ささんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

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幸福は最大の敵、というポンポさんの創作論に首が千切れるほど共感。外との交流を断ち内に籠もることで豊かな精神性が育つ、というのはまさにそうであってほしいと思うばかり。でも自分の道のために何かを犠牲にする>>続きを読む

それから(1985年製作の映画)

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いかにも心象風景って感じの電車のシーンとか、要所要所でハッとする画があっておもしろい。基本はボソボソ喋る高等遊民が女の子の家を行き来するだけの話なのだけど、クセになる独特のリズムがあるなぁ。

飲み物
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ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

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一部屋で展開する一晩の物語、っていうミニマルな構成が好き。自室の壁一面にメカがぎっしり詰まっているの楽しいだろうな。テクノ全然詳しくないけど、なんとなくボーカロイドが流行り始めた時期を思い出した。

トムボーイ(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

性別的な記号としてファッションや髪型が持つパワーの強さを改めて認識する。ショートヘアで身体のラインが隠れる格好のロールは完全に「男の子」にしか見えなかったし、それに見慣れた分ワンピースを着せられた時の>>続きを読む

Parallax(2021年製作の映画)

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parallax(視差)という言葉を知らずに鑑賞。社会に馴染めないマイノリティと芸術の出会いの話かなぁと観ていて思った。誰かの物差しで画一的に審査され打ちのめされ続ける中で、自分の中に芽生えたしこりの>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

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ついに観た。5時間あった。1秒も退屈しなかった。
けど今の私にはそんなに刺さらなかったな。序盤〜中盤にかけてコミュニケーション欲がめちゃ高まったけど、最終割と盛り下がってしまった。フェリーのシーンがピ
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豚とふたりのコインランドリー(2021年製作の映画)

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ブタは美術の人に「洗濯物を持ってきて」と撮影前日頼んだらその中に入ってたらしい。カメラが常にじわじわ動いてるのは、はじめは固定で撮り始めたけどそのテイクはカメラマンに好きにやらせたから。終盤の拙いピア>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

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困った時にホテルカリフォルニア熱唱してくれるオークワフィナと10年来の友達なんてもうその時点で怖いもの無しじゃん。トニーレオンの顔いつ見ても甘々すぎて非常好。

ROUTINE(2020年製作の映画)

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話が合わなくても、というか一言も話してくれなくても、いつも規則正しく動いてる奴のリズムってそばにいてなんか心地よい。公倍数的にたまにハモれればいいよね。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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やっぱマッツはいつでも最高。酒で得たものは自分のものに、酒で喪ったものは酒で弔え!

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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とても心地よい時間だった。
余白の多い映画だけど、考え事する暇もなくただ画面を見つめ物語に身を浸す3時間。人の運転に揺られながらぼーっとする気持ち良さに似ている。

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

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観た決め手はレイチェルワイズ。妹ピューはやっぱり最高。
アベンジャーズ以降のMCUは未見でかなり置いてけぼりをくらったけど、最新CGアクション見学会みたいな感じで楽しんだ。ラストの空から落ちてくるとこ
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

笑いどころが随所にあって雰囲気もキャストも爽やかで好き。でも期待値上げてたせいか全体的にはノットフォーミーだった。映像演出的なクオリティはともかく、映画という題材について描き方に物足りなさを感じる。>>続きを読む

ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

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恥ずかしながらワイスピシリーズは初見。
初めのうちはミリ知ら動画で見たやつだ!とか笑っていたけど、見ていくうちにシリーズ化されるのが納得の面白さ(というか中毒性?)に感服。そしてポールウォーカーの訃報
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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見ず知らずの子供を助けた母の気持ちに時を経て気づくシーン、そしてそんな娘の背中を優しく押す父の言葉がグッと来た。
でも設定とか展開が全体的に雑というか、細かいところがいろいろ気になってしまった。やっぱ
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田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

不養生すぎて見てるこっちがなんか体調悪くなってくる映画。
宗教的文脈は読み取りきれず消化不良。でもあれこれ悩んだ時間が周囲の俗っぽさによって無に帰される感じ、まさに鬱って感じでよい。もっと早くバイクに
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

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言葉を交わすことなくひっそりと旅に出ることを決めた2人が、劇中、文字通り手を取り合うシーンに心を打たれた。私はその痛みを知っている、という静かな連帯のメッセージ。
セリフの少なさが心地よい。しんどすぎ
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愛のように感じた(2013年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

エリザ・ヒットマン予習。
グラグラ揺れる手持ちカメラは割と苦手だけど、ぼんやりと不安定な画は一人称視点の閉じた世界観にぴったり。オルゴールの鏡越しに瞳を見る、あの幻想的なショットが忘れられない。

