アメリカではというか、これはどの先進国にも言えることだが、自分の欲望に正直で、忠実であり、それを実現させることにこそ「幸せ」を見出すことができるというエートスが、資本主義社会の巨大なエンジンを駆動する>>続きを読む
中1ぶりにみた。
あの頃は「いろんなドラッグをやりまくった。違法だったらビタミンcもやっていただろう」みたいな気の利いたセリフに感銘を受けたものだが、今見てみると、麻薬中毒をテーマにした映画としては、>>続きを読む
第二幕でだれるが、第一幕は興味深く、第3幕は2幕の澱みから抜け出した開放感がなかなか悪くない、端的に言えば、結構良い感じのホラー映画である。
サンタクロースにトラウマを持っている主人公が、クリスマスの>>続きを読む
オープニングがめちゃくちゃかっこいい。前作の魅力だった、「次のカットでは夢が始まっているかもしれない」という不安定さは本作でよりレベルアップしている。しかもずっと登場人物のテンションが高く、躁状態なの>>続きを読む
大大大好きな映画。
ノートに詳しくレビュー書きました。
https://note.com/lost_case737/n/nc32f33049be3
大好きな「エックス」のこごち良いジャンル的な楽しさを期待してみてみたら、そんな平和ボケした頭をハンマーでぶん殴ってくるような映画だった。
普通の人なら、本当に辛いけどぐっと堪えて耐えざるをえない状況を>>続きを読む
幽霊屋敷映画において一番重要なのはお化けがどう人々を怖がらせるかという点だと信じて疑わないような単調なホラー映画(インシディアスとか。ちゃんと怖いし別に嫌いでは無いのだが。)がたくさんあるが、そのよう>>続きを読む
アンドリュー・サリスが、作家主義についての論文の中で、「なぜ酷い小説は文字に対する暴虐だと感じることはなく、下手な絵画はキャンバスへの暴虐だと感じることはないのに、酷い映画は映像に対する暴虐だと感じる>>続きを読む
ドラキュラとかフランケンシュタインとか、そういう怪物が固定されているホラー映画というのは、それが量産されていくに連れて、どんどん怪物が記号化されていくのだと思う。
ベラルゴシのドラキュラの約40年後に>>続きを読む
メルヴィルはディテールを見せるのが非常に上手いし、だからこそ彼の数々のギャング映画はハリウッドのテンプレをなぞってるだけなのに、全く新鮮でみんながびっくりしたのだが、本作のようなミニマルな室内劇でもも>>続きを読む
人生ベスト1。
設定が全て上手い。バカで暴力的なクズの主人公(悲しいことに本人もそれを自覚している)を演じるジョン・ガーフィールドのスター性で若干そのヒリヒリさがこごちよく薄れているが、脚本上の事実だ>>続きを読む
ファスビンダーはやはり悲惨な人物を描いても、その痛みや苦しみを搾取することなく、愛をもって温かく描く。
本作なんて全くいいことが起こらない、呪われた恋愛の救われないドラマなのに、「どうだ酷いだろう」と>>続きを読む
「僕の行動の時代は終わり、思考の時代がはじまる」というセリフで始まるスパイ<アクション>映画、というひねくれ加減が超絶格好いい。
アルジェリア戦争真っ只中のフランスでは、戦争反対派と賛成派で真っ二つ>>続きを読む
高校3年生の時に見た。
最近見たベルイマンの映画で、「私は誰か知らない人の夢の中で生きている気がする。」と話をする場面があったのだが、本作はまさにそういう映画。
ナチス占領下のフランスにおけるユダヤ人>>続きを読む
家庭や国境、モラルが混沌と自由化した世界における人々が関係を築こうと思ったら、すれ違うことは前提として、結局へらるかバッサリ切るかしか無理よなっていう物語。
そのような自由ゆえの孤独みたいなものを「断>>続きを読む
「ペトラフォンカントの涙」は観た後凄すぎてもう2回連続でぶっ続けて観たくらい大好きな映画なのだが、(あの映画のラストショットはポップミュージックと映像の融合によって醸し出すことができる情感の最上級を達>>続きを読む
本作は、「うまくいかない」ことに対してどう折り合いをつけるのかという映画であると感じた。
