calroさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ウィッチ(2015年製作の映画)

3.8

とある敬虔な一家が村を離れ荒地で暮らすなかで巻き起こる一家に迫る残酷な現実と、それ故に忍び寄り膨れ上がる生々しい感情の隆起に思わず引き込まれる。望むべき信仰と現実の歪な不和が滲んでいく無残な展開はあま>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

とある孤島にある高級レストラン招かれるところから始まる狂気の展開と、徐々に入り込んでくる異様さと、場を一気に支配するレイフ・ファインズの胆力は見事。それぞれの個性的なキャラクターへの強烈な皮肉と、それ>>続きを読む

バリー(2016年製作の映画)

3.6

若き日のバラク・オバマの刺激的な日常と、それ故の残酷な葛藤を丁寧にスマートに描く爽やかさと、だからこその現実との対比は見事。なし崩し的に大人になっていく残酷な日常に真正面から向き合おうとする青年の実直>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.6

ジェイソン・ステイサム主演のスパイアクションというだけで十分だけど、もはや安定感というか、驚きよりもまあそうなるわなという納得感が強い。途中から始まるヒュー・グラントとジョシュ・ハートネットのコントば>>続きを読む

眠りの地(2023年製作の映画)

3.8

家族のために家業の葬儀屋を売ろうとするが、大手の葬儀屋の巧妙なやり口から裁判になるスリリングな法廷もの。差別、偏見、富、名声、友情、正義が軽妙に入り乱れる展開と、繊細な友情と、法廷ものらしい豪快さもあ>>続きを読む

今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

4.0

前向性健忘症の少女と、ひょんなことから付き合うことになる少年と、支えてくれる周囲の人達の何気ない日常の魅力と儚さと、それぞれの勘定に向き合う丁寧な展開がちゃんと魅力的。記憶によるドラマチックな展開と、>>続きを読む

トゥルーライズ(1994年製作の映画)

3.9

凄腕スパイが身分を家族に隠しながらテロリストと戦うコメディとアクションのバランスが絶妙。とにかくバランスが圧倒的で、豪快に持っていきながら、家族のいざこざを織り交ぜつつ展開する緩急と、アーノルド・シュ>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

シリーズ6作目。長年のインディ・ジョーンズの世界観をそのままに老いてなおハリソン・フォードの軽妙なアクションは圧巻。切れも気力もなくなってもはや余生のごとき老教授の引きずり出されるかつての壮大な物語へ>>続きを読む

#マンホール(2023年製作の映画)

3.2

結婚式の前夜に酔っぱらって蓋の開いたマンホールに落ちてしまうところから始まり、いかにしてマンホールから出られるのかを探りながら主人公の謎に迫っていくスリリングなワンシチュエーション。いろいろ考えると置>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

肉屋を営む夫婦が店を襲ったヴィーガンを殺してしまうところから始まる強烈なブラックコメディ。丁寧に嵌っていく強烈な展開の軽快さとコミカルさと、これでもかと畳みかける躊躇のない陽気な展開と、葛藤しつつも深>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.6

多忙な日常から逃避するために週末に別荘を借りて過ごす一家に巻き起こるスリリングな展開と、情報量の圧倒的な欠如による不安と、そのどうにもならないクライマックスが生々しい。突然の謎現象と怪しいオーナーと不>>続きを読む

N号棟(2021年製作の映画)

3.2

寂れた廃団地にホラー映画の下見に来た3人の大学生が、謎の住人たちに巻き込まれていく奇怪な展開で、ライトなホラーらしい導入なのに序盤から死への恐怖を問う死生観ベースに進んでいく主人公の複雑性と曖昧さは見>>続きを読む

バッド・トレジャー(2021年製作の映画)

3.2

元特殊部隊員で感情を制御できない精神疾患な仮釈放中の主人公が、なくなった弟の葬式に出席するために家に行くと訳も分からず襲われ、弟が探し求めた財宝を巡る争いに巻き込まれていく。どんな状況でもいちいち主治>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

天才的な才能で地位を確立した女性指揮者の内面にじっくりと踏み込んでいくえげつなさは見事。ここまで淡々とその一人の生き様を描き切る展開は、むしろそれだけでも十分に魅力的だし、映像的な美しさとケイト・ブラ>>続きを読む

禁じられた遊び(2023年製作の映画)

3.0

死者を蘇らせる「エロイムエッサイム」という謎の呪文によって家族に巻き起こる悲劇を描くホラーコメディ。仲睦まじい家族に巻き起こる悲劇と、土に埋めて唱えると蘇る謎の呪文にとらわれる息子と甲斐甲斐しい気持ち>>続きを読む

ミスティック・フェイス(2016年製作の映画)

2.5

超能力バトル番組に急遽出演することになり見様見真似でそれっぽくやってみたら本当に女性に呪いをかけてしまって、怪現象に悩まされる彼女を救うために奮闘する超能力ファンタジー。シンプルな展開のようでいてどこ>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.5

叔父に父親を殺され母親の連れ去られた王子の復讐劇の堂々たる展開と迫力と執念と覚悟の迫力は圧巻。そのシンプルで豪快な展開と、錚々たるキャストの存在感と迫力はさすが。真実に緊迫しそれでもなお立ち止まること>>続きを読む

時間回廊の殺人(2016年製作の映画)

