池井戸潤原作のドラマは大味だが満腹にはなる。日本代表キャプテンだった廣瀬俊朗のリアリティが光る。
U-NEXTで視聴。この俳優陣なら間違い無いという安心感。パチンコ依存症の井川遥が新境地。
若い女性刑事の生硬さを、木村文乃が演じきる。華やかな女優が多い世代だからこそ、華やかすぎない木村の存在感がきわだっていることを示すドラマだ。
坂元裕二作品の特徴をなす会話劇の頂点。男のみっともなさと弱さと、女の強さと諦観を巧みに織りなしながら、最後は、生きるって悪くないとしみじみと感じさせてくれる。
満島ひかり演じる主人公が病に倒れたりと、下手をするとベタで白ける展開を圧倒的な筆力で押し切る坂元裕二氏の力と、田中裕子、小林薫をはじめとして俳優陣の演技力を堪能できる逸品。
挿入曲のショパンの「雨だれ」が最高に切ない。満島ひかりの少し汚れたスニーカーも良い。完全に手練化して、遊びのテクニックが発達した近年の坂元裕二氏の作品よりも見返す頻度が多い。
野木亜紀子の脚本作品の中でもっと評価されるべきではないだろうか。斜陽産業としての出版界の内実を描きつつ、編集者それぞれの仕事の矜恃を描き出し、爽快である。
黒木華ということで安心して見られる。市川実日子が脇を固めることによるさらなる安定感。