bluebeanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

劇場版 Fate /stay night - UNLIMITED BLADE WORKS(2009年製作の映画)

3.0

ただただ戦闘シーンの素晴らしい作画を満喫するための作品でした。ストーリーはTVを端折ったあらすじになってます。それでもラストに明かされる意外な事実はなかなか衝撃的で楽しめました。

あいかわらず現実的
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

芸術の追求と家族生活と間の葛藤を描く映画かと予想して観始めた。確かにそういうテーマではありましたが、その葛藤がサム(スピルバーグ)本人の中ではなく、父親と母親それぞれに投影されているのが面白かったです>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.0

おバカなストーリーとめちゃくちゃなアクション、そこにノリの良い音楽が織り混ざって、くだらないけど最高の映画でした。ジェームズ・ブラウンをはじめとする豪華すぎる出演陣をはじめとして、実際に車を潰しまくる>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

4.0

やはり今泉力哉監督の会話劇は観ていて、聴いていて本当に心地が良いです。小説家と元小説家の間の、物事に対する解像の高さを感じさせるやりとりが最高でした。稲垣吾郎の「え、」という反応が毎回可愛いです。綺麗>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.0

おなじみのなかなか結婚しない娘の話です。少なくとも今は仕事も順調、家族とも友人とも楽しく暮らしていて結婚する必要性を感じない。でも将来のことを考えたり、周囲の声に気持ちが変わっていく。ちょっとした縁談>>続きを読む

ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年製作の映画)

3.5

作品を重ねるごとにカーアクションのスケールが拡大していくワイスピですが、本作でいったん頂点を極めた印象です。平面(表面)を移動するために作られている自動車の本質的な制約をとっぱらって、タイトル通りに上>>続きを読む

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

4.0

主人公の世代設定は多少自分より上ですが、完全にはまって感情移入してしまいました。子供時代に感じた世界の広さ、日常の狭い生活範囲を抜け出す冒険感とワクワク感。子供の頃を思い出させるというレベルを越えて、>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

ビジネスの逆転劇をシンプルに楽しめる映画でした。過去に成功体験がありながら落ちぶれかけた社員が、周囲を巻き込んでリスクを取り、成功していくストーリーは定番ですが痺れました。

自分の信じた1人のバスケ
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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫(2017年製作の映画)

3.5

めちゃくちゃ楽しかったです。アクションシーンがもう最高。整合性やリアリティを完全に無視して、とにかくかっこいい演出の連続です。それがばかばかしいという印象がなく、純粋にスカッとして気持ちが良い。よくこ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

難民として日本に来たの少女の目を通すことで、見慣れた日本の風景が全く違うものに見える体験ができる映画でした。序盤の結婚式のシーンの民族衣装や聡太の描くアートのカラフルさと、日本のモノトーン基調の街並み>>続きを読む

オペラハット(1936年製作の映画)

4.0

今見ても普通にエンタメとして面白いストーリーでした。その上テーマと展開が完璧に組み合わされていて、見事の一言です。

地方から来た純粋で正直で裏表のない主人公が、周りの目など気にせずに思いのままに行動
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.5

ミセスハリスが本当に美人だし可愛い。ドレスを着るのに年齢なんて関係ないってことをビジュアルで体現しています。個人的には、タレントの千秋にそっくりだな、と思いながら見てましたが。純粋で親切で、自分の過ち>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

ドラマティックなテーマに反して、とても静かな映画でした。複雑な人間関係の中でたんたんと、スピーディーに取材が進んでいく様子に頭をついて行かせるのが大変でした。それでも、そうやって徐々に情報や証拠が積み>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.5

生理、中絶、産後うつ、女性差別、職業での成功、結婚、などなど、あらゆる生々しくて重いテーマを入れ込んでいるのに、不思議と軽いタッチで、最後まで気持ちよくみることができました。

ブリジットの問題はある
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

個人的にあまり乗り切れませんでした。作品のせいというより、自分が完全に見方を間違えてしまったせいかも。マルチバースものということで、ついついSF作品を見るスタンスで、頭の中でストーリーや設定の整合性を>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.0

田舎町の鉄工所で働くロシア移民の仲間達の日常をたっぷり見せた後、ベトナム戦争へ。そこで唐突に繰り広げられるロシアンルーレットの壮絶すぎる極限状態。ベトナム戦争の悲劇を強烈な場面転換で見せてくれます。>>続きを読む

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.5

ホロコーストものというので重たい話を覚悟して見始めましたが、意外にもそこまで心に負荷のかからない映画でした。感動的な話で号泣必死のはずなのですが、個人的にはなぜかそこまで泣けず。

でもそれは、本作が
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.5

魚が好きすぎて枠にはまらない魅力的な主人公をこれまた個性的なのんが演じています。そして、枠にはまらないのはこの作品自体がそうです。個性って素晴らしい、という分かりやすい感動ストーリーではありません。か>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

