このレビューはネタバレを含みます
森という舞台が非常に面白い。音がどこから聞こえてくるのか、あの音はいったい何の音なのか。こういった森といった舞台ならではの演出が非常に面白かった。チェーンソーだと老人が言っていた音も、家の周囲に立ち込>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ニューヨークの建築に使用された古材を使ってギターを作る。1800年代の捨てられるはずの木材がギターとなり、第二の姿に生まれ変わって。ある木材は老舗のバーで使用されていたものであり、ビールが染み込んでい>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『オンリー・ゴッド』撮影前後のニコラス・レフンを撮影したドキュメンタリーであると同時に、男女の映画でもある。当たり前と言えば当たり前だが、苦悩する姿が映される。駄作になる、万人受けしない、『ドライヴ』>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
怒りや憎しみを向けられること、そして暴力を振るわれることも愛情と近いのかもしれない。緊縛は暴力的である。わたしもそう思っていたからこそ、見ていて最初はつらかった(エロいとはあまり思わなかった。エロくな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
想田監督はワイズマンに影響を受けていると公言している。強引ではあるが、比較的黙ったままのワイズマン的な『選挙』や『精神』から、思わず話さずにはいられず、そして話すことを通して生まれる被写体との関係性が>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
コロナに対する知識が備わったわたしたちにとっては、生理的に思わず顔をしかめてしまうシーンが多々あるかもしれない。マスクなしに騒ぎ、踊り、会話をしているだけだというのに。去年の映像だとは思えないほど状況>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
マクロな視点からミクロな視点へ。地球を宇宙から見ると美しいように、牛窓も離れてみると美しい。今作は一つの美しい街へと深く入っていくことを通して、社会の残酷で不条理な一面をのぞかせる。おばあさんの話す孫>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
カメラがある以上、映画で素の姿を撮影することはできない。ただ、カメラで撮るという行為、また演技をするという行為を通してしか迫ることができないその人間の「核」のようなものがあると思う。自宅で野良猫たちに>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ペギーミラーの音楽が良い。厳格に見られるように生きてきた老人が、実は「すけべ」だったと、認知症の演技をやめて告白する。消えかけていた命がセックスによって再び燃え上がる。日活ロマンポルノを見てきて、女性>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
作品冒頭で荒木経惟本人と荒井理花が裸でメタ的な会話をする。どうやら日活で「不思議の国のアリス」を撮るらしい。その後、白兎を追いかける幼女は性に開放的な「不思議の国」へと入っていく。ただ、その不思議な国>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
日記による回想形式で語られる。ただ、寝ているショットが3度挟まれていることから、登場人物のヘウォンにとっての現実なのかという問題が宙吊りにされる。また最後の台詞が「夢で見た男は以前会った素敵なおじさん>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
加瀬亮が出演するホン・サンス作品。平穏と不穏のはざまで揺れることの緊張感をホンサンス作品には感じる。森(加瀬亮)とサン・ウォン(キム・ウィソン)、韓国在住のアメリカ人が三人で飲むシークエンスは、ひとつ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
暴力的で胸くそ悪くなる作品ではある。冒頭はコメディ・タッチで進行するかに思われた。校長をはじめとした男性教師が問題を起こした女子生徒(彼女は好意を寄せていたクラス委員の男ミチオを守るために肩代わりした>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
初の日活ロマンポルノ。非常に面白かった!女にモテるがパチンコが上手くいかないパチプロ青年と、童貞の釘師。このパチプロと釘師っていう設定と、主な舞台がパチンコ屋っていうのが新鮮だ。大阪城の屋根と女性の足>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『用心棒』のシナリオを踏襲しつつも勝新太郎演じる座頭市を上手く取り込んだ作品だった。いまではハリウッドなどでよく見かける「○○と○○」という映画におけるスター共演だが妙に収まりが良い。用心棒と座頭市が>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
あえてカメラで撮影された作品であると言いたくなる。現実を撮影することで現実の幻想的な側面を浮き上がらせるシュルレアリスティックな作品と言える。こういう作品はスペクタクル社会ではなかなか受け入れられない>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
サスペンスを楽しむことができた。シナリオが面白い。初期、中期、晩期とそれぞれ一本ずつ観たが、晩年の今作がもっとも良かった。やはり彼は現実を見ようとしていないのではないか。善良な人物を作らなければならな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ナレーションが一歩ほど先走っている印象を受けた。数日間同じ場所に座り込んでいた少女が亡くなったとナレーションで語るが、少女が数日間座りこんでいた時間がみえない。そのこともあり実感として骨まで伝わってこ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
どうやら今作が少年の探偵冒険映画の原型であるらしい。あくまでヨーロッパにおいてのという前置きがあるとは思うが。わたしはドイツ語が分からないが字幕なしで鑑賞した。それでも十分に内容が理解できる作品であっ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
まだ『ドリーの冒険』を監督する以前のグリフィスが、俳優として登場する。確かに、今見るとロケ撮影と思われる部分とセット撮影とのギャップを感じるが、鷹との格闘のシーンなどは見ていて面白いし、迫力がある。物>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『独立愚連隊』につづき、今作を鑑賞した。開始十五分で耐えられなくなってしまうも、最後まで見ることができた。『独立愚連隊』から八年経ったということもあり、洗練されたように感じる。ただ、耐えられない部分は>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
モノを「片付ける」ことは記憶を遠ざけることではないか。それは記憶を呼び覚ますモノを物理的に遠ざけるから。女と男がカフェで二つのコップと二つのビール瓶を女給によって片付けられる素晴らしいシークエンスにお>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
説明過多になることなく、映像で表現しようという決意が見える。決意という意気込んだ言葉ではなく、そうすることが当たり前だという印象の方がより適切かもしれない。それは映画というものは時間やフレームという限>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
映像という超人間的なものを必死で抑え込もうとしている稚拙な記号的、抽象的映画である。少なくとも今作が公開された際の岡本喜八は人間とは何かを語ることができたであろう。その言葉の抽象性に気づくことなく堂々>>続きを読む
冒頭の施設案内のシークエンスおいて、生徒の名前はなく何の棘もない無個性の集団としての子どもがスクリーンに現れた。清水作品を見てきたものとして、このシークエンスにおける子どもの姿は無味乾燥、魅力のない姿>>続きを読む