017年製作の映画)

2.0

あけすけなグロゴア描写に人を選ぶところはあるものの、全体的には手堅い作りのワンシチュエーション・スリラー。ギョッとするような人体損壊は匂い付け程度で(極めて強烈な、匂いだが)、正体不明のスナイパーにい>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

1.0

インテリによるインテリのための映画。自分のような教養のない人間には、作者の言いたいことのために映画的な面白さがスポイルされた作品、としか映らなかった。こちらは怖い映画・面白い映画・退屈な映画・意味不明>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

4.0

「妻を殺された男の復讐劇」という王道かつ鉄板の胸熱展開と、「AIチップの搭載により超人化した主人公」「裏の世界で暗躍する謎の組織」といったディストピアSFの雰囲気が見事に融合した魅力あふれる一作。>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

5.0

文句なしの完結篇。BTTFというのはシリーズ全体が水の旅に似ている。森の中で生まれた奇跡のような愛らしい泉は、急流に乗って極上のスリルを提供してくれたあと、未知へのロマンあふれる大海へ悠然と注ぎ出る。>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

2.0

4Kシネマにて中学生のとき以来の再鑑賞。熱烈なファンとはいえないまでも、初見時に少なからぬ衝撃を受けたのは事実で、そのうえ当時の世間の熱狂を肌感覚で知っているものだから、疑いようもなく“傑作・重要作”>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.0

常々「映画とは見たことのない景色を見せてくれるもの(だから素晴らしい)」と思ってきた者としては、なかなかに居心地の悪い作品。特にホラー好きは身につまされる内容なのではなかろうか。

カメラ(の三脚)に
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落下の王国(2006年製作の映画)

5.0

何度見ても胸がいっぱいになってしまう。子どもの頃作った宝箱のように、いつまでも大切にとっておきたい映画。それくらい自分にとっての「好き」が詰まっている。

昔々、アメリカはロサンゼルスの、とある病院に
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

5.0

昔、場末のスナックでコーヒーを飲んだことがある。

大学二年の、授業が終わり友人と構内を歩いていたときのこと。コーヒーが飲みたいな、というのはどちらが先に言い出したんだろう。わたしたちは双子の姉妹の
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.0

前作のおかしさ🤣120%ましましの痛快ジェットコースター・ムービー。映画的な完成度でいえば前作のそれに及ばないものの、スケールはでっかく、浮き沈みは激しく、とにかく観客を楽しませようという気概がひしひ>>続きを読む

Curve(原題)(2016年製作の映画)

2.0

文字どおり「一歩間違えば死ぬ」身体的恐怖と、「なにがなんだかわからない」精神的恐怖を描いた短編映画。この2つの合わせ技かつそのエッセンスだけ取り出したような作品なのだから、これで怖くないわけがない。>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

2.0

差別意識に身を浸した人間の末路を描く短編映画。提起しようとしている問題意識には共感しかないが、映画表現として見ると気になる箇所がいくつかあり、手放しに褒められた作品ではないように思う。

ひとつに話が
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

2020/06/22
全長版(劇場版)を見たので少し追記を。短縮版(TV版)でも薄々とは感じていたのだが、不穏で不気味な雰囲気はここにきて極まれりといった感じ。控えめにいって絶品です。初期村上春樹のシ
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

5.0

脚本も演出も役者の演技もキレッキレ。見るたびに「こんな面白い映画見たことない!」と驚嘆してしまう。

言わずと知れたタイムトラベルものの伏線回収お化けなわけだが、それがいささかも頭を痛めないのが素晴ら
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切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)

3.0

19世紀末、ロンドンのはずれにある貧民窟で発生した凄惨な連続殺人。容疑者のひとりはすでに死亡しており、その妻が夫殺しの裁判にかけられていた。

霧に包まれた街角、猥雑なミュージックホール、闇夜に跋扈す
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アブノーマル・ウォッチャー(2015年製作の映画)

1.0

ひさしぶりに見終わったあと「で?」となってしまった。

話の筋はド直球で、「キモいおっさんがキモいことをしてキモかったです」という、ある意味肝の据わったところを見せてくれる作品ではあるが、肝となるキモ
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ダークシティ(1998年製作の映画)

4.0

闇に閉ざされた街、繰り返されるメタモルフォーゼ、どこにも行けない世界。「隠れた名作」「カルトの傑作」そんな噂を耳にしてそれなりに期待して臨んだが、こうした期待をぬるりと超えてくる映画だった。傑作。>>続きを読む

ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

4.0

最高品質のイーサン・ハント。現役を退き後任指導にあたっていた元敏腕エージェントが「ラビットフット」をめぐる陰謀に巻き込まれていく。そつのないストーリーテリングにピリリと効かせたスリル、その塩梅が見事で>>続きを読む

ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

1.0

男臭さ全開のM:I。とある研究者の開発した致死率100%のウイルスとその特効薬が悪党の手に渡ってしまい、これらの奪還作戦に我らがイーサン・ハントが乗り出す。全編アクションに振り切ったシリーズ第2作は救>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

2.0

トムがいろいろと宙ぶらりんになる話。秘密諜報組織に所属する敏腕スパイが、内通者の罠によって濡れ衣を着せられ、組織から追われる羽目に。超ヒットシリーズ「ミッション:インポッシブル」第1作。思いのほかわけ>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

5.0

受け継いだのは逃れられない運命。祖母の死を発端に顕在化する家族の秘密、それに翻弄されていく一家の悲劇を描く。先の読めない展開に、全編を覆う不穏な空気、アクロバティックな着地点、そして精緻かつ奇天烈な演>>続きを読む

プロムナイト(1980年製作の映画)

2.0

晴れ舞台は人生最後の日。度を越した悪ふざけからひとりの少女を死に追いやってしまった4人の子どもたち。6年後、成長した彼らの通う高校でプロムが開かれる晩、奇怪な連続殺人が発生する。80年代スラッシャーブ>>続きを読む

ペット・セメタリー2(1992年製作の映画)

2.0

死者はまだまだ動き出す。母親を亡くした事件で心に傷を負った少年が、彼の地の呪われた力に魅了されていく。キングが脚本はおろか原作からも降りてしまったという、逆お墨付きの落書きホラー。とはいえ、前作から一>>続きを読む

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)

3.0

そこは死者が動く場所。移り住んだ田舎町にて〈境界の向こう側〉の秘密に触れた主人公が、愛する者の死をまえに恐るべきタブーを犯してしまう。あらすじだけで大方のネタは割れている、と侮られがちな作品ではあるが>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

SFの土壌にまかれた神話の種。近未来、宇宙植民地にて反乱を起こした人造人間〈レプリカント〉が地球に逃亡。その抹殺を任とする専任捜査官〈ブレードランナー〉が彼らを追跡していく。鮮烈なビジュアルと意味深な>>続きを読む

ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

4.0

生きのびるための異界めぐり。舞台は近未来、犯罪者の流刑地となり現世から隔絶された都市NY。囚われの大統領を救出すべく孤高のアウトローが苛烈な戦いを繰り広げる。インディペンデント精神あふれるダウナーな世>>続きを読む

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.0

陽系ゾンビ映画の筆頭格。冴えない主人公が世界の終わりに際して人並み以上の頑張りを見せるというド定番の展開を、気の利いた編集・ゴキゲンなミュージック・こなれたギャグの連鎖でイケてるムービーに仕上げた快作>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.0

大草原の小さな家 meets ホラー。無知蒙昧なアメリカの開拓時代、さまざまな困難に襲われた一家が狂信と疑心暗鬼の末に崩壊していく。多くの人がホラー映画に求めるであろう恐怖やスリルの快感には乏しいもの>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.0

実際の未解決事件に材をとった傑作サスペンス。実話であるだけに事件の結末は明白で、端的に言って「犯人はわからない」わけだが、それゆえに引き起こされるラストのカタルシスは並み居るミステリ作品をごぼう抜きに>>続きを読む

ドラえもん のび太のパラレル西遊記(1988年製作の映画)

3.0

ドラ映画第9作。原作者の存命中に唯一原作漫画の描かれなかった作品、言ってみれば「映画オリジナル」なわけだが、他の原作つきドラ映画と比べても特段見劣る点はなく、かえってすっきりまとまったストーリーライン>>続きを読む

ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

2.0

正直言って「くだらんおべんちゃらはよせ」といったレベルの映画なのだが、これほど人気の高い本作について「これぞ見たかったドラゴンボール」などと言われてしまっては、わたしが幼年時代より人生の一部として享受>>続きを読む

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(2018年製作の映画)

2.0

実話に基づく映画は、その作り込みの甘さを「実話だから」という言い訳に逃げ込むものも多く、それほど期待しないで見るのが常なのだが、本作も案の定不完全燃焼系の作品であった。

そもそも実話であることを喧伝
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