camusonさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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めし(1951年製作の映画)

3.0

サラリーマンの夫のために「めし」をつくる主婦業に嫌気がさして、
実家に帰って、数日間、ごろごろして、頭が冷やされてきたところに、
夫が迎えに来て、元の鞘に収まるという、
まあ、言ってしまえば、たわいも
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.0

非情に、厭な後味の残る、快作ならぬ怪作ですね。
作者の狙いどおりだと思います。

冒頭、荒野でおばちゃんが変な踊りを踊り出したのには、
どうしたものかと思いましたが、
これが後で、どすんと効いてきます
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CUBE(1997年製作の映画)

4.7

ファイナルエディションをレンタルDVDで見ました。

削ぎ落とされていること。研ぎ澄まされていること。
この二点において、質の高さを感じさせる作品です。

90分程度と比較的短い作品ですが、
濃密な緊
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松ヶ根乱射事件(2006年製作の映画)

4.4

冒頭にて、脚色はしているものの、
事実に基づいた作品である旨、字幕で示されます。

木村祐一、川越美和周りの設定は、
面白くするための捏造と思われますが、
話は嘘臭くても、
流れている空気にリアリティ
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

4.2

予備知識ゼロで見ました。

1987年、チャウシェスク政権下という設定。

学生寮らしきところに住む20代前半?の女子学生二人(ルームメイト同士)が、
なにやら泊まりがけで出掛ける支度をしているところ
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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

4.6

前知識ほぼなしで見ましたが、
お話としては、
女子高校生4人の急造バンドが、
高校文化祭で、
ブルーハーツの「リンダ リンダ」を披露しようと、
猛練習したりするという、
知っていたらスルーしてしまいが
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おろち(2008年製作の映画)

1.5

梅図かずおの原作漫画は小学生のころ、
たぶん1巻だけ読んだのだと思います。
他は忘れてしまいましたが、
「姉妹」のエピソードはトラウマ的に強烈に記憶に残っています。

さて、本作品についてです。
暑い
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.4

戦国時代。
人が集まる町では、節度ある町民たちによって、
繁栄が保たれているものの、
農村は落ち武者の襲撃に会い、
道中は賊が跋扈する混沌とした世界設定。

時代の動乱の中、農村に暮らしながらも、
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

3.0

小豆島の豊かな自然と、そこに住む人々の生活風景が、
時間をかけて選び抜かれたであろう美しい構図で、
フィルム状態が非常に悪い中にも、精細に写し撮られていて、
思わずため息がこぼれます。

しかし、長い
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.0

主人公の自動車泥棒が、追ってきた警官を銃殺し、
指名手配されながらも、ほれた女を口説いて、というような話。

序盤、主人公が車に乗って悪態ついてるところは、
時代と国を隔てても、なんら変わらないものだ
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それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

4.3

痴漢冤罪の現状に基づくフィクション作品。
日本の刑事裁判システムの歪みが痛いくらいに示され、
2時間半という長さを全く感じないくらい、引っ張り込まれました。

非常に興味深いけれど、見ていてあまり楽し
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.9

悪魔に取り憑かれた少女がスライムを吐いたり、
逆さ蜘蛛歩きをするシーンは、あまりにも有名です。
私もそのイメージしかなかったので、
古典としてきちんと見ておくべきだなと思った次第です。

イラクの遺跡
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

3.7

早稲田松竹で同監督作品を3本立てでやっていたのですが、
さすがに勤め人が平日に3本は無理なので、
21:00 からラスト1本の本作のみ見ました。

前情報がない状態で見たのですが、
白黒映画で、かつ、
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デビルマン(2004年製作の映画)

1.5

評価の低い作品と聞いていたので、
駄目さ加減を楽しんでやろうという邪心を抱きつつ見てしまったこと、
あえて否定はしません。

原作の漫画も読んだことですし、準備は万端です。


さて、結果ですが・・・
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マーズ・アタック!(1996年製作の映画)

3.2

UFOで地球にやってきた火星人に対して、
平和的な交渉を試みようとする米国大統領(地球代表)。
それを見透かした火星人と、地球人が繰りなす
ドタバタコメディ(死者多数)です。

冒頭の馬が走ってくる映
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

3.0

原作「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」は未読です。

2011年3月11日に発生した福島第一原発事故を題材に、
当時の現場の対応の様子を再現した作品。

序盤、地震が起こってから、
想定外のこ
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アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場(2017年製作の映画)

3.5

2017年のフィンランド映画。amazon prime video視聴。
原作小説は未読です。原作は1955年と1985年に映像化されていますが、
いずれも未視聴です。

1939年にソ連がフィンラン
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バトルフィールド クルーティの戦い(2019年製作の映画)

3.0

2019年のウクライナ映画。amazonプライムで視聴。

1917年。ロシア帝国の崩壊を受けて、
ウクライナはウクライナ人民共和国として独立したものの、
翌1918年にソビエト軍に侵攻されることに。
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赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

