豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価

豚肉丸

豚肉丸

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

4.5

イタリアの首相を誘拐して家に監禁するお話

徹底的に主人公の誘拐メンバー側の女性の視点に終始していて凄い。誘拐メンバーは主人公の女性以外にも複数人いるにも関わらず、徹底して主人公からの視点に終始してい
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快楽(1952年製作の映画)

4.8

モーパッサンの三つの短編を映像化したオムニバス映画

初マックス・オフュルス。
マジでみんな走り回るしカメラは動き回るしで面白すぎる。「みんな走りまくる」って言われて観たけど本当に走りまくってて笑う。
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アワーミュージック(2004年製作の映画)

4.8

女子学生がイスラエル/パレスチナの非対称性を映画のイメージと重ね合わせた講義を聴きに行くお話

大傑作!
中期ゴダールに見られた脈々の無い会話や意図不明の行動などの描写が無くなってかなりストレートな劇
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.8

女王陛下の寵愛を受けるために女王陛下の幼馴染と新人召使が争いを繰り広げるお話

滅茶苦茶面白すぎる。とんでもない程の超広角レンズで映し出されるドロドロドラマが普通に面白い。
部屋に忍び込んで本を読んで
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.5

映画サークルの新歓にて。
小学生以来の再鑑賞だけどやっぱり純粋に面白くて凄い。明らかに問題のある諸々の表現や終盤の説得力に欠けるカタルシスなど気になる点は多いのに、それでも純粋に面白いから凄い。

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.3

ロデオの最中に落馬し脳に傷を負った男が再びロデオに挑戦しようとするお話

クロエ・ジャオ監督らしい雄大な自然の風景が心地良い。家族や周りからどんなに止められても自分のエゴを貫き通して馬に乗ろうとする男
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.3

時が止まった世界で謎の少女と出会うお話

キスがエロすぎて最高。なんか所々にフェチズム的なエロい描写が多々あるなとは感じたけどあのキスの場面でこの映画が間違いなくエロであることを確信。押し倒す動作の反
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.5

映画監督が映画制作とプライベートの両方に行き詰まり、妄想と現実の狭間が曖昧になっていくお話

初フェリーニ。
想像していた何倍も意味わからなかったけどシュールでおもしれ〜〜〜。
描かれることは「映画制
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PascaLs しあわせのようなもの(2023年製作の映画)

4.3

急死したメンバーを追悼するために行われた追悼ライブの演奏を捉えたドキュメンタリー映画

予想以上に良い音楽ドキュメンタリー映画。
本作は『This much I know to be true』や『T
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異人たち(2023年製作の映画)

4.6

マンション内に住む謎の男と出会ったことを機に、幼少期に亡くなったはずの両親が現れるお話

ネオンライトに包まれたかのような画面の色彩がとにかく最高で痺れる。幼少期の頃に亡くなった両親が再び現れる...
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Guy and Madeline on a Park Bench(原題)(2009年製作の映画)

4.0

音楽を通じて若い男女が仲を深めていくお話

ダミアン・チャゼル監督の卒業制作映画。
最初から明確に「クラシック映画意識してます」と宣言するかのようなオープニングから始まって笑う。
ストーリー面はただ男
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何も変えてはならない(2009年製作の映画)

3.8

ある女性歌手のレコーディング風景を収めたドキュメンタリー映画

初ペトロ・コスタ。
「変えてみよう」という声に合わせて表示される『何も変えてはならない』というタイトル、一つ一つがバチバチにキマったモノ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.6

東京上空に謎の巨大な物体が浮かんでいる世界で女子高生達が平和な日常を過ごすお話

原作も浅野いにおも知らないまま観たけど素直に面白い。
教室や学校の中は平凡な日常と何も変わらない光景が広がっているが、
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郊遊 ピクニック(2013年製作の映画)

4.3

「人間立て看板」の仕事で身銭を稼いで廃墟を家にして子供を養う貧しい父親のお話

ツァイ・ミンリャン監督特有の狂ってるとしか言いようがない長回しが見事に父親の生活を描くに相応しいリアリズムを演出していて
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Neighbouring Sounds(英題)(2012年製作の映画)

4.3

ブラジルの集合住宅街に新しい警備会社が入ってきたことをきっかけに周囲に亀裂が走るようになるお話

まさに最近マンションに引っ越ししたからこそ本作で描かれる集合住宅の「音」の問題が身近に感じられて笑っち
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ミュージック(2023年製作の映画)

4.6

誤って男を殺してしまった青年が刑務所に入り、そこで出会った看守の女性と音楽を通じて恋に落ちるが...というお話

期待していたアンゲラ・シャーネレク監督の最新作。『家にはいたけれど...』は全くよくわ
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湖畔の2年間(2011年製作の映画)

4.2

社会と断絶したような湖畔で自給自足で生活するおじさんのお話

一切説明もナレーションもセリフも無いまま映画が始まり、これがドキュメンタリーなのかフィクションなのかすらも判然とせず曖昧な印象を残したまま
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The Plains(原題)(2022年製作の映画)

3.7

弁護士の中年男性が帰宅しながら家族や同僚と会話するお話

3時間永遠と固定の車内カメラから男が運転しながら会話をする様子が続く。それ以上でもそれ以下でもなく、本当にただずっと(時折挟まるドローン映像を
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関心領域(2023年製作の映画)

4.6

強制収容所の隣で平和な生活を送る家族のお話

強烈。平和な生活を送る家族の日常風景から垣間見える強制収容所と虐殺された人々の声。カメラは家族の日常を映すことだけに徹し、私達観客は登場人物と同じく虐殺さ
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檻囚(1962年製作の映画)

-

緑がかった画面で映される意図不明の映像の羅列。運動の映画?

