スラバヤさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

スラバヤ

スラバヤ

映画(102)
ドラマ(0)
アニメ(0)

逮捕命令(1954年製作の映画)

4.5

長机を蹴り上げて盾にし、銃撃を防ぐ鮮やかさ。それまで殆ど大きな移動をしなかったカメラが突然逃げるジョン•ペインの身体を追って走り出す。ダン•デュリエが納屋の中で自分の情報を売ろうとした手下を撃ち殺し、>>続きを読む

コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

5.0

物を投げ、恋人を追い出し、刑務所から追い出されるスタンリー•ベイカーがついには液体を口の中から出し、現世から追い出される。天からの視点からも追い出され、刑務所がその行き先として示され、輪になって続く隊>>続きを読む

ジュデックス(1963年製作の映画)

5.0

鳥の仮面で毒殺したり、異様に車のスピードが速かったり、壁をよじ登る遅さだったり、うっかり転落死したりと面白い。資産家がジュデックスの背後を取って殴りつける意外性なんて堪らないし、父さん、なんて笑わない>>続きを読む

夜歩く男(1948年製作の映画)

4.5

 リチャード•ベースハートのぬるっと滑り込む動き、内面が全く描写されず、目を開いた死体となるまで突き進む。2回に渡る住宅侵入のシーンも素晴らしい。すでに顔を知られているはずの雇い主に声のみで呼びかけ、>>続きを読む

高い標的(1951年製作の映画)

4.5

凄まじい蒸気。切符売り場に辿り着けるか、列車に飛び乗ることができるか、銃を盗めるか、気付かれずに撃てるか、足払いをできるか、敵に追いつけるか、距離のサスペンス。敵のキャラは弱い。美容師は嬉々としながら>>続きを読む

ベルリン特急(1948年製作の映画)

4.0

怪人マブゼ博士を想起させる爆発、撃ち、当たる銃撃戦。ピエロ、首吊り、車窓から見える暗殺、ラスト、杖をついて歩く男が横切り、不穏さは決して解消されない。

13号待避線より その護送車を狙え(1960年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

水島道太郎が女を追跡する2つのシークエンスはどちらも道筋のハッキリした正確なものにはならない。芦田伸介の事故的な死、その漂う不穏さを予見している。

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

5.0

桜町弘子に掛かる後光。3度行われる結婚式、橋での対峙、目線が画面の外に弾かれ、そのまま内田良平を映す。大木実は初登場から瓶を叩き割り、内田良平の額を叩き割る。足元の動きのみで乱闘を示す特有の画面も健在>>続きを読む

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

4.0

面白いし、樽やダイナマイトでの破壊、深夜の銃撃戦と金塊探しのクロスカッティングは良いんだけど、敵役がしょぼすぎてなぁ。鞭打ちは見たかった。

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

4.5

長すぎるカーチェイス。化け物みたいな室田日出男。

新・仁義の墓場(2002年製作の映画)

4.5

黒沢清顔負けの暴力。雪原での執拗な包丁。アパートでの銃撃戦。飛び散る羽毛と血。岸谷五朗は顔と声からして幽鬼のような存在感を出している。大沢樹生の顔はあんまり好きじゃないんだけど、最後の薔薇を見つめる姿>>続きを読む

懲役十八年(1967年製作の映画)

5.0

画面の中で物体が動くことを制限し、それ故に浮き上がるそれぞれの輪郭が特権性を帯びる。まあそんなことは置いておいて、とんでもなくやるせない気持ちにさせられる映画。安藤昇も小池朝雄も環境が違うだけでどちら>>続きを読む

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)

5.0

石井輝男がやくざ刑罰史でオマージュしてたコインの早撃ち。ダン•デュリエが夫人の夫を追い込んで射殺する一連のシーンはまさしくサスペンス。ジェームズ•スチュアートが兄を射殺し、顔を俯ける余韻、人を殺すこと>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

5.0

もはや心霊的と言ってもいい人が消える描写。マシンガン、無音、霧。補聴器を利用した拷問、時限爆弾と簡潔に暴力を映し出す。リチャード•コンテの常軌を逸したサディスト演技も素晴らしい、あのパッと現れる不気味>>続きを読む

ゼイ・ウォント・フォーゲット(1937年製作の映画)

4.5

夫人が夫を窓越しに見る、クロード•レインズが夫人を窓越しに見る、記者が群衆を窓越しに見る。断絶の窓。列車の悍ましい走行、弾き飛ばされる布袋。クロード•レインズが本物のカス野郎を好演。被害者のドレスを高>>続きを読む

偽証(1947年製作の映画)

5.0

序盤と終盤の銃撃戦。椅子を盾にした戦闘。警察を異常に嫌悪するジョン•アイアランド、目撃者を社会が騒ぐから殺した、と言ったり女を躊躇なく撃ったりとアンソニー•マン作品に於ける精神病質者、極めて攻撃的で、>>続きを読む

平原の待伏せ(1953年製作の映画)

4.5

敵のキャラが滅茶苦茶薄いこと以外は完璧。ジャンプ力凄い。終盤全員が銃を持ち出してから陰惨さがパッと消えて娯楽にシフトする。ネヴィル•ブランドが出てきたからこれはやばいぞ、と思ってたんだけど、あっさり消>>続きを読む

インディアン渓谷(1946年製作の映画)

4.5

ウォード•ボンドの突然の襲撃、男女区別なく殺される襲撃といい素晴らしい。尋常じゃなく赤い空。酒場の喧嘩も相手が怪物のような男だからか瓶を頭に叩きつけたり椅子で殴りつけたりと半端じゃない。でも、普通に卑>>続きを読む

私は逃亡者(1947年製作の映画)

5.0

夫を殺す婦人、不気味なトラックドライバー、悪趣味な冗談しか言わないボス、脱獄を朝礼だけで示してしまう簡潔さ。最後の顔、トゥーフェイスじゃない?

