ブルジョワの4人家族とお手伝いさんが暮らす豪邸に、1人の男がやってくる。そいつが家の中の全員とセックスしまくった挙句、颯爽とどこかへ去っていってから、家族全員がめちゃくちゃへラりだしてそれぞれ悟りの境>>続きを読む
言葉というものは、手早く無害に、細い一列にならんで、まっすぐ空に上ってゆく一方で、行為の方はひたすら大地にしがみつき、地べたをはってゆくので、しばらく経つと、この2本の列はひとりの人間では到底跨ぎ切れ>>続きを読む
「不条理な現実に、不条理で立ち向かう」というブニュエルの闘志は本作でも健全。
資本主義が加速すると、人々は匿名化し、アイデンティティが無くなる。その喪失感と不安を押し殺すために、人々は何をし始めるの>>続きを読む
「白鳥」が好きすぎて、本作は、完成された物というよりかは習作的な印象が強く感じられた。
蛇がいてもいなくても、ベネディクト・カンバーバッチ演じるおっさんが、「蛇がいる」と言い、助けを求めた事は事実であ>>続きを読む
「映像を頭で思い浮かべながら本を読む」という経験を初めてしたのは、確か自分が小学校2年生で、アメリカに住んでいた時に、ロアルドダールのBFGを読んだ時だと記憶している。
というのも、当時、どうやら世界>>続きを読む
多分10回以上は見てる。
本作の一番怖い場面は、やっぱり、主人公が、銃を片手にホテルの部屋の窓から道行く人々を見下ろす所だ。
その瞬間、彼はあらゆる絶望から抜け出すための手段は、愛ではなく、暴力である>>続きを読む
家族みんなで見た。
中学生が死にまくるので景気が良い。正月にぴったり。
見るの6回目とかなので、流石に色々粗は目立ってきた。えずくレベルのダサいセリフとかもあるし、ご都合主義も目立つ。最初見た時は「こ>>続きを読む
とても良い。
架空の図書館で沸かされたインスタントコーヒーみたいに、人の心を落ち着かせ、ほっとさせる力をもっている。
「詩的リアリズム」の映画は、「ゲームの規則」「望郷」「天井桟敷の人々」などが思い浮>>続きを読む
ブレッソンの映画は、「白夜」が死ぬほど刺さって(あれはほんまにやばい。原作も好き。)、「ラルジャン」と「田舎司祭の日記」は心から大好きで、「バルタザール」と「少女ムシェット」は、成功か失敗かに関わらず>>続きを読む
殺人についての悪趣味映画。
すごく賢い。死刑制度、法解釈についての考察でありながら、全編ふざけ通す。
ちょっとあの裁判シーンは、いくらなんでもやりたい放題すぎる気がするが、そこで繰り広げられる会話を成>>続きを読む
「おじさんが別荘でムラムラしてやばい」というどうしようもない話を、繊細な思索をもって紐解いていき、学術的な高みまで持っていくというかなりめんどくさい映画。
多分濱口竜介とかこれ好きなんだろうなーってい>>続きを読む
ウェスアンダーソンが褒めてたので見た。
ブコウスキーの本は、「町で一番の美女」という短編集を高校生の時に読んで、とにかく衝撃を受けたのを覚えている。
人間は内臓とクソの皮袋であり、制度はまやかし、悪は>>続きを読む
フィルムノワールを見た後、すぐに「人生ベスト級」って言い過ぎな気もしなくもないが、本気でそう思っているのだから仕方がない。
これは同じプレミンジャーの「ローラ殺人事件」よりも、「堕ちた天使」よりも好き>>続きを読む
バスキアは、中学生の頃彼の作品のtシャツを持っていたので、なんとなく親近感が湧く。あと、ニューヨーク近代美術館で彼の作品を見たのもうっすら覚えてる(でも、あそこはビデオゲームとアートを融合したゲーセン>>続きを読む
本作は、ポール・オースターの著作(彼の小説「ムーンパレス」は人生ベスト)などに代表される、無限に広がるフィクション性の宇宙空間の中に浮遊する人物や出来事を、存在論的必然性によって結びつける、ピカレスク>>続きを読む
ローマの休日、パンチドランクラブ、拳銃魔、ブレッソン版白夜、に並ぶ恋愛映画。
めちゃくちゃ素敵。
めっちゃ良い。
あーやば。
然るべき時に出会った2人がおりなす超自然的な調和と、それによって訪れる今ま>>続きを読む
めっちゃ良い。素晴らしい。
さかなくんの人生を描いた2時間半の映画だと聞いて、全く興味をそそられないだろうし、もう少し詳しいプロット説明を読んでも、そこまで魅力的だとは思わないだろう。
しかし、「映画>>続きを読む
これは本当に好きでありたかった。
