おこのみやきさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

バビロン(2021年製作の映画)

4.3

無声からトーキーへ。1927年の大転換点。当時のハリウッドにとっては「バベルの塔の崩壊」だったのだろう。そうでなくともハリウッドの人種やモラルが混沌としていた状況は、まさにバベルの塔崩壊後の「バビロン>>続きを読む

エビータ(1996年製作の映画)

3.2

アンドリュー・ロイドウェーバーは傑作と駄作の間の溝が深すぎる(オペラ座とラブネバのように)。マドンナの歌唱は素晴らしいが、感情に寄り添った曲が少なく残念。
バラバラの出来事を早足で追っていくだけでいま
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.8

客側が殺される理由もシェフが殺したがる理由も説明されてはいたが、少し弱い気がした。
ラストのアニャちゃんの表情がよかった。

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.1

暴力に対して結局暴力で報復するのは本当にこの物語に沿っているのか疑問。ところどころ既視感があることは仕方ないにしても、違和感が残る。
あと、猫を食べるのは本能だとしても許せないので私だったらその時点で
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

4.0

映像とピアノ音楽がちょうどよくマッチしていた。題名にある「プライド」と「偏見」に割と深く切り込んでいたのが好印象。

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.7

違和感をおぼえる場面がありつつも、はっきりとした着地点を示さず、希望と不安が入り混じる終わり方が良かった。

アメリ(2001年製作の映画)

4.0

テンポがウェス・アンダーソンみたい。ちょっとした飛躍が楽しい。

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0

構成が面白かった。
スケーティングのシーンのカメラワークに躍動感があった。本人が実際に滑っているのか...?多分違うが、とても自然。
主人公とライバルのナンシーとの関係性が重要なはずなのに彼女との絡み
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

マイノリティの中のマイノリティを描いた貴重な作品。
設定はその時代を色濃く反映したものだったが、ファッションや風景にあまり時代性を感じられなかった。

アリス(1988年製作の映画)

3.9

怖いもの知らずなアリスがどんどん突き進んでいく。同じようで少し違う場所をずっと歩き回っていたり、そこにいるはずのないものが突然現れたり消えたり、という夢の特徴がとてもよく表現されていた。
「変化」の動
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.3

設定に新しさがあまり感じられず・・・
たくさん要素を混ぜて上手くまとめようとしている姿勢はうかがえたけれど、台詞の説得力が薄まってしまった印象。
相変わらず河合優美さんはよかったです。

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

4.3

「私たちの日々の祈りは単なる形式的なものなのではないか?」
映画では形式的であることに善悪の判断は下されていない。
「僕」は周りを見渡して、ちょっとした疑問を抱えながら日常を送る。
抑えられた映像のト
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

物語も映像も緩急がはっきりしていて良かった。
「故郷」に居続けることが難しかった当時、そして「故郷」を持つことが贅沢でもある現在という2つの視点と監督の強い思いを感じた。

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

不倫のはずなのに嫌な感じがせず、後味も悪くないというのがすごい。
構図は、前半は面白いと思ったが後半はあまり良さを感じられなかった。

ブロードウェイの子守唄(1951年製作の映画)

3.9

思っていたよりシナリオがしっかりしていた。(誤解の部分など)
ドリス・デイにはなにか目を離せない魅力がある。

ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)

3.7

シャネルの業績というよりかは恋愛にフォーカスした映画。
恋愛映画としては面白いが、主人公がシャネルでなくても描けるような話だった。
当時のフランス社会を理解するための取っ掛かりとしては、わかりやすく描
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舞妓はレディ(2014年製作の映画)

3.9

「マイ・フェア・レディ」のロリコン要素が弱まっていて個人的には安心した。
先日、作曲の周防義和さんのお話をうかがったため音楽に注目しながら観た。ミュージカルとして耳に残る曲が多く良かった。

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)

