YohTabata田幡庸さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

色々あって久し振りに映画館に行った。その体験そのものが滅茶苦茶楽しかった。やはり映画と映画館がないと生きて行けない体になっていると実感した。

主人公のビジュアルはとても映画的なのに、動きが少ない分、
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.0

観光で一年以上前に行ったニューヨーク・マンハッタンは魅力的な場所に私の目に映ったが、本作ではその街そのものの暴力性をみた。10代の少女たちが何のツテもお金もない中ニューヨークを歩きまわる事の怖さが音と>>続きを読む

ダイ・ハード2(1990年製作の映画)

3.5

やっぱり1の出来が最高過ぎる。
後は良くも悪くも設定を変えてお決まりをやっている様だった。
ジョンの「何で俺はこんなにツイてないんだ」と言う台詞がメタとの境で上手く機能していて好き。
1の「名もなき者
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.8

ノア・バームバック監督作品は「フランシス・ハ」ではまり、マンブル・コア時代の作品しか見て来ていなかったし、その感じが好きだったが、活劇やスリラーを撮るとこうなるのか、と言う驚きと戸惑いが大きい。
正直
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.6

滅茶苦茶笑った。現状今年1番好き。サントラとして使われている曲で毎日踊っている。

「ザ・スクエア」の存在をスウェーデンで知り、少し前に観たばっかりで本作を観た。ブラック風刺コメディ映画を撮らせたら、
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21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.0

チャドウィック・ボーズマン最後の劇場公開作。
良い意味で軽く観られるノワール風のハードボイルド映画だった。
マンハッタン封鎖と言うある種トンデモな発想だが、その決断に至る流れがしっかりしていたので話に
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.8

23歳の私にとってサム・メンデスは「OO7」シリーズの監督であり「1917」の監督だ。つまり「美しく洗練された画面で人間ドラマとアクションを撮る事に秀でた人」と言う事になる。なので、本作が一体どの様に>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.6

超面白かった。
パク・チャヌク作品を観るのが初めてだった為、結構構えて行った。エロとグロの多い監督だと言うのも聞いていたし、どんな作品なのかも分からないまま臨んだが、ちゃんとエンターテイメントだった。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

アクションはカッコ良かったし、くだらなさには大笑いした。この作品が賞を総なめにしているのがどれだけ凄いことかも分かるが、個人的には全く乗れなかった。
情報量の多さ、瞬間風速の勢いだけでガンガン行く感じ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.4

「ウェスト・サイド・ストーリー」をリメイクし、自伝的な作品をつくる事で、自身のキャリアを締めにかかっているのかと思いきや、最後の最後のあのカット。まだバッチリ現役宣言して、お茶目にオチつけて終わるとは>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.9

今の日本の監督で、重厚でカッコ良い綺麗な画を撮れる監督を1人あげるとしたら、そしてそれに見合うストーリーを構築する監督を上げるならば、石川慶はその中に入るだろう。
月夜にドビュッシーから始まるメドレー
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

こんな、ひと昔前のスパイ映画みたいな話が実際にあった事に驚く。日本で言う「日本のいちばん長い日」て所か。
個人的にポリティカル・サスペンスは好きなのでとても楽しんだ。本作はその激動の様子をロングショッ
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.5

初マ・ドンソク。カッコ良かった。サンドバックを叩くマブリー。普通のトレイニングかと思いきや拷問等、起きる事自体に新鮮味は余りないが飽きずに見切れた。王道韓国ノワール。

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.9

ザラッとした手触りの爽やか青春純愛ロードムーヴィー。
ルカ・グァダニーノ作品は「君の名前で僕を呼んで」以来2本目。同作でティモシー・シャラメをスターダムに押し上げたグァダニーノが、再びシャラメを呼び戻
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シュレック(2001年製作の映画)

4.0

エディ・マーフィーは何歳になってもエディだな、と思った。ロバがエディでしかなかった。
そしてディズニー帝国が発して来た夢や希望のメッセージを笑い飛ばし、もう一層深い所で同じテーマを語ってみせる。流石は
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.9

「ブレット・トレイン」と言うタランティーノワナビー、エセ日本描写作品を30分で痺れを切らした後で観た。奇しくも、両者ともアメリカ人が作った日本を舞台にした作品。洋画での日本描写で受け容れられる作品も少>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

なるほど、これが全世界を驚かせたワイティティ節か。The Beatles ‘I wanna hold your hands’ ドイツ語ヴァージョンで始まり、David Bowie ‘Heros’のドイ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.2

初めてPTA作品を劇場で観た。後はHeimとRadiohead のMV、Netflixでトム・ヨークとやった「ANIMA」くらい。そういった意味では、本作が劇場映画観賞一本目で間違っていない気もする。>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.4

