スラバヤさんの映画レビュー・感想・評価

スラバヤ

スラバヤ

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復活(1915年製作の映画)

4.5

ウィリアム•シアーの投げたタバコが引火して船上が火だらけになる滅茶苦茶さ。復讐するは我にあり、幽霊。モンタージュの距離が離れすぎているのに、簡単に繋ぎ合わせてしまっているのに驚き。ラストの乱闘の階段落>>続きを読む

路上のライオン(1953年製作の映画)

4.5

群衆が一斉に祈る瞬間と、マッキンタイアの死体を持ち上げて運ぶ行動の途切れなさ。暗闇の中結集する人々の不気味さ。ラジオから流れるノイズ。ギャグニーの唸り。白熱とどっこいどっこいのサイコ野郎でびびった。最>>続きを読む

私の彼氏(1947年製作の映画)

4.0

アイダ•ルピノの背中から入る歌唱シーンや、クラブでのクラッカー、階段でのサスペンスは良い。オーナーがタバコを投げ捨て、バーテンが退いて、手下の老人が入る一連の行動の滑らかさ。映画的には臨界点不在の緩さ>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

5.0

映画という制限された中で、張り詰めた遅さと、一瞬の決着をどうやってつけるか。

廃墟の群盗(1948年製作の映画)

4.5

ロングで撮られた馬の隊列がどんどんと横へ広がっていく際の興奮。映さない銃撃戦も良い。ちょっと丁寧に撮られすぎていて、魅力的な悪役も居ないのが不満。ウィドマークは夢を追っているだけだし、さほどの悪党では>>続きを読む

女ガンマン・皆殺しのメロディ(1971年製作の映画)

5.0

ロバート•カルプとラクウェル•ウェルチが並んで砂浜を歩く際の夕焼け、素晴らしい。燃える家とのショットや海岸を走ってくる敵、ロングのショットの的確さ。クレジットの演出。

モホークの太鼓(1939年製作の映画)

5.0

この陰惨さ。ギデオンの殺人鬼といい、ジョン•フォードは不穏だ。

怒りの河(1951年製作の映画)

4.5

インディアン襲撃の矢や、賭博場での机返し、銃の叩き落としなどのいきなり始まる暴力描写が凄い。ジェームズ•スチュアートの幽霊化や、アーサー•ケネディの度が過ぎる暴力(パイプ撃ち落とし、逃走者追撃)も素晴>>続きを読む

シャロン砦(1955年製作の映画)

4.0

確かにシネスコで撮られるインディアンの包囲やヴィクター•マチュアの縄投げ、国旗を追ったパンアップからの隊列など素晴らしいんだけれど、それが活劇として面白いかは微妙なところ。籠城戦なら流血の谷の方が洗練>>続きを読む

馬上の男(1951年製作の映画)

5.0

アレクサンダー•ノックスがカッコ良すぎる。暗闇での銃撃戦、牧場での位置関係の明瞭さ、画面手前で弾け飛ぶ物体。全員が転がり落ちる殴り合い、全壊する小屋。

ハッスル(1975年製作の映画)

4.5

レイノルズとドヌーヴが喧嘩する際の荒々しい揺れ、あんなに禍々しい争いは滅多にない。ポルノムービーを観て泣くベン•ジョンソン、生きるための浮気を告白する妻、善も悪もないと言っておきながら私情に逆らうこと>>続きを読む

脱獄の掟(1948年製作の映画)

5.0

クレア•トレヴァーのモノローグが劇伴も相まって呪詛のような響きを獲得している。ライトに照らされるトレヴァー、森での焚火とロングで警官を捉えたショット、包囲網を影そのものとなって組み立てる警官、湖を背に>>続きを読む

パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

5.0

ロングショットからの爆破→アップ→引きの繋ぎがぎこちないなぁと感じていたら、カットを割る、と言う行為自体の不穏さを暗殺者適正検査映像で見せつけてくる凄さ。飛行機内での分裂的に揺れるカメラ、その後の揺れ>>続きを読む

悪の対決(1955年製作の映画)

5.0

逮捕命令での控えめな撮影は何だったのかと思わせるほどのジョン•アルトン。脅迫者の影、テッド•デ•コルシアの影。アーレン•ダールのライター炙りや銛、姉が絶体絶命になってる際のニーソ投げ。テッド•デ•コル>>続きを読む

ララミーから来た男(1955年製作の映画)

5.0

ジャック•イーラムが屋根から襲撃する所も凄いし、とんでもないカス息子であるアレックス•ニコルとの銃撃戦で手を撃たれる所も凄い。親父が耄碌しかかっていて、夢を恐れて追い返そうとするという反オカルト的な要>>続きを読む

ジャッカー(1988年製作の映画)

5.0

風車、工場の回転機械と生々しい物質の存在感。暗闇の中稼働音のみが響き、ロイ•シャイダーの耳はそれすら通さなくなる。アダム•ボールドウィンの動物を轢き殺す感触についての話や、車に当たって死ぬ虫の話、警察>>続きを読む

裏切りの密輸船(1958年製作の映画)

4.0

冒頭の警官刺殺の小気味良い編集から、居酒屋でのキス、ボートを差し押さえられて苦難するオーディ•マーフィーとやって来るエヴェレット•スローンを同時に捉えたショットや、ボートを動かすマーフィーとギータ•ホ>>続きを読む

A Time for Dying(原題)(1969年製作の映画)

5.0

蛇を撃ち抜き、まるでその怨霊が取り憑いたかのように不運に会うリチャード•ラップ。自らの銃の腕を披露するためにボブ•ランダムのポスターを撃ち抜き、死神を呼び寄せる。帽子が飛び交う中店の女たちが出迎えるシ>>続きを読む