4.3

1933年。世界恐慌末期。
資本主義のオワコン化が叫ばれる中、ソ連のみが景気が良く、
工業化への潤沢な投資が世界の注目を集めていました。

過去にヒトラーにインタビューした特異な経験を持つ
フリーラン
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ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

4.5

2013年から始まったウクライナのマイダン革命を扱ったドキュメンタリ。
SNSによる呼びかけから始まった平和的な市民デモが、
数か月のうちに市民の死者が100名を超える弾圧に発展していく様子が、
当時
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ウクライナ・クライシス(2019年製作の映画)

3.2

今回のロシアによるウクライナ侵攻の理解を少しでも深めるために、
鑑賞することとしました。

2014年のロシアによるクリミア併合の余波は、
同年のうちにウクライナ東部2州にも及び、
ウクライナ政府と親
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牛久(2021年製作の映画)

4.0

制限時間が設けられたガラス(アクリル?)越しの面会の映像が、
収容者の名前以外にはほとんど説明が付け加えられることなく、
複数の収容者が切り替わりながら、延々と流され続ける構成なので、
劇場という拘束
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浅草キッド(2021年製作の映画)

4.2

2021年公開。netflix製作配信の映画。
原作未読。


テレビでのお笑いバラエティの台頭と演芸の町浅草の衰退。
それを背景にした人々の営みが、
ビートたけしの下積みから成り上がりまでの半生を通
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

アメリカのとある海辺の町に住むCODAである女子高生主人公の
カミング・オブ・エイジ・ストーリー(成長物語のことらしい。便利だ)。

主人公がCODA(聴覚障碍者の親の元で育った健聴者の子供)であるこ
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

4.3

主人公の男が、人違いで謎の組織から命を狙われる羽目になりながらも、
保身のために立ち回り、謎に迫っていくというサスペンスです。

豪華で壮大な展開と、細かくちりばめられたユーモアが絶妙です。
主役のケ
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柳と風(1999年製作の映画)

4.0

子供の頃は、些細なことが、当人にとっては一大事。
狭い視野での思いこみや、甘い判断も、
大人になってふり返ってみれば、いい笑い話になったりするものです。

本作品は、そんなテイストで話が進みながらも、
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空気人形(2009年製作の映画)

4.5

業田義家の原作漫画は未読です。

都市生活者達の孤独な営みを、
鮮やかに、やさしい光で映し出したところに、
心動かされました。

何かを押しつけがましく主張せずに、
静かに感じさせる作品は好きです。
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父、帰る(2003年製作の映画)

3.0

何故か12年ぶりに家に帰ってきた父親が、
二人の息子と一緒に車で旅に出かけるロードムービーです。

なんとも、とらえどころがない印象を受けました。

父親は、旅を通して、12年間のブランクを埋めるべく
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告白(2010年製作の映画)

4.4

中学校を舞台にしたミステリィ作品です。

女性教師の告白(というか、むしろ告発ですが)からはじまり、
序盤で、教師の娘を殺害した生徒が確定します。
残り時間どうしたものかと要らぬ心配がよぎりますが、
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

4.5

1993年、ソマリア、モガディシュの戦闘を描いたノンフィクションの映像化です。

米軍の精鋭特殊部隊が、ソマリア反PKO勢力の主要人物2名を、
30分程度で素早くスマートに拉致しようとしたものの、
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

4.2

作品の感想の前に、この作品に出会うまでの経緯を少しばかり。
私が高校生の頃ですから、もう20年以上前になりますか。
なにか軽めの読み物の何気ない引用で、
人の眼球を剃刀で切る映画があること、撮影には葡
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.2

冒頭、銀河系同士が、主人公の命運について会話するシーンが、とても斬新です。
この掴みで、コメディとして安心して作品を楽しむことができました。

タイトルからしてストレートですが、中身も名前負けしていま
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ロフト.(2008年製作の映画)

4.0

マンションの最上階にあるおしゃれ空間(ロフト)を、
マンションをデザインした建築家と知人達(既婚男性5人)で共同所有し、
各々が好きな時に浮気部屋として活用しておりました。
ある日のこと、ベッドの上に
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彼岸花(1958年製作の映画)

4.5

夜中の1:00からの鑑賞だったので、
途中で眠る可能性が高いと思っていたのですが、
そんなことはまったくなく、
とても楽しい2時間を過ごすことができました。

ありふれた日常の中に、人の営みの不思議さ
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es [エス](2001年製作の映画)

3.5

1971年にアメリカはスタンフォード大学心理学部で行われた監獄実験を素材として、
エンターテインメントへの昇華を狙った作品です。

実験の内容は、新聞広告で集めた被験者を看守役と囚人役に分けて、
2週
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.4

病院で余命を告げられた男二人が、死ぬまでに一度海を見ておこうと、
車を盗み、金を盗み、警察やギャングの追跡をかわしつつ、
突き進むロードムービーです。

非常にシンプルな筋書きですが、コミカルな味付け
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