本作がスペクタクルである事は間違い無い。画力と音の圧に圧倒された。
だが、面白かったかと言われれば、首を捻ってしまう。デイミアン・チャゼルの「セッション」は、私が初めてひとりで映画館に行った思い出の監
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対峙(2021年製作の映画)

4.2

学校での乱射無差別殺人の話は後を絶たない。だが、銃社会ではない日本では、どこか対岸の火事だ。日本が銃社会だったらUSより目も当てられなくなる気がする。
人が4人話しているだけでこんなにサスペンスフルに
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.3

日本で生き辛さを感じている人が、どんなに理想郷の様に思っている国にも暗部はある。
ストックホルムを美化せず、綺麗な街のあちこちにいるホームレスやどうしてもある格差を、スウェーデン映画と言う、USA西海
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.3

マーティン・マクドナー作品を初めて観た。
作品内で出て来るギネスを観終わって直ぐに買って飲むくらい面白かった。前半は特に滅茶苦茶笑った。俯瞰的で気まずいユーモアを織り込んだ人間模様を、アイルランド内戦
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.3

去年の頭に偶々見つけて以来、ズッと観たかったが、日本で観られるかズッと不安だったので観られて感無量。
20代前半のアタシは、映画を当たり前の様にフィルムで観る時代を体験出来てない、と言う事実を実感せず
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.0

動くシュールなキモカワ絵画、ビックリなSF設定と風刺的なストーリーを添えて。
怖くて面白かった。ちょくちょくエグくてちょくちょく笑った。

ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

4.3

シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」を設定だけ現代で、台詞回しは変えずにやると言う突飛な作品だが、とても楽しかった。
バズ・ラーマンは男を綺麗に撮るのが本当に上手い。しかも若いレオナルド・ディ
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.9

良くも悪くも、金持ちな年寄りの道楽だった。
1作目が小学生の頃に大ヒットしていたので、テレビで放送した時に観たが、CG映像以外の凄さを楽しめなかったのを覚えている。勿論今では3Dで見る事、その映像体験
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.6

またひとつ、観た後にトイレでギョッとする映画の傑作が生まれた。つまり、トキシック・マスキュリニティ(有害な男性性)とそれに対抗する人たちについての映画だ。「それに対抗する人たち」と敢えて言ったのは、そ>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.5

凄くフォレスト・ガンプと似ている。
フォレスト・ガンプに出て来た鳥の羽は本作ではハチドリ、アメリカ史を背景に一代記的な人間ドラマを物凄い映像技術で絶妙なファンタジー仕立てでお送りする。
脚本家が一緒だ
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ディクテーター 身元不明でニューヨーク(2012年製作の映画)

4.0

スウェーデンにいた時分に友人たちから謎に勧められた一本。
決して素晴らしい作品とは言わないが、アメリカのコメディ、ひいては世の中の変化を見るのに、こう言った社会風刺コメディは重要だと思う。
欧米対中東
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

4.0

コーエン兄弟の作品を初めて観た。
オランダで友人と観ようとして途中で寝落ちたので改めて。
スピルバーグ製作というのもあり、とても固くて観やすい、今風の西部劇だった。テンポやカットの決まり方はいわゆるス
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.1

ハンディキャップ×ボクシングと言う地雷臭で観るのを渋っているなら安心して観に行くべき作品だと思う。
「ゴッドファーザー」を初めて観た時、何が凄いのかピンと来なかったのを久し振りに思い出した。芝居も音響
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.2

映画館で寝かけたのは生まれて初めて。

言ってる事は分かったが、笑える所は笑ったんだけど、長回しが多過ぎて、笑えないとか刺さらない所の退屈さと眠たさ尋常じゃなかった。特に、全部が同じ長回しの連続なのが
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ある男(2022年製作の映画)

4.6

日本は骨太な社会派映画が苦手な節があると思っていたが、石川慶監督の言う通り野村芳太郎「砂の器」の様な社会派エンターテイメントとしてとても面白かった。
妻夫木聡は矢張り上手。ちゃんと帰化した在日3世に見
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

コレは歴史に残るヤツだ。リアルタイムで劇場で観られた事に心より感謝。
井上雄彦自身による「Slam Dunk・改」。庵野秀明風に言えば「シン・Slam Dunk」。
オープニングから、文字通り井上雄彦
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.0

ジム・ジャームッシュの中でも中々異質。本作の評価は完全に好みの問題だと思う。
一本目を観た時点で何とも言えず、笑ってしまった。
トム・ウェイツとイギー・ポップの話、ウータンクランとビル・マーレイの話、
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バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

3.9

只のロマンティック・コメディかと思っていたが、一足先に観た友人に強く勧められて観た。
トム・クルーズがカッコイイ。キャメロン・ディアスが綺麗。ペネロペ・クルスがスパニッシュアクセントも含めて滅茶苦茶可
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