トマトケチャップ皇帝(1971年製作の映画)

4.0

抑圧されてきた子供達が大人達に反逆を起こし、国家を築き上げるお話

初寺山修司
ファシズム国家に反発して完成した新たな国家権力が結果的にファシズムを再生産することに至るまでの過程?
文字通りアングラと
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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

4.2

バッハの妻視点で語られるバッハの生涯についてのお話

大学図書館にて。
マジで永遠と音楽を演奏してるだけで凄すぎる。バッハの生涯、事件、家族の死などの出来事は殆ど資料とナレーションのみで語られ、それ以
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Yannick(原題)(2023年製作の映画)

4.6

つまらない演劇に激怒した観客が自らの手で面白い演劇に変えていこうとするお話

変なシュールギャグ映画ばかり作ってるカンタン・デュピュー監督の最新作。本作は荒唐無稽なシュールギャグとは一線を画し、観客と
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

普通に面白かったけどオッペンハイマーが原爆を作るまでの経緯とそこから赤狩りによる没落を描いただけの映画でかなり普通。特に印象的な演出や映像も無く、ただただ半生を映すだけ。時系列の交差も序盤中盤は裁判か>>続きを読む

The Mirror(英題)(1997年製作の映画)

4.5

学校帰りに迎えに来てくれるはずの母親が居ないことに気づいた少女が、母を探して街中を駆け巡るお話......しかし途中で少女を演じている主演の子が撮影を放棄して逃げ出してしまう。

『友だちのうちはどこ
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Dream Scenario(原題)(2023年製作の映画)

4.3

何故か冴えない大学教授の男がみんなの夢に現れるようになり一躍有名人になってしまうお話

監督の前作である『シック・オブ・マイセルフ』が個人的にかなり消化不良感があって微妙に感じていて、本作もその消化不
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吸血鬼(1932年製作の映画)

4.5

オカルトについて調査している男が田舎町を訪れるが、その町には吸血鬼が出る噂があって...というお話

ストーリーはかなりコンパクトで説明不足で唐突感も否めないものの、代わりに映像表現がとてつもなく凄す
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.8

写真家であるナン・ゴールディンの作品と人生を振り返りながら、中毒症状により何百万人もの死者を出した薬の利益を得ている大富豪に対するデモを行う彼女の姿を追うドキュメンタリー映画。

大傑作!彼女の作品と
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.6

突然母親が失踪した子供達が生き延びようとするお話

是枝監督のトーク付き上映にて。
凄すぎて圧倒。噂には聞いてたけど徐々に限界に近づいていくのに抵抗せずに受け入れようとする様がかなり心に来る。基本ドキ
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檻の中の楽園(2012年製作の映画)

4.1

動物園に住んでいる動物たちの生態を捉えたドキュメンタリー映画。

固定ショットで動物が入れられた檻、職員達の労働作業、動物園に来た客達の様子をただ淡白に積み重ねていく。ドゥニ・コテ監督の『Joy of
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怪物(2023年製作の映画)

4.6

ある一人の男の子の不審な行動がきっかけで大変な事態が起こってしまうお話

初是枝裕和監督。
序盤の小学校での謝罪場面が面白すぎて凄い。明らかに何かを覆い隠しながら謝罪している空気感が笑ってはいけないけ
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

父の死をきっかけに故郷に戻ってきた男が、彼の記憶に現れる謎の女を追いかけて夢と現実が混同する世界に入っていくお話

映像は良いんだけど全く合わず...
シーンとシーンの繋がりが希薄な前半で男性の背景や
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開拓者たち(2023年製作の映画)

4.8

白人と先住民の混血の男が白人に連れられ開拓の旅に出ることになるが、その目的は先住民族を虐殺することで...というお話

面白すぎる!
乾いた空気感の西部劇ロードムービー。まず画作りと手持ちカメラの緊張
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Sambizanga(原題)(1972年製作の映画)

3.8

反植民地体制運動により逮捕された夫を探すために妻が歩き回るお話

ドキュメンタリータッチで妻が歩き回る場面と「仲間の一人が逮捕された」ことが運動の仲間に伝わり動揺が広がっていく様を描写しているのは面白
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

夫の不審な転落死の真相を巡って裁判が進んでいくうちに夫婦関係の歪みが明らかになっていくお話

普通に面白い。特に捻りがある訳でもなく淡々と裁判が進行していき、夫婦関係の歪みが明らかになっていく様子を描
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二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.4

東日本大震災の非被災者である若者4人が被災者の話を聞き、話を語り直そうとするお話

若者たちが被災者達の元に訪れ、生活を共にし話を聞いて、その聞いた話をカメラの前で語り直す...という、手法としてはよ
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