いたばくしさんの映画レビュー・感想・評価

いたばくし

いたばくし

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正欲(2023年製作の映画)

2.9

せっかく良い題材なのにフェチズムにフォーカスしすぎていたのが残念。
水フェチは生きる意味やもっと広義的な愛情を象徴するメタファーに過ぎないのかもしれないが、これでは単なる「水フェチゆえに苦しんでいる人
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

身近な人の死に触れると、「あの世」の入り口は自分のすぐそばにあるのだと実感する。生と死の差は紙一重で、幼少期に戦争を経験した宮崎駿監督は、たびたび自分の作品の中でこの生と死の境界を描いてきた。

監督
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J005311(2022年製作の映画)

1.0

渋谷を歩き疲れていたのでいい睡眠になった。ひたすらに退屈だった。

沈黙(1962年製作の映画)

3.6

神の不在=父の不在
姉妹の対立は、理性とニヒリズムの対立
息子は未来への希望の象徴

暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.1

ポールニューマンかっこいい。アメリカンニューシネマの金字塔。或るキリストの物語。

散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.8

商売に失敗し自分の店に放火するオヤジ、切断マジックに失敗して腹を切断されてしまったオヤジ、討論が全く進まない老人政治家たちの会議。中高年ばかりで全員コウメ太夫の如く顔を白塗りしている登場人物。

シュ
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モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.6

画家モディリアニの生涯を描いた映画。
酒に溺れて金が無くて女癖が悪い。三拍子揃ったダメ男だけど、最期まで芸術家としての魂を売り渡さなかった男。
表現者の信念を守るがゆえに滅びていく姿が哀しい。

それ
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.7

儚い恋愛、クラスメイトとの喧嘩、夢を語り合った帰り道、ロックンロールへの羨望。
これは平凡な少年の、平凡な(はずだった)青春の物語。複数のエピソードを通して淡々と描かれるジュブナイル。
映画は途中まで
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.6

二人の老姉妹によるホラー映画。マジで怖い。そして展開から一時も目を離せないくらい面白い。


子役時代に名を馳せたが女優としては大成しなかった妹=ジェーン(ベティ・デイヴィス)と、
幼少期は有名な妹に
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.1

三船敏郎の唯一無二の存在感が光る。迫力満点のチャンバラと、間抜けな侍たちのやり取りに抱腹絶倒。これこそが娯楽映画というものじゃなかろうか。

一応『用心棒』の続編的な作品ということにはなっているけど、
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

ジョンスペの「ベルボトム」のキメに合わせて跳んだり走ったり殴ったり…ロック好きなら一度は妄想したことのある世界が詰まっている。これはハマる。

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.3

未来予知によって全ての犯罪を未然に逮捕できるという設定。これぞトムクルーズというかっこよさ。

ホリデイ(2006年製作の映画)

3.3

タイタニックのケイトウィンスレットとスクールオブロックのジャックブラック。気楽に見れてほのぼの。

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.6

生まれも育ちも東京板橋区、東京大仏で生湯を使い、姓は東武、名は東上線、人呼んでほぼ埼玉県民の私にはドンズバの面白さでした。

ご当地自虐ネタの集大成。言うことなし。

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.1

大人向けを通り越して中年に一番響く映画だと思う。これ、子供が見てわかるのかなあ?

「一番のお気に入り」になれないウッディの葛藤。そして爽快なラストの選択。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

インディ映画なんだけど斜に構えた雰囲気が全く無くて、大衆の海にどーんと飛び込んでいくぜ!っていう気概をどの役者さんからも感じるのが良い。

現にカメ止めのヒット以降、テレビドラマ出演が増えたりしてお茶
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.3

元に戻れない家族の物語。

阿部寛のダメ男っぷりが素晴らしい。とことんダメなやつなんだけど憎めないキャラクター。
その不器用な姿には愛おしさすら感じてしまうけれど、シーンを追うごとに妻と息子との間で埋
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パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ(2018年製作の映画)

2.7

パグかわいい。とにかくかわいい。
主人公の女優さんの絶妙なB級感も良い。全てのパグ好きへ。

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.9

ほどよく気が抜けていて、映画館の休業明け、一個飛ばしの座席でまったり鑑賞するのに向いている映画ではありましたが…。
過去作へのオマージュやリスペクトをやたらに盛り込んで、肝心の映画の中身が空っぽだった
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デッドマン(1995年製作の映画)

3.1

考えるよりも感じる映画?

