脚本にしても映像にしても、登場人物との距離の取り方が良く、ラストでドリーショットからのギュンと近づくシーンのインパクトが強かった。
そもそもの題材があまり好きではなかったが、野内まるのキャラクターは>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
絵画を素材として扱う映画というと、描かれているモチーフを取り上げて図像学的な話をすることが多い(「ダ・ヴィンチコード」のように)が、今回は描画材の方に着目していて新鮮味があり面白かった。
だからこそ>>続きを読む
男側を一概に悪いとも言えないし、男女ともに嫌な感じがする。監督・脚本の加藤拓也が手がける舞台はほとんど観ているが、日常の中にある人間の絶妙な気持ち悪さを描くことにおいては彼の右に出る者はいないのではな>>続きを読む
終盤の怒涛のコマ撮り映像とエンドロールの謎mvがチープで良かった。
細田守のアニメ版でしか「時をかける少女」は知らなかったが、本作はそれと比べてオカルト味が強く、そこまでタイムリープ場面が鮮烈ではな>>続きを読む
始めと終盤は良かった。感情移入できるような話ではなかったが、2人の変化は自然なグラデーションがあって面白い。
群像劇をバランスよく構成していてよかった。
刹那的な大みそかをすごす人々の焦りやワクワク感がリアルだった。
ロードムービーなのだが、「移動している」感覚があまりなかった。展開自体はゆっくりで丁寧なのに、移動の時間がなんだかパッとせず、私の求めるロードムービーではなかった。
色彩にかなり気を使っていることは>>続きを読む
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あの時代をあの場所で共有していた人にしか分からない何か、熱気や愛、悲しみが狂気として表れていた。金管の音楽隊がいつも後ろにいて、狂気のマーチが繰り広げられる。常人には作れない映画。
ディストピアな世>>続きを読む
バンドとその追っかけグルーピーたちと中学生の音楽評論家。
前半のほうがかなり好きだった。
音楽とファッションにかなり力を入れて作られていることがわかる。
実話に基づいているのは良いけど、もっと大き>>続きを読む
前後で噛み合ってない映像とか、設定のゆるさとか、他の映画ではマイナスに思えるところがこの映画ではプラス方向にはたらいている。
何より「スパイ」がずっとソ連の安っぽいTシャツを着ていて、家に米大統領の>>続きを読む
来日中の彫刻家ジャン・ティンゲリーを撮影したドキュメンタリー。
完成作品の映像と展覧会を観ている個人の頭のなかを覗いたようなナレーションから始まり、制作過程を経て、展覧会で完成品が展示されている風景>>続きを読む
広重や春信、北斎作品のモンタージュに時折、狂歌や俳句が挟まる。
大胆なフレームの使い方で絵自体の構図を見せつつ、映画としての構図を意識している。
余白がないように構成しているため、監督個人の各作品へ>>続きを読む
時々入る空想シーンは面白かったが、映像は美しくも構図は普通で、ストーリー展開も予想できるもので物足りなかった。
同監督の「アメリ」のような、凡人の想像力を遥かに超えたシュールさとワクワクさが薄かった>>続きを読む
ウェス・アンダーソン監督作品の中で一番この映画のサントラが好きかもしれない。
駆け落ちしようとする2人が時には子どもに見えて、時にはとても大人に見えるのが不思議。
こういう逃避行を誰でも一度は夢見>>続きを読む
終始何をやっているのかよく分からないが、なんか笑えるし、なぜか観続けてしまう。
ナンノちゃんと他キャストの可愛さで成り立っているように感じるが、時折鋭いセリフが放たれてなかなか刺さる。
薬師丸ひろ子の迫力と可憐さのバランスが絶妙。
映像・構図が個性的で面白い。
劇中劇のクオリティの高さには驚く。蜷川幸雄監修(本人出演)、美術は妹尾河童。そして舞台は帝国劇場。
無駄が少なく、いま観>>続きを読む
unextのあらすじにある「教師と生徒の恋愛」みたいな話ではないと思う。教師が生徒との関係の築き方を模索するといったほうが近い。
ビリーのキャラクターの背景をもう少し掘り下げたほうが良いと思ったし、>>続きを読む
日本初演35周年とブロードウェイ版の見事な幕切れを祝して。
ロイヤル・アルバート・ホールでの特別版ということで、機構の規模もキャストの規模も大きめ。何より、バレエシーンのダンサーが増えたことで奥行き>>続きを読む
現在と過去が対照的という見方もあるかもしれないが、主人公2人は結局なにも変わっていないように思えた。
現在シーンと過去シーンの境い目が時々わかりづらかったのは、2人の容姿や表面的な態度は変わっていて>>続きを読む
シンプルな素材だからこそ、脚本やミシェル・ウィリアムズの演技のすばらしさが光る。
ウェンディ自身が招いた不幸にも見えるが、そこまで強く現状を変えることを望んでいない様子があまりに救えない。
最後の選>>続きを読む
玉三郎の演技と語りから導き出される彼の女役を演じる姿勢と、「レジェンド」たちの言葉。
自分に足りないものを客観的に見たうえで演じる。結局演じられるのは男である自分から見た女であるということ。
男の画>>続きを読む
問題を詰め込みすぎていて、一つ一つのエピソードは良質なのに、まとまりがないオムニバス映画のようになっている。
もう少し姉との関係に集中できなかったのか...
