アルバスさんの映画レビュー・感想・評価

アルバス

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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

2.9

全体として、のっぺりとしたストーリー。
前半の密度の高さに対して、後半は少し密度が低いと感じる。

映画の尺のためか、細かな場面がカットされている。ちょっと何か物足りない。

原作とは別のエンディング
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

毎日は平和だけど、何かが欠けている。
平和だから、何かが決定的に欠けている。
そんな言葉にならない日常の欠損感を描き出す一作。

何が現実で、何が虚実か。

何が正義で、何が悪か。

何が私で、何が私
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.0

これぞseed。
昔からのファンをごそっとさらっていった。
あぁseedが帰ってきたなぁと感じる。

MSが画面いっぱいに動き回る。
4DXでこれは観たい。

ファン感謝祭とも言うべき作品。
ありがと
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傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

3.3

ぶっ飛んでる。
何かもすっ飛ばして駆け抜けていく。
そして終わりは静かに引いていく。
それが良い。

都合の良い結末なんてあるわけないじゃんと言いながらも、どこかで希望を願うような物語シリーズ。

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

これほど豊穣なひと時があるだろうか。
路傍に佇む誰か。
その人々が刻む一瞬は滋味深い。

この世界の見えているのに見えていない部分に目を向けさせてくれる映画。

静けさが映画を包み、影を落とす。
だが
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.3

鑑賞後に言い知れない気持ちが押し寄せ、涙した。

溥儀が切実に求め、愛するものは皆、静かに奪われていく。
他者が欲しい溥儀の姿に不要だからというただその理由のみで奪われゆく。
そして人が求める鋳型へと
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.9

私たちは何を得て、何を喪っているのだろうか。
そして今、人間であるとはどういうことか。
そんな問いが聞こえてくるような一作。

AIロボットの眼差しを通して見えてくる記憶への問い。
AIと人間を隔てい
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ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.5

テンポが良く、飽きずに終始楽しめる。
ファンが求めるミニオン像によって評価は分かれそう。

個人的には単純だけど、可愛らしいところにクスッとさせられ、楽しく鑑賞できた。

カメラワークや演出もすごい。
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繕い裁つ人(2015年製作の映画)

4.0

仕事をすれば、
誰もが自分に問いを向けずにはいられない。

自身の在り方に疑問がふっとわく。
それは当然の過程だが、苦しくもある。
そんな苦しさを抱える人に寄り添う一作。

祖母から継いだ南洋裁店。
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

2.9

恐竜の迫力ある姿を愛でる映画。
いいですよね、恐竜。
こんな生物がいたんだなってロマンを感じられるので。

ストーリーはいつも通り。
エンタメとしてぐっと楽しめる。
あー、ジュラシック・ワールドの世界
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アルピニスト(2021年製作の映画)

4.1

マーク・アンドレ・ルクレール。
彼の名前を忘れることはできないだろう。

たった2年の撮影期間に、
どれほどのことを成し得たのか。
一人間として、驚くばかり。

しかし彼は成し得たことに、
興味はない
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.8

あるレストランの熱くも苦い一日を描く。

料理人から立ち上るもの。
それが観ているこちらを熱く、煮えたぎらせる。

予定調和なんて、一つもない。
全てが無軌道に動き、
レストランの内側を混沌とさせる。
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.3

人を突き動かすものを、
言葉で言い表すことなどできない。

自分の奥底からふっと湧き立つもの。
それに理由もなく、導かれていく。

その人間性を際立たせる山の表情も様々な表現で魅せてくれる。

山々の
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リフレクション(2021年製作の映画)

3.2

これが戦争の内側である。

外側にでる加工品ではなく、
これが戦時下の日常であると思い知らされる。

そして人が壊れていく様を、
これでもかとカメラで映し出す。

観ているこちらが目を背けたくなる。
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アトランティス(2019年製作の映画)

3.8

戦争を一度その身に刻むと、
再び日常へは帰れない。
PTSDをまざまざと描き出す。

薄曇りの灰色の世界。
主人公の生活から色は失われた。

静かにただ淡々と彼の日常を映す。
だが、その日常に鑑賞者は
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.3