すごく宗教的なテーマがありそうな気もするし、物語をキリストの生涯と重ねていそうな気もするけどわからない。
ウィリアム・ブレイクという詩人の詩集でを読めば少しは話がわかるのか
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

3.0

良い映画なのはわかるけどテンポが遅くて見るのがキツかった思い出。
東京と熱海の映し方がよかった。小津リスペクトかな。

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.6

『一度は名声を得たけど落ちぶれてしまったオヤジの復活劇』に悪い映画はない(レスラー、バードマンなど)と思うんだけど、オバさんの復活劇はあまり見たことないなあと思ってました。

レネー・ゼルウィガーの演
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.1

ウェス・アンダーソン風のおしゃれ映画かよ、と思わせつつも戦争映画としての役目はちゃんと果たしていたのがよかった。
戦時中の少年たちの頭の中にもお茶目なヒトラーがいたのだろうか、と思うと胸が痛くなる。
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エストラパード街(1952年製作の映画)

3.7

ジャック・ベッケルといえばフレンチノワールの巨匠というイメージだったけど、これはラブコメディ的な一本。

旦那の浮気に対抗して自分も浮気しようとする嫁さんの話。

コメディの中にも観客を引き込むサスペ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.2

ワンカットってそんなにすごいのかよ!と言われれば本当にすごい技術なんだろうけど、ワンカットで撮ってしまったために一つ一つのシーンの長さが短すぎて、時間感覚に矛盾が生じている感が否めない。

大戦の命運
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

結局どう考えても圧倒的に面白い映画で、映画館から帰宅後、興奮に乱れた息を整えようと思ってもなかなか寝付けなかった。興奮の余韻は1週間くらい続いて、仕事中もずっと上の空だった。

一本のエンターテイメン
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.7

タランティーノ監督はこの映画を通してシャロン・テートを「あの事件の被害者」であるという世間の一元的な見方から救い出したかったのだと言っていた。

あの残虐な事件が起きてしまった現実と比べればこの映画は
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

社会派作品としての側面を置いて感想をいうと、
・エルサがかっこよすぎ。もはやアクションスターばりの身体の張り方。
・トカゲの火の精霊が可愛すぎ。
・オラフがファンサービスしすぎ。(可愛すぎ)
・クリス
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.9

家の手伝いや自分の宿題も放り出し、大人たちのお説教を受けながら、脇目もふらずに目指すのは、遠くに住んでいる友達の家。
友達が困っているだろう。このノートを届けなきゃ。

ささやかなエピソードではあるん
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桜桃の味(1997年製作の映画)

3.7

97年のカンヌ映画祭パルムドールを今村昌平の『うなぎ』と共に受賞した作品。


長回しのカメラ、延々と続く会話、自殺を試みようとする男の話とは思えないほど穏やかなタッチで描かれている。

正直途中で眠
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.4

感情剥き出し歯茎剥き出し。血を吐き反吐吐き、己の人生を愚直に走り抜ける男、宮本浩。

この男、終始口角泡を飛ばして叫びまくる。あらゆる喜びも悲しみも、会社の同僚の前で叫ぶ。プロポーズは彼女の職場に乗り
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世界(2004年製作の映画)

3.9

中国の急速な経済成長の最中、都会に憧れて上京するも胡散臭いテーマパークでダンサーをして糊口をしのぐ女たちと、そのテーマパークの警備員の男たちとの恋物語をオムニバス的に描いた作品。

このテーマパークと
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ミスター胸糞映画監督こと、ミヒャエル・ハネケ御大を代表する胸糞映画として有名。

誰も救われません。ヒーローも現れません。しかし善良な家族がひたすらに痛めつけられていく過程の中で、意図的に放り込まれる
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.7

テンポの良い展開と、ところどころに挟まれるボケのおかげで見やすい映画になっているものの、正義と悪の二面性という深いテーマを孕んだ作品。

「ジグソーパズルの中に最後まで嵌らないピースを意図的に入れてい
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

3.6

金絡みのいざこざと恋愛関係のグダグダに少し辟易させられるも、クライマックスの圧倒的なダンスシーンで全てが昇華される。踊り良ければ全て良し!というカタルシス。

自分がたぶらかした女に「踊れ!」と一喝す
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