QAZさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.5

“さあ、なんでも話してごらん。話したいこと全部。”

戦場も扇情もない。なのに、戦争が日常から奪うものが、子供の可能性/大人の役割/芸術の価値が言葉でなく、優しい映像から鋭く届く。アニメ表現だから成し
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

“ダメ。ゼッタイ。”

ひとり反芻したい作品もあれば、鑑賞後のテンションそのまま語りたい作品もある。これは完全に後者のTalk with you 。若気の至への皮肉、悪い方にしか転がらない話、鮮やかな
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市子(2023年製作の映画)

3.5

“市子、ありがとうね”

大きな黒目に射す光を封印した杉咲花の無双、近づくほどに手が届かなくなる市子の夢想。瞬間風速の演技には圧倒されるも、行動原理が分からない、流石に無理筋な事柄が多い、時間軸のシャ
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

2.5

早くも(?)アマプラで豪華なキャストが揃った映画の配信がスタート。原作にノレてないのに、ホームランを期待して観た自分が悪い。原作そのままですが、主人公がクズすぎて境遇に共感させない設定の意図は何だろう>>続きを読む

手紙と線路と小さな奇跡(2021年製作の映画)

3.5

“愛のファンタジー”

ホノボノした恋愛、ゾワゾワした中盤のツイスト、(父に)モヤモヤする家族の思い、(国に)イライラする実話。これだけの要素を泣ける噺にまとめる剛腕に感服。前半派と後半派に別れそう。

スラムドッグス(2023年製作の映画)

4.0

“透明な檻に囲まれている”

恵まれた鑑賞環境(貸切)を差し引いても、ネグレクトにより尊厳を傷つけられた“負け犬”のリベンジ&リカバリものとして意外なほど満足度が高い。ウ○コ・シ○コ・チ○コの過剰なデ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

「予測しろ、即興はよせ」「対価に見合う仕事をしろ」反芻する言葉どおりに行かないのが仕事の現実。代理店や競合の搾取にはNOを返すが、発注元への対応は覚えのある会社員のそれ。超一流テクで描かれる一流に足り>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.5

抗って、生きる。揃った役者に参った、魅入った。でもモヤった(フリで消費される社会問題、力量の見えない花子、家族マンセーなど)。この映画が“無かったことにしなかった”花子の撮った作品であれば。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.4

ゴジラの千両役者ぶりは+500000000も、ドラマパートは、安藤サクラを持ってしても劇中の銀座ばりに壊れてはいないか。『ジョーズ』と銀座、あの曲で元は取れましたが、文字通りマイナス1.0。

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

『平和の国の島崎へ』感

本編の連載が終わった後の番外編な趣き。だが、それがいい。小さな世界の大きな幸せを、出し惜しみない熟練の殺人スキルで絶対守るマン。殺人者としての顔を緩めないのが、この作品の美徳
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.0

“主語が“女”の言葉は、オジサン達が都合よく作った言葉です”

ドラマ未見。横溝みはあるも整君の台詞が主役の物語。なので、映画としての醍醐味を期待する方が悪いのだろうし、原作は読みたくなった。町田啓太
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.5

“物理攻撃、いけるよ”

(キャラが)タチすぎ
(撮影編集)コリすぎ
(時空の間)トビすぎ
(第四の壁)コエすぎ
(アイデア)サエすぎ
(応援上映)シタすぎ

集大成&入門編としても最高すぎ!

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

3.5

見やすさと見応えの高バランス。逃走と合戦の二幕構成、軍師の卵による戦術/状況説明の親切設計で迷子を作らない。これだけの役者を揃えているゆえ無駄な表情アップでテンポは落ちがちも、ノリノリで演じている様は>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.4

連続ドラマで観たかった。キラキラした暮らしの裏のドロドロした男性性。酷い目に合う役がよく似合うフローレンス・ピューが既視感ある設定を最後まで牽引。錯覚させられる怖さは足元に転がっている。

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.5

“なんも”

強引な物語をねじ伏せる菊地凛子の冒頭から続く吸引力。いい奴ばかりじゃないけど悪い奴ばかりでもない邂逅が止まっていた陽子の針を再び動かす。故郷への帰路は、行きて帰りし物語の往路でもあった。

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.5

“友達として面会に来るよ”

礼節が紳士をつくる。目立ってはいけないスパイなのに誠実で穏やかな振舞いから、慕われる、モテる、時に仕事を忘れる。そんな彼だから辿り着けた「真実」。最後の調査報告に親と自身
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

デッドレコニングあるある“大事なものをポケットに入れがち”

『マーヴェリック』とは異なる感動が胸に迫る。走る、駆ける、飛ぶ、落ちる、列車まで作る。吹き替えなしアクションの限界更新は、もはや伝統芸能。
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.5

“演奏曲のBPMは、ほぼ同じですので理論上は可能か”

