泣きっ面にwindows8さんの映画レビュー・感想・評価

泣きっ面にwindows8

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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

4.8

⚫︎奇奇怪怪より。ひたすらに面白かった!
⚫︎クレしん×ネオリベ。競争社会の敗者たちがアイデンティを回復する物語。このテーマを子供向けにやっているのがカッコ良すぎる。絶対に自分の子供に見せたい。
⚫︎
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ある男(2022年製作の映画)

4.8

⚫︎生得的なレッテルに苦しむ人々の物語。
⚫︎構成がとにかく素晴らしい。ミステリーが解き明かされる度に、ハートフルな展開になっていくかと思いきや、妻夫木さん演じる弁護士の孤独だけは強まっていく。一切の
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Winny(2023年製作の映画)

4.1

⚫︎重厚感のあるルックで、常時緊迫感があった。逮捕から始まる構成作りが巧み。「裁判の勝敗」を軸に、人モノにしていたのが功を奏していたと思う。
⚫︎法廷バトルモノが、スポ根のように描かれているのが新鮮だ
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シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド(2023年製作の映画)

4.8

⚫︎これまでの育児人生を全て肯定してくれた、最高の映画体験だった。
⚫︎子育てに日々追われる中で、藁をも縋る思いで何度もシナぷしゅを流した。その歌やキャラクターは覚えようとせずとも、私のDNAに刻まれ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.6

⚫︎説教臭いテーマよりも、サスペンスとホラー要素が上質で見入った。「哀れなるものたち」のライト版。
⚫︎子供の姿をした爺さんがキモすぎて良かった。
⚫︎娘の全てを諦めた瞬間の、冷え切った声の転換が素晴
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

⚫︎オフビートに辟易としているムードだったが、純粋に楽しめた。
⚫︎紅の裏声でしっかり爆笑した。マンガだからこそ笑えたシーンをしっかり具現化している演出力の高さに驚嘆。
⚫︎鮭の皮を与えるシーンをスロ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.8

⚫︎濱口監督化け物すぎる!知らぬ間に遠くに連れて行かれている映画。接続と切断の連続、Q&Aの細かな連続で、全く飽きなかった。
⚫︎グランピング説明会という極めてコント的な状況と、濱口演出が完全に噛み合
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

⚫︎アキ・カウリスマキ作品では今の所一番好き。これまでの作品と違い、物語を見せる推進力があった。ひとえに設定の強さのおかげだと思う。
⚫︎「自殺が怖いから自分で殺し屋を雇う」っていう設定が妙すぎる。「
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さがす(2022年製作の映画)

4.6

⚫︎怪作オブ怪作...片山監督いかつすぎる。恐怖に怯え、不条理に笑い、悪意に目を閉ざしていたら、いつのまにか遠くに連れて行かれたような映画だった。
⚫︎物語の推進力の作り方が見事。「父親が指名手配犯と
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.5

⚫︎アキカウリスマキ2本目。
⚫︎毎度お馴染みの無表情。静の映画の極み。そこに喜怒哀楽を探しに行ってしまうのは、巨匠作品だと分かっていることが前提である気がして、いまいち乗れない。俺の教養不足なのか、
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.3

⚫︎「昔の名作を知ってる俺カッコいいでしょ?」的下心満載で観たが、完全に撃ち抜かれた。「貧すれば鈍する」を地で行った、リアリズムの名作。
⚫︎白眉のラストシーン...父と息子に会話はない。でも確かにそ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

⚫︎完成度が高すぎて震えてしまった。
⚫︎「続編を作ること」の正解を見せつけられた。30年の時を経て老体になったマーヴェリック。AIの登場で業界は下火。若者たちはいうことを聞かない。とりわけグースの息
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トップガン(1986年製作の映画)

3.7

⚫︎超王道娯楽映画。破天荒なパイロットが仲間を失い、イップスに。それでも飛ぶことをやめなかった結果、自信を取り戻すサクセスストーリー。
⚫︎タイトルカットイン、かっちぇー!
⚫︎グースが亡くなり、ヘリ
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.2

⚫︎まる子と世界(ストレンジャー)の出会いと成長、別れを描いたコメディ。まる子がお姉さんと触れ合うことで、持ち前のイマジネーションを逞しくし、不条理とも言える別れを経験し、当初は理解できなかった「寂し>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

⚫︎動物性を武器に、世界とぶつかり続ける女性の成長(?)物語。表層化した欲望を、知性で捉え続けることで世界の理に触れていく。それ故に、ラストシーンがあれで良かったのかは腑に落ちない。権力構造が入れ替わ>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

