良い。
原因不明の突発的なアレルギー発作により、社会に全然馴染めなくなった専業主婦を描く映画。
社会に何を見出すかは、自分の内側の反映であり、自分の内側は、社会によって形作られる。では、本作で描かれ>>続きを読む
岩井俊二に、映画愛と、映画的な引き出しの多さと、審美的なセンスの良さと、語り口の視点の斬新さを与えて、フランス語も喋れるようにしてあげて、カリスマ性の強い役者を四人雇ってあげたけど、作られるものは結局>>続きを読む
モスデフがthe ecstatic (まじで名盤)のアルバムカバーに本作のスチールを使ったのは有名だが、まさにその黒人の子供たちが屋根と屋根の間をぴょんぴょん飛んで遊んでる場面が、まんまMid90sで>>続きを読む
単に行動力だけずば抜けている人、というのは、意外とどこにでもいる。
そういう人は行動に伴う思慮が足りてなかったり、知識や教養が不足していたり、単純にそれを全うしうる能力にかけていたりするのだが、「立ち>>続きを読む
黒人を反射的に噛み殺すように教育された犬の話。
それを更生しようとするトレーナー(黒人)の壮絶なドラマにもなっているし、犬の方も単なる怪物や人種差別のメタファーとして扱われているのではなく、トラウマを>>続きを読む
「ナバロンの要塞」を見た時に、「え、これまんまタランティーノのイングロやん」と衝撃を受けたのだが、今回本作を見て、「まんまワンサポやん」ってなった。
落ち目の映画俳優が、運命のイタズラでサイコパス殺>>続きを読む
希望は、時代精神に左右されることが多いのだが、絶望は常に形を変えずいつの時代でも永久にあり続けるのだという感覚が、本作をアナクロニックなものにしている。
シェストレム監督の「風」(1928)とかなり類>>続きを読む
体型いじられシーンが連発するヒロインを、そこまで太ってない女優さんが演じることによって、本作では脚本上には無い捩れが生み出されている。
それは一瞬喉につっかえるものの、例えばこのヒロインを本当に太って>>続きを読む
役職が上の人のいうことは絶対!
という精神についての映画。
めっちゃおもろい。
人間同士のつながりをシステム化してしまうと、その醜い形骸が、本当の意味でのつながりを押しつぶしてしまうことになる。
保守>>続きを読む
どのようにタバコに火をつけるか、というのは映画の見どころの一つだと思う。
「死の谷」では列車に吊るされた死刑囚の死体の足の裏でマッチに火をつけ、「暗黒街の顔役」では反社会的な主人公が警官のバッジでマ>>続きを読む
うますぎ。
緊迫しすぎて永遠のように感じられる48時間が無事収束したあと、日常がまた戻ってくる描写の中で、「あ、今までのあれはたった2日間の出来事だったんだ」と観客に思わせるあの一つの演出のうまさだけ>>続きを読む
ハスラー2のロデオ版。こっちの方が先。
ロデオって世界で一番狂ったスポーツなのが実感できる。
本作は、ロデオで賞金がどかっと入ってくる快感と、それをやっている最中のアドレナリンに段々と男たちが中毒に>>続きを読む
https://twitter.com/lostcase_film/status/1761045705488228573?s=46
名作
怖い。
冒頭の、禍々しい散髪屋での、急に暴発する暴力場面が凄すぎて、そこからずっと最後までひりついた怖さが後を引く。
まんま「めまい」の場面があった。
へんてこすぎておもろい
https://twitter.com/lostcase_film/status/1760259506062369266?s=46
ラオール・ウォルシュ監督のラブコメ。
暴力的な映画の印象があったウォルシュ監督だが、本作の筋書きは、「歯医者である主人公のところに、過去に彼の女性を横取りし、人生をめちゃくちゃにした男が診察をしにくる>>続きを読む
「愛」の弱さに傷ついたり、苦しんだりする物語がたくさんあるが、じゃあもし愛がそんなに強いものなのであれば、それはそれで不気味で、怖くて、有害なものでしかないのではないか、というのがよくわかる本作。
主>>続きを読む
世の中に対する知識を増やしたり、それについて考えたりすることは、非常に危険なことだと思う。
しかし、その欲には抗えないのがほとんどの人間であり、よっぽどの馬鹿か子供しか、世界を盲目で無垢な精神性で生き>>続きを読む
陰謀論的恐怖とパラノイアを原動力に駆動する007的アクション映画。
陰謀論者が感じる不安を、根本的に頭がおかしいことの副作用として片付け、断絶するのは、陰謀論を事実だとして固執することくらい危険な事だ>>続きを読む
良すぎる。
「クーリンチェ」や「恐怖分子」では、地震に先だって現れるという気象の変化がすでに起こった中で、不可避の激震を待つような緊張感をもって、絶望と向き合ったかと思いきや、「カップルズ」では、その>>続きを読む
主人公が身体障害者(片足が動かない)の西部劇。
そして、彼を匿い、“自分が一人前の男だという気持ちにさせなければならない”と、彼を保安官補佐に任命し、活躍させようとする男を演じるのが年配のジェームズ・>>続きを読む
あり得ない話をすごいテンションで駆け抜けるという点では、いつものアルモドバル作品だが、本作はちょっとあり得なさすぎて、訝しく思う気持ちが勝ってしまった。
登場人物の見せ方(登場人物自体ではなく)もそ>>続きを読む
西部劇監督の中で、最も偉大だとは言わないまでも、個人的に最もお気に入りであるバッドベティカー(アンソニーマンと同率一位)の作品。
アンドレバザンが「捜索者」と「裸の拍車」を引き合いに出してもなお、「も>>続きを読む
「クライマックス」の次に好きなギャスパー・ノエ作品。
とにかく金がなく、社会に怒っており、何がなんでも人をぶっ殺したい、元肉屋の汚いじじいの一人称の物語。
割と自分は妊婦さんに害の及ぶ映画のシーンが>>続きを読む
これはラングの他の作品(特に「スピオーネ」と「ドクトルマブセの遺言」)にも感じたことだが、物語の遠近感覚が、表現主義的に錯綜している感じがする。みていると物語の規模が大きいのか小さいのかわからなくなり>>続きを読む
展開が本当に読めない。
偶然出会った侍達が百姓を助ける。。というあらすじだけ聞くと「七人の侍」のまんまなのだが、あちらは明快で力強い、戦いにつぐ戦いの骨太アクション・スペクタクルだったのに対し、こっち>>続きを読む
「大会でメダルを取るまでは、一言も喋らない」と誓った闘鶏のプロのおじさんの、無口な日常を描く。
特に派手な盛り上がりの無い本作の筋書きにも関わらず、本作がすごく面白いのは、やはりモンテ・ヘルマンが天才>>続きを読む