シシオリシンシさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

シシオリシンシ

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映画 刀剣乱舞-継承-(2019年製作の映画)

4.3

2019年公開映画のダークホース。ファン向けの実写映画にとどまらない「知られざる歴史暴き映画」として完成度の高い秀作。

本作の良点は舞台版の配役をそのまま続投したこと。演者は自身が演じるキャラクター
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.7

18才の若きジャズプレーヤーたちの1年半の刹那の記録。音楽映画というジャンルにおいて、まごうことなき傑作だ。

音響面は最強クラスに研ぎ澄まされた音を出しており、音の鳴り方に尋常ではないほど注力して作
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

グリッドマンとダイナゼノンのTVシリーズの続編にして二作品の世界観が融合したクロスオーバー作品。
どちらもTVシリーズの結末は申し分の無い有終の美を飾ったが、あえて残した空白がある。その空白を本作では
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劇場総集編 SSSS.DYNAZENON(2023年製作の映画)

4.2

TVシリーズの総集編。私の元作品の評価は満点として本劇場総集編を批評する。

元作品は複数の主人公の視点で描かれる群像劇として高い完成度を誇る作品だったが、本作では思いきって麻中蓬と南夢芽のドラマに絞
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劇場総集編 SSSS.GRIDMAN(2023年製作の映画)

3.3

TVシリーズの総集編。私の元作品の評価は満点の上で本劇場総集編を批評する。

元作品が1クールものなので120分の尺があれば十分描ききれるかと思っていたが、このアニメを一本の映画にまとめるのは実は至難
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

原典へのリスペクトとエンターテイメントとしてのバランスが『シン』シリーズではいちばん取れた映画になっていたと思う。
オタクへの目配せとそれを手玉にとるサプライズは三作目ともなると実に手慣れたもので、庵
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.9

本作はアントマン単独作というより、フェイズ5導入編として観るのが視聴態度として正解。
マルチバースサーガのメインヴィランであるカーンがどのようなキャラクターでどんな驚異であるのか、それを観客に知らしめ
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ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…(2023年製作の映画)

3.8

TVシリーズのその後を描く完結編。

本作は何より、実直に人間ドラマを軸に描いている点が凄く良い。カナタ・イチカ・リュウモン、それぞれの進む道への迷いと乗り越えをしっかりTVシリーズのドラマを活かした
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前々から気になっている作品だったが、本作が今年のアカデミー賞を席巻したというニュースを聞き、いち早く観なければと思い立ち観賞。

プロットの複雑さと主婦+カンフー+マルチバースを融合させた凝ったSF設
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

4.1

私自身リアルタイムの視聴者であり、少なからず私の人格形成に影響を与えたドラマの16年ぶりの続編。この映画を見るにあたり直前にTVシリーズを全て復習した状態で観賞に臨んだ。

16年ぶりの完全新作にして
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ある男(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

愛したはずの夫は、全くの別人でした。という象徴的なコピーが牽引するヒューマンミステリー。

「谷口大祐」という男が死んだ。大祐の妻「里枝」が、あるキッカケで死んだ夫は名前も知らない正体不明の別人である
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仮⾯ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル(2022年製作の映画)

3.8

良い意味で無難な劇場版。
やりたいことを欲張らずに取捨選択し、手堅く纏めた良い番外編だった。

リバイスパートは、幸四郎の悪魔とバイス復活に焦点を絞ったことで、スッキリストレスなく観られる作りになって
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

2.8

ティ・チャラ=チャドウィック・ボーズマンの追悼と新たなブラックパンサーの誕生を描いたMCUの最新作。主演俳優の死去への鎮魂と追悼、MCUのストーリーを進めなければならないという試練を前に、よく頑張った>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.5

10代少年少女の繊細な心のSOSに応じる、救い手や支え手となってくれる物語。
この映画を必要とする少年少女たちは時代を問わず必ずいる。

『カラフル』の時も思ったが、原恵一監督は人生の淵に立たされてし
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ホラーを出発点にジャンルが二転三転する総合エンターテイメントムービー。
かといって荒さは一切なく、丁寧な画作りと脚本、斬新なクリーチャー描写と魅力的なキャラクターたちのドラマで観客を惹き付ける力を持っ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

本編2回観賞、小説版読了の上での総評。

神話学者のジョーゼフ・キャンベルが『神話の力』という自著で、古来より人間は災害や厄災という抗えぬ自然の摂理を乗り越えるために「神話」という物語を作ったと提唱し
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花の詩女 ゴティックメード(2012年製作の映画)

3.0

2012年の劇場公開より10年後のリバイバル上映にて初観賞。現状ソフト化や配信等の予定はなく、映画館でしか観ることができない作品をウリにしているということで観賞前はなかなか期待していた。

実際に観た
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

とにかく観客を楽しませることに特化した王道にして正統なるインド映画。
一応史実をベースに舞台設定されているが、エンターテイメントに振り切った作りになっているので時代性やテーマに重きを置いた作品ではない
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ノー・シャーク(2022年製作の映画)

