煙さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

煙

映画(269)
ドラマ(0)
アニメ(0)

共産主義者たち(2014年製作の映画)

4.0

自己言及。
カット割少ない。音楽少ない。物語性少ない。主人公いない。演技少ない。人物の動き少ない。カメラの動き少ない。
風景。森。緑。生活音。タブロー。演劇。声。朗読。全面黒。全面白。革新。神。死。

ヴェネツィアについて(2014年製作の映画)

4.0

『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』の大胆な引用。湖畔にかかる木と枝の長回し。

影たちの対話(2014年製作の映画)

4.1

『ヴェネツィアの死』併映。『黄金の馬車』。ジャック・ベッケル。
木陰の画面右下に淡いグレーのスーツの男性。画面左下に紫色のマフラーを巻いた女性。

ミッシェル・ド・モンテーニュのある話(2013年製作の映画)

4.6

腰掛けて足を組む中世風の装束を纏った彫像を正面から映す。背景音無し。真っ暗な画面に女性の声(字幕)のみ響く。台詞を読み上げる女性。死を映像化する試み。ソクラテス。

慰めようのない者(2011年製作の映画)

4.5

シダが繁茂する森。うつむき加減で座っている老境に差し掛かった白髪の男。岩に片足を乗せて横向きに立っている赤いズボンの女。死と生のあわいについて。

コルネイユ=ブレヒト(2009年製作の映画)

4.0

多言語。演者の声。3テイク。バルコニーに立つ赤い服の女優を正面から映す。部屋の隅のソファに座る女優。コバルトブルーのシャツ。白いニット。Vの切れ込みが深い青のワンピース。セリフが記載されているらしきペ>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

3.6

ドキュメンタリー。スタンダードサイズ。調書にしては情緒的すぎでは。カメラ目線。拘置所テーブルでの独白をあえて割っているのはなぜか。コロナ前のロケーション?ドライブレコーダーのような運転手POV。暗転。>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.0

ガスタンク。冒頭とラストにカバンを背負った二人を背中から映す。ラストの方では家の前に人だかりがあったがどういう意味なのだろう。三井弘次が期待通り。目を伏せる村田知栄子がいい。階段から落ちる茶筒?海苔缶>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

4.2

冒頭の特撮。船。霧深い湖畔での逢引きの流れるようなカメラワーク。男が遠回りしすぎ?犬が湖に飛び込む。ボートから降りた妻が走って駆け上がると、電車。追いかけて飛び乗る夫。写真館。理容店。遊園地。子豚の酩>>続きを読む

結婚哲学(1924年製作の映画)

4.0

思い出話に花を咲かせるシャーロットとミッツィの切り返しにディゾルブ。ブラウンとグスタフが並んで歩く際にドリー。それ以外はすべてカメラ固定していたと思う。アクションつなぎ、モンタージュ、デクパージュだけ>>続きを読む

十字砲火(1947年製作の映画)

3.7

冒頭、ランプシェードの灯りに乱闘する影。次のショットで中折れ帽にパイプを加えた警察、カメラがずれて向こうのソファに座る女性が映る。ロバート・ライアンの異常な感じがうまい。

深夜復讐便(1949年製作の映画)

3.0

暴走するトラック。転がるリンゴ。つなぎが甘い。よく寝る。ヒロインのシャワーシーンが魅力的でないことなどあってよいのだろうか。

夜の人々(1948年製作の映画)

4.2

冒頭、頭を起点に逆向きに寝そべる多幸感に満ちた2人。次のショットは走行する車の空撮。アップで映されるキャシー・オドネルが素晴らしく美しい。助手席の窓ガラスはチカモーが内側から割ったはずだが割れていない>>続きを読む

猿女(1964年製作の映画)

3.7

クリス・フジワラとのジョアン・セーザル・モンテイロに関する対談で塩田明彦がそのユーモアについてマルコ・フェレーリとの類似性を指摘していた。ワイド画面の構図が巧み。冒頭の教会場面から三人映る。長めのショ>>続きを読む

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

3.1

冒頭、遠景の写真。ロンドン市内。ずっと集団の子ども達が走っている。瓶入りの金魚。スカート丈が異常に短い。パキスタン人。ユダヤ人。ホモ。差別・階級社会。ティータイム。いつも食べている。ビージーズ。アップ>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

4.4

坊や、三浦、池部良の戦友、淡島千景の友人の夫、淡島千景の実父(浦辺粂子の夫)、などこれだけでも五人の死がある。死の前日の見舞いのBGMはサセレシア。淡路千景の紅葉の浴衣。連れ込み宿の朝、日差しが水面に>>続きを読む

