りんごチャンさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

りんごチャン

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やさしい人(2013年製作の映画)

4.0

久しぶりのヴァンサン・マケーニュにニンマリが止まらないと思ってたら、飼い犬のワンコ登場で絶頂悶絶。たまらん♡

ヴァンサン・マケーニュについては未だに「女っ気なし」でみられた頼りなくて不甲斐ない奥手な
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ある女の存在証明(1982年製作の映画)

3.5

アントニオーニ愛の不毛3部作に加えたくなるような一面の不毛色(実は“欲望”しか観ていない)。謎な視点のオープニング、暗闇、そして濃霧の中の逃避行から漂う不確実性。主人公の男が映画監督という設定からまる>>続きを読む

ギターはもう聞こえない(1991年製作の映画)

3.6

寝不足+フランス映画=睡魔襲来のたちなので、レモン味ハードグミを鑑賞のおともに。暗く抑揚に欠ける作品に警戒して食べ続けた結果アゴが痛い(泣)

「つかのまの愛人」もそうだったけど、人間同士という不安定
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蜂の旅人(1986年製作の映画)

3.9

色あいが何とも言えない美しい映像。蜂に合わせ旅をする寡黙な男をマルチェロ・マストロヤンニが好演。

晴れの舞台とは決して言い難い雰囲気の娘の結婚式のあと、男は家族と別れ巣箱を満載したオンボロトラックで
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養鬼(悪魔の胎児)(1980年製作の映画)

1.8

Amazonプライム・ビデオからのオススメ。ご推薦のサムネイルに釘付けになり即観賞。

薄々わかってはいたものの、開始早々からの期待を下回る感と半端ない古臭さがスゴい。

タイで夜のお仕事を始める借金
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

3.9

長らくHDDを陣取っていた小津作品を初観賞。車や電車に揺られるシーンだとか修善寺の宿屋のシーン、そして夫婦が日々暮らす居室内のシーンなどから受ける“きちんとした”印象。

きちんと整った場面上に据え置
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南へ行けば(2009年製作の映画)

2.8

なまめかしくこちらを見つめるジャケットの女。迷惑そうに出来たての命を眺める。ビキニ姿でクネクネ激しく踊り男の欲情を煽る。途中出会った謎めいたイケメンを加えて南への旅が続く…

ジャケットを飾るレア・セ
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片桐はいり4倍速(2009年製作の映画)

3.4

はいりワールド炸裂のジャケと謎なタイトルに惹かれて。

NHK Eテレ「時々迷々」(元 さわやか3組)で突き抜けまくっている片桐はいりの魅力に取り憑かれた過去もあり迷わずチョイス。

監督が異なる4話
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欲望(1966年製作の映画)

3.8

これは映画を観尽くしてこられた映画ツウ向きの作品とでも言いましょうか。どこをどう切り取ってもスタイリッシュ過ぎる映像。挑戦的な複雑曖昧ストーリー。大海に放り出されたようなラストの解釈。難解さよりも映像>>続きを読む

三重スパイ(2003年製作の映画)

3.4

タイトルからしてどんな凄腕スパイがロメール色に染められて登場するのだろうと期待させる監督晩年の作品。

実話ベースのフィクションにせよ当時(1930年代)の欧州各国のパワーバランスなど歴史的な素養を持
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遭難者(2009年製作の映画)

3.4

「女っ気なし」の前日譚。

これを観てから「女っ気なし」を観れた事がありがたい。主人公シルヴァンの成長⁈と人となりがよく表されている。飲酒検問と勝手にメール返信のくだりで彼が100%理解できた。

女っ気なし(2011年製作の映画)

4.6

念願の観賞!

冴えない男だと地元の人間に笑われるシルヴァン。彼が管理する部屋をバカンスのあいだ借りる母娘。3人はお酒を飲んだり海に行ったり仲良くするうち、冴えないモテない奥手でアルシンドヘアーのシル
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フェイズ IV/戦慄!昆虫パニック(1973年製作の映画)

3.3

も〜全然パニックしてない。蟻が小さ過ぎるからかしら…?

それにしても大好き70年代チープ感マックス映画だった。時代のせいなのか多種類リアル蟻たちの夢の共演。蟻供養が絶対必要な蟻たちの迫真の演技⁈は脱
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誰がための日々(2016年製作の映画)

4.0

暗くて重いけれど琴線に触れる素晴らしい作品。劇場とネトフリで2回観賞してしまった。ジャケ写申請中。

日本映画でも韓国映画でも可能なテーマだけれども、香港の地理・歴史・社会的事情(そんなに詳しくないけ
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美しき結婚(1981年製作の映画)

3.9

「緑の光線」の女主人公を上回るめんどくさい女サビーヌ。めんどくさ過ぎて腹立たしさよりもやっぱりニヤニヤが勝ってしまう。

押しの強いテクノサウンドにのせて“夢想と空想するのは当たり前じゃないか”的なラ
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霧の中の風景(1988年製作の映画)

3.8

情緒的な映像がたまらなく好み。子ども二人のロードムービーっていうのもたまらなく好み。

ドイツ行きの国際急行列車への乗車を躊躇っているように見える幼な子二人の後ろ姿に胸が高鳴る。無賃乗車を繰り返しなが
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.6

完全なるジャケ借り。お〜若い頃のアデル・エネルが出ているではないか。美しい!しかもこの監督のパートナーにもなっているとは知らなんだ。

ベースとなるのは少女たちが通うシンクロナイズドスイミングのクラブ
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いとこ同志(1959年製作の映画)

3.9

たくさん観たい作品がある中の初クロード・シャブロル。

田舎から出てきた純朴少年シャルルと遊び人で要領がいいポールのポジションが、いとこ同志だけれどもどこまでも対極という関係性が悩ましい。強弱が良い塩
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精神(2008年製作の映画)

-

精神を病んでしまった知人。

そんな世界に身を置いてたのね。

生きた教科書。

筆舌に尽くしがたい。

激突!(1971年製作の映画)

4.3

ハ〜やっぱり70年代いい!

