豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

After Blue (Dirty Paradise)(原題)(2021年製作の映画)

4.3

誤って凶悪な殺人鬼を逃がしてしまった少女が、彼女を殺すために母と共に旅をするお話

女性だけの惑星となった荒廃した地球を舞台に描かれるSF西部劇クィア映画。映像の色彩感覚から出てくるガジェット、人物の
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Home Movie(原題)(2007年製作の映画)

4.5

異常性のある子供二人の治療過程を記録するために家族の日常をビデオカメラで記録するお話

予想以上に最悪で良い。70分程度とかなりコンパクトなPOVホラーにしてはしっかり面白く、しかも予想以上に怖い。日
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When Evil Lurks(英題)(2023年製作の映画)

4.7

悪魔に取り憑かれ身体が腐ってしまった男を正式な手段を踏まずに殺してしまったため、町中に悪魔の呪いが伝染して地獄と化すお話

これは凄い!容赦の無い陰鬱な展開とゴアをしっかり描いていて気持ちが良い。しか
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.7

18歳になりました!13歳の頃から始めたFilmarksもまさかここまで続くとは思ってもなかったので感無量...これからは映画館でR18映画が見られるので嬉しい!

旅先で知り合い意気投合した家族から
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The Dead Nation(原題)(2017年製作の映画)

4.2

ルーマニア人の写真家とユダヤ人の日記を提示してルーマニアの闇の歴史に触れるお話

ルーマニア人の写真家が撮影した写真が永遠と提示され続ける、珍しいスライドショー形式の映画。それらの写真は様々なものの、
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.4

エルミタージュ美術館を巡りながらロシアの近代史を振り返るお話

ワンカットで描かれる美術館巡り。過去の歴史の再演とエルミタージュ美術館のガイドの時空が交わって描かれる。現在と過去の時間が交差しながら描
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Kinetta(原題)(2005年製作の映画)

3.6

男女3人が殺人事件の再現映像を撮ろうとするお話

ヨルゴス・ランティモス監督の初期作。
登場人物の動作に着目したシュールな演出とシュールなショットが多く、確かにヨルゴス・ランティモス味を感じさせてはく
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ワイルドツアー(2018年製作の映画)

4.3

中学男子2人と女子大生がワークショップで植物のDNAを探し回るお話

めっっちゃ良い!雰囲気が最高すぎて。
演出の反復の映画で最高。冒頭で提示される、スマホで植物を撮影するショットがスマホ内映像と共に
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Rotting in the Sun(原題)(2023年製作の映画)

4.7

薬物中毒者で常に希死念慮を抱える映画監督は、ヌーディストビーチで出会った厄介なインフルエンサーと共に新作プロジェクトを進めようとするのだが...というお話

大傑作!
事前情報一切入れない方が良い系の
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オペラ・ムッフ(1958年製作の映画)

3.8

ムフタール通りを映したドキュメンタリー映画

アニエス・ヴァルダにしてはヘンテコで面白い。変なイメージと変なイメージでショットが繋がっているし、ドキュメンタリー部分も変わらず変なショットが多くて凄い。
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Carcinoma(原題)(2014年製作の映画)

4.2

直腸癌と診断された男が人工肛門を弄りながら死に向かうお話

マリアン・ドーラにしてはかなり落ち着いている作風なものの、それにしても本作は糞便描写が数多くあり、ゴアが減ったところで最悪なことには変わりな
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ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

3.8

かつて恋人だった男二人が25年ぶりに再開する。しかし恋人の息子には殺人容疑がかかっていて...というお話

初ペドロ・アルモドバル。
コンパクトに纏まっていて男二人の複雑な愛憎が30分の中に詰まってい
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Be My Cat: A Film for Anne(原題)(2015年製作の映画)

4.5

アン・ハサウェイにガチ恋するルーマニア在住のオタクがアン・ハサウェイに出演してもらうために彼女に送り付けるためのパイロットフィルムを撮影するも、その撮影は次第に狂気を帯び始め...というお話

フォロ
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The Halt(英題)(2000年製作の映画)

3.8

駅のホームで寝落ちしている人の姿を映し続ける短編映画

同監督作の『Portrait』と同じ手法を用いてただ淡々と寝ている人の姿を映し出す。しかし『Portrait』は生きている人を固定物、オブジェと
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ミステリアス・スキン 謎めいた肌(2005年製作の映画)

4.7

幼少期に少年野球のコーチから性的虐待を受けた少年二人。1人は男娼として生き、もう1人は記憶を失うことでその記憶を昇華する。しかしその記憶は青年になった今でも離れることなく付き纏い...というお話

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Portret(原題)(2002年製作の映画)

3.8

人々の肖像を映し続ける短編映画

本当に30分間永遠と人々の肖像が映し出される。映される人々は一切身体を動かさず、一切言葉を発しない。何か作業中の人もいればベンチに座っているだけの人もいて、しかしその
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パパラッツィ(1963年製作の映画)

4.3

ゴダール『軽蔑』の撮影にやって来たパパラッチ達を撮影するお話

遊び心のある編集のおかげだからなのか20分の短編映画とは思えないほどの情報量で面白い。「パパラッチを撮り返す」ことを軸にしながら、ブリジ
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ブルー・ジーンズ(1958年製作の映画)

4.3

男二人が夏のビーチでナンパに励むお話

初ジャック・ロジエ。
バカンス映画に欲しい要素が20分に詰まっていて最高。バカンス映画って途中でダルくなってしまうことが多いジャンルの映画だが、だからこそ20分
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.8

