煙さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

煙

映画(269)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ひなぎく(1966年製作の映画)

3.0

冒頭、戦闘機目線の爆撃ショット。赤黄青その他のモノクロ。大口。汚い足指。汚く食べることが既成概念の打破ということか。ハサミでお食事。ハサミは画面も細かく裁断。場面転換のアクションつなぎ。シャンデリアの>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

4.0

創作過程。カルロッタ。アワー・ミュージック。突然、大音量の音楽。チェロとコントラバス?音像も良い。結果的に盟友ストローブ=ユイレ的にも。

右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

4.2

「反抗から遠く離れて」
「和解から遠く離れて」
ルネ・クレマン『左の拳を鍛えておけ』ジャック・ヴィルレは『トルテュ島の遭難者たち』の太っちょノノの弟役プティ・ノノ。
冒頭、霧のような画面から間を置かず
>>続きを読む

マダムと女房(1931年製作の映画)

3.5

冒頭、チンドン屋の遠景。東京郊外。絵描きとの一悶着。絵描きが立ち上がるアクションつなぎ。テルちゃん。日本髪に枕。『わたしの青空』。

ジャッカルとアラブ人(2012年製作の映画)

4.0

カフカを描出する試み(『アメリカ』など)。
正座して朗読する女性。自宅なのか。ハサミ。ラストショットがかっこいい(いつも)。

ある相続人(2011年製作の映画)

4.0

ヨーロッパの歴史を描出する試み(そういうの多い)。
カフェの背後の建物は赤い木窓に赤い花に赤いカーディガンのウェイトレス。森の中での朗読。

おお至高の光(2009年製作の映画)

4.0

神を描出する試み(そういうの多い)。
黒い画面に延々とヴァレーズ。『アルテミスの膝』でも黒い画面にマーラーが不穏だったが、こちらの方が極めている。朗読。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.7

「わたしはアナよ」
常人と時間概念が違う。ユスターシュ的プラックアウト。飲むことが多い。コマンチ族。映画館。瞳をとじる。

アルテミスの膝(2007年製作の映画)

3.9

緑の森。木の幹の頭の高さに手を置く男。もう一方は後ろ姿。

ジャン・ブリカールの道程(2008年製作の映画)

4.1

ロワール河を画面左から右に滑走する舟(モーター音のみ)に置いたカメラで「若い頃に過ごした」コトン島を映す。はじめは土手かと思った。枯れ木が並んでいる。モノクロ。1944年に銃殺された叔父。銘板。漁労が>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

16ミリということだが、アスペクト比1.66のスーパー16ミリというものだろうか。
上白石萌音のモノローグに始まり、松村北斗(北斗七星の北斗)のモノローグで終わる。コンクリートに打ち付ける雨で始まり、
>>続きを読む

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

3.3

走るハーヴェイ・カイテルのスローモーションはナシだと思う。チャーリー・セクストンが出演。シネマスコープで南部の荒野。

ひまわり(1970年製作の映画)

3.7

最も素晴らしいのは、序盤、画面右後方に位置する結婚式場の教会出口から出てきた子どもたちと共にソフィア・ローレンが何かを振り撒きながら、マルチェロ・マストロヤンニと緩やかに駆け降りてくる多幸感に満ちたシ>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.9

冒頭、ネオンサイン。ホテルの一室の椅子に脚を組んで座るジャン=ルイ・トランティニャン(熱演。イタリア語)。引いて止まって、また引くカメラがベッドでうつぶせになっている裸体を映す。アルヴェルト・モラヴィ>>続きを読む

男と女(1966年製作の映画)

3.6

冒頭、白い画面からカメラが動き波止場であることがわかる。『狼と七匹の仔山羊』を子どもにお話ししてあげるアヌーク・エーメ。ジャンプカット多い。モーリス・ヴァンデール参加ピアノ。カラー、褐色のモノクロ、青>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.3

男と女と車があれば映画になると言われるが、男と女だけで映画にしてしまった。

ジュリー・デルピー34才、イーサン・ホーク33才頃。パリの街並み。二人がパリを歩くとロメールを思い出してしまう。ウィーンの
>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.6

男と女と銃があれば映画になると言われるが、男と女だけで映画にしてしまった。

ジュリー・デルピー25才、イーサン・ホーク24才頃。冒頭、スティーブ・ライヒ『Different trains』のような構
>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.9

冒頭空撮で南極の海のカヌーを真上から。真上からの構図多い。他に閉じ込められた犬の救出シーン、豪雨の排水溝など。上からクレーン移動して映す階段を旧友とのぼるショットが良い。カット、切り返し多い。その切り>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

