素晴らしすぎた。近未来、不治の病と診断され、ある実験を提案された主人公のキャメロン・ターナーの選択。大好物の切ない系SF大傑作。自分の心の奥にある梅干しの種の中身みたいなものがキューっと締め付けられ号>>続きを読む
音楽恋愛映画の名匠ジョン・カーニー監督待望の新作。シングルマザーのフローラと反抗期の息子マックス。こんなにも真っ直ぐな物語なのに深く刺さってくるのはジョン・カーニー監督が心底本気で音楽の力を信じている>>続きを読む
西川監督デビュー作。
平泉成さん大谷直子さんが夫婦役という最強。宮迫さんが気持ち良いほどの小悪人役という西川監督の先見の明。つみきみほさんもとても良く、キャスティングの素晴らしさもデビュー作から確立>>続きを読む
火事ですべてを失った夫婦。シリアスな物語かと思いやコメディ色強め。安心して観ていられるキャスティングも素晴らしい中、松たか子さんが出色。
自分と相性が良すぎる西川監督作品ですが、この作品では少年恵太>>続きを読む
予備知識ゼロでの鑑賞ですが、このキービジュアルからまるで想像できない作品だった。「対比」がキーワードであらゆる相反する要素が同居。ロマンでリアル、上品で下品。寓意と皮肉。繊細に色調を変えるモノクロの表>>続きを読む
西川監督作品4作目の鑑賞。もはや自分にとって「完璧な監督」のひとりになりました。どの作品にも共通するシニカルかつ温かな目線。泣き笑いのバランス。重いのにどこか軽やか。凡百の監督ならお涙頂戴に持ってゆく>>続きを読む
「こんなにフェミニズム全開で男性大丈夫?」という感想を少なからず目にしますが、ケンの存在、心情も丁寧に描かれているのでフェミニズムより「あなた自身を生きて」という強い想いを感じた。むしろ僕を含め「男た>>続きを読む
『フレンチアルプスで起きたこと』『ザ・スクエア 思いやりの聖域』に続き皮肉三部作の様相。そしてひとつの到達点のような突き抜けた完成度。素晴らしかった。
皮肉で嫌味で下品で本質でどうしようもなく人間>>続きを読む
西川監督作品鑑賞3作品目。冒頭たった数十秒で本木雅弘さん演じる人気作家衣笠幸夫の人間性を伝えきる描写からもう巧すぎ。以降登場人物の言動が体感レベルで伝わり大没入。西川監督は自分に合いすぎる。
濱口竜>>続きを読む
好きすぎた。バーバラ・ローデンの半自伝的デビュー作にして遺作。
キービジュアルから雰囲気重視の作品を予想しましたが見ごたえのある脚本と、監督・脚本・主演のバーバラ・ローデンをはじめどこを切ってもお洒>>続きを読む
実際に起こった凄惨な性暴力事件を基にしたキリスト教一派の女性たちの生きざまを描く。暴力的描写は一切なし。人生を賭けた話し合い。唯一の男性であるオーガストの存在が素晴らしく「男=悪」とは描かない細やかさ>>続きを読む
凄まじい作品。予想以上に難解なダークファンタジーながら世界観はもう圧倒的に好みで一度では理解しきれない部分を飛び越えての感動。これが82歳のイマジネーション?と敬服超えて畏敬。物語を超えて宮崎監督が伝>>続きを読む
最高。普通にしっかりとしたシナリオなのにあまりの無茶展開の応酬に「シナリオいらなくない?」と何度も声を出して笑った。以前は長く感じたダンスシーンがもはや物足りないくらいだった。インド映画に完全に順応し>>続きを読む
すべてが良かった。
「食人」がテーマなので少々グロいシーンはあるものの完全に寓話と観たので泣けて仕方なかった。トレント・レズナー&アッティカス・ロスによる音楽もベストワークではという素晴らしさ。NI>>続きを読む
一人っ子政策をテーマとした作品には名作が多いですが、更に家父長制、男尊女卑、女性の社会進出等デリケートな問題を重ね描く。中国にはどれだけ映画にならない物語が存在するのだろうかと思いを馳せてしまう。>>続きを読む
癖が強いダーレン・アロノフスキー監督の新作ですが、「レスラー」の方のライトサイド・アロノフスキー全振りで仕上げた感動作。何度もキービジュアルを見ていたのにブレンダン・フレイザーだとはまるで気付かなかっ>>続きを読む
妻に先立たれた初老の男。一切の家事を任せ「便利に使っていた」娘が嫁ぐ日。まさに身につまされる切なさですが、こうならないよう我が娘には一切の家事をさせてこなかったので、当然一切の家事が出来ない娘に仕上が>>続きを読む
ゆれまくった。素晴らしい。サスペンスとしてだけでも相当面白いのに兄弟間の確執がとてもリアルに描かれ、濃厚な人間ドラマを観た余韻。香川照之さんの演技を初めて観ましたが、こんな素晴らしい(凄まじい)演技を>>続きを読む