あるじ(1925年製作の映画)

3.8

17×19=323。マッスの白目。にらみ。ヴィクトルの後ろ姿に両肩から背中に向かって這う2本の白い手。振り子を挟んだヴィクトルとイダ。

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

4.3

土橋式松竹フォーン。タイヤフェンダーアップ。飯田蝶子襟巻き。壁野球。麹町、牛込、御殿山、千駄ヶ谷。フレデリック・マーチ。授業風景学生のパン。大山健二居眠り。北半球は1/2。佐野周二の下宿「大盛飯」の看>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.5

長回し。カメラの位置はおへそあたりが基本。池のほとり。生々しいエアリスとのキスシーン。ピアノの傍で歌うゲアトルーズ。ソフトフォーカス。ろうそくに点す火。マッチを擦る焦げた匂い。鏡に収まるゲアトルーズ。>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.7

ロードムービー。首都高。橋。自転車。東京の夜明け。役所広司に緩やかなクローズアップは冒頭とエンディング。ルー・リード。

サタンのラプソディ(1917年製作の映画)

3.5

チネマ・リトロバート映画祭。『サタン狂想曲』。固定カメラのワンシーンワンカット(?)。少しだけ移動あり。『ペイルライダー』のような馬。小松弘氏と古賀太氏の対談、非常に勉強になった。

以下、国立映画ア
>>続きを読む

暗黒への転落(1949年製作の映画)

3.8

冒頭、畳み掛けるショットがいちいち決まる。警官のドアップ。カメラが動いてハマる。序盤、チェスに興じるハンフリー・ボガートと妻役キャンディー・トクストン、妻一言も発さず。ニック・ロマーノ役ジョン・デレク>>続きを読む

その夜の妻(1930年製作の映画)

3.8

パルテノン風柱。光と影。手のアップで繋いで場面転換。山本冬郷が八雲美恵子の頭に中折れハットを乗せる。中折れハットを被らずに二丁拳銃。2人の身長差。山本冬郷が花を生けたグラスを服薬用に使う。あのグラスの>>続きを読む

青春の夢いまいづこ(1932年製作の映画)

3.9

冒頭、テニス競技を座って応援している学生をドリー撮影。Pマークは体育のこと?セカンドバッグに火がついたままのタバコを投げ込む。江川宇礼雄の家のセットは天井が高すぎる。家の掛け軸瓢箪。田中絹代邸には火鉢>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

3.8

いつも冬。森雅之は終戦直後代々木上原に居住。高峰三枝子は鷺宮。男の暴力。被差別者としての女性。雨。高峰三枝子はお金がある時だけ元気そう。パンパン時代の高峰三枝子の部屋での照明。伊香保の階段。森雅之と2>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

5.0

完璧な長回し。丘で唱える次兄の声が響く。木枯らしが空を切る通奏低音。カメラは意外と動いていた。ラスト近く、カメラ首振り。完璧なモンタージュ。奇跡。

お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.0

超絶優しい佐分利信と超絶気が強い木暮実千代。車内の揺れがリアル。瓢箪大柄の浴衣。会社でのトラックアップから自宅タンスでのトラックバックに違和感があったが、後半は違和感薄まった。パチンコ屋の笠智衆。羽田>>続きを読む

浮草物語(1934年製作の映画)

3.9

信州が舞台。坂本武と三井弘次の親子釣り同期。坂本武と三井弘次の対峙場面で180°規則無視。一座最後の晩、車座の場面の照明、全員を照らす。密会の場面は電車線路脇(廃船の中ではない)。活弁:坂本頼光、演奏>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.2

近接と離反の同居。タイトルクレジット、エンドロールクレジットのアルファベットの色。ミシェル・ウィリアムズのガニ股猫背。『ウェンディ&ルーシー』と同様にシャワーを浴びられない。ジョン・マガロはドライヤー>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

4.6

冒頭、ものすごい長回し。画面の動きが少ない、と思っていたが、そんなことはない。バストショットが秀逸。強烈な火炙り。魔女。

簪(かんざし)(1941年製作の映画)

3.8

集まって別れる他者。土橋式松竹フォーン。冒頭。杉林の道を歩く参拝者をカメラが後退して正面から映すのは。木橋を渡るスペクタクル。小柄な田中絹代が笠智衆をおんぶして石を積んだただけの橋を渡る。大広間に集ま>>続きを読む