シシオリシンシさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

シシオリシンシ

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暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー(2022年製作の映画)

4.0

良い意味でいつもドンブラザーズ。暴太郎戦隊ドンブラザーズのファンならば99%満足できる短編である。かねてよりドンブラに魅了されてきた私としては非常に満足できた一本だった。

スーパー戦隊シリーズの劇場
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.2

4DX3Dにて観賞。4DXの恩恵でバトルシーンの臨場感はマシマシだったが、3Dの良さを今回は実感できなかったので3D上映の意味はあまりないように感じた。

ソーシリーズの前作「ラグナロク」がそれまでの
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犬王(2021年製作の映画)

4.5

和製ミュージカル映画としてカテゴリーすべきなのだろうが、そういったジャンル映画の域を軽々と飛び越える躍動と熱狂とパワーに溢れた傑作。

湯浅政明監督は「四畳半神話大系」「ピンポン」「映像研には手を出す
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.5

TVシリーズは2シーズンとも観賞済み、いずれもその年のベストに入れたくなる傑作級の日常アニメだった。そのTVシリーズを手掛けた磐石の布陣に期待と、ゆるキャンらしからぬコンセプトに不安を抱きつつ観賞した>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.3

ライトでポップでハートフルな序盤から取り返しのつかないダークな泥沼へと誘うストーリー展開は流石の吉田恵輔監督、期待を裏切らない良作。

神様のように人が良い主人公田母神さんと芽がでないYouTuber
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.4

とある赤ん坊をめぐる奇妙な縁で繋がった者たちのロードムービーにして群像劇。

「赤子の売人」という字面だけ見れば嫌悪感を抱かせる存在を主人公に据えた作品だが、赤子を捨てる側、売る側、買う側、売人を捕ま
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ミニパト(2001年製作の映画)

3.8

パトレイバーという作品の偏執的なまでのこだわりやメタを交えた裏設定を紙人形アニメーションとコミカルな語り口で映像化した全三話の短編集。

併映作の「WXIII」のシナリオがパトらしからぬ異色作であった
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ロスバンド(2018年製作の映画)

4.1

ノルウェー生まれのジュブナイルバンドロードムービー。

本作の魅力はロスバンドのメンバー4人の年齢の幅広さが奏でるアンサンブルにある。これはドラマ的な意味でも音楽的な意味でもそうである。上は17才から
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WXIII 機動警察パトレイバー(2001年製作の映画)

4.0

BS12にて視聴。本作は過去に二回観賞したが、これまではこの作品に良い印象を持てなかった。
だが今回の放送でそんな認識を改めさせられた。
この映画、けっこう良かったのである。

これまでのパトシリーズ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

初代ウルトラマンの概念を現代に復活する、という目的において本作は最適解の映画となった。リスペクトとウルトラ愛に溢れた秀作。

まずオープニングからウルトラQのリブートでスタートするのは嬉しいサプライズ
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.4

初めて本作を観賞したのは中1のときの2002年…期せずして本作の時代設定と同じ年だ。
ケーブルテレビの放送でパトレイバーファンとなった私はパトの完結編ということで観賞前は期待に胸踊らせていた。
だがお
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

4.2

映画として非常に丁寧に作られたシリアルキラーミステリー。
本作は小説原作だが随所に映画的技法が巧みに使われ、台詞だけでなくちゃんと映像で語っているので映画にする必然性が感じられた。

冒頭の火葬と水門
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

4DX3Dで観賞。「ワンダヴィジョン」と「WHAT IF…」履修済み。

エンターテイメントとして普通に面白い作品。一定以上の面白さをコンスタントに提供できるのは流石MCUといったところ。
ただ最低限
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

5.0

娯楽性と押井守監督の作家性が見事に両立されたロボットアニメ映画の金字塔、紛れもなき名作である。

陰謀ミステリー、人間味あるキャラクタードラマ、要所で味を出すコメディ、そしてリアルロボットによる大活劇
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

心あたたまるハートフルムービーと期待して観賞。

だが実は、子育てや人間同士のコミュニケーションの難しさが重きに置かれた「しんどい映画」だった。
もちろん予告のような大人と子供が通じあったあたたかなシ
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.4

予告でのジャンルの闇鍋さに興味が湧き劇場へ。

①シチュエーションスリラー
②戦争モノ
③ジェンダー問題
④モンスターパニック
と欲張り弁当のようなジャンルの盛りっぷりからどんな怪作がくるのかと身構え
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.6

予告篇の雰囲気がいい感じに好みだったので劇場で観賞。

なにも考えずに楽しめる分かりやすい作品ではないが、観賞後は心に確かな情感が込み上げてくる、良い意味でミニシアター系らしい一作だった。

記憶喪失
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

2.8

2021年ベストと推す声の多さにひかれてプライムビデオで観賞。

多様性の理想郷を体現したステージというテーマは分かる。それはきっと表現できていたのだろう。
だがこれを映画として観ることの面白味や必然
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.7