16ミリスタンダードサイズ。トーマス・アルスラン的問題意識。主人公の背が低い。ゆっくり動いて深夜ブリュッセルの車道を映すカメラ。位置高め。人物の歩く前をカメラが後ろ向きに動いて映す。後ろから追うカメラ>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

3.7

白いデッキシューズのアップ。舞台中央まで移動しカセットデッキを置く。一曲目『サイコ・キラー』。一人ずつメンバー登場。ティム・ウェイマス。トムトムクラブ。伸ばすと神経症的に震える声、テクニックの無い踊り>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.7

16ミリスタンダードサイズ。正方形?そのスクエアな画面をクリアな構図・映像が満たす。苔を中心に男女の手が伸びる。電車。人物の歩く後ろをカメラが追う。雨。環境。風景。赤い鍋。スープ。

近松物語(1954年製作の映画)

4.0

やはり舟。やはり川。ゆっくりと右から現れて画面中央で静止。香川京子の膝を結びその膝にしなだれて告白する長谷川一夫。抱擁して横になる二人。揺れる小舟。太鼓。会話で切り返しはあまり無いが、香川京子と南田洋>>続きを読む

アンティゴネ~ソポクレスの《アンティゴネ》のヘルダーリン訳のブレヒトによる改訂版1948年(1992年製作の映画)

4.2

馴染みやすいストローブ=ユイレ。オープニングが不穏な音楽で始まるのがめずらしい。笑う演技(国王)がめずらしい。人物と人物をパンで繋ぐのがめずらしい。そのパンも早いのがめずらしい。セリフで物語を紡ぐのも>>続きを読む

セザンヌ(1990年製作の映画)

4.0

純粋芸術セザンヌ。ジャン・ルノアール『ボヴァリー夫人』。字幕:丹生谷貴志。

雲から抵抗へ(1979年製作の映画)

4.1

神と人間。ファシズムと人民。二人もしくは一人の歩行を、前からもしくは後ろから追うカメラ。移動カメラは珍しい。

モーゼとアロン(1975年製作の映画)

4.0

人物、カメラ、共に動きのあるストローブ=ユイレ。羊の群れ。金の牛の像。全裸の男女。崖からの飛び降り。血とワイン。ナイルのほとり、横たわるアロン。神とロゴス。

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版(1982年製作の映画)

3.6

パンがうまい。場面転換のショットがうまい。無機物の有機化。肉体改造は溶かしたり刻んだり。VRゴーグルそのものが出てきてびっくり。

Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン(2005年製作の映画)

3.6

POV視点。長回し。典型的なドキュメンタリーの文法なのだろう。映画の中で写真を映すこと。写真の中の人物はカメラ目線が多い。

時は止まりぬ(1959年製作の映画)

3.8

情感に満ちた秀作。雪山を歩行するデクパージュ。初期イオセリアーニ似てると思った。歩く方向が逆になるショットが気になる。吹雪の雪山のサスペンス。暗闇の中、懐中電灯で辺りを照らしているのに、中年の顔が過剰>>続きを読む

オトン(1969年製作の映画)

4.0

「ハワード・ホークス的」とのこと。古代ローマを現代フランス語で演じる。道路の音声もそのまま。字幕が読みづらい。ドリーイン、ドリーアウトが効果的。皇帝がカットイン。ロメール『我が至上の愛〜アストレとセラ>>続きを読む

花婿、女優、そしてヒモ(1968年製作の映画)

3.9

演劇。初期作品のうち、最もその後の作品群を予感させる。車の上に設置したカメラで走行しながら歩道を撮影。いきなり音楽が鳴り響く。演劇。360°パンと思ったら、自動車を映していたのか。教会で結婚式。家に入>>続きを読む

光る女(1987年製作の映画)

3.0

武藤敬司がピストルを構えるすまけいに立ち向かうショットはどうなんだろうか。秋吉満ちるの英語訛りが気になる。ファンタジー色の強い相米慎二は好みではない。と、思ったが、『東京上空いらっしゃいませ』は良かっ>>続きを読む

ラブホテル(1985年製作の映画)

3.7

狭い階段を上から映す。ハエの羽音から豪雨の音に切り替わる。浜松町でタクシーを乗った時は明るかったが、新宿に向かう道中で夜になる。20代前半アパレル社員速水典子の部屋が贅沢(当時の豊かさ)。巨大腹話術人>>続きを読む

吸血鬼(1956年製作の映画)

3.7

シネマスコープ。冒頭、川辺からのパンで若い女性の死体を川から抱き上げるショットが素晴らしい。フランス舞台でイタリア語。極端に大きな影。鏡。ちょっとした長回し。みるみる老いていく特撮。ピンぼけショットが>>続きを読む