うーん、最後のとってつけたようなオチ、フランス映画のシャレなのかもしれないけれど、一気に主客転倒してしまったようでひっかかる。
抑制の効いた演出で、ウエットにも御都合主義のハッピーエンドにもならず、とても静かに厳しいストーリーを描き出している。いい映画。いい役者。
始まって早々、9人が揃ったあたりで、作家の正体と脅迫状のカラクリはわかってしまった。ただし、その謎解きが作品の主題ではなく、そこに至る人間関係と心理描写がとても面白かった。
少女たちだけの王国は異性という異物の侵入で壊されていく。性の目覚めは異世界の扉を開けることであり、自由の目覚めでもある。結末の母娘の和解も含めて、横溢する女性性をどう受け止めるかによって、評価と好き嫌>>続きを読む
公開直後に観たが、再び鑑賞。
大人の男のおとぎ話。
最後に彼女が死んで、男の世界は何一つ傷つくことなく、全て元通り取り返して夢物語は終わる。
最初に観た時は若かったので気付かなかったが、中年男のための>>続きを読む
三上博史なのでハズレはあるまいと、何の予備知識もないまま観たが、役者が全員上手くて想像以上に面白かった。欲を言えば、三浦萌がもう少し声のトーンとテンションを変える演技をしてくれたらもっと良かったと思う>>続きを読む
ヒロインの小明を演じた女優さん、清楚なのに謎めいていて、大人びた陰のある感じがとても良かった。
主人公を演じた俳優さんがリマスター版の公開に合わせた来日した際、インタビューで「当時は小明の気持ちが全然>>続きを読む
シスターフッドと、小さな束の間の革命の物語。
映画評やクチコミを見ると、総じて男性の評価は厳しいようだけれど😜面白かった。週末にひとりで観る映画を探している女性にはお勧めしたい。
個人的には、厳しい幼>>続きを読む
原作は読んでいない。
ラストの15分はいらなかったように思う。特に少年のエピソードは、社会的、倫理的なテーマを蹴散らして、一気に誰も異論を唱えられないスピリチュアルなところに結論を持って行ってしまった>>続きを読む
重い内容だけれど、観終わったあとは決して心が沈むことはなく、むしろ軽やかな気分になった。終盤のアクション・シーンが、物語だけでなく見る側にもある種のカタルシスをもたらすからかもしれない。
「生かすため>>続きを読む
誘拐する方もされる方も、捕まえる方も、誰も必死にならない、いい意味でレイドバックした映画。砂埃と潮の匂い。台湾映画の好きなところが全部あった。
バブル前夜に制作された作品ながら、原田芳雄演じる原発ジプシーなど現在の方がむしろ身近に感じられるような要素も多い。閉塞感に覆われたコロナ真っ只中の今、じっくり観るのもいいと思う。いい意味で70年代日本>>続きを読む