第九とマラソンの場面の合成があまりにひど>>続きを読む
人物設定やストーリーの進み方は回りくどいのに、歌だけストレートでカメラ目線で歌うため少々戸惑う。イヴの歌声で成り立っている。
ファッションやレトロ感のある演出は良いが時代観がつかめず、なんだかぼんや>>続きを読む
倫理と好奇心の葛藤に苦しみながら絵を描き続ける画家と、絵を愛する純粋な心と衝動的で抑えられない精神を持ち合わせた泥棒。
彼らは互いを完全に理解し合あうことはできないが、根底の部分で共鳴し合っていた。>>続きを読む
アルバムをまるまる一本のmvにしたような映画。ゆるっとしたストーリーラインはあるが、基本歌で構成されている。
エブエブを彷彿とさせるシーンが多数あり、もはやエブエブの中のバースの一つなのではないかと>>続きを読む
動画の角を落としたり、静止画を挟むなど編集が面白い。
教訓めいた話ではなく、最後に子どもたちが「このお話の教訓は...ん?(分からない)」みたいになるのが良い。
エンドロールまでずっと画面が楽しい>>続きを読む
おとぎ話を風刺するような枠組みは、ディズニーの自己批判のようで面白い。
ただ、風刺のためにわざと、分かりやすい悪役キャラクターやストーリーラインを採用したのだと思うが、すべてが予想通りの展開で面白み>>続きを読む
ホラー!??
Burn Bookがデスノートみたい。
レジーナが長く叫ぶところが良い。
少年たちを少女たちが演じる意欲的な作品。
光、構図の完成度が高く、湿度が感じられる美しい映像になっている。学期が終わり、夏休みに入っていく瞬間、寮から生徒がいなくなっていく様子を声と映像だけで表現す>>続きを読む
踊り手に質問をするところから振付を行うピナ・バウシュ。
ピナの振付に対する踊り手の反応もさまざまで面白い。アパッシュ・ダンスのようなものもあれば、感情を抑えた仕草や手話もある。
いま彼女が生きてい>>続きを読む
この映画の優れている点は、日常と戦争を対比して描くのではなく、それらが共存している状態を描いていることと、どうしても「夏」のイメージが先行する戦争を四季を通して表現していることだ。
また、アニメーシ>>続きを読む
徹底してジョジョやエルサのような子どもの目線で描いていて、風刺の面白さと現実をうまく掛け合わせている。
言語が英語であるのにはもちろん違和感があるが、それさえも監督が異化効果のために用いたのではない>>続きを読む
思っていたよりもストーリーがしっかりしていた。
貧富の対照は少し分かりやすすぎた気もするが、そこまで違和感はなく、ダンスを楽しめる作品。
予想を裏切らないセットとロケハンの素晴らしさ。
劇中画のドキュメンタリーのように、この映画そのものがドキュメンタリーに似た構成になっている。
海賊が日本語を話しているように聞こえたのは気のせいだろ>>続きを読む
父と母、兄弟への家族愛が主題であると思うが、押し付けがましくなく、淡々と進む列車旅のロードムービーという側面が強い。兄弟3人の旅路を感傷的になりすぎず描いている。
舞台となる列車は新しく内装なども整>>続きを読む