映画は各々様々な価値観、感性を持つ人が観るものだが、この映画の脚本はほぼ全ての鑑賞者に不完全燃焼感を覚えさせることだろう。名声主義ではないのだが、そもそも原作も一般女性がネット公開したものであり、>>続きを読む
伊藤計劃が好きということで、鑑賞。原作の映像化は、原作に忠実し過ぎても、離れすぎても批判を浴びるが故、製作側もまたは鑑賞する側も何かとその作業が難しいのである。そもそも伊藤計劃は小説のディテールが>>続きを読む
恐らく見慣れないカメラワークや、優れた脚本、鑑賞してピリピリするような俳優陣の演技によってそれなりの万人向け且つ高い評価を得る作品なのだろう。
だが、長回しは特に必見なポイントではない。長回しをよ>>続きを読む
脚本はあるが、映画そのものが観客に脚本を理解させるつもりがほぼ皆無に等しいのである。しかし、そのような滅茶苦茶に進むストーリーとどこまでも鋭く尖った構図の組み合わせは一つの映画の完成形として評価で>>続きを読む
今では世界的な監督であるコーエン兄弟の興行的に失敗し、さらにカンヌのコンペディションでも「パルプ・フィクション」に敗れたという作品。
が、しかし内容は非常に良い。俳優、脚本、カメラ割りなど、良>>続きを読む
反復、カット、ラストが衝撃的であった。ジャ・ジャンクー当時32歳、世界に存在感を示すには充分過ぎた作品である。蓮實重彦も絶賛していた。欲を言えばもう少し爪痕を残すような作品にして欲しい、というのは、い>>続きを読む
この映画を見たときある感覚を覚えた。それは安部公房の小説を読んでいるときに湧いてきたもの非常によく似ていた。(もちろん、ディテールをこの映画は排除している)
小説が嘘であるように、映画もまた嘘である。>>続きを読む
鑑賞前、予告編を見る限り「散歩する惑星」の泥のように纏わりつく不安と「愛おしき隣人」の笑っていい笑いの安心感がミックスするような映画かと勝手に思っていた。その為、完全に肩透かしを食らってしまった>>続きを読む
この映画は一晩のサーカスショー及びその僅かな前後をまざまざと見せつけられる作品であり、我々はサーカスの鑑賞者になるしかない。が、画面に映る観客もまたタチによって完璧に指導された俳優たちである。いわ>>続きを読む
ジャックタチ映画祭にて。
ただ楽しむだけならまだしも、芸術性も兼ねた映画では金輪際存在し得ないであろう傑作。観る方はただの鑑賞者であるが故楽であるが、創作者の苦労はとても計り知れない、これが完璧主義者>>続きを読む
全体を通して、「ソウ」のような難しい伏線はなし。「ジェイソン」のような絶望感を与える敵もなし「死霊のはらわた」のようなド級のグロデスクもなし。'中途半端'というレビューはそのためなのかも。代わりにシガ>>続きを読む
初めて小説を読んだ時、摘むページ一枚一枚がザラつく感覚に襲われた。そしてこの作品を見て酷く喉を掻き毟りたくなった。安部公房は脚本も担当しており、彼の意向もあったのだろうが、執拗な程の「砂」の描写に>>続きを読む
蔡明亮の劇場映画引退作@イメージフォーラム。
観た者にしか与えられない、そして言葉にし難い「何か」を宿している作品。この'言葉にし難い'という表現は、監督からすれば最高の褒め言葉なのかもしれな>>続きを読む
映画を愛する人が映画を愛する人々のために、製作された映画。構図やストーリーなど、文句の付け用もないほど素晴らしい出来であり、評価することすら許されるのか甚だ疑問である。
三船敏郎を食ってしまうほどの存在感を見せた(そうなるように撮ったというほうが正しいのかもしれない)千石規子に最大の賛辞を送りたいと思います。
ソフィア・コッポラは異性の家族との確執を描く印象があったが、今作はその修復なるものが一つのテーマとなった。また、構図が良くなったことは言う間でもない。
ラストシーンは秀逸。