3.3

とある家で起こる殺人事件と失踪事件の真相を25年のときを経て巡るサスペンス。スリリングなホラーっぽさもありつつ徐々に明らかになる時を超えた家族の物語として、その奇怪な展開と母親の愛情と、意外とじっくり>>続きを読む

一級機密(2016年製作の映画)

3.5

念願の役職に就任し前途洋々のなか組織の小さなほころびが目に付き、徐々に組織としての怪しさが明確な圧力となり、権力の暴走を下支えする組織的腐敗に挑むことになる。実話ベースの淡々と進む重厚な展開と、真正面>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

謎の遺言を残して急逝した母親の壮絶な人生を追っていく二人の子供が知る真実を巡る壮大な物語。そのミステリアスな導入に引き込まれつつ、徐々に明らかになる母親の真実は衝撃的。重厚な展開に堂々と真正面から挑み>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

3.6

世界中のありとあらゆる電子機器をコントロールできるデバイスを巡る壮大なスケールと、各国の凄腕エージェントの集結するワクワク感は間違いない。スパイアクションらしい派手さとスマートさの魅力と、それぞれの孤>>続きを読む

スティーラーズ(2013年製作の映画)

3.4

とある質屋を起点に様々な物語が展開する豪快で爽快なコメディ。何ともふざけた展開だけど、錚々たるキャストの異様な吸引力と、先の読めない展開になぜか引き込まれていく。だけど結局ついていけなくて、というかそ>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.4

幸せな家族が新たな一軒家を建て、幸せな生活のなかで、徐々に不穏さを感じながらその真相に迫っていくスリリングな展開と、幸せなマイホームにじっとりへばりついてい来る違和感と、一気に回収しながら追撃してい来>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

山奥の村の強大な権力を持つ一族の後継者問題を巡る奇怪サスペンスであり、ゲゲゲの鬼太郎の文字通り誕生の物語。戦後とは何だったのかをじっくりと描きつつ、その壮絶さと欲深さとえげつなさを巡る残酷な物語と、だ>>続きを読む

月影の下で(2019年製作の映画)

3.4

連続殺人事件を追う刑事の迷い込むスリリングな展開と、壮大なSFらしい設定とそれゆえのコンパクトな展開の奇妙なバランスが迷い込む刑事の執着は見事。犯人の謎に迫っていく展開と、9年の間隔と刑事の執着をもう>>続きを読む

ブライトバーン/恐怖の拡散者(2019年製作の映画)

3.4

子供ができずに悩んでいた夫婦のもとにやってくる赤ちゃんと、その子の成長と共に徐々に明らかになる異様な能力と、思春期の少年の複雑さを交えながら、圧倒的な破壊力と、何気ないキュートな少年の無邪気さの対比が>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.8

呪いとVRの交錯するあっちとこっちの入り乱れていく展開はスリリングで、迫りくる赤い女と徐々に判明していく、いかにもな展開だけど悪くない。終盤のテンポよく襲われていく感じと、その強引な帰結のいかにもな軽>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.5

目の前で女性が自殺し、逃れられない何かの呪縛に巻き込まれていくローズの現実なのか幻覚なのか夢なのか、その虚実入り乱れていく中で着実に忍び寄ってくる何かのスリリングで緊迫感の続く展開と、徐々に落ちていく>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.3

これぞ名作。クラリスとレクター博士の軽妙でスリリングなやり取りは何度見ても目が離せない。強烈な猟奇殺人すら霞むアンソニー・ホプキンスの圧倒的な存在感と魅力に引きずり込まれる。すべてを見通したレクター博>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.6

オリジナル版の異様なテンションをそのままに、岡田准一と綾野剛と柄本明の入り乱れる展開はそれだけでも迫力がすさまじい。いろいろどうでもよくなるほど疾走感にあふれたそのどうしようもない展開は見事だし、もは>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

4.2

宇宙飛行においてソ連に先を越されたアメリカのマーキュリー計画真っ只中で活躍する3人の黒人女性のまるで映画のような物語。人類が宇宙に旅立つそのさなかにおいて黒人であること、女性であることがこれほどまでに>>続きを読む

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.6

シリーズ2作目。前作に続き音に反応して襲いかかってくる何かから身を潜め、荒廃した世界で赤ちゃんを連れて生き残らなければならないサバイバルの緊迫感は見事。怯えながらも立ち向かおうとする子どもたちの成長と>>続きを読む

アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.3

シリーズ7作目。亡き父への思いから封印されたアナベルを開放してしまうところから一気に変容する怒涛の展開に思わず竦む。シリーズに通じた王道的展開と安定感は間違いが、ダニエラの行動はもはやちゃんと物語を展>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.6

シリーズ8作目。再びウォ―レン夫妻が巻き込まれていく殺人を犯した青年のために真実に迫ろうとする展開で、相変わらずの安定感と王道的展開に加えて、裁判への展開の実話ベースの妙は見事だし、真相に徐々に迫って>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.8

人里離れた山奥の家に突如現れ強引に侵入してくる謎の4人組と、聞けば聞くほど怪しすぎる話と、正常とは思えない謎の焦燥感と、もはやどう見ていいのかわからない導入と、もはや気がつけばシャマランの手のひらの上>>続きを読む

インクハート/魔法の声(2008年製作の映画)

3.4

本の世界と現実世界をつなぐ能力を持つモーが物語の世界の住人を現実に呼び出してしまうファンタジー。いろいろ強引だけど序盤からファンタジーなので、その不思議な世界観とかそこから広がっていく展開とか、本であ>>続きを読む