35年間母に監禁されていた男が外の世界に出るお話

大傑作。前々から凄いとは聞いていたもののどうして今リバイバル上映?と思っていたのだが、確かに納得。露悪的なエログロ映画の雰囲気を纏いながらも内容は一
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A Skin So Soft(英題)(2017年製作の映画)

4.3

ボディビルダーの男たちの生活に密着したドキュメンタリー映画

ドゥニ・コテ版『ダンベル何キロ持てる?』
人生の全てを筋肉に注ぎ込んだ6人の男たち。彼らの毎日の生活とルーティンを映したドキュメンタリー映
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Boris Without Béatrice(英題)(2016年製作の映画)

4.3

無自覚に他人を抑圧してしまう癖のある男は鬱病の妻を抱えている。ある日見知らぬ男に呼び出され「妻の病気が治らないのはお前が原因だ」と責められる。それを機に男は自分自身を見つめ直そうとするのだが...とい>>続きを読む

The Angels' Melancholia(英題)(2009年製作の映画)

3.3

おじさん2人が遊園地で遊んでいた少女達を家に持ち帰りヒッピー的な生活を送るが、それは地獄の始まりで...というお話

マリアン・ドーラを代表するゴア映画にして、なんと2時間半というゴア映画にしては破格
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無限のサッカー(2018年製作の映画)

4.3

少年時代にサッカーで大きな怪我を負ってしまった男が、新たなサッカーのルールを作り出そうと試みるお話

社会主義体制のルーマニアや資本主義国家のEU、アメリカの限界性を指摘し、その原因はサッカーにあると
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

偶然にも油を掘り出し金持ちとなったある先住民の家族の財産を継ぐため、犯罪計画を立てるお話

ある意味定番のスコセッシ的な映画。犯罪計画を立て、最初は上手く事は運ぶものの、徐々にボロが現れ始め崩壊してい
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Joy of Man's Desiring(英題)(2014年製作の映画)

4.1

人々の工場作業と休憩の風景から労働と人間の関係性を描き出そうと試みるお話

フィクションとドキュメンタリーがボーダーレスに交わった不思議な感覚のドキュメンタリー。人々の工場労働の風景はドキュメンタリー
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.5

冷戦下の状況の中、歌手志望の女性が音楽学校で出会った教師と恋に落ちるも、彼はパリへと亡命してしまい...というお話

展開が異様に早くてビビる。15年間の物語を90分に収めているからなのか展開がかなり
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新生ロシア1991(2015年製作の映画)

4.3

ペレストロイカに反対したソ連共産党の保守派がゴルバチョフを軟禁しクーデターを起こす。最初は困惑していた民衆だったが、次第に共産党への反発が強くなり...というお話

最近世界史で習ったソ連崩壊までの流
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ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)

3.8

ジグソウの生還者と偽って売名していた男が本当にジグソウのゲームに参加させられてしまうお話

何故かシリーズの中で唯一見ていなかった最終編。面白いと言える程では無いもののまあ普通に面白いは面白い。5、6
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ゴダールの映画史 第2章 ただ一つの歴史(1989年製作の映画)

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セックスのアイコンとしてのロリータと死が同調するモンタージュはクソカッコいいが難しすぎる。

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.6

サーカス団から連れ去られたロバが人と関わり会いながら放浪の旅をするお話

落ち着いた作りの映画かと思いきや滅茶苦茶アヴァンギャルドでビックリ。赤と黒が支配する照明演出やジャンプカットなどを多く用いてか
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中国女(1967年製作の映画)

4.2

左翼の大学生たちが合宿で毛沢東思想を学んでいく。しかしテロリズムの実践について賛否が分かれると、次第に内部分裂が起こり始める...というお話

最近世界史で毛沢東とかソ連とか学んだので鑑賞。てっきり毛
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Cannibal(原題)(2006年製作の映画)

4.3

人の肉を食べたい男が食べられたい男と出会い、恋に落ちるお話。

初マリアン・ドーラ。
まさに文字通りの純愛カニバルBL映画。時にはゴア映画とは思えないほど純愛恋愛映画になり、かと思えばクオリティがかな
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

偶然と魔法に関する三話の短編集

約2年ぐらい前に初めて見た濱口竜介作品だったが、その時は1話目と2話目の変なコメディに引っ張られて3話目が地味に感じてしまったが、濱口竜介作品をある程度見た上で見返し
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シングルフレームの1ヶ月(バーバラ・ハマーのために)(2019年製作の映画)

4.1

バーバラ・ハマーが電気も水も通っていない海辺の小屋に滞在した時に撮影した映像日記を見て死と向き合おうとするお話

彼女が撮影した映像日記を背景に撮影記録と死を巡る対話が流される。彼女の記憶の追体験と死
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セノーテ(2019年製作の映画)

4.3

古代から村の唯一の水源であると同時に黄泉の世界へと繋がっているという伝説を持つセノーテに潜入するお話

てっきりセノーテに関する記録映画かと思いきや実験映画だった。セノーテの中の映像を背景にセノーテに
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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

4.4

大学生達が競馬に行くお話

45分のショートバージョンを鑑賞。劇中劇云々の部分は一切カットされている?
ジョン・カサヴェテスの『ハズバンズ』を根底に置きながらも至る所に現在に至るまでの濱口竜介監督らし
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