3.6

完全に共感はできないけれど、信念を貫く2人組がかっこいい。
パリで歌い踊るモンローの場面、パキッとした色彩と歯切れの良い歌詞がマッチしていて楽しい。

ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

4.2

この類の物語を下手にCGを使いすぎず表現しているのが何より好印象。
ストーリーにも表現にも(若きブラピの美しさにも)驚きが多い映画だった。

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.9

2022年ラスト映画。
後半から急にホラー味が増していった。
終わり方がなかなか他の映画では無い感じで、面白かった。
なんにせよ最後まで観た限り、主人公はメンタルが弱いのではなくかなり強い方だと思う。

マチルダ・ザ・ミュージカル(2022年製作の映画)

3.5

ずっとイギリスだけで公開されるのかと思っていたから、普通に観ることができて驚いた。
想像よりもポップだった。もう少し毒と怖さがあると嬉しいけれど、そうすると子供向けじゃなくなってしまうので仕方ない。
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.9

終盤のアニメーションがしっかり作られていて面白かった。
映画で雑誌一冊を表すというのはなかなか難しいだろうと思っていたけれど、ウェス・アンダーソンの本領発揮という感じだった。

タイピスト!(2012年製作の映画)

4.2

お約束。
衣装、構図、音楽、クラシックな作りで無駄がなくてとても良い。

愛なのに(2021年製作の映画)

3.7

河合優実と瀬戸康史ふたりだけの話として観たくなってしまった...
出てくる女性人がみんな狂気じみてるのは面白くて良いけど、教会で神父と話す場面がちょっと安っぽい感じ。

クルーレス(1995年製作の映画)

3.7

結末が読める内容ではあるけれど、衣装、美術が豪華で楽しかった。モノローグが可愛い。後半割と深い内容になって驚いた。

<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019年製作の映画)

3.6

内容がとても良かったのに編集がちょっとダサくて悲しい。
声の収録風景面白かった。もう少し作画の制作風景が見たかった。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.3

そろそろウェス・アンダーソンを観るべきかなと思って観たが、思っていたよりおもしろかった。
こういうテンポ楽しい。美術が細部まで工夫されていて、可愛いインテリアやスイーツが出てくる中で切り落とされた指と
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ゴースト/ニューヨークの幻(1990年製作の映画)

3.9

思っていたより怖かった...
未熟なCG、合成がかわいく感じる。

善人と悪人をはっきりと分けられるものかということと、主人公サムの次第にエスカレートしていくストーカー具合(もはや怨念)には疑問が残る
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母性(2022年製作の映画)

3.6

原作未読で鑑賞。

思っていたより、ミステリー要素は少なかった。もっと嫌な感じで終わることを予想していた(期待していた)がそうでもなく。それでも面白かった。

母と娘が多く登場する中で、戸田恵梨香さん
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

まず、戦略が非常にはっきりしている。
美麗な映像、映画の顔となる音楽、ところどころにスポンサー会社の商品、店舗(kubota、マック、ローソン等々)。
ただ、そのマーケティングが表面に出すぎていて、肝
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

5年間、表千家茶道を続けていたので共感するところが多かった。
何か大きなきっかけからではなく、少しずつ茶道が好きなことを実感していく主人公の描き方がよかった。

万引き家族(2018年製作の映画)

3.9

ずっと崩壊の予感がしながら進んでいく。「万引き」はそこまで大きな要素ではなかった。
後半、ありきたりな構成に見えて少し残念。結末の後を観たい気持ち。

夏の終り(2012年製作の映画)

3.9

暗めの映像の色味、温度がとても好みだった。

恋愛の話ではあるのだろうけれど、私としては1人の女性の人生の話という印象が強かった。そういう意味では共感できるところがあった。

一度も姿を見せなかったが
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.7

東京国際映画祭にて。

フィルムがとても似合う作品だった。

前に座っている人の座高が高すぎて、画面下半分がほとんど見えなかったのが残念。

コメディとして面白い場面がいっぱいあったけれど、長くて飽き
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最後の審判(2019年製作の映画)

3.5

内容としてそこまで非リアルではないように思ったけれど、主人公が変わるきっかけが似顔絵なのは少し陳腐。

他の科ではどうかと思うが、油画であれば初音のような人で受かる人はいると思う。五浪くんもそれを知っ
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ムーンショット(2022年製作の映画)

3.5

機内にて。

展開とか内容にそこまで面白みがあるわけではないけれど、案外設定はちゃんとしているなと思った。