mさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.5

悩み事を忘れられる時間は絶対的に必要であると同時に、強烈な恐怖を感じ、噛み締める時間も必要なんだと感じた作品。

『幸福』でお世話になりましたアニエス・ヴァルダ監督作品。
『幸福』で見せてくれた美しく
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.0

なにを残すかというよりは、どう生きるかを追求したアーティスト、表現者。名だたる人たちは皆、共通してそれを探求しているイメージを持つ。彼もそのひとりだ。

本当に申し訳ないかつ恥ずかしいことなのですが、
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

現代の問題(貧困・格差など)と紀元前からあるイエス・キリストの教え、聖書を交わらせることに意味を見出せない作品だった。
今現在の社会問題と聖書を組み合わせることは違和感がある。簡単に言うなら、演出とメ
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レベッカ(2020年製作の映画)

2.0

オリジナルがあるのか、しかもヒッチコックか…それにしたって…と思った作品。
すべてが中途半端であり、正直言って画の美しさだけといったところ。

元々、私はアーミー・ハマーさんの顔付きにイケメンさを感じ
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.5

無駄を削ぎ落としたシンプルな作品。
それがどれだけ鮮烈に私たちの胸を打つのか実感させられた、たった12分。

銃乱射事件に巻き込まれ、亡くなった女の子と家族の話をセリフ無しで描かれた今作は、アカデミー
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.0

ここまで作家性を追求出来る人間というのは稀有である。
それを楽しむ余裕、楽しむ快楽というのもまたいいのではないかと感じた作品。

どうやら2021年は自身の転換期のようで、新しいことにチャレンジしたり
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

1.0

ただの暴動でしかない偏った作品。
正直、今作がアカデミー、短編実写映画賞を取られたこと事態が差別的だと私は思う。

近年盛んなBlack Lives Matter、白人が黒人に向ける人種差別撤廃を訴え
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.5

上質であり、濃厚なドキュメンタリー作品。
ここまで多角的に撮られたドキュメンタリーはないのでは?

はじめてドキュメンタリーにこのスコアをつけます。そのくらい今作は見所があり、製作者側の「伝えたい!」
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.5

どれだけ愛した人間でも、そこに付随してくるものまで愛することなど不可能。
他者を愛するより、自分を愛することの重大さを痛感させられる作品。

お見事でした。本当に面白く、またメッセージ性を巧みに昇華さ
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ブレスレット 鏡の中の私(2019年製作の映画)

4.0

ありのままの人間とはなんなのか。真実が暴かれるとき、それは本質的に真実なのか、そんなことを考える作品。

これまたとても面白い作品に出逢ってしまった。法廷ものですが、事件の真相を解明する、というより人
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エレファント(2003年製作の映画)

3.0

犯人に同情というか、共感というか、なにか感じてしまう作品だった。
沢山の歪さがあり、多感な時期というのが分かる。

有名な作品でとても観たいと思っていた作品。ようやく観れてよかったけれど、期待値を上げ
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ランナウェイズ(2010年製作の映画)

3.0

映像は可愛らしいが、伝記物として突出する作品ではない。
が、すべてキャストの素晴らしさにより作品として保たれている気がしてしまう。

申し訳ないのだが、日本でも人気だったらしいザ・ランナウェイズさんた
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絶対に割れない花瓶(2013年製作の映画)

2.5

もはやホラー映画。
シュールな展開でクスッとなるものの、欲望について描かれている作品。

セリフ一切なしの映像だけで構成された今作。コメディで笑ってしまうが、その中には確実にブラックユーモアが混じって
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代理教師(2007年製作の映画)

3.0

子供ってすごい、それを感じることが今の私たちには必要なのかもしれない。

頭おかしい教師が出てくる!っと聞いて鑑賞。まさかの落とし所で驚きと共に胸に響いた。

横暴な教師の無理難題、いじめにも取れる要
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不思議の国のアリス(1903年製作の映画)

-

貴重な作品。
1900年代の作品にしては保存状態もよく、ストーリーどうのこうのより、時代を堪能出来る作品。

フォローさせていただいている方がYouTubeで観られると話していて観た。私が初めて今作を
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

主人公はあの夕日をどう見たのか気になる作品。神はいたのかしら?

