水のまちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

水のまち

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みかんの丘(2013年製作の映画)

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愛する土地が戦地となっても、そこに住みつづけること。死を呑み込み、作る木箱。お金儲けの戦争の為に、国や民族、宗教というチーム分けされただけのような、世界秩序。教養が違うだけで、なにも違わないこと、人と>>続きを読む

青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

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キラキラとした光を纏ったスローモーションは、新緑の生命力のように決して止まることはない。白いカーテンのフィルターを通った木漏れ日が、あたたかくその成長を見守る中、フワフワな黄色い半熟卵は、ホクホクのご>>続きを読む

ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

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カンナビスとオシレーターのマリアージュ、恍惚の先の光の世界。いつまでもそこに留まることは出来ないから、まるでそっと盗んできたおみやげのように、カセットテープに録音をした。

ツマミをひねる時の少し開い
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FLIRT/フラート(1995年製作の映画)

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三つの1時間半、三重奏のモアレ。未来が見えないフラート、迫られた愛の岐路、落ちないようにと皆の手に突かれる紙風船のように都市型ラビリンス、そして来たる時。繊細な光の粒子を帯びたようなクリアな90年代の>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

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この世界に要らないもの、軍人。武器も科学も医学も要らないと思ったら、それならば人間が要らないのでは。と、思わせる不快な大事件。本当、それでも生きようとする人間て偉いよ。

モンフォーコンの農婦(1968年製作の映画)

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『木と市長と文化会館』に繋がるのがとても良い。プラムかな?、庭に植えるならあの木を植えたいと思った。そして最後に、唖然とし、1拍おいて、吹き出した。

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

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数ある選択肢の中で、自分の望みが通らないことの、苛立ちとも違う混沌とした何かを、壁にもたれ立つ姿、しぐさから感じながら、一方ではコーヒーを早々になげだし、ステーキを焼く姿を見る、という面白さ。人間の言>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

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まずは早起き。一日の始まりの朝、そこにある爽快な光には、期待を感じている。しかしながら、何を期待しているのだろう。望みがかなうこと、そこからの眺めは、なんとなくここではないとも思わせる。曖昧な目的をも>>続きを読む

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド(2021年製作の映画)

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色々なものを良いとこ取りして集めたら、幕の内弁当的になった。と、思わせておきながらも、やっぱりお子様ランチ的に感じてしまう園子温の愛くるしさ。幻影的に見えてこないのは、根本がダサいんだと思う。無理矢理>>続きを読む

シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

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風が舞うだけで違う結末になっていたであろう、無骨でしたたかな恋のかけひき、或いは生き方。お金がないが暇はある、という学生の空虚感ともどかしさや、幸せをさがす姿と、白黒とグレーとの相性がとても良い。

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.6

笑顔が怖いのは大悪人であること。人間とは思えない狂気の具現化鈴木MAD亮平と、正義も悪も分からなくなっても自分の道を信じるしかない松坂桃李が、啖呵切りまくりの赤文字系。千葉真一が空手なら、鈴木亮平は総>>続きを読む

ピラニア 3D(2010年製作の映画)

3.7

歴史上最悪の、スプリングブレイクの惨劇、geekの妬みがサイコとなったような、湖畔地獄絵図、生贄ビキニ、マイヒーロー誕生のお決まりラブストーリー。痛いと思ったら負け、パイオツ見て喜ぶくらいの変態性でち>>続きを読む

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

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一目惚れをしてしまうような純真さが考える、不安定な行動に、ドキドキとさせられるのだが、恋物語に止まらず、運命と時の流れ、人智の及ばない領域を、洒落たパリの街並みで展開するクールな面白さ。単純なようで単>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

5.0

ペッチャンコ【ポンコツ】からの切返し、ペッコンチョ【ポン太】と名付けられた微妙な切なさ、人間だもの。
エイリアンよりも危険で早い、ディストピアよりも救いなき未来、闇深き謎多き地の底、しかし、可愛い。と
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ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光(2019年製作の映画)

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有耶無耶な真相に鬱屈とさせられるこの感覚が、貧困街における犯罪心理に触れたということではないだろうか。一部を除き、好き好んで犯罪を犯しているわけではないことを、自分が平穏な日々をおくっていたとしても、>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

4.8

ひとりの幸せを願うふたつの思惑が、odd-evenと不規則に転がり続けるサイのように、ドキドキとさせる。互いの関係性と整合している恋人候補のユニーク。はぁ、って音が聞こえてきそうなほどの、それぞれの察>>続きを読む

ルームロンダリング(2018年製作の映画)

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内気なことで、曖昧に誤魔化されたような表現。ちゃんと筋が通っていないから、死者とふれあい、心の中に何が生まれたのかが分からない。母親の存在とは何だったのだろうか。そうなると結局、エライザの、靴が大きい>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

5.0

ロメールが夏に甘い。と、潮風になびく前髪を整えたら即キュンが始まり、賑やかな街で、一人で歩く疎外感から一気に晴れ渡る。恋の話で心の距離が近づいていくのに、友情の距離感で散歩する二人の微笑ましさ。寄り添>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

