Cumaさんの映画レビュー・感想・評価

Cuma

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リトル・エッラ(2022年製作の映画)

3.8

心穏やかになりたいときに観る映画💐
やさしい世界が可愛らしいコントラストで描かれる。

大人の世界、子供の世界、それぞれの事情の中でどこまで人に優しくできるか。

特に深く心に突き刺さるわけではないの
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.1

アイスランドの雄大な自然と、ダゲレオタイプの写真と、神の存在。

デンマーク人牧師が、アイスランドに教会を建てるために、現地のガイドとともに自然の中を進んでゆく話。

自然や動物たちが美しく撮影され、
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

科学は世界を変える力を生み出し、力を使う人間が世界を変え、発明者にその責はあるのかという話。

音で比喩されている重圧を振動で感じられて、劇場で観てよかった。美しさと悍ましさを混在させたような原子分裂
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.9

ロブスターになりたい。

共感性のグロテスクさ、縛られた世界の生きづらさ、孤独も共生も選ばないこと。

自由を手に入れる窮屈な物語。
エンドロールがとても良い。

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.1

何度でも魅入ってしまう世界観。

映像美術もさることながら、ストーリーも重厚でラストが良い。

会話なく淡々と進められていく情景が、惑星を俯瞰して観察しているような気分にさせられる。

いつ観ても惹き
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.1

積み上げてきたものを深く潜って見つめ直したときに、慈しめるような人生を送りたい。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

胎内を通ってゆくような物語。
場面に合わせた音が全て好きだった。

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.7

絵本をめくっているような演出と、パントマイム、模型、演技で使い分けるネズミの表現が良い。

フレンズ/2匹は友だち(2014年製作の映画)

4.0

版画のような美しいアニメーションで、デザインもよい。簡潔だが話も良い。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

舞台外の階段で、向かい合って、モノトーンの雪が降るなか煙草を吸うシーンが天国のようでとても良かった。

見せ場というべき内容を、劇中ではなくあのシーンで台詞のみで(しかも無かったこととして)描かれた表
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虹をつかむ男(1996年製作の映画)

3.8

徳島県はうだつの町、オデオン座に訪れる機会が出来たために鑑賞。

就職に失敗した東京の若者の亮が、家を飛び出し放浪しながら辿り着いたのがこの町。

古ぼけた映画館の館主の熱い男、活男と出会い働き始める
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About you(2021年製作の映画)

3.6

黒板に描かれたみたいな柔らかい温もりの線が好き

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.9

物語の流れがとても好きで、演出がそれにマッチしていた。良い短編。

(2023年製作の映画)

3.8

見えないものを中心に展開される話を引き立てる映像演出に惹き込まれる17分間。

白鳥(2023年製作の映画)

3.7

本のページを捲るような演出が、少年を主題とした話に合っていて良かった。

キャラクター(2021年製作の映画)

3.6

警察の数多くの不手際は「神奈川県警だから」で全てまかり通る。

しかし、主人公の最後の動きがおバカ過ぎてちょっと印象悪くなった……。でも、キャラクターごとの心理描写に惹き込まれる一作。

江野スミの絵
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去作の何か薄めたような幻灯がただただ浮かび上がる、夢を見ているような映画だった。

アニメーションへの感動はあれど、作品としての芯は感じられず、宮崎駿が生きて老いた先に生まれた意匠の存在しない一作。
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5

メンヘラ殺人マシンがオーバーキルするトラウマ映画🔪

街外れの寂れた牧場、厳格な母と全身麻痺の父、戦争から帰ってこない夫、そしてスペイン風邪の流行により、途方もない閉塞感に包まれる主人公の世界。

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犬も食わねどチャーリーは笑う(2022年製作の映画)

3.5

ストーリーはそこそこ苦手だけど、カットと独特のテンポが好き。夫婦ふたりの役者がいい。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

冬の寝台列車の一人旅。
哀愁と静かな高揚が映画のなかに飽和している。

見知らぬ土地での薄暗い明け方。
街灯の光がぼやけていく様子。
車窓から流れていく景色。

寂しい冬の空気と一人旅の、あの静かな高
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

物語をもたない、何者でもないガウェインが「主人公」になるまでの十四世紀の物語。

音楽が壮大で、それだけで物語が成立するほどしっかりしていて良い。映像も時代に伴う重厚感がある。

物語はそれらを感じさ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

東日本大地震がテーマということで鑑賞した。必要あるのかな、というシーンがちらほらあったように感じる。重いテーマを扱っているからこそ絞って掘り下げて欲しかった……。

見た後に特に何の感情も残らないエン
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.9

完璧を破壊する願望の話かと思いながら見ていたが、意思の持てない幸福からの脱却の物語だった。

「これ以上の生活はない」との台詞も作中に出てくるが、そこから逃げたくなる気持ちには共感できる。

立場も周
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ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

4.0

ブエノスアイレスから香港へと帰れなくなった二人を主人公に、猛々しい生と激情の愛が描かれる。

滝の轟音
寒空の橋の上
積み上げられる煙草の箱
ラジオに吹き込まれる声
牛の解体と血
香港の夜景

全ての
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

最初は「何てつまらない自慰を見せられているんだろう」と耐えかねそうだったが、後半はなんだか癖になる間の悪さだった。

中途半端に説教的で象徴的なのがよくなく、美しい余韻はない。

家族と愛情とエゴイズ
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(2022年製作の映画)

3.8

人生の中間地点から見た、自分の行く末と過去とこれからの話。

おじさんコレクションが良かった。

誰もが平等に未来にしか向かえないし、歳を取るということが描かれてる。

描かれる濡れ場も丁寧で、それぞ
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