こういう、ジャンル的な娯楽に恥じらいもなく全力投球しつつ、映画的表現の大切さもしっかりと踏まえている邦画というのは、今どき珍しいし、そういうものが持つ偉さは無視されす>>続きを読む
自分は割とどんな映画も分け隔て無く見れる方ではあると思うのだが、「等身大の日常がエモい系のやっすそうな邦画」だけには、あまり食指が動かない。
でも、その中でも面白いものはたくさんあるだろうし、実際「愛>>続きを読む
んー。なんかアイデアがすっごいキャッチーで、確かにそれで全然90分引っ張れてはいるのだが、それにちょっと頼りすぎな気がしなくもない。その点において「アダムスファミリー」とか「ステップ•ブラザーズ」を感>>続きを読む
本作は、決して資本主義批判であったり、社会主義プロパガンダであったり、キリスト教擁護であったり、ニヒリズムに耽溺する実存主義的なドラマであったりしない。そこに、本作の難解さがある。この物語の裏にどのよ>>続きを読む
ノワール世界の中でおかんが大冒険するという、なかなか良い映画。
ノワール映画の観客のほとんどが男性だったであろうことを考えると、このおかん映画はかなりの汚れたおじさん達の心の琴線に触れたことだろう。>>続きを読む
フィルムノワールは、(リダクティブな表現を恐れずに言うと)第二次世界大戦によって歪んでしまった男性の精神性、マスキュリニティを、パルプなエンタメ的要素の連鎖で塗り固めるのだが、全体として見た時に、その>>続きを読む
「マグノリア」はブギーナイツが大当たりして、売れっ子歌手のフィオナアップルと良い感じに付き合いだして、自分の才能に関する自信も自己肯定感もパンパンになっているところに、さらにコカインでアゲアゲになって>>続きを読む
友達と見終わったあと、自分は本作をすっごい擁護して50分くらい真面目に話したけど、割とそういう姿勢に対して一番楯突いてくるような映画。如何なるラベライズにも反骨していき、これが「名作」としてデジタルリ>>続きを読む
フロイトによると、幼少期にエディプスコンプレックスを克服できない男性というのが一定数おり、その人は捩れた女性像にしか恋に落ちることができないという。その女性像とは、すでに恋人がいたり、性的に淫らだった>>続きを読む
主人公が、めちゃくちゃ可愛いプラス男性との距離の取り方がよくわかってない(最初から距離ガン詰めでくる。結果男はほぼ沼る。)という、当時の男性優位社会において最悪の組み合わせを持っているが故に、案の定社>>続きを読む
自分の意思で自分を殺すっていうのが、生きる意思が全くなかったとしても、どれだけ難しいかっていうのを淡々と描く映画。それは、生きる意思がないのに生き続けるのと同様の苦しさがあり、死ぬことができたとしても>>続きを読む
観客に対して物語をベビーフードみたいにスプーンですくって丁寧に口まで運んでくれるような映画が、そういう要素だけで「良い映画」とみなされることが多い気がする。そういう幼稚な価値観を大の大人が身につけない>>続きを読む
私は映画の中で登場人物が嘘をつき、観客と当人のみがそのことをわかっている場面が大好きである。
そこから生み出される荒削りなサスペンスを娯楽として搾取するのが上手いのがタランティーノであり、それをユーモ>>続きを読む
敬虔さとか、信心深さは、突き詰めるとただの馬鹿になるというのがよくわかる。本作はそれをコメディとして描くのだが、その笑いは決して嘲笑ではない。
なぜなら、本作は、基本的に人間は馬鹿じゃないので、馬鹿に>>続きを読む
んー題材も面白いし、演者も頑張っているのに、なんだかイマイチだなー、と思う時は大体監督が悪い。
自分はフロイトにあまり関心がないというか、あれは人間心理に対してポップでわかりやすい、一種還元主義的な>>続きを読む
エルム街の悪夢2は、淫らで残酷な不条理に陶然としながら、その退屈さのヴェールに包まれた魅惑がなかなか心に残る、メジャーのハリウッド作品とは到底信じられない怪作(決していい出来ではない)であったが、それ>>続きを読む
多分見るの5回目とか。初めてみたのは高2。
「今この映画で描かれていることはフィクションであり、全ては閉じた世界の中で起こっている」ということを自覚している映画はたくさんある。それは、我々観客が住む外>>続きを読む
マークし忘れ。
変人をもって変人を制す系のストーリーと、その登場人物たちが作品を力一杯に引き裂いてくるのを抑えるほどの技量を兼ね備えた天才映画作家の手腕が結合すると、ものすごいエネルギーを孕んだ蠱惑的>>続きを読む