「なんて変な映画だろう」という第一印象だった。
会話の感じはパッと見リアルなのに、突然突き放したようにアンリアルになる不思議な空気感。

なのにいつの間にか魅了されていた。

長回しで、演技なのか、棒
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.1

実家暮らしでボンクラだけどカッコいいバーテンダーのチャーリーおじさんが凄く魅力的。
「本当の男とはなにか」をおじさん流に主人公JRに伝授するのだが、彼のボンクラ感ある論理に笑いながらも、人生経験上の含
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.3

1920年代のカウボーイの話で、廃り行くものの哀愁や古きマッチョな価値観のままでいる愚かさを描いた作品なのだなと前半までは思っていた。正直、面白さを汲み取れず退屈さも感じていた。

だが後半で、ある対
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.9

まずファーストショットが見事。古き良き平和な故郷が一挙に争乱に塗り替えられるシーン。このシーンは主人公である少年バディのフェイスアップで描かれており、ベルファストという街が暴動で変貌するさまが彼の表情>>続きを読む

ウルトラマントリガー エピソードZ(2022年製作の映画)

2.8

ティガオマージュに傾倒したTV最終回よりはトリガーという作品らしさが感じられた1本。

特撮パートはスクリーン映えするショットも多く流石の一言。

話としては可もなく不可もなくといった感じ、特段語ると
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.5

約三時間の長尺かつ、アメコミヒーロージャンルなのにクライムミステリーに大半の尺が割かれた異色作。しかしこのミステリーがしっかり面白く描かれていており、長尺でも退屈せず物語に引き込まれていた。

バット
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声もなく(2020年製作の映画)

4.5

クライム疑似家族形成ムービーと言うべきだろうか。クオリティの高い秀作。

サスペンスとハートフルを両立させ、ときに血生臭さとユーモアを交えた、奇妙ながらも不思議とバランスの取れた、ちゃんと面白い映画で
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仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

10年前、終末を否定した主人公が、自身の終末を受け入れる話。
火野映司という人間の欲望の成就が描かれていて、個人的には満足できる完結編だった。

今作はMEGAMAXや平ジェネFINALのように従来の
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誰かの花(2021年製作の映画)

4.3

初監督作ながら極めて抑制した演出が成されており、丁寧で落ち着いた作りのドラマだった。

映画全体が独特な緊張感に包まれていながら、ゆったりとした空気感も両立されており、不思議と退屈しない画面作りになっ
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仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(2022年製作の映画)

2.3

TVでは出来ない重い話をしたい、というのは分かる。だがそれを主題にしてはいけないだろう。

本作には剣士たちの戦いの影で犠牲になった一般人たちという本編の裏の話がメインに据えられている。
これがゴース
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

心地よい空気感で描かれる喪失と充足と出会いの追憶。

トリッキーな構成、限定的な時制、現実感のある掛け合いとひとつまみの幻想、そのどれもが良い方向にまとまった秀作。

時制を喪失から出会いまでにさかの
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

聾唖という難しい題材を取り入れた音楽映画だが、普遍的なコミュニケーションの物語でありキャラクターの思いや感情が観客に分かりやすく伝わっていた。
伝える力のある映画は強い。

王道かつバランスの良い仕上
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

2.0

悪い意味で凡作。
終盤のアクションまでひたすら退屈な映画。
ここまで語り甲斐のない映画も珍しい。

グッバイ、ドン・グリーズ!(2022年製作の映画)

4.1

会話の距離感に10代のリアルを感じた。
ギャグのスベりが多かったが、これは意図してのことか?

台詞で人物の背景は説明されないので映像や演技から物語の奥行きを見透す眼が必要な作品。

死生観がテンプレ
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さがす(2022年製作の映画)

4.6

映画的技巧の凝らされた極上のノワール。

予告のストーリーの印象からどんどん離れて、深みにはまっていくストーリーテリングは実に見事。

娘、指名手配犯、父と語り部が切り替わることで、巧みに伏線が回収さ
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.9

良い意味で凡作。

今の時代に問うとか、史実の知られざる側面を伝えるとか、イーストウッドがそんな使命感から解放され作った、ただのロードムービー。

これまでの監督の近作に比べ、主人公に都合良く話が運ぶ
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

1.7

違う、そうじゃない。

ワクワクもスパイガジェットも愉快な悪趣味さも痛快アクションもない。

キングスマンに期待する要素が根こそぎ欠け、この映画の主軸の戦争要素では従来シリーズの面白さを到底カバーでき
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.8

前人未到のクロスオーバーと現シリーズの完結を破綻なく両立してのけた傑作。

脚本が大胆かつ丁寧で各キャラの理解深度が深い。観てる間ニヤニヤが止まらない至福の時間だった。

初日は観客の空気の一体感が実
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