『ミッドサマー』の元ネタということで話題になっていた作品で、フォロワーさんからはやはりこちらをすすめられていた。
こちらの方が好きだ。
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アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

4.0

隠れた名作。
一貫したテーマ性を維持しながら、二転三転するストーリーとお洒落な作品。

作業BGMに、とCSをつけたら放送していて観入ってしまい、日を改めて再度鑑賞。
好きな世界観が溢れていて至福の時
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不思議な黒いシミ(2015年製作の映画)

3.0

なにかを恐れ、なにかに劣等感を抱き、そしてそれを受け入れ、それが無くなる。
今の私は今作に近い感覚にいる。

家に気味悪い苔(染みといっているがふわふわしているので苔にしておく)が生えた女性のストーリ
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リアリティ・プラス/リアリティ+(2014年製作の映画)

2.5

希望があるが、ある意味出来すぎなラスト。
今となってはありふれているストーリーラインではないか。

ひとまず思ったのがバービー人形のような女性、男性、あれは特殊メイクなの?すごい作り物感があって世界観
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少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

4.5

親と子は分かり合えない。
それでも分かり合おうとするからこそ、素晴らしいのではないか。そんなことを思った作品だった。

いや、いや、これ、今作、凄まじいぞ!素晴らしいぞ。人間の心理を抉るような描写、演
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

2.0

煽りに煽ってこれだと少し物足りない。
実話ということは確かに怖いが、映画というひとつの媒体でこれは果たして正解だったのか謎な作品。

おもろなかった!!ごめん、素直に面白くなかった。
1983年に公開
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マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)

3.0

適切な言葉か、どうか分からないが、リンチ監督などの崇高さがなくB級的な作品。それがいい。

またおかしな物を掘り出してしまったぞ笑
お初に御目にかかります、ジョン・カーペンター監督。いや、今作の監督も
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ミス・シャゼル(2019年製作の映画)

2.0

やりたいことは分かる。伝えたいことも分かる。この蟠りあるある。
けどあともう一味なにか欲しい作品。

小さな町のミスコン、一位と二位の女の子の友情ストーリー。
一位のマリーと二位のクララ、このふたりに
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マイリトルゴート(2018年製作の映画)

3.0

演出が秀逸。
フェルトの可愛さ、ストップモーションという性質をとても上手に使われている作品。

『PUI PUI モルカー』は存じてますが、とくに興味が無く素通りしていました。グロいのが大好きな友達に
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早熟のアイオワ(2008年製作の映画)

4.0

今作を制作してくれたロリ・ペティ監督に多大なる感謝を。
うんざりするような世界でそれでも希望を捨てなかったアグネスに勇気つけられた。

結構重いストーリーでしたよ。
アイオワ州に暮らす貧困層の姉妹の話
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

3.5

自らの尊厳が奪われた時、人は失ったものに執着するのか。
SNS系の作品ではあるものの、【若さ】という失われたものを追いかけ、人間の深く巣食ってくる感覚に焦点をあてた作品。

私の中で忘れられず、杭のよ
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

4.0

サイコパス好きは観るべき作品。
悍ましさと面白さ、その相反する感覚がこの一本の作品に凝縮している。

スタンリー・キューブリック監督が絶賛した、と聞いて見たいと思っていた作品。キューブリック監督が人間
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

2.0

自主制作映画のような作品。
単調で起伏が無く、とても眠くなった。

期限ギリギリのU-NEXTのポイント使ったからいいんだけど、ポイントの無駄遣いだったなぁ笑
レンタルしたから…と頑張って観たけれど、
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

これほどまでに緻密さに織りなされる人間模様、またさり気ないメタファーがあったか。
アカデミー賞を取られ、また評判の良さに納得の嵐。

私はアカデミー賞よりカンヌのある視点部門など、そういった作品がとて
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LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)

2.0

大好きなだけに残念。この言葉に尽きる。
いや、ほんと真面目に憤慨した。

LUPIN THE IIIRDシリーズは死ぬ程好きで、そこからルパン三世のファンになり、昔の作品など観るようになった。LUPI
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.0

人間の在り方、そして傲慢さをまざまざと見せつけられ、その中にアーティスティックさをも感じてしまう作品。

いやレビューが溜まっている笑
時間の使い方が下手くそなくせに、趣味が沢山あるのでこちらに顔を出
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スティング(1973年製作の映画)

4.0

あのダンディで粋なポール・ニューマンに弄ばれたいと思った作品。
トランプを切るあの色男、やられました。

どんでん返しと名高い作品、そして名優ポール・ニューマンさんとロバート・レッドフォードさんのタッ
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ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)

2.5

傲慢で、それでいて不謹慎。
リー・イスラエルさんのそこはかとないあざとさを感じる作品。

まだ2020年の映画のレビューを書いているのが恥ずかしい笑
2021年に入ってからかなりのスランプ、とりわけ人
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.0

@「我々ができるのは
せいぜい運命に手抜きをお願いすることだ」

不条理とブラックユーモアを美しい世界観にぶちまけた作品。
可愛い映像でコーティングされたえぐいストーリー。

観たいとず
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.0

金は頭脳になるが、頭脳を金にしてはいけないらしい。
なんて不条理な方程式か…と思った作品。

はじめてのタイ映画。
カンニングを扱った作品という事前情報しか知らなかったので後半になるにつれ重苦しくタイ
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

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私は今作を語れる言葉を持ち得ていない。
自分の考えが粉々に砕かれ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられた作品。

今、今作の感想を書いている時間BSでマイケル・ジャクソンの特集が流れている。
本当に丁度、『Bl
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