clydebarrowさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

5.0

今日3月5日はジョン・べルーシの命日。
初めて観た日からずっと、人生最高の作品。エンタメの全てが詰まっている。

逃げた女(2019年製作の映画)

2.5

ワン・カメ、長回し。ズームぐらいしか動きがないので退屈だけれど、観る者が自分もその場にいて秘密の会話を聞いているような気分になることが狙いなのか。
主人公が訪ねる女性たちは、彼女と会わなかった時間と自
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ミッション:ポッシブル(2020年製作の映画)

3.7

笑えるし、キレのいいアクションである種のカタルシスも得られるし、週末にビール片手に観るには持って来いの作品。
ゲイの男性の苦悩と美学を演じることが多いキム・テフン氏が、そういうキャリアを踏まえて、なか
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.3

「本当の名前」で自分を取り戻すとか、名前を与えて相手をコントロールするとか、グリム童話など北欧の物語によくあるパターンで、そういう点も含めて欧米での評価に繋がったのだと思う。
神の乱暴さと寛容さ。それ
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

おそらくオファーはいろいろなところに出したけれど、結局日本の女優は誰も引き受けなかったということなのじゃないかと思う。松坂桃李と、そして彼の事務所に拍手を。
若松孝二監督で観たかった。

ディーバ 殺意の水底(2020年製作の映画)

3.8

現実と妄想と回想がランダムに繰り返され、観る者を迷宮に誘い込む。面白かったし映像も綺麗で悪くないのに、総じて低評価なのが不思議。スッキリしない結末だからか。
最後の号泣が彼女の中で何かが解放され、浄化
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.6

前半、つまり夫の告白をきくまでの蒼井優の演技は、なんとなく往年の日本映画女優、例えば田中絹代や原節子を思い起こさせる。やや早口で抑揚も声のトーンも抑えた台詞回しのせいか。それが後半、つまり夫と行動も志>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

4.1

本編の後に短い監督のインタヴューがあった。それによると、監督は、編集を担当者に任せて口出ししなかったという。結果ラストに監督も含めたスタッフの内輪の会話が収録されることになった。編集権を譲り渡した監督>>続きを読む

真犯人(2019年製作の映画)

3.8

後味の悪い映画だから評価が低めなのだと思う。サスペンス、ミステリーとしては面白かった。
ただ、時系列に沿って展開するのではなく、エピソードが前後するので少々判り難くて観るのに体力がいるかも。
もしかし
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

3.5

過酷な運命と時代に翻弄されながら、いい友だちと伴侶、家族に囲まれて充実した人生を送った男の一代記。でも主役は彼ではなく、韓国の歴史であり、普通の人々の情熱と、ささやかな幸せを求める切なる願いなのだと思>>続きを読む

詩人の恋(2017年製作の映画)

4.0

恋に関する全てがあった。
主人公が冴えない甲斐性無しの中年男で、相手が若い男の子だけれど、それでもここで描かれているのは人を恋することの深い淵と、喜びと痛みだ。
家族も平穏な明日も、肉欲すらどうでもい
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星屑の町(2020年製作の映画)

3.7

のんは干されたことで大事な資質が損なわれずに今に至ったのだと思う。長い目で見たら、きっと悪くない。
素直でノスタルジックな歌声も良かった。田舎で幼馴染と結婚する、みたいなつまらないラストじゃなくて正解
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

4.6

妖精物語。グリム童話のような、怖くて美しい妖精物語だ。
ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」とともに、映画を志す人、映画を愛する人には是非観て欲しい作品。

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

4.0

政治的であること、反体制的であることがヒップでかっこよかった時代。私は少し下の世代だけれど、若松さんと足立さんの作品はわりと若い頃に観て(リアルタイムではない)ブレない姿勢にシビれた(←敢えて、死語)>>続きを読む

ウォール 絶体絶命(2019年製作の映画)

3.0

おそらく最も低予算で、少ない出演者で作成された戦争映画、反戦映画なのではないか。
娯楽として観る意味はないと思う。
レバノンの映画だけれど、観ている間ずっと、気持ちの半分でヨルダン川西岸地区の壁とパレ
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

2.5

前作とは別物だと思った方がいい。
ハリウッドで作ったのかと思った、悪い意味で。
役者は上手いと思う。そういう意味でも、ハリウッド。

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.9

ゾンビものには全く興味がないのだけれど、とても面白かった。
韓国ではゾンビになると身体能力が一気に向上するのか! これは意表をつく展開。
主要登場人物がどんどん死んでいくのに最後にカタルシスがあるのは
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麗しのサブリナ(1954年製作の映画)

