それぞれの在るべき場所に置かれた一つ一つの事物──君の手にしている手段はそれだけ。
ブレッソンにとっての本作は、ホークスにとっての『ピラミッド』のようなもの。
ブレッソンにもフォンテーヌにも、そこに>>続きを読む
監視社会的なインフラだけが残って、みんなそれの説明書通りに働くから、全ての仕事が事務的になっている未来観は、かなり鋭い。
そしてそういう邪悪な無心からの脱却の鍵として体験質が活きる展開は、ものすごく信>>続きを読む
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テレビは全てを映し出す。ゆえにイメージの氾濫が生じる。そこには、連続性や関係性の創造はなく、ただの現実しかない。
映すことは限りなく邪悪であり、映さないことは限りなく創造性に開かれている。
裏で糸を引>>続きを読む
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警察官警察官警察官
折角積み上げたドラマをぶち壊す魔法の言葉。『セブンスコード』のMVパートを見たときと同じような呆然。
「俺は〇〇だ」史上で一番アガらない。
だが、映画としては凄まじいエネルギーを>>続きを読む
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劇中のモンローの『ローズマリーの赤ちゃん』的錯乱が、そのまま映画自体の史実を無視した演出の錯乱と共鳴しているように思えた。きっと、彼女がブロンドを偽ったように、本作『ブロンド』もまた何かを偽っている。>>続きを読む
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カフェの店員を突き飛ばす場面、ハリウッドでは”俳優の顔”のクローズアップが求められるが、ブレッソンは”モデルの手”をヨーロピアンビスタで余すことなく捉える。
もともと絵を描いていたブレッソンにとっては>>続きを読む
『親密さ』にもつながる暴力と選択の講釈。どちらも結局は虚しく終わる。
あれだけ言葉を尽くす作家性の監督が、すべてをキスで締めくくる。「何も見えていない」労働者たちの恋愛。
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ハロウィンがハロウィンを骨の髄までしゃぶり尽くしてるというか、そういう意味でハロウィンがハロウィンを殺しているというか。だからマイケルは殺されれば殺されるほど強くなる。ドリアン・グレイ。
寓話と呼ぶには具体的過ぎる海上の生活。関係は生活の体験を介して映される。ゆえにダレることがない。映画力クソ高いポランスキー。
ホン・サンスは多分、濱口やロメール以上に形式の中を満たすものに執着がないんだろう。
主人公が小説の件で責められる場面は、芸術家としてのバームバックの自己反省としても捉えられるが、『私は最悪。』みたいな、ああいう"正しい”批判を加えてくる奴の軽薄さもちゃんと皮肉ってて、いい塩梅。
こ>>続きを読む
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個人の信じた物語が世界を覆い尽くすセカイ系的価値観。膨らみすぎた自我が社会を牛耳る奴らに取って代わる。でも結局ヒーロー対ヴィランの図式だから、社会の本質はあまり変わらないだろう。同じことを繰り返す。>>続きを読む
文化会館はV2ロケット。それを「小さなもの」が妨げる構図。
論争のテーマとなる政治的な問題は今にも通ずる強度を持つが、それは偶然を描こうとする形式の中を満たすための内容の一例でしかない。結局偶然とか因>>続きを読む
風呂の栓を抜き、そこから水が流れていく時間。店でアイスを頼み、そこからそれが溶けていく時間。電車に乗り、過ぎて行く景色にみる時間。
レイジーで居ることでしか、時間は捉えられない。そしてレイジーで居るた>>続きを読む