スピルバーグ監督がのちにヒット作を量産するのも頷ける才能の萌芽を感じずにはいられない作品。

赤い車を執拗に追う古びたトレーラー。物語はただそれだけなのに徹底的に煽られる
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シルビアのいる街で(2007年製作の映画)

4.3

いい味出してる。特段集中して話を追う内容ではないにもかかわらず目が離せない摩訶不思議な感覚にヤラれた。一日中流しててもいい。

とにかく引き込まれる映像はあのビクトル・エリセ監督が当時TIFFで強力に
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

3.9

ヤンヤン一家のひと夏の出来事。各世代における悟りが伝わってくるよう。

小学生のヤンヤンは無垢であるのに対し、姉や親の世代になるにつれ七面倒な感情やしがらみに直面せざるを得ない。意識が戻らないおばあち
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名犬リンチンチン(2007年製作の映画)

3.0

第一次世界大戦の軍隊。敵地の捜索をしていたダンカンが仔犬3匹と母犬を発見。のちに仔犬のうちの1匹がリンチンチンとして活躍する。

見始めてすぐにイメージしてたのと随分違う事に気づく。子ども向けなので過
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J.S.バッハ G線上の幻想(1965年製作の映画)

-

階段をどんどん登っていく男。冷たく響く靴音。もうそれだけで画になる。しかし画になるのはそこじゃなかった。

突然催眠術をかけられたかのように広がる丹光チックな世界。リンクするパイプオルガン。画になる謎
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ザ・ボーイ 人形少年の館(2016年製作の映画)

3.4

人形が登場するということで人形好きの虫が騒ぐ!

依頼されたお世話の対象ブラームス君の姿にドキリ。抱きあげる格好は交通安全教室の腹話術人形ケンちゃんさながらの大きさ。彼の薄気味悪い存在感はその後の展開
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ホワイト・ドッグ(1981年製作の映画)

3.8

ワンコを怒らせてこのジャケットみたいなブス顔にさせるのが超好き。

ある暗闇の丘で瀕死のイヌと女が出逢う。世話をする女に対するイヌの目つきが何やら違う。何かを見極めているかの目つきにゾクッとさせられる
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SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)

4.0

15歳が送る生活じゃない。15歳が知る世界じゃない。全てはママのために。幸せのために。

ヒリヒリ、グサグサ…いたぶるような擬態語しか浮かんでこない。厳しい現実をドラマティックに仕立てないのがケン・ロ
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コーマ(1978年製作の映画)

3.9

さすがはマイケル・クライトン先生。医療ネタの芸が細かい!そしてなかなかのスリル感!

大病院で働く女性外科医スーの友人ナンシーが技術的に簡単な手術中に昏睡状態に陥る。このあたりは渡辺淳一著“麻酔”を彷
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.8

陰鬱で好きなタイプ。

孤独な少年オスカーの隣家に引っ越してきたエリ。非公開的な夜更けの引っ越しから伺える隣家の秘密が言葉少なに描かれる序盤で一気に飲み込まれる。狩をするかのようなおじさんの手さばきに
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.7

北米の高校に通っていた若者が言っていた。マリファナやってる子は普通にいて、マリファナに限らず明らかに薬物が身近な環境にあると。

環境因子を念頭に、手を出すきっかけとなる決定的な動機が特に描かれていな
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ザ・プレイス 運命の交差点(2017年製作の映画)

4.0

いや〜面白い。唯一の舞台となるカフェ「the place」がイイ雰囲気。客のザワザワと食器のカチャカチャが良い聞き心地。

カフェの中と外観ショットだけの101分。あとはひたすらカフェの一席でおこなわ
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.8

靴を磨こうにも映し出される雑踏にはスニーカーばかり。このオープニングから世間は甘くない事の表れを感じる。

質素倹約な生活、愛する女房、愛犬、気心の知れた行きつけの店…知足者富を地で行く主人公の豊かな
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タシケントはパンの町(1968年製作の映画)

3.9

食パン専門店の噂を聞いてはどこまでも足を運ぶ我が同僚のバイタリティにはいつも感心するが、この主人公ミーシャ少年のパン獲得への道のりは想像を絶するものだった。

ロシア革命後の内戦と飢餓でひもじい思いを
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幸福の罪(2011年製作の映画)

3.8

職権の乱用とも取れるキワどいシーンから植え付けられるある先入観。きっとそうだ、絶対そうだ。

仮面をかぶった登場人物たちの二転三転するサスペンスに最後まで目が離せなかった。冒頭の先入観は綺麗サッパリ拭
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ショック集団(1963年製作の映画)

3.8

入念に狂人のイロハを叩き込まれる新聞記者ジョニー。それはある目論見を達成するのに精神病院に潜入し犯人探しをする為。ある不安が拭えない恋人キャシーは猛反対するも実行へ移されるのだった…

犯人の手掛かり
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.8

久しぶりの遠出鑑賞。

もうどれぐらいこんな期待も何も湧かない地を見てなかっただろう。音楽も台詞も遠ざける閉塞感。閉塞感の苛立ちは期間労働者としてやって来た男ゲオルゲに向けられる。何事も極限まで気付か
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