おてつさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

おてつ

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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.7

名作の記録忘れ。
本当の親娘かどうかわからない男モーゼと女の子アディのペテン旅。アディの憎たらしさが浄化されモーゼに打ち解ける姿が愛おしいのだが、ペテン師として働くモーゼに足りない思慮深さをなぜか9歳
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

5.0

過去鑑賞。脱獄犯と人質の少年の物語。小さい頃から、全く親の愛情を受けてこなかったケビンコスナー扮するブッチは、同様に父からの愛情を受けてこなかったフィリップに自分の少年時代を投影する。いつのまにかこの>>続きを読む

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

4.8

 過去鑑賞。本当に好きな作品。
 内気な少年が出会ったのは、プールで働く超テキトーな男(サムロックウェル)とそのクレイジーな仲間達。やっと見つけた居場所。だが、外には無限の世界がある。少年はひと夏を通
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イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.9

過去鑑賞。人生に退屈していた青年が果てしない自由の旅に出る話。旅路で出会う老若男女さまざまな人と分かち合う大きな幸せと、大自然の秩序や脅威による1人では何もできないという不甲斐なさが身近な家族の大切さ>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.4

ケリー・ライカート。無一文寸前の少女は職を求め、愛犬ルーシーと共に雇用豊かなアラスカへ。しかし、金と家なき者にとって、この世を生きるのはあまりに厳しい。幾度となく重なる苦難、立場など無関係の苛烈な現実>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.2

過去鑑賞。コーヒーとタバコを嗜みながら、11組の人びとが何気なく一癖も二癖もある会話を繰り広げる。どのショートストーリーもユーモア溢れる個性的なものばかりで大きな場面展開はないがひたすら会話劇に一心不>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.0

過去鑑賞。バス運転手パターソンの日常を描いた作品。毎日が同じ日の繰り返し、でもその何気ない日常が麗しく、どこを切り取ってもなんとも言えない美しさを纏っている。ジム・ジャームッシュはこういう“静”を描く>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.5

過去鑑賞。メンフィスのホテルに泊まる3組をオムニバス形式で細やかに描いた作品。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

過去鑑賞。ちょっと思い出しただけ的な。同時刻のロサンゼルス・ニューヨーク・パリ・ローマ・ヘルシンキの5つの都市でタクシードライバーと乗客の物語をオムニバス形式で描いたジム・ジャームッシュ監督作品。一度>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.5

新作が観たくて予習として鑑賞。それにしても面白かった。なんといってもキャラの絶妙な魅力。ピーター役ビル・マーレーの脱力感と、ダン・エイクロイド&ハロルド・ライミスのオタク的熱意。このダメダメトリオの温>>続きを読む

ピアニスト(2001年製作の映画)

4.5

エリカは幼い頃からピアニストになる為に母からあらゆることを抑圧されてきたが、好青年に見初められた事で内に秘めた歪んだ性癖を解放しちゃうという話。圧せられることで生まれる人間の深い闇を美と醜の表裏一体で>>続きを読む

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)

4.0

過去鑑賞。メディアの世界を現実と幻想する少年は、豚の屠殺映像に魅せられ、見知らぬ少女を衝動的に殺害する。その始終を収めたビデオを見た両親は異常な行動へ。家族の一切を灰燼と帰させる少年の血通わぬ佇まい、>>続きを読む

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

4.7

過去鑑賞。ハネケの感情の氷河期三部作の1作目。とある中流階級の家族の日常を通して、心の奥底に潜む闇や社会へのアンチテーゼを突きつける。終盤描かれる物質主義に対する破壊衝動。それは、彼等にとって存在しな>>続きを読む

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.2

富豪の銀行家オスカーは物乞いの老婆、恐ろしい怪人、娘を持つ父親、復讐を目論むギャングなどに変装して突飛な行動に出る。さまざまな映画を断片的に切り取り、その歴史を垣間見せるような不思議体験に酔いしれると>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

4.4

愛のないセックスで伝染する病STBOが蔓延する近未来のパリが舞台。アレックスは恋人のリーズに対して嫌気がさしていたが父親の死をきっかけにアンナと出会い、一途に思いを馳せる。流動的に移り変わる恋、自由を>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.5

恋人フロランスに振られたばかりのアレックスとこれまた破局寸前のミレーユは徐々に距離を縮めていく。全編を通じて、陰鬱な雰囲気を醸し出しながらも雑駁ながら美しい描写の数々に心打たれる。時に満たされないアレ>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.5

未だ深く蔓延る移民や民族の問題を題材にした名作をスピルバーグがリメイク。オリジナルを忠実に再現しつつも、ダンス歌唱パートの牽引力は桁違いに良くて、ただひたすらに引き込まれる。とりわけ、“America>>続きを読む

