タルカルさんの映画レビュー・感想・評価

タルカル

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

優しい。中学生二人の自然な気遣いが凄い。このようなことは自分が中学生の時はもちろん、未だにどうなんだろうなぁと自責の念に駆られた。この映画の優しさがそういった意味ではしんどかったりもしたけど(どう考え>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.4

映像が壮大で素晴らしいこともあり、本当に気持ち悪い。あいつは何も知らなかったし、あいつらは本当にもう、、結局中世。人物の豹変、狂信であったり、ある人物やらある人物の見え方、立場が変わったりなど分かりや>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

美術に演技に音楽に、特に個人的には音楽が良かった。前半はマーサ夫人とハリーに出会うまでは物語の端折り方とかもあり若干退屈に感じたが、大人の絵本と思えば納得もする

全体的にもそうだが、特に後半は映画オ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

「8 1/2」がよく分かってもないだろうにハマった私からすると、恐らく好きなタイプの映画なのではないだろうかと思いながら見に行きました(既にそこそこの情報が出ていた段階)。好きでした。

主人公の表に
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

察するのが自分は苦手というのもあるのか分からんが、本編中ではなく映画館から出て運転し始めた直後にこの映画の中に散りばめられた違和感がつながり、とてつもない余韻に襲われた。この映画にある不穏な感じと、ど>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.4

不思議な映像の連続でありつつ、現実的な話でもある。転校などの自分ではどうにもならない環境の変化、理不尽なことが起きようが、その中でも自分自身を大切にするべきであり、子供の頃の原体験が人生の助け、癒しに>>続きを読む

紅の豚(1992年製作の映画)

3.8

カッコいいし幼い可愛げもある。時代背景が背景なだけに、憎めないキャラクターに混ざり、所々に時代の影が映し出される。どうにか乗り切れていたようで良かったけど。曖昧な終わらせ方も大人で渋い。ちょっと「グラ>>続きを読む

第七の封印(1956年製作の映画)

4.5

何とも不思議なロードムービー。難解だろうし、自分も解ってはいないんだろうとは思う。

登場人物の思想、行動が多様であることに加えて、一貫して死と現実世界、神の存在(不在?)に向き合いつつ、リアクション
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.1

成長としての見えている世界が広がっていく・知っていく感覚と魔法、控えめなファンタジーの絡め方が素晴らしい。皆活き活きとしている。

宮崎駿作品を見たことがない訳ではないけど、「となりのトトロ」、「千と
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はなればなれに(1964年製作の映画)

3.9

お洒落という言葉しか出てこない自分の教養と語彙力に反省しつつ、とにかくお洒落でした。思っていた以上に分かりやすい話と思いつつも、独特なあやふやさと危うい感じもあり、正直所々の字幕は流れていってしまった>>続きを読む

ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.7

思想強くハチャメチャでしんどかったけれども面白かったです。

発電にしたって、生み出されるエネルギーの一部を電力として使っているように、人間から生み出される怒りなどのエネルギーもほとんどはまともに使わ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ごちゃついてる感がなかったわけではなかったが、最終作として本当に良い結末を見せてもらったのかなと。グロテスクであり、思いっきり笑い飛ばし、切なく惨く最後は優しい。

何となく結局ロケットは大事なところ
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.1

ガーディアンズならではのクリスマス、一作目からセリフの中で出てきたケヴィン・ベーコンが遂に(遂に?笑)本人役として登場するが、その出し方がブラックさを含んだコメディーもありつつ、ほっこりとしたものでも>>続きを読む

ライムライト(1952年製作の映画)

4.5

映画の中での舞台の見せ方が面白すぎた。今では割とあるのかもしれないが、映画と舞台の掛け合わせとして凄く魅力的なものとなっている気がする。それだけでなく、落ちぶれたコメディアンの切なさに苦しくなり、最後>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.2

楽しくも苦しく切ない。パーティーやボクシングの面白さ、ラストの複雑かつ素直でもあるようなシーンの切なさは言わずもがな。今作でも人が生み出す格差、優しさなどをどちらも拾い上げ、笑い飛ばしていた。

数作
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独裁者(1940年製作の映画)

4.4

現実で起きていることを映画、コメディに落とし込むことの素晴らしさを約80年前の映画から改めて知った。全力で戦争や狂った社会のおかしさ、残虐さ、人の弱さを茶化している。

最後の演説はもちろん圧巻ではあ
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.3

思っていたよりもただ一方をというわけではなく、チャップリンの目に映ったであろう近代社会の中における人間の全てを風刺し笑い飛ばしているように思えるし、希望や人間らしさを描いているのも清々しかった。

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サーカス(1928年製作の映画)