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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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娘を医学部に通わせられるくらいちゃんと実家が太そうなのがおもろい。というのは置いといて、これは大学のオリエンテーションで見せるべき。"子供だった"の言い訳はあまりに無責任で、その陰に踏み潰された未来を>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

下北沢という街自体への愛着もあってかなり好み。邦画あるある"半径○メートルの世界"観を街単位で展開するとこんな感じだろう。でも純粋に笑える場面が多くて、全く湿っぽくならないのが好感。

出てくるやつ全
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スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

キャスティングに釣られて観る。
まさしく”連れ添った”という言葉がふさわしい打ち解けたやりとりに心が緩む一方、ふとした所作に互いへの確かな愛を感じてハッとした。
自分を失っていくタスカーの恐怖はすごく
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メメント(2000年製作の映画)

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めちゃクレバーでカッコいい。個人的に映画の原体験的な作品の1つで、DVDについていた時系列順バージョンに声を出して感動した記憶がある。そして今すぐその記憶を消してもう一度見返したくなる衝動から逃れられ>>続きを読む

サクリファイス(1986年製作の映画)

4.0

映像美や文学・哲学的関心をくすぐる台詞はともかく、キリスト教の知識が足りずぼんやりした解像度でしか観れないのが歯痒い。正直全く理解できたと思わない。でも最初のロングテイクから引き込まれまくりで一睡もし>>続きを読む

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

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とにかく長い。
印象的なのは、異教の祭日の妖しさとタタール襲来のスペクタクル。鐘の少年は僕の村は〜のイワン役の子だったんだ。単品で作ってくれよってくらい好き。
おじさん達の顔の見分けがつかず、あらすじ
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ピーターラビット2/バーナバスの誘惑(2020年製作の映画)

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相変わらず笑っちゃうほどやり過ぎで、ノンストップな展開に時間を忘れて楽しんだ。何も考えずに見られるのもたまにはいいな。
不気味の谷って何?ってくらいうさぎたちがリアルもふもふ可愛い。芝生を転げ落ちるド
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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

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遠くカモメの鳴き声に目を覚まして、導かれるまま不思議なささやきの部屋に向かうシーンが好き。うら寂しい孤島の海辺の広さと、そこから唯一身を隠せる陰に満ちた難破船も。
父も弟も、ふとした瞬間に押し込めてい
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魔術師(1958年製作の映画)

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科学vs魔術。死の瞬間を観察させてくれるおじさんいいな。屋根裏部屋のホラー演出が完璧すぎて最後の大団円との温度差に困る。

逃げた女(2019年製作の映画)

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正直自分にはまだ掴みどころのない映画だなぁ。猫とりんごとおもしろズーム。監視カメラ越しの観察とおもむろに窓を開けるのが好き。ホン・サンス2本目。

トゥルーノース(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


最初はちょっと違和感もある英語も、3Dアニメと合わせてニュートラルだからこそ物語が真っ直ぐに伝わって、表現の手段として大正解だと思う。
そして全く予想してなかったツイスト。最初から"家族の物語"とし
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沈黙(1962年製作の映画)

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猥雑な昼下がりと占領下であろう異様な緊張感が走る夜。街の表情のコントラストや小人症の一団のコミカルさとで、(そしてもちろん2つの耳慣れない言語のせいで)どこか夢見心地な浮遊感がよい。異国で味わう根無草>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

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大型書店で新刊買ってはそこら辺に積む、というのがすっかり趣味と化しているこの頃。体の奥底に長らくしまい忘れていた、実家や祖父母の家で読んだ古本特有のあの甘い匂いを思い出す。
タイトルにあるブックセラー
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ガイリッチーに関しては思うところありすぎてクソデカ感情が大爆発、正常な判断が年々下せなくなってきている。言語化できるところで言うと過去作で一番雰囲気が近いのがロックンローラ、ガイリチ版レイヤーケーキと>>続きを読む

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

毎度派手になっていくアクションは置いといて、脚本のせいか演出のせいかわからないけどなんかとっ散らかってた印象。同じ櫻井脚本で似たような題材(正義側の暗躍に踊らされた人)を扱ってたゼロシコより詰めが甘か>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

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オープニングがキレッキレでいいな
この作品の子孫となる映画をたくさん見てきたけど、ここに来て映画って何?みたいな時期がまたやってきた気がする。

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なんといっても語りの面白さ!ラジオドラマの骨子が残る叙述と英語のリズムがつくる心地よさよ。
3時間で親子三代に渡るアメリカ史をつまみ食い。米国経済が現代史で見知った状況まで成長する過程は単純に見応えあ
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アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


ドーセットのこぢんまりした家屋と天井が無駄に高いロンドンの屋敷の空間的な対比が面白い。全く気晴らしにならないどころか風邪までひかせる冷たい海と、暖かい日差しのなか手を取り合って水浴びするシーンも。
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