終盤の絶望感へのドライブ。
顕著になる光と影。
ラストの突き放し。
アトリエのロケーションも面白い。
カメラと照明。白の暴力。
ベッドとカーテンだけの部屋で、人物は奥→手前→奥と移動するのみ。
シンプルな凄味。
スタンダードサイズに走る対角線の如き、斜めの構図。
右下から階段を駆け上がり登場するダナ・アンドリュース。↖
犯行現場となるアパートには、半地下の部屋があり、常に右下に位置している。↘
犯行現場を跡>>続きを読む
船員。現場担当者と指揮官。
乗客。一等と三等。
あるいは他の船。
それぞれが感じる「これはやべえ」のタイミングの時間差。
メロドラマと呼ぶには些か陳腐で決まりの悪い恋愛譚からの急旋回。
白日のラブシーンを、窓ガラスに映し出して黒く染め上げる。
豪腕ノワール。
マン=オルトンによる異次元級のノワール。
革命は夜、行われる。
顔面を見せるということ。
冒頭の顔面オーバーラップ。
ヒロインは、ベールを上げて顔を見せる。
フーシェの老獪な面と、ロベスピエールのピ>>続きを読む
チャイナタウンの逃走劇。
オモチャと赤ん坊の使用法。
列車アクションは勿論「その女を殺せ」に軍配が上がる。
廊下。キッチン。リビング。階段。
各部屋の導線と位置関係を簡潔に伝える、カメラ位置と人物配置。
間取りホラー。
大泉洋の大泉洋感が控えめで、良い。
松岡茉優も受けに徹していて、好ましい。
編集ありきではあるものの、役者の演出が総じて際立つ。
「半沢直樹」へのアンチテーゼにも思えるが。
隣人ポールのキャラクター造形。
十字架。ダウジング。祈り。
寝室の隅に潜む”それ”を巡る、唐突かつ堅実なジャンル感。
去り際の映画。
砂漠を後にするノマド仲間の車列。
妹の自宅を発つファーン。
夫の遺品を片付けた車庫との別れ。
ロングショットで魅せる、それぞれの決別。
北村匠海にツッコミ役は厳しい。
配信で見てしまった時点でこちらの負け。
動機も感情も不要。
思考ではなく行動によってのみ悪を体現するルドガー・ハウアーのキャラクター造形は、悪役の鑑である。
いくらなんでも泣きすぎだろう。
煙突のカットは多すぎるだろう。
舘ひろしの演技は酷すぎるだろう。
肝となる人権や家族といったテーマも、さしたる新鮮味もないのだが、冒頭や車での襲撃シーンなどの長回し含>>続きを読む
ヤクザに襲撃される長男の店。
ガラス越しの横移動ショット。
左→右→左。
病院の廊下。
暗がりの前後移動。
手前→奥。屋内→屋外。
絶景・風光明媚を意識した長回しは、プロットとキャラクター造形の">>続きを読む
映画館。21年初。
自宅。夜。映画を見ていないと告白する高良。「やっぱりなー。絶対そうだと思った―」と言いながら、高良の膝に顔を預ける門脇。
高良の実家。昼。頬をはたかれる門脇。
このつなぎが最も興>>続きを読む
ズームアップとロングショット。
静と動ではなく、只々外連味のためのカメラなのだと思えば、小林というより橋本の映画であることに気付かされる。
インタビューカメラのフィックスされた画。
別人格のように語る男。
話しているのは妹なのか、姉にはわからない。
幽霊としての妹を認識している我々にとっても、それは同様で、男が本当に憑依されているかは曖昧>>続きを読む
NOT THE END。
本作以後、濱口は換骨奪胎を繰り返し、やがて禍々しさを獲得してゆく。
式場の待合室で、元カレと女が新婦の秘密を話し合っている。
他の参列者たちは何も気にしていない。
ファンタ>>続きを読む
「喜劇王」はコメディではなくラブロマンスである。
とすればロマンスよりもサクセスストーリーに重きを置いた本作は、やはり分が悪い。
劇伴は勿論のこと、キスをリップクリームと称する芝居を臆面なく見せてくるなど、さながら日本の90年代トレンディドラマの如き様相だが、全裸少年・不潔親父・弁当業者・極道芝居といったコメディモチーフは、トレ>>続きを読む
冒頭のクレジットから人を食ったような演出は、そのまま作品内の”ワイルド・ウェスト・ショー”を示す。入れ子構造。
アルトマンが00年代に撮っていたら凄いことになっていただろう。
問答無用とばかりにフェミニズムだジェンダーだのが叫ばれる現代ではおよそ実現し得えぬ、アルトマンの咆哮。
ヒステリーとメランコリーにまみれた喧騒。
冷徹なカメラ。
嘲りの雨。
「バニシング IN TURBO」もまた同年に製作されたという妙な符号。あちらより猥雑なエネルギーに満ちている。洗練より無骨。
マネキン部屋のロケーションも良い。フィギュアなあなた。
江戸川乱歩。美輪明宏。三島由紀夫。
錚々たる面子の中で、最も強烈なのは西村晃の死に様であったという点で、これは深作の映画である。
最終抗争における両組の対峙シーン。
退廃的な様相は一切なく、今にも踊り出しそうな熱気がある。
ともすると「カンフーハッスル」のダンスシーンは、これにインスパイアされたのかもしれない。
ビグロー、青の時代。
海。波。大空。
但し”ブルー”は邦題であり、ラストシーンは曇天。
サーファー×銀行強盗。
キャラクター造形の妙がここにも。
無線のノイズ、あるいは凶器としての芝刈り機の不穏さ>>続きを読む
ビグロー、青の時代。
夜景。ネオン。そして銃身。
警察服のシャツもまた青である。
人を撃ちたい警官ヒロイン。
銃に魅入られたストーカー。
何の役にも立たない先輩捜査官。
アクション演出を第一義とし>>続きを読む
動物はチンパンジー。
音楽はゴブリン。
ヒロインは可愛い。
外連味を欲する本ジャンルで、クールタイプなヒロイン造形は悪手ではないか。