4.1

サイレント映画の魅力とチャップリンの体当たりにもほどがあるコメディーが存分に詰め込まれていた。とにかく楽しい。最後の物語として、映像としての切なさももちろん素晴らしいが、時代背景的に本格的にトーキーに>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

もはや馴染みのようなグロい感覚すらある地獄を描いているのが素晴らしい。常日頃抱えているであろう加害と被害、傍観、偏見、呪縛、反省などを丁寧になぞられた気分。

皆潔白でありたいのでしょうか。矛盾とも取
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フェリーニの道化師(1970年製作の映画)

3.9

ドキュメンタリータッチではあるけど、フェリーニ監督らしく自身の思い出を詰め込み、幻想的なシーンが不思議かつ上手い形で混ざりこんでいく。最後はもちろん圧巻だし、終わり方は切なくも美しく「おしまい」って感>>続きを読む

バトルシップ(2012年製作の映画)

3.5

予告編をフリとしたときの冒頭のオチが個人的に好き。アホでいい。

ズートピア(2016年製作の映画)

4.2

無意識、ステレオタイプが孕む暴力性や個性の大切さ、尊さなど考えさせる要素もたくさんありつつ、アドベンチャー、アクションあり、ミステリー、ノワールありとエンタメとしてストレートに楽しめるのが素晴らしい。>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.7

物語としては大きく進みも戻りもせず、傍から見れば何してんの?となるような、人によっては気持ち悪いってなるような映画に弱い。多分色々と理由はある。ただ、この映画に関しては段々とよく分からなくなってきた気>>続きを読む

バスターのバラード(2018年製作の映画)

4.1

幅広く描く死と不条理。面白かった!
4話目と1話目、5話目の話が特に印象に残ったかなと...2話目も面白かったし、3話目の雰囲気も良いし、最後の不気味さもあれはあれで面白い、、全部ハマったのかなと

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.7

素晴らしい。本当に素晴らしい!

映像表現の凄まじさ、密度の高さはもちろんだが、前作との繋げ方、続編としての展開のさせ方が素晴らしく、本当に面白かった。物語に新たな視点、アンチテーゼ的な視点を持ち出し
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黒い罠(1958年製作の映画)

3.9

最初の一連のシーンは圧巻で、それについて詳しく解説している本を読んでからもう一回見直すほど。ホテルのシーンのインパクトも中々。全体的によくある展開ではあるんだろうけど、最後のシーンではしっかりハラハラ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

いかに自分には見えていないのか、もしくは見ようとしていないのかと思いもした(2年前と何も変わっちゃいないなぁと)。それに加えて、厳しさと優しさが入り混じりつつ、その人にとってはあくまでも普通の日常の一>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

面白かった部分やラストなど好きなシーンももちろんあったけど、正直ついていけなかった部分も多かったかなと。アクションが見づらかったのも残念。

個人的な特撮に関しての見方、醍醐味は庵野監督のそれと近いの
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

3バカトリオのおかしなラブコメではあるけど、本編の中でより自由になっていく感じや、お洒落な雰囲気とひと時の煌めき、さりげない現実の描写などから、多幸感とも違うような、けど爽やかではあるんだよなぁという>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.0

映像の魅せ方はとにかく凄かった。トラウマと再生の話ではあるが、その再生の部分によく分からない部分があった。自分がショックを受けたと言えばそうなのかなと。苦悩の部分は確かにそうなんだろうけども。最後の前>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.4

何かを特別なまでに好きであるということを貫くことに自然かつ平然としている主人公。そのための受容と犠牲も描きながら、全体としては非常に優しくファンタジーな雰囲気。何となく変な映画でもあったかなぁというか>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.3

主要人物の突き放され方や立場、言動の変わり方が素晴らしい。ポスターにもなっている付近のシーンであったり、ラストシーンであったりと印象に残ったシーンが多すぎる。

春原さんのうた(2021年製作の映画)

4.5

直接的な説明みたいなものがほとんどないことに加えて、静かに淡々と物語が進んでいく。しかし、退屈するどころか、なぜかずっと心地よかった。ちょっとした日常の描写がとにかく繊細かつ丁寧で、喪失や寄り添い、ふ>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

3.8

あるアルバムについて語るシーンは本当に沁みた。登場人物の掛け合いの距離感が絶妙。また何年後かに見ようかなと。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

監督自身の自伝的映画であるのに、思いの外どこか淡々としているというか、上手いことバランスがとれているように思えたことに良い意味で静かな狂気を感じた。そういう意味では母親のあるセリフが効いてくる。それと>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

「スイス・アーミー・マン」も割と好きだったし、エブエブと雰囲気が似ていると勝手に思っている作品群が好きな自分には刺さりました。マルチバースと下品なギャグの組み合わせや様々な世界の描写が面白いことに加え>>続きを読む

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