タイムループもののコメディ作品ですが、すごい完成度です。繰り返しの中での行動の変化の影響を細かく楽しく見せるところなんか、まるでBTTFのようです。伝えたいテーマもしっかりあって、それを設定にうまく重>>続きを読む

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

4.0

フランス映画史上の傑作とのことですが、納得です。舞台、衣装、演技など、全てにおいて洗練されていて完成度が高く、美しいです。特に男たちがガランスを口説く時のやりとりなんか、名台詞のオンパレードです。3時>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.5

自分の好きなものに対する主人公の感情にすごく共感できました。誰かと思いを共有したいけど、自分の趣味を否定されそうで周囲に話すことができません。リア充が何の抵抗もなくそれをしていることにずるいと感じてし>>続きを読む

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.0

想像通りではありましたが、やはりファーストガンダムとは全くの別物でした。安彦的なキャラは動きも表情もオーバーアクションで、もはや富野ガンダムからは人格が変わってしまっています。ディズニーみたいな表情変>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

平和な日常から内戦によって無法地帯に移行する様子がとてもリアルでした。外交官という特権的な立場が徐々に意味を失っていき、戦場の中に生身の人間として放り出されていく流れがゾッとしました。

韓国と北朝鮮
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

良くある勘違いされた日本文化がちりばめられた映画ですが、観る前からそういう前提でいたので、あまりひっかからず受け入れられました。むしろ、こういう日本が外国人にとって魅力的なのか、と思って見ることで楽し>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

映像が完璧に美しいです。全ての画面が一枚の西洋絵画のように仕上がっています。室内のシーンでは、背景も含めてピントを合わせた上で、人物の肌を照明で滑らかに見せていて、本当に絵画のよう。特に夜のシーンでは>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.5

人間側から恐竜側に視点が転換する衝撃のラストを迎えた前作に対して、テーマのスケール感が家族のサイズに落ちてしまい、良くも悪くもあっさりとしたエンタメ作品になった印象です。とは言ってもクオリティは高く、>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

白黒ですが、とにかく全ての画面が美しくて見とれてしまいました。はっきりとは分かりませんが、色彩の情報がないことで、完璧にきまった構図がより強調されて見えたことが理由のひとつかもしれません。そこに重なる>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.0

役者陣の演技も映像も素晴らしかったです。タイトルにもなっている月や、雨、風鈴、カーテンと窓、コーヒー、ケチャップなど、数々のモチーフを繰り返し出していく演出なんかもすごく良かったです。登場人物の内面に>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

いろいろな面で歪で、決して完成度の高い作品ではないと感じましたが、なんだかんだ、結構楽しめました。製作者が狙っているのかはともかく、その歪さ自体が面白かったのかもしれません。

オリジナルのウルトラマ
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.5

ドイツ表現主義の代表作で、その後のホラー映画のひな型となった超名作だということで観てみましたが、納得です。パースが歪んだセット、頻繁に絞りが入って視界が狭まる画面、役者の狂気的な演技、夢遊描写チェーザ>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

格差をテーマにする場合、金持ちと貧困層との差を、極端かつ劇的に見せる作品が多い気がします。しかし本作は、東京の、特に慶應大学などの舞台を利用して2つの階層の位置関係を自然な形でぐっと近づけます。その上>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.5

母を亡くして2人で暮らす父娘の愛情と、結婚によってその生活が終わりる切なさ。『秋刀魚の味』とほぼ同じ設定ですが、本作の方がまだ結婚を前向きに捉えており、ストレートに感動できる作品でした。小津監督の演出>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

前作とノー・ウェイ・ホームは視聴済み。ワンダ・ビジョンは未視聴で、あらすじだけは読んだ後で観ました。

ストレンジの能力が魔法ということもあってバリエーション豊かなのに加え、マルチバースを行き来するこ
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さがす(2022年製作の映画)

3.5

失踪した父親の謎。その経緯がだんだんと明らかになっていくサスペンスものとして単純に面白いです。残忍で気持ち悪いシーンも多いですが、全体的にそこまで重くなりすぎないバランスで作られてる印象でした。

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マルタの鷹(1941年製作の映画)

3.5

ハードボイルドというジャンルを作った名作だけに、今見ても面白かったです。ちょっと定型的だと感じてしまいましたが、映画の歴史を勉強して時代の前提を頭に入れてない自分の自業自得です。

同僚が死んでも冷静
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.5

業界の裏側を見せつつそこで働く人の苦悩と成功を描く業界ものエンタメです。個人的に大好きなアニメ業界で、クオリティの高い劇中アニメや、作家性と商売の葛藤もあり。面白くならないはずがなく、さらに予想以上の>>続きを読む