battutaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

4.0

終盤の絶望感へのドライブ。
顕著になる光と影。
ラストの突き放し。

アトリエのロケーションも面白い。

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.0

カメラと照明。白の暴力。
ベッドとカーテンだけの部屋で、人物は奥→手前→奥と移動するのみ。
シンプルな凄味。

歩道の終わる所(1950年製作の映画)

5.0

スタンダードサイズに走る対角線の如き、斜めの構図。

右下から階段を駆け上がり登場するダナ・アンドリュース。↖
犯行現場となるアパートには、半地下の部屋があり、常に右下に位置している。↘
犯行現場を跡
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SOSタイタニック/忘れえぬ夜(1958年製作の映画)

3.0

船員。現場担当者と指揮官。
乗客。一等と三等。
あるいは他の船。
それぞれが感じる「これはやべえ」のタイミングの時間差。

夜よりも深い闇(1946年製作の映画)

4.0

メロドラマと呼ぶには些か陳腐で決まりの悪い恋愛譚からの急旋回。
白日のラブシーンを、窓ガラスに映し出して黒く染め上げる。
豪腕ノワール。

秘密指令(恐怖時代)/秘密指令 The Black Book(1949年製作の映画)

5.0

マン=オルトンによる異次元級のノワール。
革命は夜、行われる。

顔面を見せるということ。
冒頭の顔面オーバーラップ。
ヒロインは、ベールを上げて顔を見せる。
フーシェの老獪な面と、ロベスピエールのピ
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カモ(1949年製作の映画)

3.0

チャイナタウンの逃走劇。
オモチャと赤ん坊の使用法。
列車アクションは勿論「その女を殺せ」に軍配が上がる。

ベラ・ルゴシの 幽霊の館(1941年製作の映画)

2.0

廊下。キッチン。リビング。階段。
各部屋の導線と位置関係を簡潔に伝える、カメラ位置と人物配置。
間取りホラー。

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.0

大泉洋の大泉洋感が控えめで、良い。
松岡茉優も受けに徹していて、好ましい。
編集ありきではあるものの、役者の演出が総じて際立つ。
「半沢直樹」へのアンチテーゼにも思えるが。

ミナリ(2020年製作の映画)

3.0

隣人ポールのキャラクター造形。
十字架。ダウジング。祈り。
寝室の隅に潜む”それ”を巡る、唐突かつ堅実なジャンル感。

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

去り際の映画。

砂漠を後にするノマド仲間の車列。
妹の自宅を発つファーン。
夫の遺品を片付けた車庫との別れ。

ロングショットで魅せる、それぞれの決別。

とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

1.0

北村匠海にツッコミ役は厳しい。
配信で見てしまった時点でこちらの負け。

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.0

動機も感情も不要。
思考ではなく行動によってのみ悪を体現するルドガー・ハウアーのキャラクター造形は、悪役の鑑である。

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.0

いくらなんでも泣きすぎだろう。
煙突のカットは多すぎるだろう。
舘ひろしの演技は酷すぎるだろう。

肝となる人権や家族といったテーマも、さしたる新鮮味もないのだが、冒頭や車での襲撃シーンなどの長回し含
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春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

3.0

ヤクザに襲撃される長男の店。
ガラス越しの横移動ショット。
左→右→左。

病院の廊下。
暗がりの前後移動。
手前→奥。屋内→屋外。

絶景・風光明媚を意識した長回しは、プロットとキャラクター造形の"
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.0

映画館。21年初。

自宅。夜。映画を見ていないと告白する高良。「やっぱりなー。絶対そうだと思った―」と言いながら、高良の膝に顔を預ける門脇。
高良の実家。昼。頬をはたかれる門脇。
このつなぎが最も興
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

3.0

ズームアップとロングショット。
静と動ではなく、只々外連味のためのカメラなのだと思えば、小林というより橋本の映画であることに気付かされる。

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

5.0

インタビューカメラのフィックスされた画。
別人格のように語る男。
話しているのは妹なのか、姉にはわからない。
幽霊としての妹を認識している我々にとっても、それは同様で、男が本当に憑依されているかは曖昧
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永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.0

NOT THE END。
本作以後、濱口は換骨奪胎を繰り返し、やがて禍々しさを獲得してゆく。

式場の待合室で、元カレと女が新婦の秘密を話し合っている。
他の参列者たちは何も気にしていない。
ファンタ
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新喜劇王(2019年製作の映画)

2.0

「喜劇王」はコメディではなくラブロマンスである。
とすればロマンスよりもサクセスストーリーに重きを置いた本作は、やはり分が悪い。

喜劇王(1999年製作の映画)

4.0

劇伴は勿論のこと、キスをリップクリームと称する芝居を臆面なく見せてくるなど、さながら日本の90年代トレンディドラマの如き様相だが、全裸少年・不潔親父・弁当業者・極道芝居といったコメディモチーフは、トレ>>続きを読む

ビッグ・アメリカン(1976年製作の映画)

2.0

冒頭のクレジットから人を食ったような演出は、そのまま作品内の”ワイルド・ウェスト・ショー”を示す。入れ子構造。
アルトマンが00年代に撮っていたら凄いことになっていただろう。

Dr.Tと女たち(2000年製作の映画)

5.0

問答無用とばかりにフェミニズムだジェンダーだのが叫ばれる現代ではおよそ実現し得えぬ、アルトマンの咆哮。

ヒステリーとメランコリーにまみれた喧騒。
冷徹なカメラ。
嘲りの雨。

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

3.0

「バニシング IN TURBO」もまた同年に製作されたという妙な符号。あちらより猥雑なエネルギーに満ちている。洗練より無骨。

マネキン部屋のロケーションも良い。フィギュアなあなた。

黒蜥蜴(1968年製作の映画)

3.0

江戸川乱歩。美輪明宏。三島由紀夫。
錚々たる面子の中で、最も強烈なのは西村晃の死に様であったという点で、これは深作の映画である。

監獄人別帳(1970年製作の映画)

2.0

仲間の死体を埋める3人の遠景カット。
夕陽。雪原。そして最終決戦へ。

殺し屋人別帳(1970年製作の映画)

3.0

最終抗争における両組の対峙シーン。
退廃的な様相は一切なく、今にも踊り出しそうな熱気がある。
ともすると「カンフーハッスル」のダンスシーンは、これにインスパイアされたのかもしれない。

ハートブルー(1991年製作の映画)

4.0

ビグロー、青の時代。
海。波。大空。
但し”ブルー”は邦題であり、ラストシーンは曇天。

サーファー×銀行強盗。
キャラクター造形の妙がここにも。

無線のノイズ、あるいは凶器としての芝刈り機の不穏さ
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ブルースチール(1990年製作の映画)

4.0

ビグロー、青の時代。
夜景。ネオン。そして銃身。
警察服のシャツもまた青である。

人を撃ちたい警官ヒロイン。
銃に魅入られたストーカー。
何の役にも立たない先輩捜査官。

アクション演出を第一義とし
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フェノミナ(1985年製作の映画)

1.0

動物はチンパンジー。
音楽はゴブリン。
ヒロインは可愛い。

外連味を欲する本ジャンルで、クールタイプなヒロイン造形は悪手ではないか。