逮捕命令(1954年製作の映画)

4.5

長机を蹴り上げて盾にし、銃撃を防ぐ鮮やかさ。それまで殆ど大きな移動をしなかったカメラが突然逃げるジョン•ペインの身体を追って走り出す。ダン•デュリエが納屋の中で自分の情報を売ろうとした手下を撃ち殺し、>>続きを読む

コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

5.0

物を投げ、恋人を追い出し、刑務所から追い出されるスタンリー•ベイカーがついには液体を口の中から出し、現世から追い出される。天からの視点からも追い出され、刑務所がその行き先として示され、輪になって続く隊>>続きを読む

ジュデックス(1963年製作の映画)

5.0

鳥の仮面で毒殺したり、異様に車のスピードが速かったり、壁をよじ登る遅さだったり、うっかり転落死したりと面白い。資産家がジュデックスの背後を取って殴りつける意外性なんて堪らないし、父さん、なんて笑わない>>続きを読む

夜歩く男(1948年製作の映画)

4.5

 リチャード•ベースハートのぬるっと滑り込む動き、内面が全く描写されず、目を開いた死体となるまで突き進む。2回に渡る住宅侵入のシーンも素晴らしい。すでに顔を知られているはずの雇い主に声のみで呼びかけ、>>続きを読む

高い標的(1951年製作の映画)

4.5

凄まじい蒸気。切符売り場に辿り着けるか、列車に飛び乗ることができるか、銃を盗めるか、気付かれずに撃てるか、足払いをできるか、敵に追いつけるか、距離のサスペンス。敵のキャラは弱い。美容師は嬉々としながら>>続きを読む

ベルリン特急(1948年製作の映画)

4.0

怪人マブゼ博士を想起させる爆発、撃ち、当たる銃撃戦。ピエロ、首吊り、車窓から見える暗殺、ラスト、杖をついて歩く男が横切り、不穏さは決して解消されない。

13号待避線より その護送車を狙え(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

水島道太郎が女を追跡する2つのシークエンスはどちらも道筋のハッキリした正確なものにはならない。芦田伸介の事故的な死、その漂う不穏さを予見している。

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

5.0

桜町弘子に掛かる後光。3度行われる結婚式、橋での対峙、目線が画面の外に弾かれ、そのまま内田良平を映す。大木実は初登場から瓶を叩き割り、内田良平の額を叩き割る。足元の動きのみで乱闘を示す特有の画面も健在>>続きを読む

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

4.0

面白いし、樽やダイナマイトでの破壊、深夜の銃撃戦と金塊探しのクロスカッティングは良いんだけど、敵役がしょぼすぎてなぁ。鞭打ちは見たかった。

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

4.5

長すぎるカーチェイス。化け物みたいな室田日出男。

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

4.5

黒沢清顔負けの暴力。雪原での執拗な包丁。アパートでの銃撃戦。飛び散る羽毛と血。岸谷五朗は顔と声からして幽鬼のような存在感を出している。大沢樹生の顔はあんまり好きじゃないんだけど、最後の薔薇を見つめる姿>>続きを読む

懲役十八年(1967年製作の映画)

5.0

画面の中で物体が動くことを制限し、それ故に浮き上がるそれぞれの輪郭が特権性を帯びる。まあそんなことは置いておいて、とんでもなくやるせない気持ちにさせられる映画。安藤昇も小池朝雄も環境が違うだけでどちら>>続きを読む

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)

5.0

石井輝男がやくざ刑罰史でオマージュしてたコインの早撃ち。ダン•デュリエが夫人の夫を追い込んで射殺する一連のシーンはまさしくサスペンス。ジェームズ•スチュアートが兄を射殺し、顔を俯ける余韻、人を殺すこと>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

5.0

もはや心霊的と言ってもいい人が消える描写。マシンガン、無音、霧。補聴器を利用した拷問、時限爆弾と簡潔に暴力を映し出す。リチャード•コンテの常軌を逸したサディスト演技も素晴らしい、あのパッと現れる不気味>>続きを読む

ゼイ・ウォント・フォーゲット(1937年製作の映画)

4.5

夫人が夫を窓越しに見る、クロード•レインズが夫人を窓越しに見る、記者が群衆を窓越しに見る。断絶の窓。列車の悍ましい走行、弾き飛ばされる布袋。クロード•レインズが本物のカス野郎を好演。被害者のドレスを高>>続きを読む

偽証(1947年製作の映画)

5.0

序盤と終盤の銃撃戦。椅子を盾にした戦闘。警察を異常に嫌悪するジョン•アイアランド、目撃者を社会が騒ぐから殺した、と言ったり女を躊躇なく撃ったりとアンソニー•マン作品に於ける精神病質者、極めて攻撃的で、>>続きを読む

平原の待伏せ(1953年製作の映画)

4.5

敵のキャラが滅茶苦茶薄いこと以外は完璧。ジャンプ力凄い。終盤全員が銃を持ち出してから陰惨さがパッと消えて娯楽にシフトする。ネヴィル•ブランドが出てきたからこれはやばいぞ、と思ってたんだけど、あっさり消>>続きを読む

インディアン渓谷(1946年製作の映画)

4.5

ウォード•ボンドの突然の襲撃、男女区別なく殺される襲撃といい素晴らしい。尋常じゃなく赤い空。酒場の喧嘩も相手が怪物のような男だからか瓶を頭に叩きつけたり椅子で殴りつけたりと半端じゃない。でも、普通に卑>>続きを読む

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