biwacovicさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

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U-NEXTにて。戦中を経た戦後のサラリーマンの生活。天国でもなく地獄でもなくただ「楽しくない」日々が、泥酔して決まった小説家デビューで思わぬ展開に。軽妙なコメディとして描かれるが、裏には強い戦争とそ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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天才三宅唱の完璧な演出、美しい光と闇をとらえた撮影、Hi’Specのクールな音楽(変な主題歌とか流れなくて本当に安心した)、などなど素晴らしい映画だった。みんないい人、の裏には描かれない社会の酷薄さす>>続きを読む

ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

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これはちゃんと怖いしグロいし面白い。監督自身の離婚と親権争いをここまでどストレートにホラーに落とし込む狂気。カナダの雪の風景の中、子供を誘拐して歩く「子供」のシーンが印象的。あとこれ、「怒りのメタファ>>続きを読む

裸のランチ 4Kレストア版(1991年製作の映画)

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目黒シネマにてクローネンバーグ特集。オーネット・コールマンとハワード・ショアのクソかっこいい音楽と、グロかわいいドラッグの産物達が繰り広げるバロウズの世界。そんなに好きな映画ではないが、今見ると極端な>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

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素晴らしい。主演ウィル・オールダム(ボニー"プリンス"ビリー)良い。信じられないことに、おそらくはこの映画のクラマックスは、おっさん2人が秘湯に入ってぼーっとしてるシーンなのだ。そしてそれが信じられな>>続きを読む

クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立(1970年製作の映画)

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これもモノローグ、建築物の映画。カラーになっても、全然分かりやすくなっていない。なのに何故か眠くならず見ていられた。これに比べれば後年のクローネンバーグは親切心の塊のような映画監督に思える。

ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)

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こんな映画を撮ってた若者が後にクライムズ〜を撮るのかと思うと感慨深い。建物がクソかっこいい。モノクロであの建築物だけでSFになる。実験映画の習作。モノローグが説明過多だが難解。人間に対して突き放したよ>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

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目黒シネマにて。ヴィゴ・モーテンセンとレア・セドゥの佇まいがとにかくエロい。もう古いセックスなんてしない未来のアーティストたち。人間は環境に合わせて欲望する。全然楽しそうじゃなくても、あれはあれで興奮>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

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カンバーバッチが普通のおじさん(スパイにされちゃう)を演じる。キューバ危機の頃は一見呑気な一般市民もこれほどに核戦争を恐れていたのだな。今の方がもっと世界は危機的状況なのに…と思う。

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

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低予算映画は超能力もアイデア次第でちゃんと面白くなる。子供が賢い。みんな優しい。拘束からの解放、がバーナデットと繋がるのね。

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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早稲田松竹にて。Where’d You Go,Bernadette 鬱気味のケイト・ブランシェット。そこから解放される姿は感動的。シンディ・ローパーが流れるエンドクレジットの映像でボロ泣き。あの「建物>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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原作の中のマッキャンドルスの手記部分だけが映画になっており、最もスリリングなベラの手紙部分は描かれない。まぁそうするか、という気もする。なぜあのような街並みが描かれるのかの種明かしは本を読んだ人だけの>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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パート2なのに敵がショボい。CLASHとかRIDEのTシャツは良かった。

最後の誘惑(1988年製作の映画)

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そういえばスコセッシは既にイエスを描く映画作ってたな・・ということでU-NEXTにあったこれを。なんとユダはハーヴェイ・カイテルやん。当時は宗教右派から激しく非難されたそうだが、今見れば極めてオーソド>>続きを読む

真昼の暴動(1947年製作の映画)

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原題はBRUTE FORCE。脱獄映画の源流。ショーシャンクなどにも受け継がれている様々な要素を感じる。ラストの迫力凄い。カタルシスの無さも強烈。

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

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これは良かった。天才マックスっぽさが良いのかも。豪華俳優たちより、子供2人が良い。あとボーイスカウトが馬鹿にされているのも良い。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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これは全く面白いと感じないウェス・アンダーソンだった。語られる内容の全てに興味が持てず睡魔が襲う。仕方がない。相性だ。

ラケット/脅迫者(1951年製作の映画)