2.5

むかしむかし観た映画だけれど、録画しておいたのを改めて鑑賞。
兄弟を演じる名優二人とサブリナの年の差があまりに大き過ぎて、お金持ちが使用人の娘を取り合う三面記事的下世話さを終始感じてしまった。若い頃観
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はちどり(2018年製作の映画)

4.2

ジェンダーという観点から言うと、こういう言い回しはマズイが、おそらく男性にはわかり難い映画だと思う。
思春期のある時期に芽生える同性への憧れと、少女の内なる世界の変化を静かに上品に描いた秀作。
同性の
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嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.4

“crime” と” sin” の物語だった。
残忍で非常な犯罪の場面がたっぷりあってそちらに囚われて見逃しがちだけれど、近親相姦に近いシチュエーションが何度か出てくる。男と母親を試すような局面。
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

3.8

むかし(1990年代だったか。)観た「フリークス」という映画のラストを思い出した。あの映画、映像も美しくてでグリム童話みたいな不思議な雰囲気があって、作品として素晴らしいのだけれど、今上映するとしたら>>続きを読む

太陽の蓋(2016年製作の映画)

3.6

誰かを英雄として描いたり、サイド・ストーリー的な恋愛や家族愛に焦点を当てて観る者に感情移入させたりすることなく、出来事を追って擬似ドキュメンタリー的に仕上げた勇気に、まずは敬意を。
「FUKUSHIM
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.0

草彅剛の演技がとても良かった。過剰さやこれ見よがしの巧みさがなく、ナイーブで複雑だけれど温かい凪沙の内面を絶妙なバランスで表現していた。その一方で、歩き方とか仕草はきっちり女性を演じていて、その点にこ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.6

「万引家族」を韓流で描くとこうなる。
一家の置かれている状況は似ているのに、ソフトランディングさせる日本と、破綻・・・と見せて、実は微かだが確かな光が差し込むようなエンディングにする韓国。好みの問題だ
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.9

原作は敢えて読まなかった。書評でおおよその内容を知り、今の自分にはイタイ内容だと思ったので。
映画のラストは、小説と違って温かな光が差し込むものになっているようだけれど、それでも重かった。アラフォーの
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.3

別の作品でも書いたけれど、「少々だらしなくてダメなオヤジなのに、いざという時は頑張っちゃう男」を演じさせたらソン・ガンホの右に出る者はいないと思う。

かつて岩波書店が出していた『世界』という雑誌に、
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.8

Girls bravo!なストーリー。
高円寺のアパートで親友とルームシェアしていた女の子(と言っても27歳)が一人ぼっちになり、自分と向き合ってやがて代官山で小さなマンションを借りて歩き出すまでの物
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.1

イノセントなのか、そうではないのか、観る者を迷宮に迷い込ませるようなウォンビンの演技が素晴らしかった。
ラスト、母は息子と二人きりの閉じた平穏を選び取る。
でもまあ、考えてみれば、世の母親と息子の関係
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.9

スターの孤独と苦悩を描いた作品だけれど、テーマはもう少し普遍的なことなのだと思う。
個人の抱える問題や生きる上での困難さは、今世界で起きていることと決して無縁ではない。
有名無名を問わず誰の人生にも向
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一度も撃ってません(2020年製作の映画)

3.5

石橋蓮司、桃井かおり、大楠道代をはじめ、名優揃い踏みの一本。特にすごい事件が起きるわけでもなく、オフビートのまま最後まで。「しょうがねえなあ」と言いながら、実は、「いいもの観ちゃったかも」と思ったりす>>続きを読む

東京公園(2011年製作の映画)

4.5

親友の元カノと血の繋がらない姉、母に似た年上の女性。一つ間違うと生臭くなりそうなシチュエーションなのに、清々しい甘酸っぱさと静かな温もりに溢れた作品になったのは、三浦春馬の持つ透明感と清潔感がプラスに>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.0

心理学で言うところの「父殺し」の話。
登場人物が少なく、それぞれのシーンも短いが、CGとかその他もろもろ技術的な部分でそれなりに制作費はかかっているのだろうなあ。俳優の存在感に引っ張られて最後まで観た
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30年後の同窓会(2017年製作の映画)

4.0

未だベトナム戦争の痛みと影を引きずるアメリカ、新たな”ベトナム”を重ねるアメリカの静かな反戦映画だと思う。

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

3.5

‘84年のヒットチューンがほとんど使われていないのが残念。ある程度使われていれば、タイトルに含まれるノスタルジーと、裏腹に今日まで続く恐怖、というこの作品の本当の怖さが強調されたのに。’84年にした意>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.0

文句なしに楽しい。人生のバックヤードに保管しておくべき一本。疲れた時に取り出せるように。

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.1

重いテーマをポップに、しかし決して軽やかではなく深く真摯に描き出している。製作、脚本、主演の二人がとても良かった。