ささんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

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出産適齢期、産後うつ、生理と中絶の後遺症、同性婚、人種問題、職業差別…… 人生を煩わしてくるあれこれに、女性たち(+女の子)はささやかに手を取り合って立ち向かう。一夏の終わりがちょっと背中を押してくれ>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

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音がデカいからと言って寝ない訳ではないことを証明してくれる映画。でも一旦開き直って観始めるとなんかものすごいパッションに押されてしまいパンフまで買って帰って来た。
とにかく大仰な物語のなか、同じくうっ
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

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観る者にストレスがかかるという点で正しくジェットコースタームービー。問題だらけの組織(あるいは個人)はそのひずみのエネルギーに任せて自壊させてやるしかないのかもしれない。
長回しの「誰かが大失敗したら
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

刹那的であることが前提にあるヴァカンスの季節の人の交わり。怠惰であり夢のようでもあるあの時間を、カラッとした夏の空気そのままにあっけなく終わらせる潔さが好き。と言いつつ成人男性が寄り合ってしょうもない>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

まごうことなきレア・セドゥ映画。それでいて他の全ても最高に好き。人生を戯れな変化の連続とする船乗り的達観は、陸という異界で見た幻を一際輝かせる。
20年代ファッションが狂おしいほど眼福で、モブキャラ達
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映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)

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名だたる同業者たちの顔ぶれを見て、なぜ今までこの女性の存在を知らなかったのかと驚くばかり。自ら作り上げたも同然な業界の歴史から消されるのはどんなに哀しいことだろう。歴史は作られる物なのだと改めて思う。>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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本来なら省略されるべき日常の一切をこれでもかとつぶさに映す200分。売春で稼いだ金すら食卓に何事もなく鎮座し、調和を保っているのにはある意味感嘆。でも作品内で再現される動作はどれも自分の身に覚えのある>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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青春すぎる。この温度感の夏過ごしたことある奴いるの???

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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もう引き返せないポイントに来てしまったという20代後半の気づきをフェミニズムで紛らわして日々生きている身としては、自分の話だと思わずにはいられなかった。母になることで"最高"になれると言うのならユリヤ>>続きを読む

アポロンの地獄(1967年製作の映画)

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オイディプス王原作で自伝的とは大きく出たわね、って感じだけどバイオグラフィー見たら人生盛り盛りじゃんこの人。父と息子のエトセトラを人類最速で描いた人もすごいなー
こういう全てが大仰な映画をたまに見て冷
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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初コレエダ、思った以上にプレーンすぎてカン・ドンウォンとペ・ドゥナの良さしか残らなかった。

リフレクション(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

目を逸らすことが許されない無慈悲なロングテイクのなか、淡々と繰り広げられる暴力にとてつもない恐怖を感じた。映画の中の暴力表現について、今後の見方を変えてしまうような強烈な体験だった。
肉体と魂を別のも
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

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もし日本映画というものが存在するなら私はきっと苦手だなぁと新宿からとぼとぼ帰ったけど、ノックのシーンとか押し並べて好きだったし、ただ単に使用言語:母語な映画が苦手なだけかもしれない。

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

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家中の扉を開け放して、音も無く風が通り過ぎるのを肌で感じる初夏の日の心地よさ。
聖地に来てはしゃぐどころか憧れの人との隔絶にぶち当たってしゅんとして、突然ツボって笑って、と思えば夫そっちのけで内省に耽
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

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僕の好きなフラウは令和になっても素足。
キャッチーな名言と性根ねじ曲がったキャラが豊富なシリーズだけど、戦争モノっていう素地はしっかりしてて作品として強いよねガンダム。

ショーシャンクの空に 4Kデジタルリマスター版(1994年製作の映画)

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今さらの初見。でも終盤の脱獄種明かしシークエンスのノリだけで出来た90年代アメリカ映画とトウモロコシ畑の野球場で育った身としては不思議と初見な気がしなかった。素性を語り合わずとも成立する友情エンドが熱>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

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好きなものを好きと胸張って言えない自分はもどかしいけど、一緒に楽しんで、向き合うために背中を押してくれる友達がいればそれは十分幸福なことだと思う。
飛び跳ねるみたいに走る芦田愛菜さんの後ろ姿可愛すぎる
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