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警察や政治家と癒着してるギャングに正義の警官たちが立ち向かう。しかし正義は完遂されず、巨悪は何とか逃げ延びる展開が苦い。世界のルールは常に卑怯者に有利。

破局(1950年製作の映画)

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お金がない魚釣り船の艦長が、お金欲しさに闇バイトを引き受けて大変なことになる話。ブロンド美女に誘惑されながらも何とか最後上手くまとまったように見えるけど、絶対何らかの罪には問われるよな。。黒人船員の息>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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どこにも行けない逃避行。銃と車があっても犯罪もセックスもない。ルールを守るボニー&クライド。そのどうにもならなさが、素晴らしい。

暗黒への転落(1949年製作の映画)

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ニコラス・レイ作品。男前のニック、貧困からの犯罪、弁護士は助けてくれることになったが彼を疑っている。ニックの辛い過去を辿り、痛快な法廷劇で終わるのかと思いきや、そんなに浅い脚本では無かった。真摯で真っ>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

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ケリー・ライカート、配信に過去作入ってる。これはファースト・カウと同時代の話。目的地に辿り着けない開拓団。信用出来ない案内人。言葉の通じないインディアン。砂漠と暗闇のコントラスト、とめどなく溢れる暗喩>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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「鳥には巣、蜘蛛には網、人には友情」。説明的だったり情緒的な台詞は一切無く、詩情に満ちた映像で描き切る。暴力や裏切りではなく、お菓子とほんの少しだけの野心が物語を進める。アメリカの開拓時代のお話。確か>>続きを読む

野望の果て(1947年製作の映画)

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わらしべ長者のように女性を乗り換え、人間の皮を被った「欲望」という怪物になっていく男。全ての人間関係を資本として利用する。全てを手に入れて、捨てようとして、また何かを欲望する姿の悲しさ。

ストレンジャーズ6(1949年製作の映画)

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1930年代の独裁政権下キューバ。キューバ系米国人をリーダーとした反体制組織による爆弾テロ計画。1949年によくもまあこんな映画作れたもんだという驚き。

群狼の街(1951年製作の映画)

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貧困から手を染める凶悪犯罪。それを扇情的に報道するパーティ三昧の新聞記者。大衆による「正義」リンチの発動。デビルマンの牧村家襲撃のような暴動シーンの恐ろしさ。アンダーワールド・ストーリーより救いはない>>続きを読む

アンダーワールド・ストーリー(1950年製作の映画)

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これは今リメイクしても絶対面白いはず。社会派ノワール。お金大好きで、ウザくて無礼で、賢いのか馬鹿なのかよくわからず、しかし最低限の正義感はある主人公をはじめ、曲者だらけの物語。でも彼等を動かすのは浮気>>続きを読む

デヴィッド・ホームズ 生き残った男の子(2023年製作の映画)

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ハリーポッターは一作も見たことないけど、今のダニエル・ラドクリフは好きだ。自分のスタントダブルだったデヴィッド・ホームズと一生付き合っていく。かつての少年たちが髭面、禿頭、肥満になりダベる様子が良かっ>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

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もうすぐそこまで来ているディストピア。戦争や飢餓で死ぬよりPLAN75の方がマシ・・となりかねない。見るのがしんどい。倍賞千恵子素晴らしかった。映画中のテレビに映ってるPLAN75のCMをフルで見たか>>続きを読む

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

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前に見た時よりも、より切実に響く。戦後ドイツ、栄光からの墜落、深刻な苦痛、悪辣な医療、搾取する社会、そのサイクルを温存するシステム。映像は美しく、世界はどこまでも残酷。

ボディ・アンド・ソウル(1947年製作の映画)

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これはとても良かった。八百長試合直前のボクサーが過去を回想する。富と名声の罠。ボクシングシーン素晴らしい。彼が堕ちて行く様もリアル。優しいペグ、友の死、屈服からの反撃。

深夜復讐便(1949年製作の映画)

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シネマヴェーラで「FILM GRIS 赤狩り時代のフィルム・ノワール」。強欲な青果店、深夜を疾走するトラック、転がる林檎。主人公の行動は知性無さすぎだが、彼を救う女性の描き方は良い。