3.8

毎年暇がなく製作されるサメ映画という一大ジャンルにおいて、カウンターを食らわせてきた作品。
サメに食べられて死にたい主人公の倒錯的な思考と繊細な感情の移ろいが全編完全にモノローグでのみ語られている純文
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム THE MORE FUN STUFF VERSION(2022年製作の映画)

4.8

2022年、私の観た劇場公開映画の暫定1位作品のディレクターズカット版。
公開版では作品を総括した短評を投稿したが、今回は本作NWHの成した偉業を具体的に記したうえで、追加シーンについての印象も語って
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

さかなクンの自伝映画と聞いて、はじめはこの手のジャンル邦画には食指が動かず、気になる点はさかなクンにあたる主人公をのんが演じるということくらいだったのでスルーが妥当かと思っていた。
そんなとき、公開後
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

あの『国岡』の続編がアイドル映画だと!?
普通のシリーズ映画なら不安材料になりえる悪魔的な組み合わせだが、予告編で感じた「絶対面白いぞコレ」という予感に後押しされ劇場にて鑑賞。
結果として『国岡シリー
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「どんなに離れていても 愛することはできる」
逆に言えば愛することしかできないし、愛し方は人によって違うし、その違いが隔絶になることもある。

この映画の登場人物は慈愛を持っているし優しさや他人を思い
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

不気味で不可思議なビジュアルや予告編の不穏さから不条理ホラーのようなジャンル映画かと思われたが、実際に観てみると高度にデフォルメ化されたヒューマンサスペンス、もっと言うなら2つの家族間の子供をめぐる親>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ジョーダン・ピールの作家性を語る上で重要なのはどの作品も根底にSFがあることだ。
彼の主戦場はホラーだが、いずれの作品にもサブジャンルとして寓話的SFのテイストが根にあることがうかがえる。

本作では
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

4.5

ダウナーな一発ネタのフェイクドキュメンタリーかと思いきや、練られた設定とキャラが立ちまくった殺し屋たち、そしてリアリティとハッタリを見事に両立させた銃撃&アクションに心を持っていかれる大当たりの掘り出>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.7

トンチキニッポンの新幹線を舞台に個性的な殺し屋達が大暴れする頭カラッポで楽しむアクション映画!
…かと思いきや、意外と独自の哲学に則った映画だった。この哲学性は原作から来るものだろうか?

ブラピ演じ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

物語構造に独自のひねりを加えたジョーダン・ピール流SFスリラー。

物語の途中まではUFOが片田舎でキャトルミューティレーションをやっちゃう王道のSFスリラーと思わせておいて、実はUFOの正体は人間も
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.8

タイの「とある女神」に仕える巫女の継承を追うカメラによって語られるフェイクドキュメンタリーホラー。

本作はPOV=主観ショットによって撮られた映像で作られているが、複数のカメラクルーにより別々の登場
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.9

評判通り、いや評判以上の悪趣味残酷変態映画。
画面の大半は鮮血と臓物で彩られ、欲望を解放された市民たちが嬉々とした笑顔で最低最悪の残虐行為を行う。
本作で流れる血の量は私が今まで観てきた映画でダントツ
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.9

最悪極まる地獄巡り映画。
この世の悪意と不幸と理不尽を86分に凝縮した、情けも容赦も救いも一粒さえない胸糞ムービー。

悪人はまあまあに酷い目にあうし、フラットな一般人はもっと酷い目にあうし、善人は死
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.0

フランス発、最高にサイコなアメコミヒーローパロコメディ。

監督兼主演のフィリップ・ラショーの前作「シティハンター」がその年のダークホースだったので、期待を込めて劇場で観賞。

「シティハンター」が原
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

前作観賞済み。4DX字幕版にて観賞。
空中戦と4DXの相性が非常に良く、パイロットにかかるGと大空を切る風を十二分に擬似体験できた。

ストーリーに関しては続編としてやるべきことを当たり前に消化しなが
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トップガン(1986年製作の映画)

3.8

続編マーヴェリックの観賞にあたり予習。
当方、今回が初見であり戦闘機に関しての造詣は薄い素人でございます。
そのため冒頭の空中戦はどれが敵でどれが味方か識別するのに一苦労。
だが終盤ともなると機体の挙
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劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア(2022年製作の映画)

3.4

・設定周り
・ケイン・コスギと八嶋智人の魅力的な悪役演技
・充実した生身アクション
・技とフォームチェンジを畳み掛ける変身アクション
・満を持しての兄弟合体変身
・五十嵐一家の衝撃の事実

どれもワク
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暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー(2022年製作の映画)

4.0

良い意味でいつもドンブラザーズ。暴太郎戦隊ドンブラザーズのファンならば99%満足できる短編である。かねてよりドンブラに魅了されてきた私としては非常に満足できた一本だった。

スーパー戦隊シリーズの劇場
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