この脚本であればばあらゆる方向に首根っこを掴んで揺さぶれるのに揺さぶらないのが是枝監督たる所以。自分のように「揺さぶられたくて」貪るように映画を観る人間より「娯楽」として観賞する人の方が圧倒的に多いわ>>続きを読む
放射能、介護、新興宗教、病気、障害者差別等々誰の人生の傍らにも存在する問題を主人公依子の人生に落とし込む。素晴らしかった。もはや名匠の域。
家庭に起きた小さな波紋はいつまでも消えることなく確実に広が>>続きを読む
第二次世界大戦後のレニングラードで生きる2人の女性。PTSDに苦しむイーヤと戦友マーシャ。戦場を一切描かず戦争のもたらすものを伝える。全方位から凄まじく重いものの、映像の美しさ、インテリアや服装の可愛>>続きを読む
ノルウェーのオスロに暮らす日本のポップカルチャー好きの15歳の少女ヴィルデ。ポップなキービジュアルから想像するイメージとは真逆の作品。素晴らしかった。
ヴィルデにとって「Harajuku」はユートピ>>続きを読む
1960年代フランス。大学生アンヌの予期せぬ妊娠。
鬱映画ランキングのかなり上位に食い込む作品。しかも痛覚描写が強烈で何度も薄目になった。ここ日本でも度々痛ましい乳児産み捨て事件が報じられ、赤ちゃん>>続きを読む
“時間”が“通貨”となった世界。人生のベスト5作品に入る「ガタカ」のアンドリュー・ニコル脚本監督作品でありながら「主演ジャスティン・ティンバーレイク」の壁が厚くここまで放置してしまったのですがドツボど>>続きを読む
凄まじかった。大筋は天才的な女性指揮者リディア・ター(ケイト・ブランシェット)の生き様を描いたシンプルな物語ながら取り巻くエピソードと時間軸いじりどころではない複雑な構成と演出で、一度で完全に理解出来>>続きを読む
「EUREKA ユリイカ」が刺さりすぎ、なかなか次の作品を鑑賞出来なかったのですが、青山真治監督の遺作となってしまったこの作品を。
原作は未読ですが、孤独と虚無感に彩られた演出が素晴らしく、多部未華>>続きを読む
西川監督作品初見。素晴らしすぎた。人生のほとんどを刑務所で過ごした三上(役所広司)の出所後。
凄まじいリアリティ。短気は損気。役所広司さんの素晴らしさにはもう言葉なし。一見心無い風の長澤まさみさん演>>続きを読む
近年割りと落ち着いた作風が続いたアルモドバル監督。このまま「名匠」への道一直線かと思いきや久々に『私が、生きる肌』ばりにひねりの効いた作品を届けてくれました。冒頭からめくるめく展開。
意味深なタイト>>続きを読む
ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」をペドロ・アルモドバルが自由に翻案。ティルダ・スウィントンによる電話での会話のみの30分短編。さながらアルモドバル監督とティルダ・スウィントンの一騎打ち。相手の声は一>>続きを読む
奇跡のような作品だった。岩井監督作品まだ3作目の鑑賞ですが、おそらくマイベスト。おしゃれイメージしかなかったのにグロ演出はあるしタランティーノ並にぶっ飛んだ感性だし。自分こそが先入観にとらわれていた。>>続きを読む
深淵で哲学的な世界、凝りに凝った映像、10年前の作品なのに「無意味な仕事」「追いかけてくる広告」「ありとあらゆる事が禁止の公園」「超監視社会」などさすが預言者ギリアムな描写の数々。マイオールタイムベス>>続きを読む
舞台は「ファイブ・デビルズ」というどこか不穏な名前の村。フランス山奥の壮大なロケーションが素晴らしい。「タイムリープ・スリラー」と謳われてますが、そんなちっぽけなカテゴリーに収まる作品にあらず。同性愛>>続きを読む
ジョウ・シュン目当てシリーズ。
脚本も映像もとても好み。さまざまな切なさつづれ織り。俳優陣も素晴らしい。ただこれは完全に好みの問題ですが、叙情的な音楽が頻繁に使用されすぎて少々胸焼け。「リリイ・シュ>>続きを読む
どこか意識的に避けてきた岩井俊二監督作品をようやく。
予想以上の暗鬱さ。常に死のイメージがまとわりつくのに美しい。閉塞的な町、ホモソーシャル感などの懐かしさ。自分の時代はカセットウォークマンだったし>>続きを読む
『「戦場のメリークリスマス」は俺だけになってしまいました。』
北野武さんのこんな言葉を聞いたら再鑑賞せずにはいられない。ボウイ、教授、ビートたけしという中学生当時の自分のヒーロー揃い踏み。もちろん観>>続きを読む