豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.3

キャンピングカーで生活をし放浪生活を続ける「ノマド」と呼ばれる人々のお話

終始美しい自然の映像が映されるので目が気持ち良い。『兄が教えてくれた歌』で長回しで背後から追うショットがあったが、あのショッ
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ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

4.4

夫の両親と同居しながら娘を育てる夫婦のお話

長回しの映像で印象が強いタル・ベーラ監督の処女作は、まさかのジョン・カサヴェテスのようなドキュメンタリー的映画であった。
主人公となる夫婦は夫の両親と共に
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アネット(2021年製作の映画)

4.7

毒舌なコメディアンとオペラ歌手が結婚し、子供が産まれる。しかしその子供は、夫婦に亀裂を入れる要因となる...というお話

普通のドラマ映画かと思いきや最初から最後まで歌で進むレミゼ形式のような映画で面
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ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン(1973年製作の映画)

3.8

映像学校の教授となったニコラス・レイ監督が、映像学校の生徒と共に作った映像を重ね合わせたアヴァンギャルドな映像授業(授業?)

面白いと言えるような映画ではないものの、記憶に焼き付くような映画ではある
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

4.6

外部の星からアルファヴィルという都市にやって来た男がその都市に隠された真実を知ってしまうお話

ゴダールがストレートなSF活劇映画を撮っていたことに驚いた。40年代のフィルムノワールの雰囲気も感じさせ
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The Skywalk Is Gone(英題)(2002年製作の映画)

3.5

歩道橋が無くなったことによってある2つの悲劇が起きるお話

ファーストショットは良かったが、それ以降はまあ普通。00年代の台湾の街並みを切り取ったような映像は面白いし、「歩道橋が無くなった」ただそれだ
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キラー・カート(2012年製作の映画)

4.0

殺人ショッピングカートに襲われるお話

この手のワンアイディアスラッシャー映画は襲われる場面以外の展開が冗長で、その結果つまらなくなってしまうことが多いが、本作は15分という短さのおかげで導入以外は全
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ナイフ・プラス・ハート(2018年製作の映画)

4.6

レズビアンの女性が運営するゲイポルノ映画会社。その映画の出演者たちが、謎の男によって次々に殺されていく。
一方で彼女は、その連続殺人を元にした映画を撮ろうとするが...というお話

現代版ジャッロと言
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.0

生きる意味も何も無い黒猫が、「俺を燃やしてくれ」と頼む案山子に出会うお話

様々な人に話を聞いて主人公が自分なりの答えを見つけ出す、言わばセラピー的な15分間の短編映画。
孤児院にある電池の切れたロボ
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アヴァ(2017年製作の映画)

4.2

近いうちに視力が失われてしまう少女が怪しげな男と逃避行をすることになるお話

ビジュアルが印象的で「何だこの映画?」と思って見たら少年少女の儚い逃避行もので衝撃を受けたし、ちゃんとこのビジュアルが本編
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The Tale of King Crab(英題)(2021年製作の映画)

4.2

飲んだくれの駄目男はある日、小さなことがキッカケで貴族に喧嘩を売り、結果的に大きな犯罪を犯してしまう。国から追放された彼は、世界の果てで黄金探しの旅に出る...というお話

本作は第1部と第2部に分か
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やくたたず(2010年製作の映画)

4.4

雪国に住む男子高校生三人が小さな警備会社で働くお話

空気感がハチャメチャに良い。高校生が大人の社会に入っていくあの空気感、閉塞感に満たされた雪国のあの空気感など、言語化しにくい空気感と感情が、モノク
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.6

タイムリープしていることを上司に気づかせるお話

インディーズ邦画が大ヒットしていると聞いて気になっていたが、確かに面白い!
80分とコンパクトに纏まっていながらもタイムリープものの楽しみをしっかり詰
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情熱なき犯罪(1934年製作の映画)

3.8

悪徳弁護士が不倫中の金持ちの女と付き合うために歌手の女と別れようとするが、誤って殺してしまい...というお話

オープニングが良いが、そこがピークなのがとても惜しい。
死体からドレスを纏まった悪魔の女
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.7

図書館司書のジュリーと魔術師のセリーヌがひょんなことから同棲生活を始め、幻想の殺人事件を解決しようとするお話

滅茶苦茶面白くてビックリ。やってることも映画の構成も何もかも無茶苦茶であまりにも無駄に長
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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

3.6

白痴と呼ばれる男は過去の罪を清算させるため『白痴』のフィルムを映画館に持っていこうとするが...というお話

ゴダールらしいゴダール映画。
「白痴の男がフィルムを持っていく 」という1つの軸を主軸とし
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サーホー(2019年製作の映画)

4.3

最近頻発する不可思議な手法の窃盗事件は、どうやら犯罪組織の後継者争いと関係しているらしくて...というお話

長いし登場人物多すぎるし複雑!話も要素も滅茶苦茶ごちゃごちゃしていて、鑑賞後も「結局ここっ
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ウォールデン(1969年製作の映画)