連続ドラマで観たかった(最近何かでも書いた気がする)。でも、妻と声出しながら楽しんだ。靴下がやけに見えてるなーとは思ってた。あと、財津部長のスピ
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.0

“物事は見た目だけじゃない”

ネタバレしてる話をどう描くのかと思いきや、こうきましたか。面白くないわけではないが、前作と異なり「エスター、がんばえ〜」の応援映画ですね、これ。

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.0

連続ドラマで観たかった。老人を狙った卑劣な犯罪、認知症の親の介護、シングルファーザー&シングルマザーの仕事と家庭、職場のパワハラ&モラハラ、ポンコツ音楽隊の行末…。多数の消化不良が積み上げられた120>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

“あなたの未解決事件になりたい”

エロでなく、エロス。骨子は古く、語り口は新しい。寿司折を食べたテーブルを澱みない動きで片付ける連携プレーが作中で最も官能的に映る。2回目以降の方が面白く観られる気が
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

“初期位置ここです”

2分の縛りがこんなに展開を面白くできるとは。2分でできることがこんなにあるとは。藤谷理子さんの可愛らしさが大きいのかもですが、チャーミングさが今年ベスト🔁

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.5

オジロマコト漫画の魅力と思う台詞や説明を徹底的に排した、主人公二人の関係に訪れる変化の微細で牛歩な描写。これはもちろん2時間の映画に期待できないわけですが、森七菜さんのポテンシャル爆発で、真っ直ぐな青>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.0

二人芝居の一人舞台。144分もあるのにサシャ・カジェの出番の少なさ&扱いの薄さときたら。これもマルチバースもので、懐かしの顔ぶれ登場ものか…(満腹)。

あらののはて(2020年製作の映画)

3.5

短さで選んだら好みの作品に出会う。「事件はフレームの中で起きてるんじゃない」な独特の演出も癖になる、血が出ると分かっている過去の瘡蓋を剥がす話。朝焼けの中の破顔の切なさ。

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.0

“自然に善悪はない。生きるための知恵があるだけ。”

宣伝から受けるミステリーの味わいは薄く、「本当は恐ろしいグリム童話」な寓話感が強め。綺麗すぎるのはロケーションだけでよく、“「湿地の娘」のリアルL
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

3.0

見え見えの着地に対し、見せずともエロをダダ醸す演出に唸る。いつもと違う顔を見せる山田裕貴さん、いつもの顔で最高打点を更新していく松本まりかさんにも唸る。一方で、佐藤泰志作は函館という地があってこそとも>>続きを読む

キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.0

原作を読んでいなく、前作は長澤まさみの印象しか残っていなく、固有名詞が覚えられない自分には辛かった。…が、清野菜名さんと岡山天音さんの『日曜の夜ぐらいは…』チームの絡みにあがり、濱津隆之さんが演じた班>>続きを読む

テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.0

自作の聖衣を纏ったDIY少女が家と小宇宙を燃やして、猛死猛死ピエロとガチンコファイトバトル。前作の近所にアブナイ奴がいた…な地続き感と、今作の暗黒ファンタジー感で好みが分かれそう🤡

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.5

年末に三夜連続放送されることが想像される、映画としては少々ダレ気味の構成。キング・クリムゾンをくらったのか、回想パートはところどころしか記憶がない。確立された世界観、高橋一生の血管、木村文乃の二の腕、>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.5

“砂漠のトカゲ”

トラブルのピタゴラスイッチに、体術を封印して顔芸で挑む岡田准一、搾取する側/される側を絶妙に反復横跳びする綾野剛も楽しんだが、少ない出番ながら生き様がイメージできてしまう磯村勇人が
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

“ただの靴よ、息子が履くまではね”

完全にネタバレしている物話が、なぜこうも熱く面白いのか。リスクだらけの勝負に賭けるため動き/話し/考え続けるナイキの面々と対峙する、もう一人の勝負師を演じたヴァイ
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

2.5

(話が)長い、(動きが)速い、(画面が)暗い。前作のトレース展開からフードファイターとして覚醒、少年ジャンプなパワーインフレ合戦へ。キム・ダミの大御所感は、もう別人。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

Bダッシュのようなテンポで、鑑賞前の期待値ハードルを軽やかなジャンプで超えていかれた🏰 世界観とキャラ表現が楽しい映像体験、やり込んだ懐かしいゲームの追体験、子供たちの鑑賞前・中・後の楽しげな声が聞こ>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

連休最後に駆け込んだら……もう…ベスト当確。はーーー、楽しかった&見たかった“(よく喋るけど)五月蝿くない家族の話”があった。一貫した軽妙な語り口だからこそ届くものがある。お布施と思ってIMAXで観た>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.5

比喩でなく終始スクリーンが血に濡れる。その振り切りに感服するも、暫くすると耐性ができてしまう墓穴でもあり。超人バトルより、刃物のようにギラりと輝くソ・イングクを中心とした三つ巴戦がもっと観たかった🐺