⚫︎2時間があっという間だった。登場人物が腹黒さを抱えていることは分かっているのに、それが表情や映像に表出しているわけではないというドキドキ感で引っ張られた(分かりやすく口をニヤッとさせたりしない)。>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

⚫︎アキカウリスマキ作品を初めて観た。
⚫︎歯車的に搾取される労働者を取り上げるためなのか、無感情で無表情がベース。そして、そんな人々が世界の愛おしさに触れた瞬間の、一瞬の感情の滲み(ラストのウィンク
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.2

⚫︎社会は都合が悪いことをすぐに隠蔽する膜で閉じ込める。でもあみ子はそれを知らない。気になることをせっつかずにはいられない。善意も悪意もない。膜が破れる。社会は耐えられない。対処法は一つ。あみこを社会>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.2

⚫︎数学の才能はあくまできっかけにしかしていないのが、良い意味で意外。
⚫︎ウィルだけでなく、カウンセラーのショーンもも剥き出しになって、人間と人間が響き合う美しさを描くのが好印象だった。一発目のカウ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

⚫︎30分の短編映画では過去最高。
⚫︎静止画だけで構成されるモンタージュ。押井守監督のビューティフルドリーマーの静止画演出はここから来ていたのか!
⚫︎一度だけ女性が動くシーンがアクセントとなり、観
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.3

⚫︎籠の中の乙女と違い、早い段階で侵入者の影やタイムリミットが展開されるので、推進力の高い作品だった。
⚫︎ラストのロシアンルーレットまでルーズで撮っていたのが異常。観察癖がえげつなすぎる。人間をモル
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.6

⚫︎無菌教育による洗脳からの解放に向かう物語。ブルースのダンスシーンは最高。教養なきものでも、情念を表現できる身体がある。その身体表現を映像で抑えることこそ、映画の醍醐味。
⚫︎ブラックシュール=ボケ
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

⚫︎ずっと不穏!BGMなき静けさ、説明なき不親切さが不協和音を増長させていた。
⚫︎映像の前後の使い方とぐにゃぐにゃのパースが合わさって、映像としてずっと楽しかった。
⚫︎全員楽しそうな裏で、街が荒廃
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.4

⚫︎主人公の歴史と、現在から見た舞台をカットバックさせながら描く伝記モノ。クリエイターが抱える焦り・不安・孤独をテンポ良く、深刻になりすぎずに描いていた。このテーマでやるなら、シリアスで行こうとするの>>続きを読む

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.1

⚫︎ソーシャルグッドの祖の物語。今だからこそ言える裏話をインタビューと当時の映像で振り返る。アナザーストーリーの最強版。
⚫︎明確なコンセプト、ユーモア、そして熱源が、あの大所帯をまとめ上げたのが感動
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黄龍の村(2021年製作の映画)

2.8

⚫︎ノレない所が多すぎる。陰キャ陽キャ区分の浅はかさ、棒読み演技、因習へのステレオタイプ。
前半と後半のギャップを作るなら、後半の演技はもっと作り込んだほうがいい。
⚫︎ストーリーを重視しすぎて、そこ
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

⚫︎進撃の巨人と酷似している。結婚しか許さない閉鎖的な世界を進んでいくと、独身しか許さない世界の存在が見えてくる。そして主人公はどちらの世界からも逃避し、自由を獲得していく。
⚫︎荒唐無稽な設定に、婚
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.5

⚫︎ラストの設定(演出)と映画のテーマが綿密にリンクしている素晴らしさ。昨今の大どんでん返しは、バズ目的のものばかりで辟易としていたから、大元の大元を知れた気がした。
⚫︎コールがミッション(幽霊の願
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.3

⚫︎血縁関係では括れない繋がりが持つ、危うさと情への視点が巧みすぎる。合理性が結ぶ関係は危ういんだけど、だからって割り切れるものではないのだ...。その象徴とも言える、おじさんと祥太のラストシーンは泣>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.8

観るものの視点を動かし続けて、絶対に傍観者にさせない演出に満ち溢れていた。

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.8

シンプルでド直球のビジネス讃歌だった。
ソニーの誠実なスピーチ、そしてそれに心打たれ、あの方針に更に乗っかる母親の力強さに胸打たれた(しかもビジネスの観点は逸らさない)。
演出も対話劇中心でありながら
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.2

自分がおもしろいと思うために、自分を救うために、作品を作る人間の強さを描き切ってる作品。
絵と絵の切り替えのバリエーションがとても豊かで、絶対に飽きさせない工夫が、映画のテーマそのものとリンクして感激
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