ソ連からイタリアに亡命した心臓病を患っている主人公は、故郷に家族を置き去りにしてきた。彼は愛人はいるものの、ず>>続きを読む
地味で退屈で一途な人妻が、夫の浮気を機に、不安と妄想と回想で彩られた絢爛豪華な変態世界を冒険したのち、それがどんどん日常に侵食してくるという映画。
こう見ると、アイズワイドシャットが非常に影響を受けて>>続きを読む
小津の映画は一見ほのぼのとした日常の場面で構成されているように見えるが、その裏拍として常に孤独、絶望、死の予感が流れていることが本作では一際目立って実感できた。
その予感というのは、人間をまいらせてし>>続きを読む
くっっっそおもんない映画が自分のことをあたかも深刻なものであるかのような勘違いをし続けていると、目も当てられない悲惨なことになるというのがよくわかる。空っぽなくせに真面目ぶって、溝口健二オマージュとか>>続きを読む
登場人物がカメラ目線でウィンクして映画が終わると、もうそれだけで満点つけたくなる。
悪趣味で変態なヒッチコックも大好きだが、本作では「北北西」同様、純粋に観客を楽しませようとしている。
尖ったセットピ>>続きを読む
ぐちゃぐちゃでカラフルなゴダール映画。
本作はトリュフォーの名作「突然炎のごとく」のゴダール版だと思う。
あれは親友二人がジャンヌモロー演じる自由奔放な女性に振り回された挙句、取り返しのつかないこと>>続きを読む
男の子が隣町に住む友達に宿題ノートを渡そうとする話。
私は「はじめてのおつかい」が嫌いなのだが、同じように幼い子供がある目的を果たすために自分には大きすぎる世界を冒険する様を描いた本作が大好きなのは、>>続きを読む
映画における形式主義がその物語とがっちりハマるだけで、どれだけ激烈な反応が引き起こされるか思い知らされる。本作は訳のわからない地獄世界で訳のわからない人々が延々とわちゃわちゃやっているだけの2時間なの>>続きを読む
久しぶりに見た。
是枝の映画は、「ある題材に対して空虚な耽美主義で対抗する」というのが特徴である。それがどのような題材とマッチするかによって、映画の出来が変わっていく。「生ごみと死の匂いがむせかえる中>>続きを読む
尊敬とか魅了されるとかのレベルじゃなく、心の底からまじでほんまに死ぬほど愛してる映画監督はPTAとベルイマン(それぞれの、映画表現の悦楽に耽溺しながら、その利用の更新に対して敏感である姿勢に惚れる)し>>続きを読む
自分は「クーリンチェ少年殺人事件」が大好きなので(あれは本当に凄い。凄すぎて脳細胞に悪いと思う)、同じ監督の本作にも当然その余波が見えて、アナクロニックな見方ではあるが、それだけで満足してしまった。>>続きを読む
これは不安についての映画であり、興味深いがあまり面白くはない。
不安はいわば人間の知的探究におけるガソリンである。それに身を捧げた数々の偉人のおかげで、今日に至るまで社会は学問上著しく繁茂した。本作で>>続きを読む
映像/位置関係で遊びまくってる。デパルマの映画はかなり好きだが、本作は「キャリー」「殺しのドレス」と並ぶ彼の最高傑作だと思う。もう無理やんっていう状態から足掻き続けてギリギリ耐えながら刹那的に生きてい>>続きを読む
語る内容よりも内容をどう語るかに重きを置いた映画。そういう目線で見れば本作はかなり強い。というか、内容の面でも観客を飽きさせないためにいろんなトリックを仕込んでおり、楽しい。良い感じの映画。
かなり昔に見た。
夢を見てる感じでずっと進むのが特徴で、安い推理小説の枠組みが、その曖昧模糊とした雰囲気と異常によくマッチしている。一般的な世界から逸脱して、少しズレた不条理の中、観客は主人公と共にな>>続きを読む
かなり良い。ブラジルのカーニバルを舞台にした群像劇。爆音のサンバ音楽と、素早いティルトアップ・ダウン、パンを多用したカメラワークで画面から生命力が溢れ出る。本作は、「鳥籠」が全編にわたって記号的モチー>>続きを読む
下品な男たちを、その下品さを全く美化しないまま、魅力的に描くのが抜群にうまいサム・ペキンパー。そんな彼がもしコメディを撮ったら。。というのがこの映画。主人公は字も読めないし、ケチで貧乏人からさえもお金>>続きを読む