4.5

高校3年生になってから1本目の映画。

ジョナス・メカス監督がアメリカに渡ってから撮り溜めた映像集

本人がこの映画を「日記映画」と称しているがまさにその通りの内容であり、映画と言うよりは前衛的なホー
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話の話(1979年製作の映画)

4.3

シュールで悪夢的なイメージが繋ぎ合わされた短編アニメ。

初期二作品に見られたようなアヴァンギャルドな演出とその後の作品で主流となった子供向け寓話感が見事に中和しており、非常に掴みどころのない不思議な
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.3

ハリネズミが霧の中で不思議な体験をする。

全体的に不気味なビジュアルのアニメだが、自然の美しさと優しさも感じさせてくれる。そしてどことなくシュール。
言語化できない不思議な魅力が詰まっていて、子供の
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

4.1

キツネに奪われた家をウサギが様々な動物に協力を乞い取り返してもらう。
子供向け寓話感が一気に増したものの、演出も物語性も向上していてなかなか面白かった!

25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.0

新聞や写真から人物を切り取って動かしたかのような印象を受ける共産主義プロパガンダアニメ。アヴァンギャルドな演出は面白いものの、まあ普通。

イメージの本(2018年製作の映画)

3.5

過去作、他映画作品、インターネット上の映像などを引用してゴダールが独り言を呟く映画

今まで見てきた映画作品の引用で映画を作り上げた映画の中で最も暴力的で最も難解な映画。
抽象的なイメージと詩からの引
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

4.7

極悪犯罪者を乗せた船の中で血みどろの闘いが幕を開けるお話

日本上陸前から「ヤバい韓国映画があるぞ!」と話題になっていた本作。まあヤバいって言っても普通の映画よりも結構バイオレンスなぐらいでそこまでヤ
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.6

意気揚々と前線に行った若者が地獄を見るお話

かなり直球で強烈な反戦映画。伝えられるのは「戦争は不毛な行為である」ただそれだけだが、そのメッセージを伝えるために描かれる戦場が本当に地獄でビビった。
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Travel Songs(原題)(1981年製作の映画)

3.6

全編無音で旅の記憶が流れる23分間

ジョナス・メカス監督がイタリアやロシアなどの国々に旅行に行った時に撮られた日記映画。しかし効果音も撮影した際に入り込んだであろう音が一切無く、全編無音のまま映像が
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リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)

4.5

母に会うために故郷であるリトアニアに帰ってくるお話

念願のジョナス・メカス監督作品をようやく見られたが、本当に素晴らしかった!
本作は映画と言うより一種のホームビデオ(今で言うならVlog?)だが、
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

4.0

委員長のメン限同時視聴にて

落ちこぼれの科学者集団が幽霊を退治するゴーストバスターズを結成するお話

最早説明不要の古典的名作作品。まさに全盛期のアメリカ映画と言うに相応しく、何も考えずにただ笑って
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ノイズが言うには(2010年製作の映画)

4.4

自分がレズビアンであることを家族に告白するドキュメンタリー

上記の情報だけで本編を鑑賞したら、確かにその通りの内容ではあるのだが全然違う内容で驚いた。
自分がレズビアンであることを家族に告白した映画
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呪詛(2022年製作の映画)

4.6

6年前に心霊スポットに訪れた結果呪われてしまった女性の娘にその呪いが引き継がれてしまったお話

海外版予告が公開された時から話題になっていたけど予告がピークだろうなと思いあまり本編見ようと思わなかった
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.6

地球に巨大な彗星が落ちてくることを発見したが誰にも信じてもらえないお話

この世の負の部分を煮詰めたような内容でとにかくイライラしかしなかったが、彗星が視認できるようになってからの展開はなかなか面白い
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落穂拾い(2000年製作の映画)

4.0

絵画の落穂拾いにインスパイアされた監督が、現代の「物を拾う人々」にインタビューをするお話

アニエス・ヴァルダ監督の代名詞とも言えるようなドキュメンタリー映画。
着眼点が面白い。映画内で注目されるのは
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頭のない女(2008年製作の映画)

4.2

自分の不注意で「何か」を轢いてしまった女性が、人を轢き殺してしまったんじゃないかという不安に苛まれるお話

冒頭のシークエンスが素晴らしい。運転中に携帯電話が鳴り、それを取ろうと横を向いた瞬間に「何か
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プロポジション -血の誓約-(2005年製作の映画)

4.3

「9日のクリスマスまでにお前の残虐非道な兄を殺せ。さもなくばお前の弟を処刑する」と警察から命令を受けた次男のお話

想像していたよりもかなりバイオレンスな西部劇映画。顔は吹き飛ぶし鞭打ちで背中から血は
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