ここじゃないどこかへ。

私じゃないわたしへ。

私は私を認めたくない。

私はわたしを受け入れられない。

私はわたしを拒絶する。

ユリアは多才であり、
可能性にあふれている。

だが多才であるが
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

人によって傷を負い、
人によって再び繋がりを取り戻す。

心臓が抉られていくような鮮烈な場面が続く。
いかに自分の目がヘイワだけを見続けてきたかをまざまざと実感する。

逃げるという選択肢しか、
その
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.3

かくて願いは叶えられた。

触れるだけが愛ではない。

触れないことで生まれる愛がある。

届かないその距離にこそ宿る温もりもある。

その距離に想いを馳せ、相手を慈しむ。

そうして過ごした日々は愛
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

ステンドグラスのような映画。

それぞれがもつ色や形を寄せ合い、
一つの美しい繋がりを紡ぎ出す。
そしてそれは明日を鮮やかに照らし出す仄かな希望であった。

人は人をそんなに簡単には信じられない。
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.4

恐怖。恐れ。または絶望。
それが自分の内側を暗く染め上げる。

劇場内も重苦しい空気に包まれていた。
劇場で鑑賞なさっていた多くは高齢者。

この先、自ら死を選ばなくてはないのか。
この先、生きること
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

3.9

車窓からのぞく景色に心奪われていく。
窓から差し込む夕闇の光。
広陵とした大地からのぞく曇り空。
夜の街を彩る鮮やかなネオン。
車窓の水滴にはじける光たち。

どれもなぜか愛おしくなる景色ばかり。
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.6

ただあなたと話がしたかったのだ。

シンプルだが、人間の大きな喜びの形。

人と交わる時、
自分も相手もメタモルフォーゼしていく。

関係性の中に喜びや哀しみが生まれ、
今までの自分とは違う自分を見出
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.0

こんなに気持ちの良い90分があるだろうか。
時に心が躍り、時にハッとさせられる。
こんなに豊かな時間はない。

映画創りを通して、
人生の本質が語られる。

私たちの生は選択の連続に迫られている。
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歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡(2019年製作の映画)

4.3

人が物語を創り出すのではなく、
その土地が物語を紡ぎ出す。
そんな言葉が浮かぶ映画であった。

チャトゥウィンの生は、
純粋な好奇心によって突き動かされていた。

たった一つのものに、
広大な物語を見
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

3.3

一つの何気ない出来事が、
本当に日常にある一つのことが、
その人の行く先を変えてしまう。

職が得難い時代に、
ようやく手にしたものが、
小さなことで失われていく。

私たちの誰もがもつ願いを男は持っ
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一命(2011年製作の映画)

3.4

誇り、大義、矜持。
どれも誉れ高く語られてきた。

だが声高に叫ぶその内側はどうか。
真を知り、実を伴ったものなのか。

人は誇りや大義が大好きだ。
過去もそうだが、
今も変わらない。
そしてこれから
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.1

人は直線的に生きたいと願うが、
そうは生きられない。

曲線を描きながら、
ゆっくりと人生を描き出していく。

やりたいことがある。

それは素晴らしいことだろう。

だがその思いとは裏腹に、
二の足
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.9

ハケンを目指すその先にあったもの。
そこに仄かな光を感じる作品。

私もアニメに育てられた人間の一人だ。
小さな頃から沢山の作品に、
たくさんのものをもらってきた。

そのアニメに、
万感の思いをこめ
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

正しい在り方とはなんだろうか。

今の世界は「自由」に生きることを推奨しているように見える。

けれど、本当は「この在り方」が「正しい在り方です」という型がそこかしこにある。

自由なようで、自由では
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.2

他者との「信頼」、
そして、「強さと弱さ」。
ウルトラマンという視点を通して、
よく描かれていた。

異星体と人間。
ウルトラマンと人間。
人間と人間。

疑いと信じることの狭間を揺れ動く。
私たちの
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.1

確かにここにいるのに、
私はここにいないと言われる。

私はどこにいるのか、
私は何者なのか、
私の存在とは何か。

自分の居所の無さに、
悩み苦しむ。

主人公は何重にも縛られている。
どれだけ足掻
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杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦(2022年製作の映画)

4.2

地とともに。
植物とともに。
空とともに。

全ては循環というキーで繋がっている。
ある一点が崩れていけば、
連鎖的に他も朽ちていく。

人と自然構造は相似している。
呼吸と風。
水と血。
その循環。
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.3

人はみな、孤独である。
そしてその孤独に蝕まれ、
自らの本質が剥き出しになる。

人間の理性の下に眠るものが現れる瞬間、
それは強烈な火花となって発露する。

だが過ぎ去れば、
そこに残るのは虚しさで
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たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

4.1

ただ何気ないひと時を愛す。
そのひと時をある人は憐れみに伏す。
その人にとっては愛おしさに溢れた時間でも。

人は理解できぬものを切り捨てる。
人は己が理解できるものへと他者を型にはめる。
理解されえ
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