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今まで人生で感じてきた孤独が偽物だとは思わないが、故郷から離れ家族は皆死んだと言わねばならない心情を想像するに胸が詰まる。
難民という大きな問題をテーマとして描きながらも、それが一個人の人生にどんな影
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犬王(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ほぼボラプなのでエーオもドンドンパもあるし仮面外したら実はボウイというとんでもロック・ミュージカル。ライブパートで脱落者が出始めたのを如実に感じたけど、芸事やパフォーミングアーツという営みの根源的な面>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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前作未見なのでキャラへの感動は薄いけど、"映画を観た"という確かな実感に琴線をメタメタにされエンドロールで大号泣。映画ってこんなに素晴らしいということを忘れていた。トムクルーズ、良い夢をありがとう。

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

始終どこに連れて行かれるのか分からず、観終えるとすごく疲れている映画。男らしさを押しつけすぎて息子を失ったお父さん、その切実な愛が炸裂するオチを誰が想像しただろうか。
車の子を懐胎って設定がシンプルに
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アネット(2021年製作の映画)

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アダムドライバーのドニラヴァンみ(物理)を真に活かした大正解キャスティング。ゆえに期待値上げすぎたのかそれほど刺さらなかった。
作品自体はいい感じにとち狂ってて好き。ミュージカルって当たり前のようにリ
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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

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原作派だけどハリポタで育った世代なので第一章から涙目だし、ラストであのシーン持ってくるの大泣きしちゃうよね。

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

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最高。モラハラ夫の悪事に巻き込まれ極限まで緊張させられた後の、全てが転落していく展開に快感すら覚えた。あと15分長くていいからもっと堕としてくれてもいいのよ。相変わらず気品溢れる不気味さが上手い。

汚れた血(1986年製作の映画)

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YouTubeで何度も観てたあのモダンラブのシーンをついにスクリーンで!ドニ・ラヴァンの唯一無二の顔立ちに見惚れて普通に完走した。彗星のせいでじっとり、みたいな謎世界観好き。アンナのリップめちゃいい色>>続きを読む

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

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予告でフェミニズム要素ビンビンに感じ取って観る。普段ドラマ重視のものばっかりでこれ系は観そうで観てないのが多いけど、映画ってこれでも良いんだよな〜ってなる時間もやっぱり必要。デパルマみたいなエグいピン>>続きを読む

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

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見えすぎる故に絶望も深まると退廃しかすることがない。ひんやりした小さな鉛の塊が全てを終わらす一縷の望みに見えてくるまでは。"怠惰は無制限?" "極めると甘美的になる"みたいなやりとりが好き。この作品に>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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初バットマン。良い。アメコミ映画を追うようになって約半年、MCU含めて1番ノれた。ジャンル的にも字義的にもノワールな映画が好きなのだなと実感。それにしてもゴッサムシティは治安終わってて住む甲斐なさすぎ>>続きを読む

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

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バカンスの陽気のなか常に不穏さが漂うサスペンス演出がうまい。主役2人の演技も文句なし!傑作。

子育て経験がないからレダと同じ世界を見ることはできないけど、"母性"というものが自分の行く先にどうも見当
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

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監督:タル・ベーラと出てきた時の達成感&脱力感は本当に筆舌に尽くし難い。
7時間超/150カットというゆったりすぎるテンポが作品の核となる停滞感を見事に体現している。終わりなき円環へと誘う禍々しい鐘の
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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

テレビシリーズから一気見。すごいなこれ。性癖丸出しの絵柄で聞くに堪えない会話もあるっちゃあるけど、それもご愛嬌になるほどの秀逸な世界観が作品を力強く支えていてジブリを彷彿とさせるまである。劇場版は劇場>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

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私このままずっと東京に暮らすのかな?ってライフプランがぐらつくぐらいには東京の映画だと思った。(この街の良さが私には手に余る気がする。)時計〜ベッドのジャームッシュパロを商業映画で堂々とやっちゃうのほ>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

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国営放送の強制課金に文句言うおじいちゃん。身内だったらたまったもんじゃないかもしれないけど、心底みんなの為を思ってやってるのがとにかく憎めない。
ケイパーものにありがちなスタイリッシュ演出をこのへっぽ
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

初アピチャッポン。ものすごく不思議な映画だった。
前半のところどころ違和感のある日常の断片は、全く回収されることなく堆積していくばかり。探していた人と同じ名前をした人に出会う偶然。遠く離れた土地の記憶
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

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アーミーハマーがもはや懐かしく感じるほど待ちに待った公開。艶々してるエマ・マッキー良すぎ。VFXはショボい。

ドント・テル~秘密を話したら最後/誰にも言うな(2020年製作の映画)

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病気の母親のため金を盗んだところを見つかったジョーイと兄マット。たまたま居合わせた警備員・ハンビーは2人を追いかける最中に森の古井戸に落ちてしまう。見捨てることが出来なかったジョーイは兄の目を盗みハン>>続きを読む