早春(1970年製作の映画)

4.8

“15歳の少年の早すぎる大人の恋”
公衆浴場を舞台に繰り広げられる美少年の初恋。これぞ極限の “青くて痛くて脆い” 映画。決して普遍的では無く突飛な演出を含む青春譚で、是が非でも好きな女性の目を奪いた
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

5.0

少年時代に抱える恐怖の記憶から逃避するようにファシズムへと傾倒した男と、彼を誘惑する反ファシストの妻。“正常”とは何か?時代の趨向に合わせる個人の葛藤が官能的且つ悲劇的に描かれ、それでいてどの場面も筆>>続きを読む

異端の鳥(2019年製作の映画)

4.5

公開当時、『炎628』とよく比べられていた作品。しかも、炎628主演の人が出演してる。ホロコーストを逃れた少年は東欧の地を彷徨う… 行く先々で少年は僅かな希望に縋りつつも異質と見做されては非道極まりな>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.9

独ソ戦の渦中、ドイツ軍により628の村が虐殺の犠牲になった。“戦争はいけない”という第3者の発言など戯言に思える程に、非人道的で酷く生々しい“真の戦争”を追体験できる映画の域を超えた映画。主人公の少年>>続きを読む

ザ・グリード(1998年製作の映画)

4.3

密輸船の船長は偶然、夜の海を漂う豪華客船アルゴノーティカ号を発見するが乗客3000人は姿を忽然と消していた…私利私欲にまみれる愚かな人間vs.人間を餌にする世にも恐ろしく強欲な古代生物という胸熱映画で>>続きを読む

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)

4.8

連投すみません。回顧録。映画館で邂逅したクラレンスとアラバマは互いに惹かれ真実の愛を築く。しかし、偶然が幾度となく重なりマフィアと警察に追われる事に。刺激的な内容を物静かな音楽で中和しつつ、2人の燃え>>続きを読む

憎しみ(1995年製作の映画)

5.0

回顧録。パリ郊外、少年と警察の衝突によりある若者の命が危ぶまれた。その渦中で、ヴィンスは偶然、銃を拾った事で内に秘めていた憎しみを増大させる。少年達はパリに蔓延る貧困や社会問題に対して怒りをぶつけるが>>続きを読む

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

5.0

回顧録。ソ連が上げた衛星スプートニクが飛ぶのを見てロケットに魅了され、ロケット製作を夢見た少年の物語。その道は決して簡単ではなく苦難の道のり。友人との固い絆、両親の愛情、さまざまな人に支えられ困難を乗>>続きを読む

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.0

戦争を通して、人間の本質にせまるベルイマン監督作品。戦争が齎す愚劣な行為の連続… “恥”というタイトルがもっとも妥協のない言葉であり、それに遜色ない惨憺たる有り様が永遠と描かれる。徹頭徹尾惨い、見るに>>続きを読む

処女の泉(1960年製作の映画)

4.2

ある敬虔な一家の娘が強姦された挙句、無残にも殺害される。その死を通じて神を信じる者、異教の神を信教し無垢な少女を呪詛する者、はなから信仰心の無い愚かな者達の三者三様の罪と罰を描く。抑えきれない怒りの衝>>続きを読む

野いちご(1957年製作の映画)

4.1

ある日、イーサクは自分が死ぬ悪夢を見て、名誉博士号の授与式に向かう途中で過去の思い出を回想する…不器用で一途な恋、羨望と嫉妬から成る虚無と家族への冷淡な仕打ち、そして悔恨の念。孤独で死に執着する男がさ>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.7

初めて観たベルイマン。失語症の舞台女優は献身的な看護婦のアルマと共同生活をする。対照的な支配者と従順な登場人物。人間誰しも、本当の自我を隠し持ち、表向きは偽の人格を取り繕う。この映画で“無“になること>>続きを読む

グレート・インディアン・キッチン(2021年製作の映画)

4.0

家父長制度とか古すぎる陋習だ。とある一組の夫婦を通して、インドに蔓延する家父長制とミソジニーの陋習を鋭く描く。家庭内奴隷という言葉が相応しい地獄のような空間。ひたすら惨い… 最小にして最大である家族と>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.2

都会の喧騒から離れた一時の安らぎ。静寂と沈黙を巧みに利用した、ノスタルジーと苛烈な現実の境界線。劇中の「悲しみは使い古された喜び」というセリフが非常に印象的である。人間はどうしても過去に囚われてしまう>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.3

上質な韓国映画を観てるような感覚。そして、清水尋也の演技…彼すごいよやっぱり。