Kolophonさんの映画レビュー・感想・評価

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ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界(2022年製作の映画)

3.0

ポリコレがとか言ってる馬鹿は置いといて、割と最近のディズニーでは面白い作品だったと思う。脚本が雑で、特に後半から顕著だが無駄なセリフが多く父と子の関係性の描き方が単調だったので少し眠くなった。

クィ
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世界の終わりにはあまり期待しないで(2023年製作の映画)

4.6

相変わらず脚本がハイコンテクストで切れ味が鋭いが、割と象徴的なセリフも多くわかりやすかったと思う。主人公がアンドリュー・テイトに扮して配信動画を撮っているのとウーヴェ・ボルが出てるのがヤバかった

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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.7

料理すること、食することを通して生と死のサイクルを感じさせる名作だった。女性ジェンダーの方の死を担わせるのはちょっと良くないと思ったが、最後の台詞に救われる気分になった。

全編を通してのダイレクショ
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.3

予想外の傑作でした。華麗な生活の影でプリシラへのグルーミングやDV被害が淡々と描かれており、フラッシュバックなどで見ていて辛くなる方もいるかもしれません。サクサクとした編集で辛いシーンも長々と描かない>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.8

各々の理由でクリスマス休暇に学校に取り残された三人の交流を描く佳作。レトロな雰囲気が徹底されているがテンポのよさもありそこまで懐古的でもなくいい塩梅だと思った。

ポール・ジアマッティはじめメインキャ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

少し長すぎるが面白かった、スコセッシらしい白人男性としての悔恨の物語。淡々とした手はずで殺人を重ねていく様の冷淡な描き方は流石だった。金銭目的で特定の人種の人間が殺害される様を見るのは気分の良いもので>>続きを読む

Rotting in the Sun(原題)(2023年製作の映画)

4.8

めちゃくちゃよかった…クィアの虚無的で内省的な映画なのかと思ったら途中でどんでん返しのあるジャンルミックスもので、最終的に生を愛おしむような作品になるという謎の映画で感情を揺さぶられた。

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.6

特に後半にかけてプロットと脚本が崩壊しているので苦手な人もいそうですが、レズビアン学園コメディ映画というジャンル自体が貴重なのもあって、こういう映画もあっていいと個人的には思いました。

あくまでレズ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

オッペンハイマーが聴聞会で過去の共産主義者との関係を審問され、その過程で過去を回想していくという構成で、どんどん時間軸が変化する為見ていて混乱するかもしれない。時系列的には最も最近であるはずのロバート>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

5.0

複雑に交差するテーマを、壮大な映像と見事な演出でコーティングした類する作品のない傑作だと思います。

序盤で説明されるシーンがありますが、これはハリウッドから見えないものとされた黒人や有色人種の物語で
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

3.0

ホラーコメディとしては落ち着いた独特な雰囲気が魅力的でした。モキュメンタリー的な撮影を徹底した影響もあって勢いに欠けるのが残念でした。

ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

2.0

映像のリッチさは目を見張るものがありますが、プロットや編集が粗雑で3時間の鑑賞時間が処々退屈でとても長く感じました。

ジュリアン(2017年製作の映画)

2.0

雰囲気は悪くないが劇中で散りばめられた要素をうまく回収できておらず、結局なにか言いたげだが不明瞭で内容の薄いスリラー映画になっていると思いました。

ボーイ(2010年製作の映画)

4.0

ワイティティにおける父性のテーマが一貫していることがわかりました。ワイティティにとって父親は常に虚構であり、その支配と従属の関係性自体を疑い、交流の結果相互依存しひっくり返してしまうことをこの作品でも>>続きを読む

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.5

主人公が数年前になくなった祖父に似ていて複雑な気分になりました。

日本やアメリカと同様に女性比率の多い老人ホームの現状がマイルドなタッチで描かれており、ジェンダー差に基づく構造的差別の様態がわかりや
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.0

発想自体は面白くって、ワンカットでアンサンブルを描くことには成功していると思う。ただ被写体やストーリー自体への関心が持てず、後半に起きる事件までが長過ぎるように感じてしまった。

ギャスパー・ノエのよ
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.3

結構良かったです。ストーリーはウィンター・ソルジャーと似た感じで暴走する国家組織に追われるエージェントが立ち向かう話。主演二人のキャラクターの魅力はあるけど、脇役にイマイチ見せ場がなかったりするのは残>>続きを読む

大いなる自由(2021年製作の映画)

5.0

法律が変わっても同性愛者であることが社会=マジョリティによって規定されることに変化はない。真の自由とは何かを問い、静かな闘争を追った傑作。

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.5

想像力とクィア性に富んだ傑作。絶え間ないギャグと突発的な展開にうんざりする人も多そうだが、その遊び心がMCUの世代交代を象徴している。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ファルコン&ウィンターソルジャーとテーマがよく似ていて、ヒーローとは何か?という問いの上に立っているという点で共通している。ヴィランを救おうとしている点も(=サノス、ウルトロンのような本当の意味でのヴ>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

今になって「語り直す」意味ってのがアトウッドの『侍女の物語』→『誓願』の関係性に近いんですが、アトウッドが旧式の救世主物語=コロニアリズム的な枠組みを維持してしまったのに比較しても、「おとこらしさ」や>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

『最後の決闘裁判』

微妙だった。章ごとに分けるというギミックを上手く生かせられておらず、シーンの反復に必然性を感じられない。結果として長尺の割に内容が薄くなってる。

特に暴行シーンを執拗に反復させ
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ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

1.9

このレビューはネタバレを含みます

問題点は色々と多いのですが特に

・3作目の製作が決定しており、それに引っ張られて中途半端な内容になったこと、マイケルが超自然的存在なのかプロットアーマーで極端に強いだけなのか説明なく意味がわかりませ
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マンディブル 2人の男と巨大なハエ(2020年製作の映画)

3.6

デュピュー監督にしては珍しく下ネタがなく、ファミリー向けブロマンス映画でした。

異端のものを前にしたときの人間の保守的な反応を皮肉った内容で小気味よかったです。

キャンディマン(2021年製作の映画)

5.0

周縁化された存在として象徴的に扱われるジェントリフィケーション/経済格差や異端のものとして扱われる宿命的な属性といった主題へ共感できるかどうかで印象も変わると思います。

とてもよく練り込まれた脚本と
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