流血の谷(1950年製作の映画)

5.0

酒場に入り、ルイス•カルハーンに横槍を入れられる緊張感。意味のわからない悪意に晒される居心地の悪さ。喧嘩、流れ落ちる酒。集団戦の流れるような推移。ダイナマイト、ナイフ、あらゆる殺人の為の道具。無垢な子>>続きを読む

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

5.0

死体を隠すはずの川が正常な役割を果たさない。この機能不全という現象が映画を覆う。出版されるはずの原稿は送り返され、葛藤を描写されるはずのルイス•ヘイワードはそれを欠いている、そもそも2階の水道は修理さ>>続きを読む

散弾銃(ショットガン)の男(1961年製作の映画)

4.5

銃撃、逃げる人々、銃撃、逃げる人々のカッティングからして無茶苦茶。完全に西部劇な酒場のセットでお約束を全部済ませてしまう大胆さ。いきなりすぎる殴り合い。野呂圭介、江幡高志、郷鍈治の三人組ももちろん良い>>続きを読む

悪魔の街(1956年製作の映画)

4.5

菅井一郎の倦怠感の生々しさ。そんな身なりでばんばん人を殺すもんだから驚く。池反射、轢き殺し、投げ込み、死体と景色の放り出されてしまった禍々しい存在。終盤の工場での銃撃戦はまんま白熱だけれども、命中率は>>続きを読む

東京流れ者(1966年製作の映画)

5.0

省略の連鎖、川地民夫との対決はその結果すら飛ばされ、どこか分からぬ民家にて行きなり扉を破り飛び込んでくる。単色の背景。決着との連鎖。江角英明のサングラス、凶暴な赤。

港の乾杯 勝利をわが手に(1956年製作の映画)

4.0

全然勝利してない。まるで繋がってない駅の追跡シーン。芦田伸介は楽器を叩いたり、花を食べたりナイフを喉元に突きつけたり、催眠術をかけたりとキモすぎて凄い。競馬シーンのオーヴァーラップ。見つかっているはず>>続きを読む

暗黒街の美女(1958年製作の映画)

4.5

画質がとにかく悪くてちょっとショック。見れるだけ嬉しいのだけれど。位置関係がまるで無視された水島道太郎と白木マリの追いかけっこ、照明が割れまくる銃撃戦、近藤宏の狂気。芦田伸介が一瞬にして人質にされるさ>>続きを読む

暗黒の旅券(1959年製作の映画)

5.0

誰もいないホーム、マダムの顔に掛かるパーテーションの影、暗転と残される楽器、目線ショット、揺れるカメラ、劇伴の皆無さも合わさりとことんまで不気味。マシンガンのシーンの撫でるような射撃、崩れ落ちるボス、>>続きを読む

Tメン(1947年製作の映画)

5.0

潜入捜査のスリル、死地にいることの恐ろしさ。チャールズ•マックグローの顔が凄い。

無鉄砲大将(1961年製作の映画)

5.0

セットに人間を歩かせるんじゃなくて、人間を歩かせるためだけのセットを作る。顔のアップは時間を跨ぎ、電車を見送る人間は消える。富田仲次郎と江幡高志のコメディチックな空気感から外れた不気味さ、2人は目線や>>続きを読む

悪魔の沼(1976年製作の映画)

5.0

赤と青の照明、妻のアザ、異常な夫、酒場の気狂い、娼館の夫人、辺りを破壊する大鎌、閉じ込められ続ける2人、床下のネヴィル•ブランド。ネヴィル•ブランドの意味をなさないボヤきと同じように、そのほとんどが物>>続きを読む

オペラ座 血の喝采 完全版(1988年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

擬態カメラの真骨頂。羽が落ちる際に90°動かしたり、観客の周りを浮遊、犯人、カラス、出鱈目に動き回って全く俯瞰していないのが素晴らしい。Steel Graveの音楽、ラストの追いかけっこまで突き抜かれ>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.5

現代映画のテンプレート、顔のアップ、高頻度のカッティング、心境に沿ったBGM、抱き合う2人の表情ショット、モノローグを差し込みながら、明らかにその解体をやってのけた映画。例えば声、モノローグの演出から>>続きを読む

スリープレス(2001年製作の映画)

4.0

視点ショットの擬態、カメラを明らかに生物として扱っている。犯人の顔、素晴らしすぎてびっくり。

仕組まれた罠(1954年製作の映画)

5.0

あんなにも乗客が乗り込んでいるというのに、まるで生気を感じさせない運転席の空間。ラストミニッツレスキューなんざ起こるはずもない隔絶された空間。殺人が警察に追及されることもなく、ブロデリック•クロフォー>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

5.0

レオーの切り返しやばすぎ、完全にイカれた人間の目。レコードに合わせて口笛、社会構造をバカにして、死とセックスをする。元カノを殴った話をする時の真正面カット。ガラスに写って登場するラフォン。レオーは4度>>続きを読む