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”朝毎に懈怠なく死して置くべし”
武士道を歩んだかのように、ある意味ひとつの、人生とは何であるかの悟り。明朝からは幽霊となる。

イソップの思うツボ(2019年製作の映画)

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入れ子構造を中から見せていくスタイル、その確立がある意味三谷幸喜的に思えた。醍醐味の伏線回収、お母さんに先生のこと好きになったって言ってなかったっけ?予備カメラに気付いてましたっけ?、etc、なんとな>>続きを読む

REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

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四分の三、どこを切り取っても全て胸糞悪い奴ら。四分の一、美しいことは罪なのか。自分の体調の悪さと、手負いなのが少しリンクしながら、朦朧と復讐劇。ペヨーテでアップデートされる様、星型のピンクのピアス、フ>>続きを読む

最低。(2017年製作の映画)

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これもまた、生きるということ。時にはなにかに流されるように決断することも。

Bo 堕ちていく少女(2010年製作の映画)

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そもそも貧困問題、金と娼婦、つまり生きるということ。まるで愛であるかのように悪が誘惑するけども、人はそう容易く悪魔にはなれない。そして、皆誰かの子どもであるということ。ベルギーのペールグレーの色彩が、>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

4.8

宇宙のように広く、神話のように深く、愛情と友情との無限のグラデーションの中で、唯一無二の愛のかたちが純真すぎて、現実との間におきてしまう摩擦熱。奇跡までの数日間だったという、馬鹿げてるくらいの映画的終>>続きを読む

Red(2020年製作の映画)

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白い雪、白い肌、白い息、ずっと忘れたくない温もり。愛にゆらされて、幸せもわからなくなった時。

春のソナタ(1989年製作の映画)

5.0

どうして今ここにいるのだろうか?という自問に、些細な事物が作用していた結果だと思い出せた瞬間の面白味。登場人物の意識と行動、互いに影響をあたえる風のような言語と空気、人知では予測できない未来への到着点>>続きを読む

ホイッスラーズ 誓いの口笛(2019年製作の映画)

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シリアスなクライムサスペンスなのに、キーとなるのが口笛という奇妙な均衡、だってピーだもの。創造されたものを切り取ることが、他の力に頼っているように感じてチープにみえる。で、ハゲ頭の登場人物が多くて混乱>>続きを読む

LOVE GOD(1997年製作の映画)

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時はまさに1997年。disk unionの片隅に置かれたダンボールの中には、オルタナティブの7inchがどっさり。値段も300円以下だったのもあり、知らないバンドをジャケやバンド名だけで選んで買って>>続きを読む

獅子座(1959年製作の映画)

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今ある生活に保証などどこにもない。悲しみならば涙もでようものなのに、惨めなことには涙すらでてくれない。全てを失った不安に、尽く上手くいかない絶望が押し寄せ、炎天下で朦朧としてくる意識が、ある種のバッド>>続きを読む

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

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無機質な透明の空気に、混沌とした人の弱さが、まるで明け方の青さのように、震えている。無常に進む時の流れの中で、最初から用意されていたかのような、猿楽町で会いましょう、となった瞬間に、在りし日の愛の分だ>>続きを読む

河内カルメン(1966年製作の映画)

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女であることのように、好きという感情は、忘れることなく、そして強かに、本能のように中心にある。しかしながら、電気という文明の堺から、始まる放浪が、奇妙な出会いと、素敵な別れ、を、繰り返し、その爽快な人>>続きを読む

クルエラ(2021年製作の映画)

4.0

クルエラの衣装が兎に角カッコ良すぎる。ファッション業界での闘いが、華麗にきまるのが気持ちが良い。ロンドンが舞台ということで、ROCKしているのも嬉しい。選曲の王道がはまりまくる映像エンターテイメント。>>続きを読む

魔の谷(1959年製作の映画)

3.6

強盗一味の計画した逃亡劇が、雪山のクロスカントリーというだけでもなかなかの画力にもかかわらず、徐々に姿を現す野獣、そして恋と、大忙し。それを大作にしない、切捨てる思考能力。それが、所謂Bだと思わせる。>>続きを読む

女教師(1977年製作の映画)

3.9

未成年ゆえの無責任な考えが点火した事件に、腐敗した教育現場が油を注ぐ。強姦、目撃者、隠蔽、偽証、そして15歳の青さが、カーチェイスがあるほどのサスペンスフルに、大きな展開をみせる。春夏秋冬的エモさと、>>続きを読む

血みどろの入江(1970年製作の映画)

5.0

音楽のグルーヴに鼓動も高く、殺人万華鏡。もう別次元に行ってきました、本当トリップ。見とれるばかりで、全くわかっていないのだろうけど、光彩も、ズームも、ダンスシーンも、肌レベルで心地良いのが分かる。

モデル連続殺人!(1963年製作の映画)

5.0

美しく、ミステリアスな色彩の光と影に、6人の女。この映画の全てがこれで良いと思わせる至宝感、クール極まりない。